遺品整理はいつから始める?片付けのタイミングまで詳しく紹介!

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大切な人が亡くなった時、その人の生きてきた証が遺品として残ります。
どれだけ大切な方の遺品であっても、残された遺品の全部をずっとそのままにしておくことは難しいですよね。
かといって亡くなったすぐでも気持ちの整理がついていかないこともあるでしょう。
この記事では、遺品整理をいつから始めたらいいのか、遺品を片付けるタイミングを詳しくご紹介していきます。
目次
遺品整理とは
遺品整理とは、亡くなった人が残した物を、形見分けをしたり、処分したりすることをいいます。
遺品は、亡くなった人が日常で使っていたものから、持ち家などの不動産など非常に多岐に渡ります。
主な遺品には以下のようなものがあります。
- 家具や家電製品
- 貴金属、衣類や雑貨
- 銀行などにある資産、有価証券などの財産や貴重品
- 故人の趣味の道具や、集めていたもの
- 思い出のアルバムや手紙
- 保存食などの残された食料品
- スマートフォンやPCなどのデバイス
特に物に溢れている現代では、残される物の数や種類は多い傾向にもあります。
遺品整理をはじめる前に確認すること

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遺品整理は体力的にも精神的にも大きな負担がかかることです。
また一度処分してしまうと、二度と戻ってくることはありません。
「後になって、捨てたものが実は価値のかるものだったと判明した」「契約書類をチラシとまとめて捨ててしまった」など、遺品整理し終えてから気がつくなんてことも。
そのようなことを防ぐためにも、遺品整理は計画的に行うことをお勧めします。
ここでは、遺品整理をはじめる前に確認をすることをご紹介します。
エンディングノートや遺言は残されていないか
まず、遺品整理をする前にはエンディングノートや遺言が残されていないかを確認しましょう。
エンディングノートは、亡くなった人の遺志や希望を書いておくノートです。
法的効力はありませんが亡くなった人の思いがありますので、もしエンディングノートが残されていた場合にその遺志をかなえてあげたいと感じたなら、エンディングノートに沿って遺品整理をしましょう。
一方で遺言の場合は法的効力がありますので、注意しましょう。
遺言は亡くなった時から効力が発生しますので、遺言を残していないかを他の親族に確認することが必要となります。
親族の同意が得られているか
遺品整理をする場合には、親族の同意を得ておきましょう。
亡くなった方とつながりがある親族を無視して遺品整理を行ってしまうと、後々にトラブルになりかねません。
思い出は、亡くなった人とその人にしかわからないのです。
遺品整理の権利は確かに相続者である遺族にありますが、トラブルを避けるためにも親族の同意は得るようにしましょう。
遺品整理のすすめ方を計画しておく
遺品は貴重品から日常品まで、非常に沢山の種類と量があります。
実際に手を動かす前に、何から片付けていくのかという遺品整理のすすめ方を決めておきましょう。
なかには、アパートの明け渡しや相続などで期限があったり、スマートフォンなどの契約で時間が経つにつれて相続者の金銭的な負担が増えてしまうものがあります。
いつまでに、何を処分すると大まかに決めておくと、焦ったりすることなく遺品整理を進めることができるでしょう。
遺品整理をするタイミング

