終活とは?やり方やメリット、ポイントを解説

終活という言葉が広く知られはじめ、終活に興味がある人も増えています。しかし、終活するメリットや終活では何をするのかという具体的な内容までは、よく知らないという人が多いのではないでしょうか。

そのような疑問を解消するために、終活とはどのようなものなのか、具体的に何をすればよいのかをわかりやすく解説していきます。

終活とは

終活

©takasu/stock.adobe.com

終活とは、人生のエンディングを見据えた上で、この先の人生を自分らしく生きていくための準備のことです。

終活では希望する最期の迎え方や死後の供養についてなどだけでなく、これまでの人生を振り返って自分史を作成したりと、これから先の生き方についても考えます。

終活は、万一に備えて気掛かりなこと一つひとつに対して、あらかじめ準備や整理をしておくという死に向けた準備をするだけではありません。

終活は気掛かりなことを解消し、現在から未来をより良く生きるための活動といえます。

終活が広まった背景

日本は世界で最も長寿な国であり、厚生労働省の統計では2018年の平均寿命が男性で81.25歳、女性で87.32歳となっています。*

また、2007年に日本は人口の21%が65歳以上となる「超高齢社会」に入ったことに伴い、孤独死や空き家問題、相続などさまざまな社会問題が発生するようになりました。

そのような中で、「老後を自分らしく充実して過ごしたい」「自分の最期は自分で決めておきたい」という欲求が高まり、終活への注目度が上がっています。

2009年に終活に関する書籍が出版されていますが、当時は1947~1949年の間に生まれた団塊の世代が定年を迎える時期であったこともあり、徐々に終活の概念が広まっていきました。

*「平成 30 年簡易生命表の概況」(厚生労働省、2019年)

終活の認知度は?

「◯◯活」という言葉はたくさん作られていますが、終活の認知度はどの程度なのでしょうか。

2018年にマクロミルが行った調査では終活という言葉を知っている人の割合は20〜70代のどの年代においても9割以上となっています。

終活という言葉は2009年に週刊朝日が最初に使ったのが始まりとされる比較的新しい言葉ですが、今では終活はすっかり市民権を得ている言葉といえるでしょう。

また同調査によると、「実際に終活を実施している人」「今後終活をしたいと考えている人」は全体の2人に1人となっています。

終活の実施状況、今後の実施意向

出典:デジタル終活知っている?希望するお墓のカタチは?20~70代にきく終活に関する意識調査

終活をするメリット

終活という言葉を聞くと縁起が悪いと感じたり、終活をしておくと何が良いのか分からないと感じる人もいらっしゃるでしょう。

終活には自分だけでなく、家族にとってもメリットがあります。ここでは5つのメリットをご紹介します。

終活のメリット

@OLYMPUS DIGITAL CAMERA/stock.adobe.com

人生を振り返り、気持ちを整理できる

終活をしていく中では、エンディングノートを作るなど自分の今までの人生を振り返る機会が多くなります。また、持ち物や人間関係など身の回りの整理をすると、気持ちの整理も一緒につくものです。

仕事や子育てが終わり、ゆっくりと自分の時間をとれる時だからこそ、終活をすることによって今までの人生を見つめなおし、気持ちを整理することができます。

残りの人生を前向きに生きられる

終活では、自分の死後についてあらかじめ考え、家族に伝えておくことも重要なポイントです。自分の死後に関する不安や心配事が軽減されると、残りの人生を心置きなく楽しんで生きていくことができるようになります。

また、今までの人生を振り返り気持ちを整理することによって、やり残したことや後悔がないように生きようと、余生を前向きにとらえるられるようになります。

家族の負担が減る

自分に万一のことがあった時には、家族は短時間で色々な判断や手続きをしなければなりません。

例えば、どのような形式で葬儀を行うか、遺品や住んでいた家はどうするかなど、意志決定をしなければならない状況では、どうするのが望ましいのかを考え悩むでしょう。

役所への届け出や銀行口座の解約など、各種手続きに追われる中で、それらの意思決定を行うことは骨の折れる作業です。

そのような時、葬儀やお墓などについて事前に準備をして意思を伝えておくと、残された家族の負担を減らすことができるのです。

また、保険や身の周りの情報がまとめてあると、家族が手続きを代行する時には非常に助かります。

自分の希望を形にできる

自分らしい人生を送るために、家族の協力は不可欠です。

たとえば、介護や終末期の希望など、その時に自分が意思を伝えられない状況になることも考えられます。あらかじめ自分の意思や希望をまとめておいて、家族と共有し代弁してもらえるようにしておきましょう。

