スーパーの品出しはどんな仕事?意外なきつさや楽しさを経験者が解説!
日々お世話になるスーパーには、たくさんの商品が陳列されています。その商品の陳列を行う仕事を「品出し」と呼びます。
この記事では、これからスーパーで品出しのアルバイトをしたいと考えている人に向けて、品出しのアルバイトの実際のところを書いていきます。
この記事を読めば、スーパーの品出しのアルバイトがどのような仕事内容なのか分かるようになります。
なお、筆者は若いころ、地方都市のスーパーで高齢者と共に品出しのアルバイトをしていました。この記事には、筆者ならではの経験談が随所に込められています。
目次
品出しってどんな仕事?
品出しのアルバイトとは、具体的にはどのような仕事でしょうか?
一口にスーパーの仕事と言っても、多岐に渡ります。レジを打つ人とお惣菜を作る人ではまるっきり仕事内容が違いますよね。品出しには品出しの仕事内容があります。
品出し
品出しは「ただ商品を出すだけ…」と考えているのなら、それは違います。品出しには、「前出し」という作業が必ず伴います。賞味期限の迫った商品を前に出して、奥の方に新しい商品を詰めるのです。
この前出しは、品出しを行わない商品に対しても行います。持ち場の全商品をチェックして、前の方に揃え、商品の表面が前に出て商品がきちんと見えるように商品を整頓していくのです。例えば、円柱形の商品のパッケージ面をきれいに前向きに揃えたり、側面に賞味期限が印刷されているものはなるべくその側面を前向きにしたりします。
この品出しと前出しは、時間を分けて行っている場合が多いです。
まずバックヤードから商品をカートに入れて持ち出して、補充。その後に、全商品の前出しを行います。
前出しは一つの商品にかけられる時間がとても短いです。棚に並んでいる商品を、次から次へと、手早く揃えなくてはなりません。前出しは熟練がいる作業ではありますが、慣れると、あっと言う間に商品を整理できるようになります。
在庫の確認
在庫の確認も、品出しのアルバイトの仕事の一つです。
バックヤードにはたくさんの商品の在庫があります。それらの中で、まだあるもの、もうなくなりそうなものは確認しなくてはなりません。
たいていのスーパーでは、売れ筋商品が決まっています。商品によって、一日に売れる個数はまちまちです。だから在庫が足りるかどうかはその商品によります。また、商品の発注個数もまちまちです。しかしこれも慣れです。不思議と慣れます。
商品の発注
そして商品の発注も、品出しのアルバイトの仕事です。自分の持ち場の商品の在庫がなくなりそうなら発注をかけます。
このとき、商品によっては翌日以降の天候や気温、また地域のイベントや年金の支給日、そしてもちろんスーパーの特売品などに合わせて、どれだけ商品が売れるのか予測を立てて発注します。
この部分はいくらPOS(レジで商品のバーコードを読み取って金額を表示し、同時に売れた商品を集計し、今どれくらい売れたか、どれくらい在庫があるか分かるシステム)があるとはいえ最終的には人間の判断ですから、経験がものを言います。
しかし予測を立てて、それが的中してたくさん売れた時などはうれしいものです。やりがいを感じられる一瞬です。
レジ打ち
品出しだからレジ打ちはしなくてもいい…そう思っていると、たいていの場合痛い目に遭います。
スーパーもお客様商売、お客様がたくさんいらっしゃってレジが回っていないときには、品出しのアルバイトもレジ打ちに回らなければなりません。
と言っても、最近のスーパーのレジ打ちはそんなに難しい仕事ではありません。ただバーコードを読み取るだけ。唯一気を遣うのは、お釣りを渡すときです。これは絶対に間違えてはいけません。
スーパーでは一日に一度レジに入っている現金と集計された金額が正しいかどうか、現金を数えてチェックします。レジを打った人も分かるようになっていますから、誰がどれくらい間違えたのか分かってしまいます。
とはいえ、数十円の間違いなんて毎日誰もが発生させています。そんなに気負わずにやってください。
品出しは何時から始まる?朝早いの?
