交通誘導員は資格なしでもできる?仕事内容や給料、安全対策まで解説!

「交通誘導員」というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。道路工事などで旗や誘導棒を振って車を誘導している様子を見た事はあると思います。

「興味はあるけど、なにか資格が要るのだろうか」と思っている方も多いでしょう。

交通誘導員がどのような仕事なのか、道路工事、建築、解体、造園など様々な現場を10年経験した現役の交通誘導員が様々な例を交えながらご紹介していきます。

交通誘導の仕事内容とは

交通誘導員とは、交通誘導を行う警備員のことです。交通誘導員は事故を防ぎ、なおかつ円滑な通行をできるように車と歩行者の誘導を行います。

例えば、道路工事を行なう際に道路の一部を封鎖して作業すると、そのままでは車や歩行者などが通行できなくなり、事故につながるおそれがあります。そこで、車と歩行者の交通誘導が必要になってきます。

また、交通誘導員は自らの姿を見せることで通行する車や歩行者などに注意喚起するという狙いもあります。

車線変更の誘導

例えばガスや下水道の工事などは、道路の作業する箇所を封鎖して工事を行います。そのため、車道が片側2車線以上なら旗や誘導棒で車線変更を車などに合図して誘導します。片側1車線の場合は、片側交互通行を行います。

これはそれぞれの車線に誘導員が立って、誘導員同士で合図しながら一定数の車を交互に誘導する方法です。

ただし、警備業法により警備員には警察のような法的な強制力はありません。そのため、いかにドライバーさん達に気持ちよく協力してもらえるように誘導できるかがポイントです。

交差点など信号がすぐそばにある時など、信号無視にならないように注意が必要です。

通行止めでの対応

例えば住宅街で道路工事を行う場合、「車両通行止」の看板を立てて通行止めをかけることがあります。通行止めをした際に必要な対応は主に2つ。

ひとつは、迂回の誘導です。迂回のルートを事前に調べて、頭に叩き込んでおく必要があります。もし車が来たら、迂回のルートを簡潔明瞭に説明するためです。

もうひとつは、迂回以外の対応です。今は宅配のバイクやデイサービスの送迎車などがとても増えています。他にも郵便配達、宅急便、ゴミ収集車など。

そこで事前に「車は通せないけど、バイクや自転車は通せるか?」などを確認しておきましょう。通すときには、必ず他の誘導員か工事の作業員に知らせてからにしましょう。ゴミ集積場が現場にある場合は、事前に交通誘導の隊長さん達に相談しておきましょう。

商業施設での交通誘導

スーパーなど様々な店舗の駐車場の誘導などが該当します。中には祝日や休日のみ交通誘導員をつけるケースもあります。

実は駐車場では、車同士の接触事故が少なくありません。車が車道から出入りする時に、歩行者や自転車との接触事故のおそれもあります。

車から降りて店舗へ行こうとする歩行者と出入りする車にも目配りが必要です。特に家族連れの場合は子供の安全確保に注意が必要です。時には車を止めて、歩行者や自転車を優先して通すこともあります。

駐車スペースではないところに車をとめられてしまい、通行の妨げになる事もあります。そのため、必要に応じてドライバーや歩行者などへ声かけを行って協力してもらう事が必要です。

その際に、気持ちよく協力してもらえるような言葉遣いを心掛けましょう。

工事現場での車両誘導

例として、建築現場における車両誘導について解説します。

建築現場で誘導する車両は、ダンプ、クレーン車、鉄筋などを運んでくるトラック、コンクリートを打設するためのポンプ車や生コン車など様々です。誘導は、車道から現場への出入りがメインとなります。

現場が完全に囲ってあれば出入りの時の歩道や車道の安全確認程度ですが、現場の外に車両をとめることもあります。材料の搬入や搬出などのケースが多いです。車両をとめる位置によって、車や歩行者の通行ができなくなることもあります。

通行止めをかけない場合は特に、事前にドライバーさんとコミュニケーションをとって作業しつつも、通行の妨げにならないように調整しておく必要があります。

安全対策はどうしてるの?危険はないの?

