遺影とは?遺影の選び方や飾り方、処分の仕方まで遺影に関する全て解説

実際に葬儀の準備をするとなったときに、遺族が用意しなければならない物の1つに遺影があります。

もちろん生前に準備しておき、自分が亡くなった後にそれを遺影として使ってもらうこともできます。

本記事では、遺影の選び方を始め、遺影の取り扱いについて解説していきます。

遺影とは

遺影を持つ女性

遺影とは亡くなった人を偲ぶために作られる写真、肖像画のことを言います。

近年は写真で作られる方が多いですが、肖像画(似顔絵)でも問題ありません。

遺影は、大体胸元から上の姿を切り取る事が多いです。

一般的な通夜、告別式の際には四つ切りサイズに引き伸ばして祭壇中央に飾ります。

最近では終活で、自分自身で遺影写真を用意される方も増えてきました。

遺影のはじまり

諸説ありますが、江戸時代中期頃から流行した、歌舞伎役者など有名人が亡くなった際に描かれた浮世絵の「死絵(しにえ)」が遺影の始まりではないかと言われています。

また遺影の文化が普及したのは日清・日露戦争の際に、故人の家族が座敷に写真を飾って偲んだのが由来ともされています。

海外では遺影を用意する習慣が無い国が多く、日本独特の文化と言えるでしょう。

▼遺影についているリボンの意味とは?気になる方はこちらの記事をチェック

遺影リボンはなぜ付けるの?リボンの付け方と外す時期

遺影の選び方のポイント

遺影の選び方にもポイントがあります。

一番のポイントは本人らしい表情をしているものを選ぶということです。

通夜・告別式、そしてその後の法要など、多くの人は遺影を見て故人の在りし日を思い出し、冥福を祈ります。

ですから「生前のこんな姿(顔)を思い出してもらいたい」という写真があるといいでしょう。

また、遺影は基本的にはその家が続く限り受け継がれる事が多いですから、亡くなる前の本人の希望や、家族が気に入った写真を選ぶのが理想です。

遺影の選び方|背景や表情などに決まりはある? 故人らしい遺影を選ぼう!

遺影はどこまで加工・修正できる?

遺影を加工する女性

© s_l/stock.adobe.com

最近の修正技術はかなり向上していますので、希望すれば下記の内容など色々と加工・修正することができます。

  • 故人の服
  • 背景
  • 顔のシミ・シワ除去
  • 口角を上げたりするなど表情の修正
  • 目を大きくしたりするなど、顔のパーツの修正

昔は着物やスーツを着た遺影が多かったので、洋服を着物にしたり、白いネクタイを別の物に変えたり、という加工が多かったです。

しかし今はもっと自由な遺影が多いので、背景や洋服よりも表情を優先して選ぶと良いでしょう。

表情や顔パーツの修正もできますが、やり過ぎると本人の面影が無くなってしまいます。

あくまでも、故人を思い出すためのもの、として考えて加工・修正をしましょう。

遺影の加工は何ができる?背景や服装も合成可能!もちろん拡大・縮小も

遺影に不向きな写真は?

逆に遺影に不向きな写真もあります。

  • 顔の一部が隠れてしまっている
  • 背景が黒い写真(背景が髪の毛と同化している)
  • 暗い表情の写真
  • ピントが合っていない写真
  • 亡くなった年齢よりも若すぎる写真

