警備員のバイトはシニアにもできるの?業務内容や給与、きつい点を紹介
50代以降になったら、若い人と違ってバイトを探しても、なかなか見つかりません。とくに男性は採用される業種・業態がせまくなります。
しかし、中には年齢不問で募集している仕事もあります。その一つが警備員。
シニア世代で再就職を考えている方のために、今回は実際に50代で警備員のバイトを経験した私が警備員の仕事の実態をお伝えします。
ネットでは「警備員バイトは楽だ!」という発言をよくみかけますが、実際体験した私からすれば、「とんでもない!警備員は結構きつい仕事」に思えました。
目次
警備員の種類と仕事内容
以下にそれぞれの仕事内容と特徴を紹介します。
輸送警備は現金や貴重品を依頼主にかわり運ぶ業務。身辺業務はSPやボディーガードです。ドラマでが木村拓哉さんが演じてますね。
輸送警備と身辺業務は経験と責任がともなう仕事であるのに加え、警備の中でも上位の資格が必須になります。新人バイトではほとんど任されない仕事なので、今回は割愛します。
基本である施設警備、雑踏警備、交通誘導の項目を押さえましょう。
施設警備
企業、百貨店、病院などの施設を見回ります。主に3つのことを管理します。
巡回警備:定期的に施設内全域を一定のコースを守って見回る。
常駐警備:決められた場所にたって出入りする人の流れを警備する。
機械警備:監視カメラの映像を見て不審なことはないか。
また、施設によっては、電話のとりつぎや納品物の配布など、施設の雑用をする場合があります。
雑踏警備
人手が多いイベントや催事などの際に、警備と誘導を行います。
多くの人が集まると、群集事故と呼ばれる将棋倒しなのどの圧死事故が起きる危険性が高まります。事故を防止するために、人のスムーズな流れを促す人員整理・誘導・案内などを行います。
イベントがある時だけの不定期の仕事になります。
交通誘導
車両が通行する時に危険がある場合に交通誘導を行います。
交通誘導には大きく「道路」「工事現場」「商業施設」などがあります。
道路
「道路全体が通行止めの場合」には通行止め区間に道路が侵入することを防ぎ、迂回路に車輌を誘導します。
「片側通行の場合」には片側車輌の車を交互に停止させ、渋滞しないように誘導します。
工事現場
工場現場では出入り口と敷地内での車輌を、危険のないように、安全に誘導します。歩行者や一般車両の安全を最優先させて、工事現場周辺の通行を誘導します。
商業施設
大型の商業施設で歩行者の安全確保をしながら、駐車場内に誘導します。
勤務体系は?
警備の勤務体系はケースバイケースです。警備の種類と、状況によってかわります。
雑踏警備の場合はイベントなどの特定の時間に集中するので交替はほぼありません。施設警備の場合は営業時間後の翌朝営業までの施設の雑用をほとんど任されます。
また、1日の稼働時間が長いので1日交替で勤務となります。結果的に月の勤務が最長でも15日前後になります。
労働基準があるのでたくさん働きたいと思っても限度があります。交通誘導や雑踏警備も状況によるので仕事がある時とない時の差があります。
警備員の時給は安い?高い?
警備員の仕事は全国平均で時給800から1200円になります。警備の仕事は夜勤や、野ざらしの屋外の仕事にも関わらず、同じ条件の仕事に比べて激安と言えます。平日昼間のパート・アルバイトがもらえる賃金と同じ位です。
それでも年齢制限もなく、運転免許や職歴スキルが不問の警備の求人応募は途絶えることはありません。
警備の時給を下げる業界の仕組み
警備の時給が下がるのは、業界の仕組みも関係しています。
警備の仕事は入札で決まります。相見積もりの中でより安い金額を提出したものが、仕事を獲得できるのです。
警備会社は少しでも利益を出したいので、同じ仕事でもできるだけ人員を少なくして、警備一人あたりの負担が増えているのが現実です。
警備の仕事に日払いはあるのか?
警備の種類によっては日払いが可能な求人もあります。求人サイトの【日払い】として検索するか、短期バイト専門サイトに掲載されています。
会社によって支払い体系が違うので、求人方法をよくチェックしてください。
警備員の仕事の楽なところ
私が実際に体験してみた警備員の楽なところ、きついところをお伝えします。
新任研修期間中でも給与がもらえる
警備員の仕事は未経験の場合、採用されても、すぐには警備の仕事に入れません。必ず一定期間の新任研修を受けることが義務付けられており、20時間以上の受講が必要です。そのため、約3日間は警備に関する基本的な知識を勉強することになります。
講義を受けている時間も給金が支払われます。じっと座って講義を受けるのは苦痛でもありますが、座っているだけでお金がもらえると思えばありがたいですね。
人間関係がない
仕事が覚えられるまでは、先輩について指導を受けますが、一通り仕事を覚えると、あとは一人で警備を行います。
警備先では上司同僚もいないのでガミガミ言われることはありません。
きついところは?
