マンション管理人の仕事はきついの?仕事内容や給与を徹底解説

「マンション管理人の仕事」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか。「きつい」「クレームを受ける」「マイペースで働ける」「残業が無い」「定年退職後の再就職にぴったり」など、さまざまなイメージが浮かんでくるでしょう。

「マンション管理人の仕事に興味があるけれど、ちょっと怖くて手を出しづらい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、マンション管理人の仕事が具体的にどのような仕事なのか、マンション管理会社で10年以上、マンション管理の仕事に携わっている現役社員の筆者が、できるだけわかりやすく解説いたします。

マンション管理の仕事とは?

マンション管理の仕事は多くの人がイメージする管理人業務のほか、清掃、建物の修繕、設備点検、設備故障時の緊急対応、契約書や点検報告書などの書類管理、理事会と総会の運営支援、管理組合会計、管理事務報告、賃貸マンションの場合は賃料管理、空室募集、入退去立ち合いなどがあります。

マンション管理人は、快適な住環境を維持とする役割と、エンドユーザーである入居者とのサービス窓口として入居者に寄り添う役割を担っています。

マンション管理に関わる仕事の種類

マンション管理に関わる仕事は、マンション管理人のほか、マンション管理会社に所属するフロントマンと呼ばれる業務担当者、外部コンサルタントとしての役割を担うマンション管理士などが挙げられます。

マンション管理組合は管理の実務の大部分を管理会社に委託しますが、管理組合側に専門知識を有する人がいない場合、管理会社に丸投げになってしまいます。マンション管理士は管理組合と顧問契約を結び、管理組合をサポートし、管理組合運営に関して助言する役割を担っています。

また、マンション管理に関する国家資格は、上記の独立開業型のマンション管理士のほか、管理会社に所属する管理業務主任者というものがあります。

管理業務主任者は、マンション管理会社に勤務し管理実務を行う専門家です。管理会社は法律で決められた数の管理業務主任者を雇用し、業務に従事させなければなりません。

また、「マンション管理員検定」という民間検定がありますが、これは管理人に必要とされる知識の習得度を測る検定試験です。

ここまで、マンション管理に関する資格を紹介しましたが、マンション管理人になるには特に資格は必要ありません。

マンション管理人の雇用形態

マンション管理人は多くの場合、マンション管理会社などに雇用されます。

例外的に、管理組合に直接雇用される場合や、マンションオーナーが自主管理的にマンション管理人の役割を担う場合もありますが、基本的にはマンション管理会社などの採用試験を受けて採用されるか、マンション管理人の派遣会社に登録しないとマンション管理人にはなれないと考えて良いでしょう。

なお、マンション管理人の多くは正社員としての雇用ではなく、嘱託社員や契約社員として有期雇用契約を結ぶ場合がほとんどです。定年は会社により異なりますが、だいたい70歳前後を定年に設定している会社が多い状況です。

マンション管理人(管理員)の仕事内容

ここからは、マンション管理人の仕事内容について説明します。

一般的に、マンション管理人は管理室の受付窓口にいる姿や、掃除をしているイメージを持つ方がいらっしゃると思いますが、実は管理人の仕事は幅広く、業務マニュアルには書かれていないフレキシブルな対応を求められることがあります。

受付

マンション管理人の業務の一つに、受付業務があります。来館者に対して来館目的を訪ね、来館者名簿への記載を依頼します。

消防設備点検などの各種点検業者の点検実施日や清掃作業当日には、共用部分の鍵の貸し出し対応を行います。

また、入居者からの問い合わせや管理会社への要望などを聞き、自己解決が難しい場合は管理会社担当者に引き継ぎます。

その他、警察署からの防犯カメラ映像の開示請求などのイレギュラーな問い合わせに対し、状況に応じて適切に対応する柔軟さが求められます。

清掃

マンション管理人の主業務に清掃が挙げられます。清掃範囲はマンション内の共用廊下や階段などの共用部分とマンション敷地内です。

ホウキ、チリトリ、モップ、雑巾などの基本的な清掃用具を使います。会社によっては、モップがけや窓の拭き方など、清掃の基本動作や清掃用具の正しい使い方を研修で学ぶことができます。

なお、共用部分といっても屋上などの危険個所については、管理人の清掃範囲には含まれず、清掃専門業者に委託する場合がほとんどです。管理人は、通常歩行可能な範囲で、無理なく清掃が行える範囲の清掃を依頼されます。

大型マンションやタワーマンションは、専門の清掃員が配備されるか、清掃専門業者が日常清掃を請け負うケースが多く、管理人は清掃の補助を行います。

点検・巡回業務

マンション共用部分と敷地内の点検・巡回業務も、管理人の業務です。館内巡回は1日1回~2回、歩行可能範囲を目視で確認し、設備などの異常や不審物が無いかを確認します。