また、その思いや希望を形として残しておくと確実性が増し、安心です。

遺産相続のトラブルを回避できる

「自分の財産は少ないので、遺産相続で家族が揉めるとは考えられない」と思っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、実際は遺産にまつわる訴訟の75%は資産が5000万円以下の場合で、1000万円以下の割合も30%もあります。

決して他人事ではなく、自分の家族にも降りかかってくる可能性は十分にあるのです。

自分の相続で家族が揉めることほど悲しいことはありません。

生きているうちに相続させたい内容や思いをしっかりと話し合い、遺産相続にまつわるトラブルを回避できるようにしておきましょう。

終活で取り組む5つの分野

「終活」と一言でいっても、その範囲はとても広いため全体像のイメージがつかみにくい方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、終活で取り組むべき5つの分野を紹介します。

住まい

年を重ねていくと、今の家のままでは住みにくくなってくる場合があります。

例えば、ちょっとした段差でつまずいたり、急な階段でけがをしたりと、現在は住みやすい家でも老いるにつれて危険な場所がでくることがあります。そのような危険な箇所を無くしたり、手すりをつけて住みやすくするなど住まいの改善が求められます。

また、ものを片付けて部屋をすっきりさせることも、住みやすさにつながります。

心身ともに元気なうちに、補助金制度について調べて準備したり、生前整理をして住みやすい住まいをつくります。

医療・介護

認知症になったり、重篤な病にかかって介護や終末医療が必要になった際、どのように対応してほしいかを考えます。

元気なうちから考えることは気が引けるかもしれませんが、思考や意思がしっかりと保てている状況だからこそ、事前に考えて家族に伝えておく必要があります。

また、病歴やかかりつけの病院、いつも服用している薬などの情報をまとめておくと、介護施設に入居したり入院したりする際に役立ちます。

葬儀・お墓

葬儀には多額の費用がかかりますが、あなたの銀行口座は死後に凍結されてしまうため、残された家族が一時的に支払うことになります。正式な手続きを行えば口座をあけることができますが、時間がかかってしまうため、家族に葬儀費用を残しておくなど準備をしておくと良いでしょう。

また、自分が亡くなったことを伝えてほしい人や、葬儀に参列してほしい人の連絡先をまとめておくと、万一の際に役立ちます。

さらに、故郷から離れて暮らしていると、近くにお墓が無いという問題も挙げられます。永代供養や散骨、手元供養などさまざまな形があるため、事前に家族と話し合って準備をしておくと安心です。

財産

定年を迎えた後は、介護など意外にお金のかかる事柄が多いものです。年金など定期的に入ってくる収入がいくらなのかをきちんと把握し、備えておくことも重要です。

また、どこにどのような財産があるかを洗い出してまとめておくと、これからの人生に役立つだけでなく、相続についても整理することができます。

相続

離婚や再婚をしていたり、近年増えつつある「おひとりさま」など家族関係が複雑である場合、相続は簡単なものではありません。

相続が望まないような形になってしまい、残された家族がトラブルに巻き込まれてしまわないように準備しておくことが重要です。

遺言は相続に対して法的効力を持つため、作成しておくと相続でのトラブルを避けることができます。自分で作成するより、相続に関して信頼のおける税理士に依頼して作成を手伝ってもらうと良いでしょう。

終活はいつから始めたらいいの?

終活について考える家族

©ohayou!/stock.adobe.com

ライフステージに応じて、終活をはじめる時期を意識し始める方が多いようです。

多くの人にとって普段の生活の中では終活はまだまだ漠然としたものに過ぎないのでしょう。

そのような人たちも身近な人の死や病気を経験したり、人生の節目を迎えることで終活の必要姓を感じるようです。

しかし、終活をはじめる時期にきまりはありません。

まだ若いからと思っていても、早すぎることはないのです。むしろ、万一の時の準備として早いうちから終活をはじめておくほうが安心できます。

終活は思っているより体力や精神力をつかいます。

また、時間をかけて行うものもありますので、年齢に関わらず思い立った時に始めることが一番です。

終活はいつから始める?みんなが終活を始めるタイミング

終活で行う9つの項目

終活で行うべき5つの分野をご紹介しましたが、具体的に何をすればよいのでしょうか。

終活で行うことは数多くありますが、ここでは9つの方法を紹介します。

ただし、これらのことをすべて行う必要はなく、何をするかは自分の状況に応じて選んでいけばいいのです。

一度にやってしまおうと思うと負担が大きいので、優先順位をつけて少しずつ終活を進めて行くのが良いでしょう。

終活で行う項目としては以下のようなものが挙げられます。

  1. エンディングノートを書く
  2. 遺言を書く
  3. 生前整理をする
  4. デジタル終活をする
  5. 終活年賀状を書く
  6. 葬儀の準備をする
  7. お墓や墓地を探す
  8. 遺影を準備する
  9. 終活イベント・セミナーに参加する

