【佐賀県・吉野ヶ里遺跡】邪馬台国の大本命 弥生時代の集落跡の楽しみ方

吉野ヶ里遺跡は、佐賀県神埼郡に属する3つの町村にまたがる弥生時代の遺跡です。現在は「吉野ヶ里歴史公園」として一般の人にも開放しており、当時の人々の暮らしの様子を知ることができる学びの場となっています。園内はとても広いですが、バスで移動することもでき、休憩しつつ楽しめる場所となっています。

今回は、弥生時代の歴史・文化のあとが残る吉野ヶ里遺跡についての解説と、吉野ヶ里歴史公園の見どころやイベントの情報などをご紹介します。

吉野ケ里遺跡とは

吉野ヶ里遺跡は国内最大の弥生遺跡であり、その歴史的価値の高さから国の特別史跡に指定されています。吉野ヶ里遺跡では外部の敵から集落を守るための工夫が随所に見られるのが特徴です。

V字の形に深く掘り下げられた外濠(そとぼり)が約40ヘクタールの集落をぐるりと囲み、さらにその内側にももうひとつ内濠が掘られ、2重の濠ができています。集落内には見張り用のやぐらがいくつか建てられているほか、槍のように尖った木が外向きに配置された逆茂木(さかもぎ)や、敵の侵入を防ぐ木の柵がめぐらされています。

そのほかに特徴的なのが、集落内がいくつかに区分けされ、それぞれの場所が違う使い方をされていた点です。祭祀用のエリア、身分が高い人の居住区、米を備蓄する高床倉庫が密集している場所などがあります。吉野ヶ里で暮らす弥生時代の人々の暮らしが、ある程度仕組み化されていたことがわかります。

吉野ヶ里遺跡は邪馬台国という説も…

歴史的な価値のあるものがたくさん詰まっている吉野ヶ里遺跡ですが、実は卑弥呼が女王としておさめていた国「邪馬台国」が、実は吉野ヶ里のことなのではないかという意見があります。邪馬台国がどこにあったのかはいまだに明らかになっておらず、現在も議論が続けられています。

吉野ヶ里が邪馬台国なのではないかと言われている理由は、中国の歴史書「魏志倭人伝」に記されている邪馬台国の様子と、吉野ヶ里遺跡の特徴とが一致する部分があるというものです。それを裏付ける証拠は見つかっていませんが、とてもロマンがある話だと思いませんか?

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吉野ヶ里遺跡の魅力が詰まった「吉野ヶ里歴史公園」

広大な面積を誇る吉野ヶ里歴史公園は、見ることができる遺跡や設置されている施設によって、4つのゾーンに区分けされています。お子様からシニアの方までが見て、さわって楽しめるゾーンをご紹介します。

また、園内にはどなたでも利用可能なバスが巡回しています。広い吉野ヶ里歴史公園を無理なく楽しむためにも、ぜひご利用ください。

入り口ゾーン

入り口ゾーンには吉野ヶ里歴史公園最大の駐車場や情報収集に役立つ歴史公園センター、売店やレストランなどがあります。吉野ヶ里遺跡を訪れた際、多くの方にとって最初に入るゾーンとなります。

レストランでは古代米のひとつ「赤米」を使用した各種定食や、カレー、ちゃんぽんなど多彩なメニューを提供しています。ランチや休憩の場所として最適な場所なので、ちょっと疲れを感じてきた頃に利用するといいでしょう。

環濠集落ゾーン

環濠集落ゾーンには吉野ヶ里遺跡を支配していた人たちが暮らしていた南内郭、発掘調査により出土された歴史資料を見ることができる展示室、平民が暮らしていた「ムラ」などがあります。

このゾーンは吉野ヶ里遺跡のなかでも、特に弥生時代の人々の暮らしの様子を感じることができる場所です。復元された倉や竪穴住居(たてあなじゅうきょ)を間近で見ると、大昔そこで生きていた人々の息づかいが感じられるかもしれません。