機械や設備に関する専門知識が無い人でも、半年ほど経験すれば少しずつ慣れてきます。また、定期的に館内の照明の点灯試験を行い、切れている電球があれば、脚立を使って自分で交換します。

大型マンションやタワーマンションは、専門の設備担当者が常駐している現場があり、そのような現場では電球交換は設備担当者が行ってくれる場合があります。

立ち合い

各種点検や作業の立ち合いも、管理人の仕事に含まれます。ただし、作業中ずっと張りついて立ち会う必要はなく、作業開始時と中間確認と作業終了確認を行う程度です。

また、点検業者や清掃業者に共用部分の鍵を貸し出すことが必要となる場合があります。その場合は鍵の紛失に注意が必要です。

共用部分の鍵の貸出簿を作成し、毎月鍵の本数を確認し厳重に管理している現場が増えています。鍵の管理はきわめて重要という認識を持つ必要があります。

報告・連絡

マンション管理人は管理会社のサービス窓口の役割も担っています。そのため、入居者からの問い合わせや管理会社への要望などを、丁寧にメモをとりながら聞き、案件によっては管理会社担当者に引き継ぎます。

管理会社担当者に引き継いだ後は、管理人は管理会社担当者の指示に従います。管理人は、管理会社担当者にこまめに報告・連絡をする必要があります。

管理業務補助

上記のほか、管理会社担当者から総会資料の封詰め作業や、アンケート集計作業等の管理業務補助を依頼されることがあります。

また、現場によっては、管理会社本社とパソコンのネットワークで繋がっており、指示や依頼事項が電子メールで伝達され、管理室から報告書などをスキャナーでPDF化して管理会社担当者に送信することもあります。

マンション管理人の一日の流れ

ここでは、実際にどのような仕事を行っているのか具体的にイメージができるように、一日の仕事の流れを説明します。

 

《週5日、8:00~16:00の現場の例》

7:50 出勤

8:00~9:30 業務開始、ゴミ出し作業

9:30~12:00 館内巡回、点検立ち合い、館内清掃、受付業務

12:00~13:00 休憩

13:00~16:00 館内清掃、受付業務

16:00 業務終了

16:10 退勤

 

このように、管理室にじっと座っているだけではマンション管理人は務まりません。アクティブな仕事であると言えます。

マンション管理人の勤務体系

ここからは、マンション管理人の勤務体系について説明します。これまで、マンション管理人は有期雇用契約が多いと説明しましたが、もう少し掘り下げて説明したいと思います。

常勤

常勤管理人とは、「週5日・1日7時間」など、固定の勤務シフトにしたがって勤務する管理人です。特に大型マンションやタワーマンションに見られる勤務体系です。

常勤管理人は、現場で入居者と触れ合う時間が必然的に長くなりますから、入居者と比較的良好な関係を構築する余裕が生まれます。

また、管理会社側から見た場合、勤務時間が長い常勤管理人は、管理業務の補助の役割も期待します。具体的には、書類作成や資料の封詰め、印刷作業などを管理会社から頼まれる場合があります。

住み込み

住み込み管理人とは、マンションに実際に住み込んで、入居者のお世話をする管理人のことを言います。管理室の裏などの居住スペースを無償で使用でき、そこで生活する代わりに、勤務時間外の緊急対応など、フレキシブルな対応を求められる場合があります。

また、管理会社本社から距離的に離れたリゾートマンションでは、今も多くの住み込み管理人が活躍しています。ただ最近は、管理費の見直しや管理人の高齢化にともなう担い手不足が進行し、住み込み管理人は減少傾向にあります。

スポット勤務

スポット勤務とは、いわば非常勤管理人です。派遣要請に応じて、スポットで勤務することとなります。具体的には、常勤管理人に欠勤者が出た場合や、期間限定の契約に基づいて派遣される場合などに、スポット勤務が発生します。

スポット勤務の課題は、そのマンションの事情を知らないがゆえに、鍵の貸出ひとつをとってみても対応に苦慮する場合があります。また、入居者から問い合わせを受けても回答できない場面が少なくありません。

マンション管理人の気になる待遇は?

