セレモニースタッフの仕事内容|きつい点・やりがいも経験者が解説!

セレモニースタッフとは、通夜や葬儀の準備や進行をする仕事です。セレモニースタッフは、「年齢」や「経験」を気にせず応募できるものが多く、子育てが落ち着いた女性や、定年後のお仕事を探している方でも応募可能な求人が多数あります。

今回は、そんなセレモニースタッフのお葬儀にまつわる仕事事情について、葬儀の仕事経験9年の筆者が解説いたします!

葬儀に関わるお仕事の種類

一言で葬儀の仕事といっても、複数の職種が存在しています。まずは、求人情報欄で良く見かける、葬儀関係の職種について解説します。

葬儀ディレクター

葬儀ディレクターとは、遺族の意向に合わせて、葬儀をプランニングする仕事です。逝去後すぐの遺族と葬儀の打ち合わせを行います。遺族の意向を聞きとり、予算や宗派、葬儀規模に応じて葬儀プランを提案します。

葬儀ディレクターはアルバイトではなく、社員である場合が多いです。ご遺族の心境に配慮をしながら進める必要があります。

納棺士

「おくりびと」という映画をご覧になった方も多いのではないでしょうか。納棺士は、ご遺体を清めて白装束を整え、棺に納める仕事です。故人の髪型や髭、化粧を整えるので、丁寧さが求められます。

納棺は複数人で協力して行う業務ですが、人を持ち上げるには力が必要です。足腰が丈夫な方が適しているといえるでしょう。

セレモニースタッフ

セレモニースタッフは、通夜葬儀の運営をする式場スタッフです。葬儀ディレクターの補助として、祭壇や式場・受付の設営、必要な備品の準備などの準備、親族や参列者の案内を行います。遺族や参列者と接する業務なので、清潔感と丁寧さが求められます。

また、葬儀の基本的マナーや宗派の違いについて理解する必要があります。知識として身につけるべきことが多い仕事です。

配膳スタッフ

通夜や葬儀の場において、親族や一般参列者へお茶や料理を配膳するスタッフです。飲食店での業務に似ていますが、葬儀の席はやり直しが効かない場なので、粗相するわけにはいきません。落ち着いた対応が出来ることが求められます。

生花スタッフ

祭壇の生花や、供花の生花を準備します。生花の仕入れや、生花のデザイン、名札の作成、祭壇や式場への設置といった業務がありますが、どこまでの業務を担当するのかは葬儀社によって異なります。

近年は、故人に合わせた生花祭壇をデザインする葬儀社も多いです。細かいデザインを美しく仕上げる必要がありますので、緻密な仕事が出来ることが求められます。また、生花の搬入は力仕事でもありますので、体力も必要です。

ドライバー

ドライバーは、霊柩車や遺族用のバス、葬儀用品の配送スタッフなどを担当します。普通自動車免許を所持していれば応募可能であることが多いですが、応募条件は求人情報を確認されると良いでしょう。

遺族を乗せる車両の場合は、接客も伴います。丁寧さがあり、心配りができることが求められます。

セレモニースタッフの仕事内容とは

会場の準備

通夜や葬儀を行う会場のセッティングを行います。規模に応じて椅子を準備し、祭壇周りや受付周りを整えます。

式進行の打ち合わせ

喪主や遺族に対し、式の流れについて打ち合わせや説明をします。挨拶や立礼、受付などの役割分担、式の流れや焼香作法についての説明をします。

会葬御礼品の準備

会葬御礼品や当日返しの品物を、手提げ袋に詰めて受付台に準備します。予想される参列者数よりも多めに準備するため、準備に30分~1時間程度かかります。

喪服の着付けサポート

着物(着物)の着付けを行います。セレモニースタッフではなく、プロの着付係に依頼をする葬儀社もあります。

参列者の案内

参列者が到着したら、受付や式場内へと案内する役目があります。呈茶室への案内も行います。

式場のアナウンス

通夜・葬儀の進行役として、アナウンスを行います。開式の案内、喪主挨拶の案内、閉式の案内など、式の流れに沿ってアナウンスします。

焼香の誘導

焼香のタイミングになったら、遺族や参列者を案内します。喪主→遺族→一般参列者の順に案内し、焼香が終わった方は席まで誘導します。

お坊さんサポート

儀式中にお坊さんのサポートをする役割があります。着座時に椅子を引く役や、椅子や木魚、おりんなどの道具を、適当なタイミングで運ぶ役があります。

お別れの進行

出棺時の花手向けを進行します。祭壇や供花の生花を摘み、遺族や参列者へ花を配ります。

遺体の移動手伝い

遺体の移動は、霊柩車のスタッフが行う印象があるかもしれません。しかしながら、遺体を持ち上げるには複数人の手が必要となります。自宅から霊柩車に乗せる際や、霊柩車から会場にお連れする際に、手を添えてサポートをします。

