デジタル終活のすすめ方 | デジタル世代にこそ必要な終活とは

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ご自身の身の回りのモノの整理やエンディングノートの作成など、「終活」を積極的に進めていらっしゃる方も多いと思います。

しかし、SNSやインターネット上のデータの整理など、デジタルデータの「終活」を進めていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?

PCやスマホの普及などで、高齢者の方でもデジタルデータを扱う機会が増加しています。

終活を進める際には、デジタルデータまで含めてしっかりと整理していくことがおすすめです。

今回は、主にデジタルデータの整理にスポットをあてた「デジタル終活」について解説していきます。

最後までお読みいただき、デジタルデータの終活である「デジタル終活」も行なっていきましょう。

デジタル終活とは

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では、実際に「終活」を進めていく中で、デジタルデータの整理は進んでいらっしゃるでしょうか。

昨今、PCやスマホが普及していく中で、SNSアカウントやインターネット上の写真データなど、個人のデジタルデータがたくさん存在している状況です。

「デジタル終活」は、そのようなデジタルデータなどを整理して、死後の取り扱いなどを明確にしておく活動です。

しかし、「終活」が身近な活動として定着しつつあるなかで、「デジタル終活」の認知度は3.2%程度といわれています。

「デジタル終活」の認知度はまだまだ低く、活動が進んでいないのが現状といえます。

デジタル遺品とは

「デジタル遺品」とは、亡くなった故人が使用していたスマホやPCに保存されたデータや、SNSなどに残されたデータをいいます。

もしも、スマホやPCのロックを解除するためのパスワードやSNSのアカウントなどが家族に共有されていないと、デジタル遺品の処分をすることができなくなります。

したがって、家族に負担をかけないためにも、デジタル終活を進めてデジタル遺品を整理することが重要です。

▼デジタル遺品について詳しく知りたい方はコチラ

デジタル遺品とは | パスワードが解除できない場合の対処方法は?