交通誘導は、どこの現場にも危険はあります。危険だからこそ、わざわざ交通誘導員を置いているのです。どのような安全対策をしているかは、現場によって様々ですが、代表的なものを紹介します。

まず交通誘導員の安全装備です。警備会社から支給されるヘルメット、制服、ベスト、誘導棒、安全靴などです。ベストと誘導棒には電池が入っていて、夜間はライトを点滅させます。

安全靴は、つま先に芯が入っていて車などに踏まれてもケガをしにくいようになっています。靴底が分厚いものが多いのですが、これは建築や解体の現場などで釘や廃材などを踏んでしまった時のケガ防止になっています。制服やベストは、自分の姿を目立たせることで事故の予防効果もあります。

また現場の安全対策の例として、建築現場の場合は朝礼を行い、当日の作業内容と安全対策を各自がその場で話し周知します。交通誘導員の場合はこのような話をします。

「〇〇警備です(社名を言います)。本日の作業内容は、資材搬入車両の誘導です。注意事項は、誘導の際の出入り口の安全確認です。歩行者優先で誘導を行います。人員は2名です。」

資格がなくても交通誘導はできるの?

条件付きですが、資格がなくても交通誘導はできます。条件とは、交通誘導警備業務検定の資格が要る道路があるからです。

該当する道路は、都道府県公安委員会が交通の状況によって資格者が必要と定めています。東京都の場合、国道20号、246号、環七、環八、明治通り、山手通り、世田谷通り、靖国通りなどがあり、これらはほんのごく一部です。

正式には資格者配置路線といって、交通誘導員が複数であれば一人だけ資格者がいればOKです。

ただし、交通誘導員がひとりだけなら資格者でなければダメです。これは道路工事だけでなく、建築でも解体でも駐車場でも目の前の道路が資格者配置路線なら同様です。なお、資格者配置路線でない道路では、無資格でも交通誘導はできます。

未経験でも大丈夫?

交通誘導員の仕事をする上で、警備会社では入社すると新任教育を行います。警備業法に定められていて、20時間以上かけて行います。警備に関する法令や誘導を含む基本動作などを学ぶ「基本教育」と、実際の業務に関連する内容を学ぶ「業務別教育」があります。

法令では必ず第15条を覚えるように言われます。その内容は簡単にいうと、「警備員には権限が無い」というものです。つまり警察のような強制力は警備員にはありません。

たまに警察が工事現場へ抜き打ちでやってきて、交通誘導員に警備業法第15条について尋ねることがあります。その目的は、警備会社がきちんと新任教育を行なっているのかをチェックすることです。

研修内容は?

誘導など基本動作については次のような内容で教わります。

  • 誘導棒や旗の使い方
  • 片側交互通行でペアを組む交通誘導員への合図の方法
  • 車両をバック誘導する時の安全なポジションの取り方や、ゴー&ストップの合図の出し方。
  • 車両を誘導している時に歩行者が来た時の対応について。歩行者への声のかけ方について。どんな時にどういうモノの言い方をすれば良いかなど。

業務別教育については、例えば道路工事はどのようにして作業するのか、それに対して交通誘導員は何をするのかについての説明があります。

警備会社によっては、更に現場研修を行なっているケースもあります。現場を見て交通誘導員の仕事について理解を深めてもらうのが目的です。

ところで、警備会社は上記のように新任教育が義務付けられていますが中には新任教育を行なわない会社もありますが、もちろん違法です。面接して採用決定したら、いきなり現場へ行かされますから危険です。

求人広告はあくまで目安程度と思いましょう。面接の際に、新任教育についてキチンと説明してもらえる会社だと安心です。もし説明が一切無かったら、その警備会社はやめておきましょう。