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次に遺品整理をするタイミングを見ていきましょう。
ただ、遺品整理はいつ行ってもよいものでもあります。
期限があるもの以外は、自分の気持ちの整理がつき、遺品整理を行おうと思った時にはじめるとよいでしょう。
それでも、何をどう整理し始めたらよいかわからない人は、次の4つのタイミングでの片付け時を参考にしてみてください。
お葬式が終わってすぐ遺品整理を始めるもの
お葬式が終わってすぐに遺品整理をはじめるものとしては主に以下のものがあります。
- アパートなどの退去に伴う電気・ガス・水道などの解約
- 亡くなった人が世帯主であった場合には、各種の名義変更
- スマートフォンや動画サイトなどの有料契約の解除
- 健康保険証、高齢受給者証などの返却
- 年金の手続き
特に、お葬式が終わってすぐ遺品整理を始めるものは、そのままにしておくとお金が発生してしまうものや公的な手続きが必要なものとなります。
ペットをペットホテルに預けたまま亡くなってしまい、代金が莫大になっており、ご遺族が後から気付いて支払ったというケースもあります。
故人が契約しているサービスなどが無いかをしっかり確認し、早期に契約を解約しておきましょう。
デジタル遺品についても一度この時期に確認するのが良いでしょう。
四十九日の間に整理しておくもの
亡くなってから、四十九日の法要が行われるまでに整理しておくものには、主に以下のものがあります。
- 遺族・親類が希望する遺品
- 食料品などの期限がある物
四十九日の法要は、亡くなってからの一区切りとされています。
それは仏式では四十九日の法要で、亡くなってから旅をしてきた故人は仏へとなると言われているからです。
また、四十九日の法要には親族が集まり、故人の形見分けとして話を咲かせながら、望む人に遺品を渡すことができるいいタイミングでもあります。
そして食料品などもこのタイミングで整理しましょう。
期限がせまっている食料品は腐らせないよう早めに処分するのが望ましいですし、期限にゆとりがある食料品はフードバングなどに寄付することもできます。
ゆっくりと時間をかけて整理していくもの
ゆっくりと時間をかけて整理していく遺品としては以下のものがあります。
- 持ち家の家財
- 趣味のもの
- 衣類や布団
- 書籍
これらの遺品は形見分けなどもしない上、劣化もしないので期限などを心配せずにゆっくりと時間をかけて処分していくことができます。
また、これらの物は一括で処分する以外に、中古買取業者に買い取りを依頼したり、自分でインターネットなどで売ることもできます。
趣味で収集していた方などの遺品のなかには特定のマニアに価値のあるものなどもあります。
一部でもお金に変えることができればその後の処分費用の負担が少なくなります。
書籍はコミュニティセンター、図書館や学校に寄付することもできるでしょう。
相続のタイミングで整理するもの
相続のタイミングで整理するものは主に貴重品となります。整理するものは以下のようなものです。
- 銀行口座・銀行通帳
- 有価証券
- 土地の権利書
- 不動産
- 宝石や骨とう品などの価値の高い貴金属
相続の手続きには故人の財産を洗い出す必要がありますので、貴重品類はまとめてわかるようにしておき、弁護士などに任せましょう。
遺書がある場合には遺書の用意も必要です。
また相続には期限がありますので、悠長にしていることはできません。
できるだけ早い段階で、弁護士などに相談をしておきましょう。
遺品整理を長引かせるリスクとは
遺品整理は期限付きの遺品を除き、いつ行ってもいいものですが、始めるのならば計画的に終わらせるようにするようにしましょう。
遺品整理を長引かせることで様々なリスクが生じます。
なかでも遺品整理を長引かせる一番のリスクは、心身と金銭的な負担が大きいことだといえるでしょう。
特に遠方から片付けに来る場合、何度も往復をするだけでも負担が大きいのに、長引けばその分体力も気力も必要となります。加えて往復する費用も膨れていくでしょう。
遠方でなくても仕事で忙しい場合、仕事の休みが毎回遺品整理になると、予想以上に疲れてしまいます。
心身と金銭的な負担を少なくするためにも、遺品整理は計画的に行うようにしましょう。
一軒家の場合の遺品整理の仕方
一軒家での遺品整理の場合は遺品整理をおこなううえで比較的、時間の余裕があります。
そのため、親族が集まれる日を調整するなどして計画的にいっきに行うことがおすすめです。
四十九日や一周忌などの法要の際に集まり、今日はこの部屋とこの部屋と場所を決めて行うとよいでしょう。
人出がいることでスムーズに進みますし、処分に困る物も相談できます。
計画的に行うために、一日でどこまで進めるか決め、ゴミ袋や手袋などの用意をしっかりとしておくことが重要です。
賃貸物件の場合の遺品整理の仕方
次に、賃貸物件の場合の遺品整理の仕方を見ていきましょう。
賃貸物件は、引き渡しや退去の期限があるので、悠長にはしていられません。
退去日を越えてしまうと、家賃が発生してしまいますので、金銭的負担を避けるためにも退去日を把握することから始めましょう。
退去日を決める
まず、不動産会社と故人で交わされた賃貸借契約書で退去日を確認しましょう。
この賃貸借契約書は、住居の構造、設備、家賃、解約、違約金、退去日や退去の際のルールなどの契約が織り込まれています。
契約書が見つからない場合は不動産会社に問い合わせましょう。
退去日が早すぎると遺品整理をおこなう期間が少なくなり時間に迫られることになりますが、遅すぎると家賃が発生します。
目安としては、遺品整理に充てれる頻度によって2週間~2ヶ月ほど契約しておくのが良いでしょう。
退去日に合わせて遺品整理をおこなう
退去日が決まったら、退去日に合わせて遺品整理を行う必要があります。
まずは退去日に間に合うように遺品整理の計画を立てましょう。
賃貸物件では、すべての家具や家電を運び出さなければなりません。
人出が必要な場合も有りますので、計画を立てて行いましょう。
その物件のゴミの日を把握しておくとスムーズに運び出せます。
すぐに捨てられないものがある場合は、一度自分の家に保管してあとからゆっくり整理するという方法もあります。
原状回復をおこなう
賃貸物件はハウスクリーニングをして、原状回復する必要があります。
これも賃貸借契約書に書かれている場合が多いので確認をしておきましょう。
ハウスクリーニングは、業者に任せることになります。
ハウスクリーニング代は敷金から引かれることが多いのですが、ハウスクリーニング代が敷金で補えない場合は追加で支払う必要があります。
トラブルにならないためにも賃貸借契約書や請求書などの確認をしっかりとしておきましょう。
遺品整理は業者にも依頼できる

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遺品整理は自分で行う以外に業者に依頼することもできます。
仕事や家庭の状況などによって遺品整理をおこなう時間が無いという方でも、遺品整理を業者に依頼することで、短時間で片づけることができます。
遺品整理を業者に依頼するメリットとデメリットは以下のようなことがあげられます。
メリット
- 短時間で済む
- 人出を集めたりする必要が無い
- ゴミ出しや不用品回収などの手続きを自分でしなくていい
デメリット
- 作業費用がかかる
- 慎重に業者を選ぶ必要がある
物が多い一軒家の場合や、賃貸物件の退去日が迫っている場合には特に便利と言えるでしょう。
遺品整理業者は料金はかかりますが、時間的・体力的なコストを考えるととても助かります。
ただし業者とのトラブルが発生したり、業者に頼むことで後悔する人などもいらっしゃいますので、業者に依頼する際はしっかりと本当にその業者に頼んでいいのかを再度確認しましょう。
まとめ
遺品整理は故人と遺族をつなぐの大切な作業です。
遺品整理はいつからやればいいという決まりはありませんが、金銭が発生するものに関してはしっかり把握し、整理するようにしましょう。
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