式場の後片付け

閉式後は使用したホールの後片付けを行います。祭壇を撤収し、掃除します。

法要の準備・運営

初七日法要などの法要も、葬儀ホールを使用するケースが増えてきました。法要の準備や運営を行う事もあります。

セレモニースタッフの一日の仕事の流れ

ここでは、一般的なセレモニースタッフの一日の流れを説明します。実際の流れは、式が行われる時間帯や地域によって異なります。

通夜に携わる一日の流れ

  • 10:00 業務開始

身だしなみを整え、仕事の内容を確認します。式場の清掃を行い、祭壇や椅子などを準備します。

  • 13:00 喪家との打ち合わせ

遺影写真や生花供物の注文を預かります。通夜・葬儀の挨拶や受付などの役割を確認します。

  • 15:00 会葬御礼品準備

会葬御礼品や当日返しを、袋に詰めて準備します。

  • 17:00 柩移動

柩を式場に移動します。親族や弔問客が到着したら、受付や式場へと案内します。

  • 18:00 通夜開始

焼香の案内や、お坊さんの道具を運ぶなどのサポート業務を行います。通夜終了後は通夜振る舞いへ案内します。

  • 19:00 通夜式終了

通夜振る舞いが一段落したところで、遺族と翌日の打ち合わせを行います。

  • 20:00 業務終了

遺族に挨拶をし、帰宅します。

葬儀に携わる一日の流れ

  • 8:00 出社

葬儀式の打ち合わせを行います。火葬場への車両の配車を確認します。親族や弔問客が到着したら、受付や式場へ案内します。

  • 10:00 葬儀開式

焼香の案内や、お坊さんの道具を運ぶ業務をします。出棺前には、棺に花を手向けるお別れの儀を行います。棺を移動してふたを開け、親族や会葬者に花を配ります。

  • 11:00 出棺

出棺の車両(霊柩車やバス、自家用車など)へ、親族を誘導します。出棺後には、式場の片付けや掃除を行います。

  • 14:00 初七日法要

火葬場から親族が戻り次第、初七日法要を行う場合がほとんどです。法要の準備や進行、後片付けを行います。

  • 16:00 遺族のお見送り

初七日法要や会食が終わると、遺族親族は解散となります。お見送りをした後に、式場の清掃や報告書の作成を行います。

セレモニースタッフの給与は?

セレモニースタッフの給与について説明します。葬儀社によって、仕事を任せられる範囲に差があり、給与も異なります。詳しくは、求人票を確認されると良いでしょう。

正社員の場合

初任給で月給20~30万円、役職手当がつくと月給30~40万円程度が相場です。セレモニースタッフはその仕事柄、通夜の弔問が長引いたり、ちょうど帰宅しようとした時に訃報連絡が入ったりと、残業が避けられない職種です。

また、正社員であれば交代制で夜勤を任せられることもあります。夜勤手当や残業手当の有無によっても給与に差がついてきます。

派遣やパート・アルバイトの場合

時給1,000~1,500円、日給1万円程度が相場です。知識や経験が求められる仕事なので、多くの葬儀社では、長く働くことによって、昇給できる制度があります。接客、納棺、アナウンスなど、出来る仕事が増えれば増える分だけ、給与に反映されることが多いです。

一日の労働時間は8時間前後になり、長時間働ける分、給与面も安定してきます。

セレモニースタッフの勤務形態は?

勤務形態はシフト制です。土日祝日はもちろん、年末年始やお盆などの連休中にも、通夜や葬儀は執り行われます。週3日勤務程度からOKの葬儀社もあれば、月8日休みの葬儀社もあります。

葬儀社で働く場合に覚悟しておくべきこととして、シフト制であっても急な葬儀が立て込んだ場合には、休みの変更を打診されることがあります

また、出勤時間は、葬儀の開式時間によって異なります。8時開式の葬儀の担当をする日は7時前に出社の必要があったり、13時開式の式を担当する日には夜21時以降まで勤務をすることになったりと、式の時間帯によって勤務時間が変わるお仕事です。

セレモニースタッフのやりがい

セレモニースタッフには、他の仕事では得難いやりがいがあります。特に、「人の役に立てる仕事がしたい」と考える方にとっては、一生モノの経験を積むことが出来るお仕事です。それでは、セレモニースタッフのやりがいについて、説明します。

遺族の力になれる

大切な人を亡くし、困っている遺族の力になることが出来ます。人生の最後の場面に立ち会い、悲しんでいるお客様や、混乱状態のお客様、に手を差し伸べることが出来る仕事です。人助けを仕事にしたい方には向いている仕事です。

遺族からの「ありがとう」の言葉

セレモニースタッフのやりがいは、何といってもお客様からの感謝の言葉です。仕事の結果として、心のこもった「ありがとう」や「あなたが担当で良かった」と涙を流し、時には手を握られながら言われることがあります。