警備業法で新任教育は10時間と定められているので大抵は数日間に分けられます。そのスケジュールも確認しておきましょう。

勤務体系

警備の仕事にもシフト勤務はありますが、交通誘導ではほとんどありません。

例えば大きな病院のような24時間体制の常駐勤務の施設警備などが該当します。原則として、希望する日時のシフトを提出してそれに合う現場があれば電話で指示されるという形です。

大抵は会社から「お客様は〇〇土木、住所が東京都〇〇区~、9時2名」などという風に電話等で指示されます。基本的には9時~18時や8時~17時が定時のケースが多いです。

夜勤は、夜9時開始もあれば10時の時もあり、翌5~6時までとなります。夜勤では休憩時間は20分ほど取れますが、休憩は道路工事なら近くの公園などです。室内で休憩を取れるケースは建築現場くらいです。現場に休憩所があれば仮眠をとれますが、道路工事で仮眠は取れません。

開始時間が現場で異なる理由のひとつに、道路使用許可が挙げられます。道路工事は事前に警察から道路使用許可証を発行してもらわなければなりません。地域によっては許可の時間帯が異なることもあります。

交通誘導員の時給は高いの?

交通誘導員は契約社員かアルバイトという立場なので、日給・月給が基本です。募集広告によくあるように、時給というより日給の表示が多いです。金額自体は、大手と中小あるいは零細の警備会社によって差はあります。

日払いまたは週払いという会社もあります。「日払いや週払いを希望する場合は、毎月〇日(あるいは毎週〇曜日)までに申請してください」というところもあるので確認してみましょう。残業手当が30分単位か1時間単位かも確認するとよいでしょう。

また、道路工事でよくあるのが、雨で中止になる事です。中止の連絡は、当日の朝早くに会社から連絡が入るケースと現場に到着してから中止が決まるケースがあります。その場合何らかの手当が出るかどうか、現場までの交通費が出るのかも確認しましょう。

交通誘導員の仕事の楽なところ・きついところ

本人の性格にもよりますが、交通誘導員の仕事の楽なところは人間関係のしがらみが比較的少ない点が挙げられます。

きついところは、立ちっぱなしの仕事という点が挙げられます。もう少し詳しく解説していきます。

交通誘導員の仕事の楽なところ

人間関係のしがらみが少ないところ

他の警備員と組むことは多いですが、会社員と違って毎日同じ人と組むことは少ないです。

作業が早くすんで早く帰れる事があること

施設のようなシフト勤務は勤務時間が決まっていますが、道路工事の交通誘導員は工事が早く終わるとそのまま帰宅できることが多いです。

例えば、8時~17時予定の現場が15時で帰れることもあります。

きついところ

現場でタバコを吸うと近隣から苦情が来ることが多い

実はこのタバコに関する苦情は非常に増えています。特に交通誘導員の喫煙は、はたから見るとだらしなく見えるようです。まして吸い殻のポイ捨ては、即出入り禁止につながります。

タバコ休憩など頻繁には取れません。そのため喫煙者、特にヘビースモーカーの方には今後益々厳しくなります。

仕事中は立ちっぱなしでトイレ休憩がとりにくい

現場によってはトイレが無い事もあります。建築現場だと仮設トイレを用意してもらえるケースがあります。道路工事だとその場に仮設トレイは難しいので、近くの公衆トイレなどを事前に調べておく必要があります。トイレ休憩の時間は大きく分けてふたつ挙げられます。

ひとつは、交通誘導員が複数の場合に隊長の誘導員が休憩時間を決める場合です。ひとりずつ順番に休憩します。隊長の指示で休憩するので、自由に休憩はできません。

もうひとつは、工事の業者さんの休憩に合わせて一斉に休憩を取る場合です。ただし、これは通行止めなどをしないで休憩中に車両や歩行者などの通行に支障をきたさないという場合に限ります。

シニアが交通誘導員のバイトをするメリット・デメリット

交通誘導員は、年齢層が高く、50代はまだ中堅層といってもいいでしょう。仕事さえしっかり覚えれば、50~60代でバリバリ働いている交通誘導員はたくさんいます。

この仕事のメリットとデメリットを解説していきます。

メリット

交通誘導員として働くメリットは、社会との関わりを持てる点です。ここで言う社会との関わりとは、人から必要とされているというニュアンスです。現場にとって「そこにいてもらわないといけない存在」なので、現場にいるだけで必要とされていると実感できます。

