遺品整理業者の選び方 | 費用相場とトラブルの原因をチェック

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遺品整理を行うとき、遺品整理業者を検討する方も多いと思います。
自分達だけでやるより、プロに依頼した方が負担は軽減されますが、その分費用はかかります。
家族や親族が亡くなると、葬儀費用やお寺へのお布施、お香典等々出費が重なりますので費用対効果が自分達にとってあるのかどうかよく検討しましょう。
本記事では、依頼したことを後悔しないよう、信頼出来る遺品整理業者の見分け方や、費用相場を解説していきます。
目次
遺品整理業者とは
遺品整理業者とは、亡くなった人の家や部屋の家財道具を整理し、処分までしてくれる業者のことを言います。
事前に依頼内容を聞き、現場を見た上で打ち合わせをし、見積りを出してくれる業者がほとんどでしょう。
業者によってどこまでサービスとして提供しているかは変わりますが、遺品の仕分け、処分、買取、清掃などが主なサービスとなります。
遺品整理業者に依頼するメリット
業者に依頼するとなると、自分でやるときと比べるて、もちろん費用は高くなってしまいます。しかしながらプロに依頼することで様々な負担を軽減することが出来ます。
ここでは遺品整理業者に依頼することのメリットをみてみましょう。

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時間と手間を省ける
遺品整理を何度も経験する方は少ないのではないでしょうか。
その点、プロは経験がありますので、同じ作業をやったとしても素早く、効率良く作業を進めてくれるでしょう。
なかなかまとまった時間を取れない方、早く遺品整理を終える必要がある方には、時間と手間が省けるのでおすすめです。
遺品供養を任せられる
遺品整理業者の中には、処分する遺品の供養をしてくれる業者もあります。
遺品は必ず供養しなければならないということはありませんが、故人が大切にしていた物など廃棄したり売却したりすることに抵抗がある家族の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
遺品整理業者がおこなう遺品供養は基本的にはお焚き上げですので、お寺の住職と連携してやってくれる場合があります。
体力的・精神的負担を軽減できる
故人が一人暮らししていた場合は、整理しなければならない家財道具がたくさんあります。ベッドなどの大きい物は解体しなければなかったり、冷蔵庫や洗濯機などの重たい物も運び出す必要があります。
そういった作業を一人でするのは難しく、協力してくれる人がいたとしても体力的には負担になります。
また、「遺品整理をやらなければならない」ということ自体も忙しい日々を送る方にはプレッシャーとなります。更に、大切な人を失くした人にとって、自分で廃棄や売却などの判断をして仕分けをしていくのは精神的負担にもなります。
業者に部分的にでも依頼すると、そういった負担は軽減することが出来るでしょう。
遺品整理を誰がやるか、という事を親族で揉めなくても良い
遺品整理をするのには時間も体力も必要です。
例えば、一人暮らししていた親が亡くなり子供たちは別の場所で暮らしている場合など、皆が都合を合わせて集まることもなかなか難しいでしょう。
かといって誰かが代表して行うとすると、一人に負担がかかってしまいます。
そんな時は代表者が立ち会いさえすれば遺品整理を業者に依頼出来るので楽で良いかもしれませんね。
遺品整理の代行を依頼できる業者の種類
遺品整理のサービスを提供している業者には、いくつかのジャンルがあります。
遺品整理を専門とした業者、不用品回収をメインとした業者、清掃代行をメインとした業者等々です。
どこまでの範囲の作業を依頼したいかにもよって、自分に合っている業者は変わってくると思いますので、サービス提供範囲をよく確認してから依頼するようにしましょう。