故人がメインで写っている写真でなくても、切り取って加工することができます。

しかし、顔の一部分が隠れてしまっている様な写真や背景と髪の毛が同化してしまっている写真ですと、切り取ったり、加工したりするのが難しいです。

また、暗い表情は加工して口角を上げたりすることはできますが、全体的に不自然な表情になってしまう可能性が高いので避けた方が良いでしょう。

他には、ピントが合っていない写真は引き伸ばしをすると更にぼやけた印象になってしまいます。

若かった頃の写真は、使ってはいけないということはありませんが、遺族などが違和感があるようでしたら、若すぎない写真の方が良いでしょう。

遺影写真が無い場合

遺影写真がない場合は、肖像画を描いてもらいそれを遺影とすることもできます。

若い時の写真を用意したり、親戚などの故人と似ている人の写真を用意したりして、細かい特徴を伝えると、故人の顔を再現するように描いてもらうこともできるのです。

葬儀屋によっては、肖像画を描くサービスをオプションとして用意している場合があります。

入院生活が長く、元気な頃の写真は若すぎてしまうといった場合や、故人が写真嫌いで良い写真が残ってない、という場合は肖像画の遺影にしても素敵です。

しかしながら、葬儀の際に遺影を用意するのが難しい場合は、必ずしもなければいけないものではありません。

遺族などが遺影がなくても違和感を感じなければ作らなくても大丈夫です。

また、葬儀の際には作れなかったけど、やはり欲しいと思って後から作り、仏壇などに飾っておくのも良いのでしょう。

遺影写真が無い場合はどうすればいい?6つの対処方法を紹介

一般的な遺影のサイズは?

一般的な葬儀の際には、遺影は四つ切りサイズに引き伸ばされ、祭壇の真ん中に飾ります。社葬や団体葬などの大規模な葬儀の場合は、もっと大きくするケースもあります。

また、簡易焼香台の上にL版サイズの遺影が用意されている場合もあります。

L版サイズはその後自宅の仏壇に飾ったりも出来ます。また、人によっては持ち歩き用にL版より更に小さい遺影を葬儀後に作られる方もいます。

遺影がプラン内に含まれている葬儀社がほとんどですが、サイズやいくつ用意するかによって別料金になる場合もあります。

遺影のサイズは一般的な大きさは?サイズ変更をする時の注意点!

生前に遺影写真を撮影しておこう

生前の姿

© beeboys/stock.adobe.com

近年は終の一貫で生前に遺影写真を自分で用意する方も増えています。

自分で用意するメリットは納得するまで何度でも取り直しができることです。

また、 「自分が死んだら家族にはこの姿を思い出してもらいたい」という希望の写真を遺影に出来るのは良いですよね。

遺影写真は自分で撮る方法とプロに撮ってもらう方法があります。

自分で撮る

自分で自宅などで用意して撮ったり、家族に依頼して撮ってもらうこともできます。

外に出掛けて撮ったり、楽しい旅行の時の写真を遺影にするのも良いでしょう。

自分で撮ると遠慮なく、何度でも撮り直しが出来ます。

親しい人に撮ってもらったり、楽しい瞬間の写真ですと良い表情が自然に出ると思います。

今はスマホでも綺麗な写真を撮ることが出来ますので、特別なカメラ等の機材を用意せずとも大丈夫です。

普段よりも少しお洒落をして撮るのが良いかもしれません。

▼遺影写真にふさわしい服装の選び方を知りたい方はこちらの記事をチェック

遺影写真の服装は何がふさわしい?おすすめの服装から選んではいけないNG例までご紹介

▼遺影にふさわしい背景を知りたい方はこちらの記事をチェック

遺影の背景におすすめの色や風景は?

プロに撮ってもらう

スタジオでプロに撮ってもらうことも出来ますし、外でスナップ写真を撮ってもらい、それを遺影として使うことも出来ます。

また、葬儀社などが主催する終活イベント等ではプロが出張して遺影写真を撮影してくれるケースもあります。

プロは表情を引き出すのが上手いですから、自分で納得のいく写真がない場合はプロに撮ってもらうのも良いでしょう。

▼遺影を撮影する際に気を付けておきたいポイントを知りたい方はこちらの記事をチェック

遺影撮影のポイント | メイクや帽子は大丈夫?撮影する年齢は?