デジタル終活が必要な理由

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自分のプライバシーを守るため

スマホやPCには、写真のデータや画像データなどがたくさん詰まっています。

データの中には、他の人に見られたくないデータを保存している方もいらっしゃるかもしれません。

見られたくないデータは削除するなど、デジタル終活を進めることで自分のプライバシーを守ることができます。

家族がデジタル遺品の処理に困らないため

デジタル遺品のほとんどは、スマホやPCの中に存在します。

故人のスマホやPCなどがパスワードでロックされていると、ご家族はデジタル遺品の処理をすることができません。

残されたご家族が困らないように、デジタル終活を進めて、スマホやPCのパスワード、SNSのアカウントなどはしっかり整理しておきましょう。

金銭的なトラブルを避けるため

インターネットを使って、証券取引やネット銀行を使用している場合には、遺産相続にも絡んできますので事前にしっかり整理しておきましょう。

特に証券取引などを行なっている場合、マイナス遺産としてご家族が対応するリスクがあります。

デジタル終活で整理することで金銭的なトラブルを避けることもできますので、しっかりと整理しておくことが重要です。

個人情報の流出を防ぐため

ネットショッピングなどを頻繁に使用しているなら、登録されたクレジット情報なども整理しておかなければなりません。

ネットに残されたクレジットなどの個人情報がそのまま放置されると、不正利用のリスクが高まります。

ネットショッピングの利用状況や登録情報などはしっかりと整理しておき、後のトラブルが起きないよう対処しておきましょう。

デジタル遺品の種類

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デジタル遺品にあてはまるものは多岐にわたっています。

ここでは、具体的にどのようなものがデジタル遺品にあたるのかをご紹介します。

SNS

デジタル遺品と聞いてまず思い浮かべることが多いのが、SNSです。LINEやFacebookなど、最近では多くのSNSが浸透しています。

SNSの主なサービスには以下のようなものがあります。

  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram

これらのSNSは、サービス停止の手続きをしない限りデータが残っていきます。

使用していないサービスがあれば、利用停止の手続きをしてアカウントを削除し、データを削除してしまうのも良いのではないでしょうか。

インターネットサービスのID・パスワード

SNSの整理と並行して、デジタル遺品として遺族の方が対応に困ることが多いのがインターネットサービスのIDやパスワードです。

インターネットを使った主なサービスには次のようなものがあります。

  • ネットショッピング
  • 動画配信サービス
  • SNS
  • 証券取引サービス

ご自身が利用しているサービスの名称と使用しているID・パスワードは整理して書き出しておくと便利です。

もし忘れてしまっているものがあれば、事前に問い合わせをして再設定するようにしましょう。

ネット口座

従来の銀行口座の他に、最近ではネット口座を使用している方もいらっしゃるでしょう。

ネット口座に入っている資産についても、遺産相続などの問題が生じますのでしっかり整理しておく必要があります。

相続の手続きでは、利用している銀行を把握しておく必要がありますので、ネット口座での取引の事実とキャッシュカードの在りかなどを控えておくようにしましょう。

アプリケーション

スマホやタブレットで使用しているアプリケーションもデジタル遺品に含まれます。

無料で使用しているアプリケーションであれば、そのまま放置してしまっても特に問題はありません。

しかし、継続して課金されているアプリケーションは、利用を中止しないと半永久的に課金され続けてしまいます。

現在使用しているアプリケーションが使用する際にお金がかかっているかどうか、しっかり整理しておく必要があります。

写真データ

スマホやPC、SDカード、USBなどに入っている写真データもデジタル遺品となります。家族や他の人に見られたくないデータが保存されている場合は、削除しましょう。

死後にご家族が複雑な気持ちにならないよう、見られたくない写真データなどはしっかりと整理しておくことをおすすめします。写真の整理もきちんと進めておかないと、思いがけないトラブルになることもあります。

また、思い出として残したいデータはしっかりとSDカードなどに保存しておきましょう。

最近では写真データを家族で共有できるサービスもあります。

共有できるデータはご家族と共有しておき、思い出を残しておくことも大事なデジタル終活の一環です。

連絡先・電話帳

スマホやPCに保存されている連絡先・電話帳は、SDカードに保存して管理しておくと良いです。

アナログな方法ですが、確実に連絡してほしい友人などの連絡先はノートなどの紙媒体に記載しておくと明確です。

連絡先のデータは普段から整理していないと、すでに連絡をとっていない人のデータがずっと残っている状態になります。

普段から連絡先・電話帳の整理をしておくことも、デジタル終活をスムーズに進める方法の1つです。

メールや通話履歴

残したいメールや通話履歴は、SDカードなどの外部記録媒体を利用して整理しておきましょう。

ご家族は、あなたの死後に不明となっていることなどについてメールや通話履歴からヒントを得られることがあります。

また、あなたとのメールや通話履歴もご家族にとっては大切な思い出として残ります。

SDカードなどに保存をして残し、その後の処分についてはご家族に任せるのがおすすめです。

ただし、メールや通話履歴に見られたくないものが残っているなら削除しておきましょう。

この点は、写真の整理でも紹介したとおり、あなたの死後にご家族が複雑な気持ちにならないように配慮が必要です。

文書やデータ

スマホやPCを使って、仕事上の文書やデータのやり取りをしている方も多いのではないでしょうか。

文書やデータのやり取り手段としてメールだけでなく、クラウドのサービスを利用している方もいらっしゃるかもしれません。

クラウド上のデータはPC上のデータとは異なり、オンライン上に残ります。

放置しておくと不正に利用される恐れがありますので、クラウドサービス上のデータも含めてしっかり整理することが大事です。

デジタル終活のやり方

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デジタル終活の重要性は理解できても、実際に何をして良いか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。

デジタル終活では、まずデジタル遺品を洗い出し、それらを自分の死後どのように扱ってほしいかをそれぞれ考えます。デジタル遺品の扱いを決めたあとは、対応方法をノートなどに記録して残しておきます。

記録するものは、家族がわかりやすように紙媒体が良いでしょう。普段から、デジタル遺品の対応をまとめたノートについて家族に伝えておくことも大切です。

それでは、具体的にどのようにデジタル終活を進めていけばよいか、詳しく説明していきます。

デジタル遺品を洗い出す

はじめに、自分のデジタル遺品を洗い出して紙に書いてみましょう。先ほど紹介しました「デジタル遺品の種類」を参考にしてみてください。

デジタル遺品の数は膨大なものになり、全て把握することは難しいため、めぼしいものや対応が必要なものだけで問題ありません。

最低限、契約を終了しなければ課金が続いてしまうサービスや、ネット銀行の口座などお金が関わるものはもれなく洗い出したほうが良いでしょう。

デジタル遺品をどう扱ってほしいか決める

対応してほしいデジタル遺品を書き出したあとは、自分の死後にそれらをどのように扱ってほしいかを決めます。

具体的には、「残したいもの」と「削除したいもの」に分けます。削除したいものには、デジタル銀行や利用しているサービスなど自分の死後に解約してほしいものも含みます。

なお、遺族に見られたくないものや、遺族を困らせてしまうものはあらかじめ削除しておくことをおすすめします。利用しているSNSやアプリ、インターネットサービスなどで、すでに不必要なものは先に削除しておくことも大切です。

デジタル遺品の対応方法を記録する

デジタル遺品を書き出し、その対応方法を決めた後は、それらをまとめてノートに記載しておきましょう。エンディングノートに記載しておくと、ご家族の方もわかりやすいでしょう。

また、ログインが必要なアカウントやインターネットサービスを利用している場合は、ID・パスワードも合わせて記載しておきます

あなたの死後、ご遺族は様々な対応に追われ忙しくなります。

少しでも家族の負担を減らしてあげるよう、できることは事前にやっておいてあげるのも重要なデジタル終活です。

▼エンディングノートとは?詳しく知りたい方はコチラ

エンディングノートの項目一覧|書いておきたい内容がひと目で分かる!