筆者は24時間営業のスーパーの深夜のアルバイトでしたので、ここでは深夜の例を書きます。
午後10時~午前0時:レジ打ち
午前0時~午前2時:品出し(日用品など)
午前2時~午前5時:前出し
午前5時~午前7時:品出し(パンなど)、レジ打ち
間に休憩がたっぷり2時間入っていました。
品出しは夜間に日用品を出して、朝は配達されたパンなどを出します。やはり日配品(食料品など)は朝から陳列しなければならないので、昼間のアルバイトの人も午前7時や8時には出社して持ち場の品出しを行っていました。
と言っても、スーパーは長時間営業している店がほとんどですから、働く時間は自由に決められる場合が多いです。自分の都合に合わせて無理なく働くことができます。
Q:24時間スーパーでは早朝以外に深夜のシフトもあったりするの?
A:もちろんあります。深夜は男性のみのスーパーが多いですが、昼間より時給が高く、割のいい仕事です。深夜の責任者になる道もあります。深夜といっても立地によってお客様は来店するので、その場合、レジ打ちも兼ねることが多いです。
50代60代や女性でも品出しは続けられる?
結論から言うと、50代・60代の方や女性の方でも品出しのアルバイトは続けられます。
重いものといっても、最大でも2リットルのペットボトルです。そんなに重い商品は数少なく、たいていの商品は軽いものです。体力が必要とされる仕事ではありません。またカートで商品を出してくるときもそんなに体力は要求されません。
実際筆者と一緒に働いていた人には60代のリタイア後の人もいました。深夜の責任者もリタイア後の再就職の人でした。
Q:50~60代のスタッフや、責任者をされていたリタイア後の方は、品出しの仕事にどのようなやりがいをもっていらっしゃいましたか?
高齢者の方は、マネジメントスキルがありますから、責任者の仕事にやりがいをもっていました。質問をなされるお客様に対しての対応など、若輩者の筆者には見習うべき点がたくさんありました。
また、品出しは持ち場を任せられますので、任せられている感覚が大事だったように見てとれました。他には、私が働いていたスーパーはマンションの一階だったのですが、そのマンション内にだけは宅配をしていましたが、それは高齢者の方の専門の仕事でした。若い人が行って失礼があってはならないという店長の判断です。
このような仕事を任せられるのは、人生経験豊かな高齢者ならではだと思います。
品出しの楽なところやいいところは?
それでは、品出しのアルバイトの楽なところ、いいところを3点挙げていきます。意外な発見もあるかもしれません。
運動になる
品出しは立っての仕事ですので、運動になります。
しかも同じ姿勢をずっと取っているわけではありません。特に上半身がせわしなく動きます。かと言って本格的な運動並みに動かすのではなく、あくまでも品出し・前出しでのことですので、無理のない動きです。適度に商品にやや重めのものが混じっていることもいいですね。
品出しをしていれば、日常で運動していなくても体は適度に疲れ、いい睡眠が取れること間違いなしです。
業務が適度にいろいろあり、飽きない
品出しは発注やレジ打ちも行いますので、業務の幅が広いです。一日の内に複数の業務をこなしていると、仕事に飽きません。また、発注の際には頭を使って考えます。単純労働ではないのです。
反復労働のように見えて反復労働ではない品出しは、飽きずに続けられる仕事だと言えます。
Q:商品の売り場など覚えることって沢山ある?なれるまでどれくらいかかる?
A:覚えることはある程度はありますが、頻繁に商品が変わるわけではないので、すぐ覚えられます。だいたい大枠で仕事内容は変わりません。慣れるまでは一月ほどでしょうか。一月経てば、別人のように仕事がこなせるようになりますよ。
前出しが快感!