提案力を活かせる

通夜葬儀の2日間で、いかにお客様に喜んでもらえるかが勝負です。アルバイトや社員といった立場は関係なく、通夜葬儀の2日間で出来る限りのアイデアを出し合います。

「故人が好きだったお酒を最後に飲ませてあげませんか?」「メッセージカードや折り鶴を用意しましょう」「故人の十八番の曲を流すのはいかがでしょうか。」など、お客様が喜ぶ提案をします。

セレモニースタッフの提案力次第で、形式通りの葬儀ではなく、故人らしい葬儀に変わります。「残された遺族や参列者の縁がより深くなるために何ができるか」を考えることもあります。

 給与面

仕事内容が特殊な仕事です。それゆえ、給与面は比較的優遇されているといえるでしょう。通夜や葬儀の担当をする際は、長時間の勤務になることが多いです。

頑張った分、しっかりお給料として反映されるところが魅力です。しっかりと働きたいという方には向いているでしょう。

 命について考えさせられる

セレモニースタッフの仕事をしていると、故人やその周りの人の人生を知ることが出来ます。目の前の人が、どんな人生を送り、どんな人間関係を築いて、何を大切にして生きてこられたのか……。そのような人生にまつわる話を聞くことは、自分の人生についての考えを深めてくれます。

そのためか、セレモニースタッフをしている人には、自分自身や周りの人のことを大切にできる方が多いような気がしています。

セレモニースタッフのきついところ

セレモニースタッフはやりがいのある反面、この仕事に特有のきつさがあります。セレモニースタッフとして働き始めるうえで、覚悟しておいた方が良い点を紹介します。

精神的な辛さ

突然の不幸に苦しんでいるお客様に、寄り添う場になります。時にはもらい泣きしてしまうこともあるでしょう。お客様の力になれる点がやりがいですが、感情移入しすぎて気を病むような方は向いていません。

人の苦しみを目の当たりにしてもネガティブな気持ちに染まらず、「お客様の為に何ができるか」と前向きに捉える方が向いています。

体力的な辛さ

セレモニースタッフには、力仕事もあります。祭壇・棺・仏具など、重たいものを運ぶ際には複数人で運ぶことが多いですが、それでも脚や腰を痛めている方にはオススメできません。

葬儀会館で使用するおりんや木魚、香炉などの仏具は、家庭用よりもずっと重たいものです。ご遺体を運ぶ際に力を添えることもあります。また、基本的に立ち仕事であり、長時間美しい姿勢を保つ必要があります。

 遺体を見ること

セレモニースタッフは、遺体を見ることになります。どんな状態の遺体であっても、お客様の大切な人の体であることを踏まえ、丁寧に扱う必要があります。遺体を見るだけではなく、遺体の処置や納棺補助を行う場合など、触れる機会もあるかもしれません。

業務の範囲は葬儀社によって異なるため、セレモニースタッフが遺体に触れる必要があるかは葬儀社次第です。抵抗がある方は、応募時に確認されると良いでしょう。

 土日祝日、年末年始も勤務がある

通夜や葬儀は、土日祝日、年末年始問わず執り行われます。シフト制なので、多少は休みの希望を出すことができるのですが、土日祝日休みを希望される方には向いていないといえるでしょう。

派手な髪型やネイルはNG

厳かな雰囲気を大事にする葬儀の場では、派手な色合いの髪型はNGとされています。髪が長い場合には、低い位置で一つにたばねる必要があります。セレモニースタッフとして勤務中は、ネイルサロンに通ったり、明るい髪色にすることを諦めなくてはなりません。

 セレモニースタッフに向いている人はどんな人?

セレモニースタッフは、人の役に立ちたい方に向いている職業です。楽な仕事ではありませんが、お客様からの心のこもった感謝の言葉を頂くことは、他の仕事では出来ない経験だと思います。

お客様への気遣いが出来るかどうかも大事なポイントです。突然の出来事に戸惑っているお客様は、些細な一言が心を傷つけてしまうことがあります。遺族や参列者の心情をくみ取り、細やかな心配りをすることが求められます。

立ち仕事が多く、体力を消耗するような慌ただしい日もありますが、それでも「人の役に立てて良かった」と思える、人に貢献したい気持ちの強い方に向いている仕事です。

まとめ

セレモニースタッフの仕事内容について解説をしました。きつい面もありますが、この仕事でないと得られないやりがいが存在します。葬儀社での従業員やお客様との出会い、そして学びは、人間的に成長させてくれるものになると思います。

葬儀社の勤務体制や給与、仕事内容は、各葬儀社によって異なります。詳しい情報は、求人情報をご確認されると良いでしょう。

この記事を書いた人:澤田ゆか

この記事を書いた人:澤田ゆかこの記事を書いた人:澤田ゆか

保有資格:葬祭ディレクター技能審査1級
大手互助会系の葬儀社に9年勤務し、管理者の経験を経て退職。現在はフリーの葬儀アドバイザーとして葬儀や終活相談、葬儀スタッフの育成を行っています。

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