遺影の背景におすすめの色や風景は?
遺影はお葬式などに飾られ、故人の人柄を映します。
昔は堅苦しかった遺影も、最近では故人らしい表情のものを選ぶことが多くなってきました。
では、その遺影に合った背景を考えたことはありますか?
背景によって遺影写真の雰囲気は大きく変わります。
人の目に触れることが多い遺影です。できるだけ良いものを残したいですよね。
この記事では遺影の背景におすすめの色や風景などを解説していきます。

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目次
遺影写真を用意する理由
遺影写真を用意する理由はずばり「故人を思い出しやすくするため」です。
遺影写真は、150年ほど前からお葬式で飾られるようになりました。
遺影写真の普及は写真機の普及とともにあり、それまでは遺影写真は飾られていませんでした。つまり遺影を飾ることに宗教的な意味はありません。
しかし、姿かたちを映した遺影は、視覚的効果が高く、お葬式に故人の遺影があることで、人々はより強く故人を想い出すことができるようになりました。
そのため、お葬式には今でも遺影写真が飾られているのです。
お葬式後には、遺影写真は家に飾られ、その面影で家族を見守り家族は故人を偲ぶ大切なものとなります。
遺影の背景は加工・変更できる
遺影の背景は加工・変更ができます。
例えば、下記のように変えることができるのです。
- グレーやピンクなど単色の色
- 風景写真
- シャボン玉やタイル模様など
これまで遺影写真といえば、厳格なイメージがあった方も多いのではないでしょうか。
その遺影写真のイメージから、カラー写真が主流になっても、グレーなどの色合いの背景を選ぶ人が多い傾向がありました。
しかし現在では、遺影全体が明るく故人らしい遺影写真にする人が徐々に増えてきています。
写真機の普及とともに広まったのが遺影なのですから、カラーや加工の技術があるのであれば、できるだけ技術を活用し、故人を思い出しやすくするのが良いでしょう。
もちろん遺影の背景はそのままでも構わない
もちろん遺影の背景を無理に変える必要はありません。
そのままでも構わないのです。
旅行先の風景や庭先の花など、綺麗なものは綺麗なままで遺影を作りましょう。
ただし、遺影は対象の人の周りだけを切り取ります。
写真として花などが綺麗に入っていたとしても、対象の人の周りになければ、遺影に取り込まれません。
また、背景がふさわしくても、対象の人の周りに別の人が映っているとその部分はトリミングしなければいけません。
一部が切り取られると、不自然になってしまうので、背景をそのまま使う場合には、以下の二つをのことを注意しておきましょう。
他の人と重なっていないこと、
背景が切り取っても不自然ではないこと
人気の背景色・風景・模様
遺影の背景は、変えることができると説明をしました。
では、多くの人が選ぶ人気の背景色や風景・模様などはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれの背景がどのような印象を与えるのか、どのような方に向いているかを解説していきますね。
背景を選ぶときの参考にしてください。
グレー色
グレーは、厳かであり落ち着いた印象を与えるので、スーツや和服など正装をした人に合います。
また、それとは別の理由でグレーを選ぶ人も多いです。
それはグレーが、昔の遺影写真としてのイメージに一番近いからです。
カラーが発達したのはつい最近で、家に飾られている遺影のほとんどが白黒です。
そのため、遺影写真を作るという意識で、白黒の遺影に近いグレーが選ばれます。
青色
青色を遺影の背景にすると、爽やかで明るい印象になります。
そのため、男女ともにカジュアルなスーツから普段着まで幅広い服装に合います。
青色は空の色でもあって、故人が空に居るような雰囲気にもなります。
ただ、青色の背景を選ぶときは、同色の服の色はおすすめできません。
どの背景にも言えることですが、背景と同色の服装をしていると顔だけが浮き出た遺影になってしまいますので、気を付けましょう。
ピンク・紫色
ピンクを遺影の背景にすると柔らかい印象になり、女性や高齢の男性に合います。
ピンクを背景に選ぶときは、服装もカジュアルな普段着の方がより柔らかくなります。
紫色を遺影の背景にすると気品が出ますので、和服やジャケットなどの上品な服装の女性によく合います。
ピンクは親しみやすさを、紫は凛とした上品さを遺影写真に与えますので、故人の雰囲気合わせて選びましょう。
風景
風景は、故人が選んだ背景のその場にいるような印象を与えてくれます。
そのため、服装は普段着の方が風景と合います。
また下記のような風景が人気です。
- 桜…男女問わず
- 富士山…男性に多い
- 山・海…男性に多い
- 花畑…女性に多い
男性に選ばれることが多い山や海は、ゴルフや釣りなどが趣味だった場合におすすめです。
花畑はやはりお花が好きな女性に選ばれることが多いです。
しかし、背景に男女の決まりはありませんので、故人らしい風景を選びましょう。

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模様
模様は様々なパターンがあって選ぶのがやや難しい背景です。
背景がモノトーンでは寂しく、風景ではごちゃごちゃしてしまう印象を感じる時に参考にしましょう。
ただ、ストライプ柄やタイル模様などのはっきりとした模様の背景はお勧めできません。
模様がはっきりしているほど、故人と同化して故人が目立たなくなってしまうのです。
そのため、模様を背景に選ぶときは、マーブル模様のようなややぼやけたようなものを選ぶとよいでしょう。

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その他遺影はどんな加工ができる?
遺影の加工は、背景だけを差し替えるだけではありません。
下記の事もできます。
服装を変える
要らないものを消し、足りない部分の服装を補填する
逆光や影などの光を調整する
例えば、遺影にしたい故人が浴衣を着ているのをスーツへ変えることができます。
また、限度はありますが、一緒に映っているハンカチや花束、抱いたペットなどを消して、その部分の服を作ることもできます。
光の加減が悪く肌色が暗く見える場合も明るくすることもできます。
遺影の加工は、このようなこともできるのです。
生前に遺影を作成しておこう
ここまで遺影の背景の大切さや選び方をご紹介してきました。
貴方には今、自分の遺影にふさわしい写真があるでしょうか?また、背景はどのようにしたいという希望はあるでしょうか?
遺影は亡くなってからでないと作ってはいけないものではありません。
生前に遺影を作成しておくと、下記のようなメリットがあります。
自分で気に入った遺影を作ることができる
遺影を探したり、考えたりする家族の負担を減らすことができる
このように、いざという時のために遺影を作成しておくと安心ですよね。
生前に自分の遺影をつくっておきたいと思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
ただし、遺影写真を作ることは、「縁起が悪い」と考える人もいます。
少なくとも家族には、どうして自分が生前に遺影写真を作るのかその理由を話しておきましょう。
まとめ
この記事では以下のようなことがわかりました。
遺影の背景はそのままでもよいが、加工して変更することもできる。
遺影の背景では、厳かなグレーや爽やかな青色などが人気であるが、柔らかい雰囲気を希望の場合はピンクがよい。
風景画では故人の趣味や好きだった場所が選ぶとよい。
遺影は後世に残っていく姿です。
遺影の背景でより故人らしさが出るように選びましょう。