遺影の費用

写真スタジオなどでは、撮影自体は5千円前後からやってもらうことができるでしょう。

また、終活のイベントなどで、無料で撮れる場合もあります。

自分でスタジオなどで撮ってもらうと、四つ切りサイズとL判あわせて印刷代も含め大体2万円前後が相場となるでしょう。

葬儀社の葬儀プランに入っている場合は、現物を用意しなくてもデータだけで良いケースもあります。

これから用意する場合は、葬儀社によく確認しておくと良いでしょう。

遺影の飾り方や飾る順番

昔は仏間が設けられていた家も数多くありました。その頃は仏間の壁の上の方に先祖代々の写真が飾られていたお宅も多かったでしょう。

その際は、右が位が高いとされるため、仏壇を中央とし、右奥から右前に向かって、その後左奥から左前へというように亡くなった順に飾るのが良いでしょう。

しかし注意したいのが仏壇の真上です。

仏壇にはご本尊様を飾ってありますので、真上に飾ってしまうと見下す様な形になってしまいます。仏壇の真上にかけるのは避けるようにしてください。

仏壇の真上を避け、左右どちらかにずらして上記の飾り方をするのが良いでしょう。

遺影の飾り方は?置き場所や遺影の順番、向きなどのマナーを解説

▼遺影にふさわしい額縁とは?気になる方はこちらの記事をチェック

遺影の額縁・フレームに決まりはある?色や素材を選んでおしゃれに

▼遺影を飾りたくない時はどうする?対応を知りたい方はこちらの記事をチェック

「遺影を飾りたくない」は許されるの?飾らない場合の遺影の扱い方

遺影はいつまで飾る?

遺影写真は一般的には49日までは後飾り祭壇(仮祭壇)に飾っておく場合がほとんどです。

後飾り祭壇(仮祭壇)というのは葬儀が終了してから自宅に仏壇とは別に祭壇を設置して、お供え物や仮の位牌、遺骨や香炉を置いておく場所のことを言います。

四十九日が終わり、後飾り祭壇(仮祭壇)を撤去したタイミングで、四つ切りサイズの遺影は片付けて、L版サイズの遺影を仏壇に飾る方も多いです。

遺影はいつまで飾る?置く場所は?遺影を飾る一般的な期間は四十九日まで

遺影の処分の仕方

手を合わせる男性

©naka/stock.adobe.com

四十九日が終わった後は仏教では霊から仏になるとされています。(浄土真宗を除く)

基本的にはそのタイミングで遺影写真は処分してしまっても良いものになりますので、取り扱い方法は各家庭でそれぞれです。

保管しておく

仏間などに先祖代々の写真が飾ってある場合は先に亡くなったご先祖様のお隣に飾っておくのが良いでしょう。

また、飾って置けるスペースが無くても、その後新盆(初盆)や一周忌法要などもありますので、どこかへしまっておき、法要の時には出してあげるのが良いでしょう。

自分で処分する

遺影は写真ですので、位牌と違って故人の魂が入っている訳ではありません。

額と写真をきちんと各地域のルールに従って仕分けすれば捨ててしまっても構わない物になります。

しかし今は自宅でゴミなどを燃やすことは禁止されていますので、注意しましょう。

寺や神社で供養する

遺影を処分したいけれど、一般ゴミに出すのは抵抗がある方は多いと思います。

その場合、お寺や神社に持っていってお願いをすると、お焚き上げで供養してもらえます。

葬儀で使った大きい遺影をお焚き上げで処分し、ご先祖様の遺影をまとめて小さく縮小し、それを仏壇に飾る方もいます。

遺影を処分する方法 | 葬儀後やご先祖様の遺影の処分の仕方

まとめ

遺影は必ず用意しなければならない物ではありません。

ただ、葬儀に会葬に来てくださった方の最後の印象となるのが遺影になります。

また、家族の方もその後、遺影を見て故人の在りし姿を思い出すことになります。

これから用意しようと考えている方は「自分らしい(その人らしい)写真」を用意出来ると良いでしょう。

▼こちらもおすすめ!終活の意味とは?何をすればいいの?

終活とは?やり方やメリット、ポイントを解説

当サイトでは、終活や葬儀・法事でのマナー以外にも、介護や健康、定年・子育て後の再就職について、役に立つ情報を毎週発信中!
「新着記事をいち早くチェックしたい!」「終活や老後の楽しみ方について、情報収集したい」という方にむけ、LINEアカウントでは新着記事の情報や充実したセカンドライフに役立つ記事を定期的に配信していますので、ぜひチェックしてみてくださいね! 友だち追加はこちらから。

LINE友だち追加はこちら 新着記事をいち早くお届け!

この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

関連する記事

記事のカテゴリ