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古代の原ゾーン

古代の原ゾーンは、レジャーやスポーツを楽しめる場所となっています。ゲートボールに似たスポーツ「グラウンド・ゴルフ」に興じるシニアの方が多く見られ、その近くには子供たちが喜ぶアスレチックやトランポリンなどの遊具が置かれています。

野外炊事コーナーでは、持ち込んだ弁当を食べたり料理をすることができます。天気の良い日は、ピクニック気分で楽しみましょう。さらにここではバーベキューも可能です。遺跡のある場所でバーベキューをするという、なんとも貴重な体験ができます。

古代の森ゾーン

古代の森ゾーンは弥生時代当時の自然を表現したエリアになります。調査によりこの地に生えていたと判明した、カシの木やシイの木など数種類の木が植えられています。

またこのゾーンは、亡くなった人をいれる棺として使用していた「甕棺墓(かめかんぼ)」がたくさん発見された場所でもあります。そのため、かつての墓地である甕棺墓列が300メートルに渡り復元されています。

吉野ヶ里歴史公園の見どころ

吉野ヶ里歴史公園はとても広く、すべてを見てまわるのはちょっと大変かもしれません。そこで、ここだけは見ていただきたいという見どころをご紹介します。

それぞれの見所では、吉野ヶ里遺跡の遺構から復元された建物や、出土された土器を見ることができます。

吉野ヶ里集落の政治が行われていた「北内郭」

かつて吉野ヶ里の中心として機能していた場所です。ここには祭りの日程を話し合ったり田植えをする日を決めるなど、政治的な役割を果たす特に重要な建物「主祭殿」があります。

主祭殿は復元された吉野ヶ里遺跡の建物の中で最大級の大きさを誇り、高床式かつ2階建ての立派なものです。

主祭殿の階段を上ってなかに入ると、ムラの権力者たちが会議をしている様子や祈祷を行っている様子が再現されており、ここでどのようなことが行われていたのかがわかるようになっています。

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権力者たちが暮らしていた「南内郭」

南内郭はムラの王をはじめとした権力者が暮らす場所であったといわれています。

いくつかある住居のなかでひときわ立派な王の家、周囲の見張りに使用されていた大きな物見櫓、共同で食事の用意をしていたとされる煮炊屋などがあります。

さらに南内郭の周囲には木の柵が張りめぐらされ、門には見張り番を配置して守りを固めていたと推測されることから、この場所が平民では簡単に入ることができない場所であったといことがわかります。

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歴代の王たちが眠る「北墳丘」

吉野ヶ里の歴代の王を埋葬していた、最も格式の高い場所です。亡くなった王は青銅で作られた銅剣とガラスでできた管玉と一緒に甕棺に入れられ、特別な形式で埋葬されていたと考えられています。

現在は北墳丘の内部も見学可能となっており、本物の甕棺が土の中に並べられている様子や、発見された装飾品などを展示しています。吉野ヶ里遺跡に関しての詳細な解説も行われているので、より理解を深めたい方にとっては外すことができない場所です。

吉野ヶ里遺跡で発見された出土品の「展示室」

展示室では出土されたたくさんの土器や、当時の人が着ていた衣服を間近で見ることができます。展示物はレプリカが多いものの、展示数が多いためとても勉強になり、当時の人々の暮らしをより鮮明にイメージできるようになります。

吉野ヶ里歴史公園で一番大きな入り口から入ってすぐ近くにあるので、最初に行ってみるのもいいでしょう。展示室の建物自体はあまり大きくはありませんが、無料で入場できる上、写真撮影も可能なので帰って写真を見返して楽しむこともできます。

吉野ヶ里遺跡では体験・イベントも開催

吉野ヶ里歴史公園内で用意されている体験や、開催されるイベントをご紹介します。ご家族やお孫さんと一緒に楽しんで、良い思い出を作りましょう。

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弥生文化を体験!