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遺品整理の専門業者
遺品整理の専門業者は、遺品整理士や終活カウンセラーなど有資格者が事業所にいる場合が多いです。
専門業者の場合、遺品の取り扱い方法や、供養の仕方、その他ご家族への寄り添い方など、しっかりと教育されている方が多いので安心です。
遺品の仕分け、貴重品などの捜索、遺品の供養などをお願いしたい場合には、経験豊富な遺品整理専門業者に依頼すると良いでしょう。
不用品回収業者
自分達で遺品の仕分け作業をし、不用品のみ回収を依頼したい場合には、不用品回収業者に依頼することも出来ます。
ただし注意したいのは、一般的な不用品回収業者は不用品を「遺品」としては取り扱わないことです。そのため、供養をしてもらいたかったり、「遺品」としての丁寧な扱いを望む場合は向かないでしょう。
不用品回収業者に依頼する場合は、家庭からの不用品回収に必要な「一般廃棄物収集運搬許可証」や家庭からの不用品を売却出来る「古物商許可証」という資格を保有しているかを確認すると、悪徳業者を避けられる可能性が高いです。
清掃代行業者
重要な遺品は自分達で取り出したが掃除はお願いしたいという場合や、故人の家がゴミ屋敷化していたような場合は、清掃代行業者に依頼をすると良いでしょう。
素人が不用意に手を出すと、ゴミが崩れてきてしまったり危険な場合があります。
清掃代行業者が、遺品整理をサービスとして提供している場合は大切な遺品を捜索したり、仕分けしてもらう事も出来ますので、どこまでがサービスの範囲かということや遺品整理の経験は豊富なのかということなどはよく確認しておくと良いでしょう。
特殊清掃
一般的な清掃とは別に特殊清掃を請け負う業者もいます。
特殊清掃とは、孤独死で発見が遅れた場合など、部屋に残された血液や体液の処理、害虫駆除、除菌・消臭などを行い、故人の家族が遺品整理のために部屋に入室できるようにすることです。
特殊清掃と遺品整理を一緒におこなってくれる業者もあります。
その他
地域の便利屋さんや何でも屋さんで遺品整理をやってくれる場合もあります。
大手の遺品整理業者より低価格でやってくれる場合もありますが、どこまでやってくれるかは会社の規模などによってそれぞれです。
単純に「遺品整理の人手が足りないから重たい荷物を運んだり解体したりするのを手伝って欲しい」というレベルの依頼なら町の便利屋屋さんの方が気軽に頼みやすいかもしれません。
もう少し高いレベルを要求するのであれば、スタッフの保有資格や遺品整理の経験件数などをよく確認してからするようにしましょう。
遺品整理業者のサービス内容
遺品整理業者が提供するサービスは遺品の仕分け、供養、買取などがメインとなります。
ではそれぞれどういうサービス内容なのか、細かくみていきましょう。
遺品の仕分け
遺品を依頼の通りに仕分けし、必要であれば貴重品や権利書の捜索もします。
事前の打ち合わせでは話に出なかった物も、家族にとって重要と思われる物は別に仕分けをしてもらえます。
基本的には、
- 残す物
- 買取出来る物
- 破棄する物
に分けられると思いますので、残して置きたいものは何なのか具体的に伝えておくようにしましょう。
また、仕分けの中で業者が買取出来そうなものをピックアップしてくれます。
遺品整理業者が買取出来ないものでも、自分達でオークションやフリマサイトで売れる物もあります。そういったことを考えている場合はその旨を伝えていくことで別に仕分けをしてくれますので、あらかじめ伝えておくと良いでしょう。
遺品の供養
基本的に遺品の供養はお焚き上げになります。
一般的には、一旦遺品を業者の方で保管ます。
そして他の方の遺品と合わせてある程度の量になったら、提携しているお寺などでまとめてお焚き上げをしてもらえます。
管理が不安な場合は、保管している倉庫などを見学させてもらうと良いでしょう。
また、部屋そのものを供養して欲しいという場合は住職を紹介をしてもらうこともできます。
遺品の買取
「売れる遺品があれば売りたいが、何が売れそうなのかわからない」という場合は仕分けをしてもらいつつ、買取鑑定も一緒にもらうのが良いでしょう。
自分達では捨てるしかないと思っていた物でも、買取してもらえる物もあるかもしれません。
買取金額を聞いた上で不満がある場合は自分達でオークションやフリマサイトで売るということも出来ますが、物が売れるまでのタイムラグがあります。
仕分けして売る、お金入ってくるのがいつになるかわからないということが面倒な場合は遺品業者に買取してもらうと良いでしょう。
その他オプション
上記のサービスの他に、各種手続きの代行や、ハウスクリーニングなどの清掃作業をオプションでつけられる業者もあります。
相続や税金、自動車、住宅、保険に関する手続きなど、人が亡くなるとしなければならない手続きが山ほどあるので、何から手をつければ良いのかわからないという場合は、相談してみると良いでしょう。
また、遺品整理業者は簡単な清掃は基本的には見積り内での作業となりますが、ハウスクリーニングレベルになると別料金がかかります。
どこまで依頼したいかは、見積り時にしっかり伝えておくようにしましょう。
遺品整理業者に依頼する際にチェックしたい5つのポイント
大切な故人の遺品ですから、依頼する場合には業者にも大切に取り扱って貰いたいと思うのは当たり前です。
トラブルを避ける為にも、下記のポイントに注意しましょう。