では、以下で具体的にみていきましょう。

1.エンディングノートを書く

エンディングノートとペン

©Wako Megumi/stock.adobe.com

終活をしようと思っても、何から始めると良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そのような場合にはまずエンディングノートを書くことから始めてみましょう。

エンディングノートを書くことでことで身の回りの事の整理ができ、今何をしておかないといけないのかを明確にすることができます。

エンディングノートとは?書き方や項目、無料で入手できる方法を紹介

エンディングノートの書き方

エンディングノートには決まった書き方はありません。

したがって普通の市販のノートに自分の好きなように書いたり、自分なりに工夫してエンディングノートを書いても問題ないのです。

それ以外にもエンディングノートとして市販されているもの、市役所などで交付されているもの、インターネットのサイトからダウンロードできるもの、スマートフォンのアプリになっているものなどエンディングノートにはいろいろな種類があります。

自分が書きやすいと思うエンディングノートを使用すると良いでしょう。

エンディングノートの書き方 | 書く内容とポイント【はじめての終活】

エンディングノートで書く項目

エンディングノートに書いておくとよい項目には以下のようなものがあります。

  • 自分について(基本的な情報、自分史)
  • 日常における細かな契約事項
  • 介護や医療についての希望
  • 財産や相続について
  • 家族や友人に対する感謝の気持ちやメッセージ
  • 葬儀について
  • お墓や供養についてあらかじめ準備していることや希望
  • 大切な家族の一員であるペットのお世話の希望など

書き残す項目は人それぞれですが、自分が亡くなった後に家族にしてほしいことや、家族の負担を減らすための情報は具体的に書き残しましょう。

エンディングノートの項目一覧|書いておきたい内容がひと目で分かる!

2.遺言を書く

相続については遺言を書いておきましょう。

預貯金や不動産などの財産だけでなく、形見分けや自分の大切にしているものなどについても書いておくことができます。

なぜそのように思うのかの思いも一緒に記しておくと良いでしょう。

エンディングノートには法的な効力はありませんので、相続のトラブルを避けるためにも財産に関する遺言については必ず遺言書を作成しておきましょう。

ただし、遺言書が効力を発揮するためには書き方などに細かい決まりがあるため、間違えないように気をつける必要があります。

そのため遺言書の作成の時には専門家に相談すると安心です。

3.生前整理をする

生前整理をする男性

©ucchie79/stock.adobe.com

生前整理とは生きているうちに身辺の整理をしておくことです。

生前整理には物の整理だけではなく情報や気持ちの整理も含まれます。

身の回りの物を整理し不要なものを処分しつつ、自分の所有している財産を確認しておきましょう。

多くの遺品を残して亡くなった場合、家族にその処分の負担をかけることになってしまいます。

また、亡くなった人のものは遺品と呼ばれ、遺品整理となると普通に処分するよりも高額な費用がかかってしまうため、生きているうちに自分で整理しておくほうが望ましいのです。

生前整理とは|やり方のポイントを抑えて快適な人生を【初めての終活】

生前整理でやること

生前整理では主に以下のようなものを整理していきます。

  • 人間関係の整理
  • 財産の整理
  • モノの整理
  • 契約内容の整理
  • 住まいや土地の整理

全部をいっきに整理しようとするのではなく、まずは簡単なものから少しずつ整理するようにしましょう。

生前整理のやり方とポイント|これを読めばやることが分かる!

4.デジタル終活をする

デジタル終活とは自分の利用・管理しているデバイスやインターネット上の情報、写真や音声とったファイル、サービスのアカウント情報などのデジタル情報を整理・削除しておくことを言います。

見られたくない情報や悪用される危険性がある情報は事前に削除しておきましょう。

また、自分の死後、デジタル遺品をどのように扱ってほしいかをエンディングノートに書き溜めるなどして家族がわかるようにしていきましょう。

デジタル終活のすすめ方 | デジタル世代にこそ必要な終活とは

5.終活年賀状を書く

終活年賀状

©chapinasu/stock.adobe.com

近年、終活年賀状というものを出す人が増加してきています。

終活年賀状とは今年を最後に、来年からは年賀状を出すのをやめますという宣言をするもので「年賀状じまい」と呼ばれることもあります。

終活年賀状を書く理由はそれぞれですが、よく見られる理由としては、人間関係の整理をするため、高齢で年賀状を書くことが負担に感じられるようになったためなどが多いです。

ただし、相手に失礼にならないように終活年賀状を書くときにの注意点はおさえておくようにしましょう。

終活年賀状とは | 書き方や文例は?もらったらどうする?