吉野ヶ里歴史公園内にある弥生くらし館もしくは南のムラ、それと古代植物館では、弥生時代に実際に使用されていた装飾品や道具などを作る体験ができます。

安い参加費で大人も子供も一緒に楽しめる上に、お土産として持ち帰ることができます。時間がありましたらぜひ参加してみてください。

勾玉づくり

参加者が白・緑・ピンク・黒のなかから好きな色の石を選び、固い石やヤスリに擦り付けて勾玉を作ります。

最初は四角い状態で渡され、自ら下書きをして少しずつ勾玉の形に近づけていくので、作った人の個性が感じられる世界にひとつだけの勾玉になります。

所要時間は1時間くらいで、料金は選んだ石によって200円、もしくは250円となります。お孫さんの夏休みの自由工作として体験させてあげると、1時間楽しんだ上に宿題がひとつ減るのでおすすめです。

 

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土笛づくり

勾玉は吉野ヶ里歴史公園以外にもいろんな場所で目にしますが、この土笛を見たことがあるという方は少ないのではないでしょうか。卵のような丸い形に5つの穴があいた、可愛らしい見た目の楽器です。

参加費は100円で、45分くらいで出来上がります。土で作るので綺麗に仕上げるのはちょっと難しいですが、少しいびつな形がむしろ手作り感があって楽しいものです。実際に使ってもいいですし、置き物にもなります。持ち帰る際には壊さないように注意しましょう。

 

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鏡製作

こちらは土・日・祝日限定の体験プログラムとなります。

鋳型のなかに溶かした金属を流し込んで成型することで、吉野ヶ里遺跡から出土した銅鏡と同じ形のものを作ることができます。

参加費は実物大で1500円、ミニチュアサイズで500円と勾玉づくりや土笛作りより高くなりますが、その分質が高いので興味のある方は参加してみましょう。

 

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「親魏倭王」印製作

日本の歴史に登場する親魏倭王印、いわゆる「金印」のレプリカを作ることができます。

親魏倭王とは魏の皇帝から邪馬台国の女王である卑弥呼に対して与えられた称号であり、その証として渡されたのがこの金印です。

 

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吉野ヶ里遺跡の幻想的なライトアップイベント

弥生時代のころ吉野ヶ里にいた人たちにとって、春の始まりとなる冬至は特別な日でした。吉野ヶ里歴史公園では冬至のある12月の期間、園内の復元された建物が華やかに夜空に浮かび上がるライトアップが行われます。

たくさんのキャンドルや数百発の打ち上げ花火が夜の吉野ヶ里遺跡をいろどり、まるでカーニバルのような盛り上がりを見せます。復元された大昔の風景と現代の技術とのコラボレーションにより実現する、この場所でしか見ることのできない幻想的な光景をお楽しみください。

 

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吉野ヶ里遺跡で買えるお土産

吉野ヶ里歴史公園の入り口ゾーンには、売店があります。ここでは吉野ヶ里遺跡に関係する商品を買うことができるので、お土産をお求めの際にお立ち寄りください。

売店で販売されているお土産のなかで、とくに人気の商品をご紹介します。

吉野ヶ里バタークッキー

吉野ヶ里歴史公園のマスコットキャラクター「ひみかちゃん」と「やよいちゃん」のふたりがパッケージに描かれているお菓子です。中身はそれほど特徴的なクッキーではありませんが、バターの風味がよく感じられる吉野ヶ里歴史公園定番のお土産となっています。

キャラクターのほかに「吉野ヶ里歴史公園」の文字もバッチリ入っているので、「あの有名な吉野ヶ里遺跡に行った」ということが、あげた人によく伝わります。個包装されたクッキーが一箱にたくさん入っているので、お土産を渡す相手が多い方にもおすすめです。

古代米

古代米である「赤米」と「黒米」が売店で販売されています。

この古代米は吉野ヶ里歴史公園内の水田で栽培されたもので、普通に生活しているとまず口に入ることがない、とても珍しいものです。

古代米はポリフェノールやアントシアニン、各種ミネラルが豊富に含まれ健康にもいいとされています。古代米を混ぜたご飯を普段の食事に取り入れ、弥生人にならって健康的な食生活をおくりましょう。