品出しのメイン業務である前出しですが、慣れて、短時間でピシッと商品を整理できるようになると、自分の作業した棚を振り返って、「なんてきれいなんだ」と思えます。きれいに商品が陳列された棚は、誰が見ても見栄えがいいものです。
筆者は深夜にアルバイト2人で店内全ての前出しを行って、それぞれ店の違う端からスタートし、どちらが多く前出しできるか毎日競争していました。勝ったり負けたりでしたが、先輩に勝つととても嬉しかったのを覚えています(なかなか勝てませんでしたが)。
また、一口に前出しといっても商品ごとの特徴を見極めねばならず(商品の形はまちまちで、同じ形のものが隣り合っているとも限らないので、商品の数だけ前出しの方法はあると言っても過言ではありません)、なかなか奥が深いのです。前出しの快感は経験すれば分かりますよ。
Q:品出しを始めたときに苦労したことは?
A:前出しが、慣れるまでは一苦労でした。とにかく時間がかかってしまって、時間内に終わらないのです。考えながら手早く商品を揃えるのは最初の内はなかなかできません。これは慣れです。不思議と慣れました。
慣れてからは、ハイスピードで前出しできるようになりました。他に苦労したことはありません。
スーパーの品出しのきついところ
それでは、品出しのアルバイトのきついところを2点挙げていきます。どちらかというと、メインの仕事以外でのきつさですね。
嫌な客が来る
お客様商売ですから、嫌な客は来ます。嫌な客と言っても様々ですが、ときにはクレーマーが来ることも…。
クレーマーへの最終対応は店長がやりますが、まずクレームをつけられるのは店に出ているアルバイトです。
筆者はとにかく謝るようにと教えられました。それでも、嫌なものは嫌です。しかし、50代60代の方であれば人生経験も豊富、嫌な客が来ても余裕の姿勢で対応できます。筆者は若かったですから、余裕がなかったのだと思います。
音楽が嫌いになる
実は、個人的に一番きつかったのはこれです。スーパーによくあると思うのですが、有線放送の音楽をかけているスーパーがあります。
たまに行くならいいですが、例えばJ-POP最新ヒットなんてチャンネルになっていると、同じ歌が一日何度も流れて、それを毎日聴くことになります。それが苦痛でした…
筆者は音楽が好きな方なのですが、さすがにそのヘビーローテーションは苦痛になります。仕事を始める前は予想していなかったポイントでした。耳を塞ぐわけにもいかないので、聴くしかありません。
どんな人がむいている?
品出しのアルバイトは万人ができそうな感じもしますが、向いている人と向いていない人がいます。
スーパーの品出しにむいている人
まず、黙々と仕事をこなせる人です。それでいて、ミスがない人。
品出しの仕事はそんなに大きな仕事ではありません、細かい仕事の集積です。レジ打ちも、お釣りの受け渡しは非常に細かいです。そんななかで、仕事をやり遂げられる人。そういう人が向いています。
対人関係が苦手と言う人も、大丈夫です。対人関係が必要そうなレジ打ちも、実はそんなに対人関係が必要とされる仕事ではありません。基本的に品出しのアルバイトに接客はないので、大丈夫と言えます。
スーパーの品出しにむいていない人
商品は床から高いところまで向いていますので、腰痛の方や、体に痛いところが出てきた方には向いていないかもしれません。また、立ち仕事が出来ない方も難しいです。しかし、基本的に体力の無い方でもできる仕事ではあります。
また、常に会話をしていたい人にも品出しのアルバイトは向いていません。会話ができる環境ではないからです。バックヤードで詰め物をしている人なら職場によっては会話できるかもしれませんが。
最後に、これはあらゆる仕事に言えますが、職場の仲間とうまくやれない人には向いていません。スーパーは一人でする仕事ではありません。常に何人か従業員がいます。従業員とうまくやれないのでは長続きしません。
まとめ
この記事ではスーパーの品出しのアルバイトの仕事内容について紹介しました。
筆者の職場では、高齢者の方々が活躍していました。書いてきた通り、品出しの仕事は多岐に渡り、飽きない仕事だから、やりがいがあるのです。それでいて外仕事ではなく、暑さ寒さは気にならない。スーパーの仕事は、高齢者向けの仕事かもしれません。
あなたもスーパーの品出しのアルバイトをぜひ一度検討してみてください。
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