サービス残業あり拘束時間あり
私が勤務したのは病院で、求人欄には10時間の仕事で4時間の仮眠時間でした。
しかし、実質は病院に到着する前からの準備と勤務後の報告書の提出が義務づけられており、勤務の1時間前と1時間後ぐらいは拘束されました。
つまり、病院が営業時間外16時間をほぼ警備員が全ての雑用を担います。
仮眠時間と言っても、ベッドが硬く眠れないし、緊急の用があったら対応しないといけません。しかし給金は10時間分しかもらえませんでした。
覚えないといけないことが意外と多い
前述の通り病院内の雑用を一手に引き受けているので、日中に医療事務や受付がしていた業務を全部一人でやらないといけません。
出入り口や扉の開閉、電話のとりつぎ、救急患者の対応や救急車の搬入の準備、新聞配り、病院内のコンビニの商品入荷のための取次ぎ、患者が死亡した場合には遺体搬送車の出入りの準備、片付け。
多岐にわたる仕事をほぼ全部一人でこなしました。
報告書の提出は時間外
警備員は仕事が終わったら警備報告書を病院に提出する義務があります。報告書を書くのは時間外になります。これが慣れないと結構手間がかかりますが、それもまた時間外です。
夏は暑く冬は寒い
とくに雑踏警備、交通誘導ですが、屋外での仕事になります。野ざらしの中での立ちっぱなしは身体に応えるため、熱中症対策、冷え対策は必須です。
比較的、快適そうな施設警備ですが、どこの会社でも顧客がいないスペ-スには余計な光熱は使いません。従業員のいるスペ-スにはエアコンをつけてない場合が多いので注意してください。
シニアが警備員のバイトをするメリット・デメリット
シニアが警備員をするメリット・デメリットにはどんなものがあるでしょうか?いくつか列挙してみました。
メリット
- 年齢制限がない
- シニアでも経験・実績を積めば昇格のチャンスがある
- 運転免許が不用
シニアにとっての警備業の最大のメリットは、年齢制限がないことです。シニアが従事しやすい業種の一つです。
また、経験実績を重ねて、資格取得をするとシニアであっても時給アップや昇格するチャンスもあります。他業種を長年従事し体力的にきつくなった人が転職する場合もあります。
デメリット
- 体力が奪われる
- 拘束時間が長い
シニアにとっての警備業のデメリットは、屋外、施設内にしても体力を奪われることです。50代以降の人間にとってはかなりきつい仕事なので、体力の温存と回復が重要になります。
どんな人が警備員にむいている?
警備員にむいている人の特徴を2つ挙げてみました。
時間やルールが守れる人
社会人としてのルールが守れる人は誰でも警備員になれます。工場やチェーン店に勤務経験があり、ルール遵守に慣れた人なら順応しやすいと思います。
年金ぐらしで時間や体力に余裕がある人
既に年金ぐらしの人です。その上にプラスαにお金が欲しい人、現役世代ほどではないけど週に何日か働いた方が心身のためにいいと思う人。
シニアの場合、長時間の拘束は肉体的にも精神的にもきついですが、勤務日程に適度な間隔があると、疲れも取れて、若い人と同じように働けます。もっと稼がないと、お金が回らない人は毎日勤務できる仕事の方がいいでしょう。
警備員にむいていない人
反対に、警備員の仕事をあまりおすすめできない人の特徴もまとめてみました。
時間やルールが守れない人
仕事もプライベートも自分流でやってきた人は、ルールだらけの警備の世界は窮屈すぎるかもしれません。
年齢を重ねても通用するスキルを持っている人
年をとっても続けられるジャンルの仕事をしている人は、スキルを活かした方がいいと思います。警備の仕事についても、腰掛けにして、むいた仕事を探した方がいいでしょう。
やりたい仕事がある、勉強したいことがある人
シニアと言えども、人生100年時代。これから始めたいことがある人、勉強したいことがある人もいっぱいいるでしょう。
シニアにとって警備の仕事は結構きついので、やりたいことや勉強をしている時間が無くなってしまいます。
若い人で体力に余裕がある人は、警備をしながら資格取得やスキル獲得も可能かもしれませんが、体力気力面で劣るシニアは自分の行動を絞り込む必要があります。よりやりたいことに行動を集中させましょう。
まとめ
警備のバイト経験から、警備の仕事の中身についてお伝えしました。
警備は仕事によって様々なので、よく募集内容を吟味して、応募してください。中には、楽で高時給な案件もあるかもしれません。
もし続かなかったとしても、新任研修だけは確実に時給が入るので、やってみても損はありません。
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