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1.事業所がきちんと認定をもらっているか
遺品整理をおこなうのには、特別資格は必要ありません。
しかし、家庭からの不用品回収には「一般廃棄物収集運搬許可証」、家庭からの不用品を買取ためには「古物商許可証」が必要です。
依頼しようとしている業者がどこまでをサービスとして提供しているのか、不用品回収や買取を提供している場合には、企業として許可証を保持しているかはよく確認するようにしましょう。
きちんと保有している業者は、ホームページなどに記載があるケースがほとんどです。
2.遺品整理業者がどのような資格を保有しているか
遺品整理士は民間の資格ではありますが、保有している社員がいるか、また実際に作業してくれる人が保有しているかどうかというのは、その企業の遺品整理に対する姿勢を見る重要な判断材料になると思います。
また、遺品整理をしながらあらゆる遺族の相談に乗れるかどうかというのは終活カウンセラーや終活アドバイザーなどの資格を保有している社員がいるか、という点からも判断出来るでしょう。
3.料金体系がわかりやすいか
見積りの仕方も業者それぞれによって違いますが、見積もりの内訳や料金体制が分かりやすいかどうかというのはトラブル回避につながります。
また、別途費用がつく場合についてもきちんと説明してくれる業者に依頼しましょう。
4.アフターサービスをおこなってくれるか
基本的な清掃などは費用内で行ってくれる業者がほとんどですが、料金に含まれているかは確認した方が良いでしょう。
部屋を片付けた上で、ハウスクリーニングやリフォームを依頼したい場合などは、そのまま依頼すると割引が効くケースもあります。
また、相続や保険の相談に乗ってもらえたり、手続きの代行をしてくれる業者もいます。
そのような業者は幅広い知識を持っており、期待以上の質の高い遺品整理をしてもらえる可能性が高いです。
5.来訪して見積りを出してくれるか
業者が見積りをするためには実際に現場を見て、部屋の広さや整理する必要のある遺品の量、遺族が何を要望しているかなど確認する必要があります。
依頼内容にもよりますが、見積りするだけでも1時間はかかると思います。丁寧にやってくれるかどうかはきちんと見ておきましょう。
当然ですが、電話などだけでの見積りでは正確な見積りは出せません。後から追加費用を請求されたりするケースもありますので注意しましょう。
遺品整理業者の費用相場は?

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悪徳業者の被害に合わないために、大体の費用相場を知っておきましょう。
1K | 3万~8万程度 |
---|---|
1LDK | 5万~10万程度 |
2LDK | 10万~20万程度 |
3LDK | 15万~30万程度 |
一軒家丸ごと | 25万程度~ |
金額に幅があるのは、依頼内容、遺品の量、分別作業の程度、階数・エレベーターの有無、トラック搬送の距離などに違いがあるためです。
ゴミ屋敷と化した住まいであったり、特殊な依頼内容が含まれたりする場合など、部屋の状態によっては上記金額を大きく超えることもあります。
遺品整理業者に頼むデメリット
業者に頼むと自分でおこなうよりも費用がかかりますが、それ以外にもデメリットやトラブルの可能性があります。
以下の点に注意してから依頼するようにしましょう。

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悪質な遺品整理業者もいる
遺品整理業者の中には下記の様な悪質な業者もいるので注意しましょう。
- 想像以上の遺品の量だった、などと言い訳して、後から不当に追加請求する
- 相場よりはるかに低い金額で買い取りをする
この辺りは事前にしっかり見積りをしてもらったり、 納得がいく金額でなければ買取してもらわなければ良いので、ある程度予防出来ると思いますが、下記の様な行為は違法です。
- 必要な資格を持たずに、遺品の処分や買取を行う
- 遺品を不法投棄する
- 貴重品を盗む
事前に何件か相見積もりを取り、見積り金額が安過ぎたり、見積りに含まれている範囲が不明瞭な場合は注意しましょう。
自分で整理するよりも費用がかかる
自分達で整理する場合は、大きく費用がかかるものはありません。
しかし、業者に依頼すれば、時間は短縮され、体力を使うことはやってもらえますが、費用はかかります。
単なる不用品回収や家事代行などとは違いますので、それなりの費用となることが予想されます。
残しておきたいものが処分されてしまう可能性も
事前の見積りや、打ち合わせの段階で取っておきたいものをしっかり伝えて置かないと、不用品に仕分けされてしまう場合があります。
業者側も勝手に処分してしまう事はありませんが、自分で一つ一つ手に取って仕分けをするわけではないので、廃棄前に不用品を確認させてもらったとしても自分で見逃してしまう可能性もあります。
故人の遺品を細かく確認したい場合は、ある程度の仕分けまでは自分でやっておくのが良いでしょう。
気持ちを整理する時間が無くなってしまう
遺品整理は大変な作業ですが、一つ一つ手に取って故人との思い出を思い出しながら整理することで、自分の気持ちを整理することにもつながります。
もちろん、作業を依頼したから全く気持ちの整理が出来ないという訳ではありませんが、遺品整理は故人との最後の一時を過ごすことが出来る手段ということも忘れないでおきましょう。
手間と費用、感情などから判断した結果、遺品整理業者に頼むのが心配という人は、自分でやるものありです。
まとめ
遺品整理は時間も使いますし、精神的にも体力的にも大変な作業です。
部分的にでも業者に依頼することでその負担を軽減することが出来ます。
しかし、遺品という特殊な物の取り扱いになるので、金額のことや業者の対応、サービス内容に納得してから依頼するようにし、トラブルに巻き込まれ無いように注意しましょう。
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