6.葬儀の準備をする

葬儀の生前準備

©akiyoko/stock.adobe.com

葬儀はこの世における人生の最後のイベントといえます。

葬儀は人が亡くなった時に行うものであるため、生前に準備しておくことは縁起が悪いと考える人もまだ多いようです。

しかし反面、自分の葬儀を家族に任せるのではなく自分で決めておきたいと考える人も増えています。

生前に情報を集めるだけでなく自分で契約まで済ませておくこともできますので、最近の多様化した葬儀の中から、自分らしい見送られ方を探しておきましょう。

葬儀の種類

葬儀と一言で言ってもその様式にはさまざまなものがあります。

自分がやってほしい葬儀はどのような様式か、費用や流れも含めて事前に家族と話合っておくことが大切です。

葬儀の費用を積み立てる3つの方法とは?それぞれの方法とメリットを徹底的に解説

7.お墓や墓地を探す

従来のお墓は先祖代々のものを子孫が受け継いで守っていくというものでした。

しかし少子高齢化である現代ではこれまでのように、子孫がお墓を守っていくというスタイルが難しくなる人も増えています。

また、自分の入るお墓を新たに建てたいと考えている人もいるでしょう。

最近は従来のお墓の形だけでなく、お墓や墓地、供養にもいろいろな種類もでてきました。

そのため、自分の希望にあったお墓や墓地を探すことができます。自分のお墓を誰が守ってくれるのかを考えながらお墓選びをしていくと良いでしょう。

生前墓は縁起が悪いは嘘!老後の満足度が上がる生前墓の建て方と4つのメリット

8.遺影を用意する

遺影写真

©Maria Sbytova/stock.adobe.com

自分らしい表情の遺影写真を準備するため生前に撮影しておくこともおすすめです。

遺影写真は葬儀の時からその後までたくさんの人の目に触れるものです。

自分の納得のいく1枚を残しておきましょう。

遺影写真はプロに撮影してもらうほか、今までに撮影したスナップ写真から選び加工することもできます。

終活の中では簡単にできることのひとつでもあるので、遺影にするお気に入りの写真を選んでおきましょう。

遺影とは?遺影の選び方や飾り方、処分の仕方まで遺影に関する全て解説

遺影撮影のポイント | メイクや帽子は大丈夫?撮影する年齢は?

9.終活イベント・セミナーに参加する

1人で終活を進めていくにはわからないことも多くなかなか大変です。

そのような場合には終活イベントやセミナーに参加すると良いでしょう。エンディングノートの書き方や、終活で行う具体的な内容や方法を知ることができます。

終活の内容は多岐にわたり、それぞれの専門家が違います。

まずは、終活についての総合的な知識を得られるよう、イベントやセミナーに参加してみることをおすすめします。

終活ガイドはどんな資格?検定や仕事の内容 | 初級・中級・上級

終活をすすめるポイント

終活についてや、終活をどのように行うか具体的な方法をお伝えしてきましたが、最後に終活を有意義にすすめるポイントを2つ紹介します。

一気に行わない

終活は、一気にすべてを行おうとしないことがポイントです。

しっかりと終活を行おうとすると、対応すべき事柄が多くあり、途中で挫折してしまうこともあります。そのため、一気にまとめて終わらせようとするのではなく、優先順位をつけて段階的に終活を行いましょう。

体力が必要なものから着手する

終活の中には、体力が必要なものも含まれています。

例えば、生前整理で家の片づけを行ったり、お墓の準備で候補の墓地を見て回ったりと、体力を要するものがあります。

そのため、体が健康で元気のあるうちに、体力が必要な終活を終わらせるようにしましょう。

まとめ

このように終活では、いろいろなことをするので、時間も労力も感じることもあるでしょう。

年齢にかかわらず、終活という言葉が気になった今がはじめ時です。まずは簡単に取り組めそうなものから、少しずつ終活をはじめてみてはいかがでしょうか。

当サイトでは、終活や葬儀・法事でのマナー以外にも、介護や健康、定年・子育て後の再就職について、役に立つ情報を毎週発信中!
「新着記事をいち早くチェックしたい!」「終活や老後の楽しみ方について、情報収集したい」という方にむけ、LINEアカウントでは新着記事の情報や充実したセカンドライフに役立つ記事を定期的に配信していますので、ぜひチェックしてみてくださいね! 友だち追加はこちらから。

LINE友だち追加はこちら 新着記事をいち早くお届け!

この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

関連する記事

記事のカテゴリ