ここからは、マンション管理人の待遇について説明します。皆さんは、マンション管理人の待遇について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

マンション管理人の時給や給与

多くの管理会社ではマンション管理人の給与を、最低賃金を若干上回る時給に設定している場合が多いのが実情です。

常勤管理人の契約社員で額面給与は月15万円~20万円程度です。派遣社員やアルバイトになると、たとえば東京都では時給1,100円前後の求人が多いようです。

マンション管理業界は全体的に管理委託費の値下げ傾向が強まっているため、給与もやや低めに抑えられています。

マンション管理人の勤務時間

マンション管理人の勤務時間で多くみられるのは、午前8:00頃~夕方までの勤務です。地域のゴミ出しの時間帯によっては、もう少し朝早めの設定にしている現場もあります。マンションの規模によっては、午前中のみの勤務の現場も多く見られます。

また、大型マンションやタワーマンションでは、夜勤の管理人がいる現場もあります。夜勤の場合は、午後6時頃~翌日午前8時頃までの勤務パターンの現場が多いようです。

 マンション管理人の仕事のやりがい・きついところ

ここからは、マンション管理人の仕事のやりがいや、きついところについて説明します。しばしば、マンション管理業界は「クレーム産業」と言われますが、実際はクレームばかりではありません。

マンション管理人の仕事のやりがい

仕事のやりがいは人によってさまざまですが、入居者様から「ありがとう」という感謝のお言葉をいただいた時にやりがいを感じるマンション管理人や管理会社社員が多いようです。

マンション管理もサービス業ですので、多くの他のサービス業と同じように、お客様からいただいた感謝は仕事のエネルギーに繋がります。

マンション管理人の仕事のきついところ

感謝される仕事だといっても、やはりクレームは多い仕事です。管理人には入居者から、管理業務に関する不満や近隣住戸の騒音などのクレームが寄せられます。クレームに対する耐性の無い人は特にきついと感じるかもしれません。

また、入居者の生活に一番近いところで仕事をするうえでの苦悩もあります。具体的には、管理人は入居者のプライバシーや秘密を守り、口外しないことが求められますが、入居者のプライバシーに関することを管理人に聞いてくる管理組合役員がいたり、入居者同士のトラブルの処理を依頼されたりします。

管理人は公正中立の立場であるべきですが、マンション内部の人間関係のトラブルに巻き込まれそうになるときもあります。そのような時は、契約に含まれていない業務は毅然と断る勇気も必要です。

 マンション管理人に向いている人

マンション管理人やマンション管理の仕事に向き不向きは少ないと言われています。これは、他の仕事に比べると専門的な技術や知識が求められない点にも起因しています。

マンション管理未経験の方でも「このような人ならマンション管理に向いている!」という人の特徴を解説します。

営業経験がある人

業界や商材を問わず営業経験がある人は、マンション管理人やマンション管理会社の仕事に非常に向いていると言えるでしょう。営業経験がある人は折衝経験が豊富で、サービス精神、お客様のニーズの把握、課題の抽出、問題解決能力に長けているためです。

また、営業を長年経験した人は、フットワークが軽く物腰柔らかな特徴があり、それだけでマンション管理人に求められる素養をすでに満たしていると言えます。

心身ともに健康な人

管理人の仕事は体が資本ですので、心身ともに健康であることは必須条件となります。基本的に1人勤務の現場に配属されますので、突発的に休まないことが求められます。

管理人が突発的に休むと雇用主だけでなく、ゴミ出しなどの作業が行えず入居者にも迷惑がかかるため、しばしば体調を崩して休むようではマンション管理人の仕事は務まりません。

人と接するのが苦痛でない人

マンション管理人は、入居者と良好な関係を構築することが求められます。そのため、1人で黙々と仕事をするタイプの人でも、抵抗なく人と接して会話や意思疎通が行えなければ、管理人の仕事は務まりません。

また、良い笑顔が出せる人は、入居者から高評価を得る傾向にあります。マンション管理人の仕事は接客業ですので、誰にでも分け隔てなく良い笑顔で対応できる人は、向いていると言えるでしょう。

マンション管理人になるには

マンション管理人になるために必要な資格はありません。未経験の方でも、比較的短期間で業務を習得できます。

マンション管理人の求人は、ハローワークや新聞広告、マンション管理会社のホームページなどで簡単に見つけられます。現在、多くの管理会社で管理人不足が深刻化しており、比較的入社難易度は低下していると思われます。

また、50~60代の方が働きやすい職場を見つけるポイントとしては、「自宅から近い」「勤務時間に無理がない」「安すぎない給料」を基準に探すと良いかもしれません。

まとめ

今回は、マンション管理人とマンション管理の仕事について紹介しました。

マンション管理人とマンション管理の仕事は、社会情勢の変動や景気変動に左右されにくい安定性の高い仕事ですので、もしご興味をお持ちでしたら、ぜひ応募して実際に管理会社の話を聞いてからご判断されてみてはいかがでしょうか。

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ヒトシア編集部

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