定年後にやりたいことが見つからず、交友関係があまり広くないと社会との関わりが薄れてきがちです。すると、自分が誰からも必要とされていないという気持ちになりがちです。

ほどほどの距離感を保てれば、他の交通誘導員や工事作業員との人間関係のストレスは比較的少ないです。時には有名人の新居の建築現場へ行って、ご本人と握手してもらった事もあります。

筆者としては、特定の現場より色々な現場へ行く方がメンタル面で刺激になると思います。特定の現場にばかり行っていると、どうしても気持ちに中だるみが出やすいからです。色々な現場へ行って仕事を覚えることで自信にもなります

デメリット

立ちっぱなしの現場も多いので、体力的にきつい事もあります。夏場の炎天下の作業は熱中症のリスクがあります。熱中症対策としては、こまめな水分補給を行なっています。

冬はいくら寒くても、雪が積もらない限り工事は行ないます。寒さ対策としては、支給される防寒着や防寒ズボンなどです。建築現場ならば、暖房のきいた休憩所が利用できます。

さらに、交通誘導員は雨でも作業する現場もあります。中でも解体工事は雨の日はほこりが立たないので、悪天候でも作業します。

また、警備会社にもよりますが、研修自体がごく限られた期間しかないので自発的に仕事を短期間で覚えていく必要があります。

交通誘導員はどんな人におすすめ?

未経験でも、おすすめしやすいタイプについていくつかご紹介します。

人に頭を下げられる人

交通誘導はあくまでサービス業です。

本来通れる道路を封鎖して迂回などをしてもらうのですから、「車や歩行者などに協力をしていただいている立場」という認識が欠かせません。

警備業法で、交通誘導員はじめ警備員には一切の権限がありません。

どんな苦情を言われても、上手に頭を下げてその場を収める事が大切です。

言葉遣いが丁寧で簡潔明瞭な説明ができる人

協力をお願いする以上、命令口調は厳禁です。誘導時における回りくどい説明は苦情につながります。

文句を言われても切り替えができる人

新人でもベテランでも苦情を言われることは必ずあります。時には理不尽な苦情もありますから、頭をうまく切り替えられる人は向いています。

向いていないタイプ

一方で、あまり向いていないタイプは次の通りです。

タバコを吸う人

交通誘導員がタバコを吸っていると近隣住民から苦情が来るケースが非常に増えています。

短気、プライドの高い人

交通誘導員にはガマンが欠かせません。

持病のある人

特に懸念されるのは、高血圧、糖尿病、脚が悪いなどです。これらが懸念される理由について、筆者が同僚の交通誘導員から聞いた話から解説していきます。

高血圧の場合は、冬場や夜勤の時に心筋梗塞で倒れた方がいました。急激な冷え込みでの長時間労働が原因だったそうです。

糖尿病の場合は、意識が無くなって倒れた方がいました。中でもインスリンを注射している方は血糖値の急激な上昇のおそれがあるので、特に夏場は注意が必要です。

交通誘導員は立ちっぱなしあるいは作業員さんや作業車について徒歩で移動することが多いです。そのため、脚の悪い方では非常に厳しいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?交通誘導員を取り巻く状況は一昔前と比べてかなり変化しています。一番変わったのは、苦情が出やすくなったことです。特に喫煙の苦情が増えていて、世の中がタバコに厳しくなったことが大きく影響しています。

また、交通誘導員は50~60代ならではの人生経験を有効活用できる仕事といえます。警備会社の募集広告は、できるだけたくさん目を通しましょう。待遇面は会社によってかなり違いがありますので十分に検討しましょう。勤務日数なども相談できるので、ライフスタイルに無理のない会社選びをしてください。

健康面で決して無理をせずにご自身のペースで働くことをおススメします。

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