 

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吉野ヶ里遺跡観光の所要時間目安

歩くのが苦手な方でなければ、公園全体を2時間ほどで見て回ることができます。体験プログラムに参加する方はそれに加えて、体験ひとつにつき1時間ほどかかると考えて計画するといいでしょう。

吉野ヶ里歴史公園はとても広いので、たくさんある見どころをすべて見て回るには結構な時間が必要です。たくさん見回りたいという方は時間に余裕を持って行くことをおすすめします。

吉野ヶ里遺跡の入場料金

吉野ヶ里歴史公園の入場料金には1日のみの入場料金と、連続した2日間の入場料金が設定されています。お得な年間パスポートもあるので、近くに住んでいる方はこちらの利用もおすすめです。

なお、中学生以下は入場料金が無料となります。

入場料金 年間パスポート
大人 460円 4600円
大人(二日間) 500円
65歳以上 200円 2000円
65歳以上(二日間) 240円

吉野ヶ里遺跡へのアクセス

吉野ヶ里歴史公園への行き方を、公共交通機関と車に分けてご案内します。ご旅行の計画にお役立てください。

公共交通機関

飛行機を利用する場合は、吉野ヶ里歴史公園に近い「福岡空港」もしくは「九州佐賀国際空港」をまずは目指しましょう。

電車を利用する場合は、吉野ヶ里歴史公園に近い「JR神埼駅」もしくは「JR吉野ヶ里公園駅」で下車し、そこから徒歩・バス・タクシーのいずれかで向かいましょう。それぞれの駅から吉野ヶ里歴史公園までの距離は約1kmです。

福岡空港から 【所要時間】1時間10分

「福岡空港駅」から「吉野ヶ里公園駅」まで電車で1時間10分

※途中、「博多駅」と「鳥栖駅」で2回乗り換え

佐賀空港から 【所要時間】1時間15分

「佐賀空港」から「佐賀駅バスセンター」までバスで35分

→「佐賀駅」から「吉野ヶ里公園駅」まで電車で20分

車でのアクセス方法をご案内します。レンタカーをご利用の方などは参考にしてください。

福岡空港から 【所要時間】40分

県道30号を北上し、国道444号線・385号線を経由

→「吉野ヶ里町田手」の交差点を北に進み、「吉野ヶ里歴史公園」まで1分

佐賀空港から 【所要時間】40分

九州自動車道・長崎自動車道を経由し、「東脊振IC」出口を出る

→国道385号線を南下して「吉野ヶ里歴史公園」まで5分

駐車場

吉野ヶ里歴史公園には専用駐車場が3つあります。それぞれの駐車可能台数、駐車料金をご案内します。
【駐車可能台数】

東口駐車場 大型車80台 / 普通車540台 / 二輪車30台
北口駐車場 大型車11台 / 普通車230台 / 二輪車10台
西口駐車場 大型車20台 / 普通車310台 / 二輪車10台

【駐車料金】

大型車 1050円
普通車 310円
二輪車 100円
自転車 無料

まとめ

今回は国内最大の弥生遺跡であり、邪馬台国がこの地にあった可能性を持つ吉野ヶ里歴史公園の見どころやイベントの情報などをお伝えしてきました。

ここは大昔の人々の暮らしの様子をうかがい知ることができる、とても楽しい場所です。ぜひご家族やお孫さんと吉野ヶ里歴史公園を訪れ、たくさんの体験を通して弥生文化に触れてみてください。

この記事を書いた人:斎藤 誠

この記事を書いた人:斎藤 誠この記事を書いた人:斎藤 誠

旅行・温泉・ラーメンが大好きな、自称アウトドア派の30代。47都道府県すべてに訪れた経験を活かし、あなたにとって本当に役に立つ情報を発信します。

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