デジタル終活をすすめる際の注意点

スマホやPCのロックを外せるようにしておく

デジタル遺品はスマホやPCに入っていることがほとんどでしょう。デジタル遺品を洗い出して対応方法をまとめても、スマホやPCにログインできなければ、家族はデジタル遺品の対応ができません。

そのため、スマホやPCに自分以外の方がログインできるようにしておくことが大切です。ロックを外す必要はありませんが、デジタル遺品の対応方法をまとめたノートの最初にパスワードやログイン情報を記載しておくなど、家族がいざという時に困らないようにしましょう。

近年では、専門の業者に依頼してもロックを外すことができないスマホやPCがあるため、必ず対応するようにしましょう。

銀行口座の暗証番号は記入しない

デジタル遺品を整理する際はIDやパスワードを洗い出しておくことが大切になります。しかし、銀行口座の暗証番号は悪用される可能性があるため記入しないようにしましょう。

暗証番号は分からなくても、遺族であることが証明できれば銀行口座を管理することができるため、記入の必要はありません。

チェックリストを作成してしっかり整理する

デジタル終活を進めるにあたり、膨大なデータをしっかり整理するならチェックリストを作成することがおすすめです。

ご家族に残すべきデータなのか、削除すべきデータなのか。

残すべきデータであれば、どのようにデータを保存して残すのか、しっかりと整理できるようにしておきましょう。

以下に、チェックリストの例を掲載するので参考にしてみてください。

データの内容 ID/パスワード 保管方法 処分の方法
写真や動画 〇〇〇/〇〇〇〇〇〇 SDカードに保存 保存
SNS 〇〇〇/〇〇〇〇〇〇 削除
インターネット口座 〇〇〇/〇〇〇〇〇〇 解約
仮想通貨 〇〇〇/〇〇〇〇〇〇 エンディングノートにID・PWを記載 承継

エンディングノートに記載する際は誰が見ても分かるように

デジタル終活を進める際には、エンディングノートにまとめることをおすすめします。

エンディングノートを用意し、重要なID・パスワードやスマホのパスワードなどを手書きで残すことで確実にご家族に伝えることができます。

エンディングノートに記載する際は、誰が見ても分かるように大きめの字で記載するようにしてください。

数字の「1」とアルファベットの「I」や数字の「0」とアルファベットの「O」など、不明瞭にならないよう分かりやすく記載するようにします。

エンディングノートを活用する際には、誰が読んでも分かるように書いてあげることが重要ですね。

エンディングノートの書き方 | 書く内容とポイント【はじめての終活】

普段からデータの整理をまめにやっておく

デジタルデータは、整理をしておかないとどんどん蓄積されていき、気がついたら膨大なデータ量になってしまいます。

いざ、デジタル終活を始めようとしたら、どのデータをどう整理していいか分からなくなってしまうこともあります。

必要なデータや残したいデータはSDカードに保存しておくなど、まめに整理しておきましょう。

普段からこまめに整理整頓しておくことで、残したいデータと削除するデータが明確になります。

デジタル終活をスムーズに進めるためにも、定期的にデータの整理をしておくことがおすすめです。

まとめ

今回はデジタル終活の進め方について、具体的な項目を挙げながらご紹介してきました。

今回の記事では、以下のような点がポイントになります。

・終活の認知度は上がっているがデジタル終活の認知度はあまり高くない

・デジタル遺品をしっかり整理しておかないと、後々トラブルになることあるのでデジタル終活でしっかり整理しておく

・アナログな手法であるエンディングノートも活用して大事なデータを残す

・普段からデータの整理は進めておく

スマホやPCが一人1台に普及している現代において、デジタルデータも大切な遺品であり資産です。

今回の記事を参考にデジタル終活をしっかりと行ない、デジタル遺品の整理を進めてみてくださいね。

この記事を書いた人:えばし 和彦

この記事を書いた人:えばし 和彦この記事を書いた人:えばし 和彦

現在、通信会社で営業の仕事をしている傍ら、WEBライターとして活動中。終活に関する記事を100本以上執筆。

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