生前墓は縁起が悪いは嘘!老後の満足度が上がる生前墓の建て方と4つのメリット

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近年、終活が一般的な言葉として広まってきました。その中で「生前墓」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

読んで字のごとく、「生前墓」とは生きているうちにお墓を買う、お墓を建てることを意味しています。最近では生前墓を選択している人が増えつつあります。

生前墓を建てる理由はいくつかありますが、一番の理由は「子供に迷惑をかけたくない」という事が大きいようです。そのため、今後も生前墓を建てる方は増えていくと予想されます。

本記事では、生前墓について、メリット・デメリットや注意点を合わせて解説していきます。

生前墓(寿陵墓)とは

生前墓とは寿陵墓(じゅりょうばか)とも言われ、その名の通り生前にお墓を建てることです。そして、生前にお墓を建てることはとても縁起の良いこととされています。

元々は中国から伝わったもので、生きているうちにお墓を建てると長寿になるとされており、その他にも子孫繁栄、家庭円満を招くとされています。秦の始皇帝や日本では聖徳太子、近年では昭和天皇も生前墓を建てていました。

また仏教でも、生前に位牌やお墓、戒名を準備し、自分のために冥福を祈ることは「逆修(ぎゃくしゅ)」とされ徳を積む行為になり、死後に遺族が行う追善供養よりも功徳が大きいとされています。

生前墓は縁起が悪いなんてことはありません

生前にお墓を建てることを寿陵とも言いますが、「寿」という漢字が使われていることからもわかるように、縁起の良いこととされています。

自分の死後のことを考えるのは「縁起が悪い」と、気が進まない方もいらっしゃるかもしれませんが、生前に自分が入るお墓を建てたり、決めたりおくことは自分の子どもや親族への負担を減らすことにもつながります。

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生前墓地を建てる4つのメリット

生前に墓地を購入することはいくつかのメリットがあります。一般的なメリットを4つ紹介します。

1.自分が気に入ったお墓を選べる

メリットの一つ目は、自分が気に入った土地、お墓を選べるということでしょう。

ドラマに出てくるような見晴らしの良い、小高い丘にある霊園が良い、海の見える場所が良い、など自分の好きな土地にお墓を建てることができると、お墓に対する愛着も湧きます。

また、近年では墓石の装飾の技術も向上しており、自分の気に入った形、デザインにすることもできます。

2.相続税対策になる

メリットの二つ目は相続税対策にもなることです。

一般的なお墓や仏壇は、祭祀財産となり相続税の課税対象になりません

つまり、生前からお墓や仏壇を購入しておけば、その分財産がマイナスとして計算され、相続税の課税対象外となりますので、数十万円の節税が可能となります。

逆に生前にお墓を買わずに亡くなり、相続したお金で遺族がお墓を買って墓石を建てた場合には、そのお墓の購入費は単純に遺族の支払いになるだけで、祭祀財産にはなりませんので、お墓を建てることが決まっている場合には、現金として残すよりも生前墓を建ててしまった方が節税となり、お得なのです。

3.自分の子供やパートナーへの負担を軽減できる

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メリットの三つ目は、家族への負担を軽減できるということです。

お墓を建てる場合には、100万円~300万円が相場と言われていますので、生前にお墓を買っておくことは、残された家族には大きな助けとなります。

ただし、お墓をローンで購入し、ローンが残っているうちに購入した方が亡くなった場合は、ローン残額は債務控除の対象とならず、遺産を放棄しない場合は相続人に支払い義務が移りますので注意が必要です。

4.縁起が良い

メリットの四つ目は、前述の通り縁起が良いことでしょう。生前墓を建てることは、お祝いにもなります。

生前墓を建てていた昭和天皇は、天皇の中でも大変長寿でしたので、今後の家族との時間をより多く過ごすためにも、生前墓を建てることは意味があることかもしれません。

 

生前墓地を建てる2つのデメリット

生前墓地を購入するに当たっては、メリットもありますがデメリットもあります。

1.維持費がかかる

最大のデメリットは、建てた時点で維持費が発生してしまうという点です。

墓地は民営霊園、公営霊園、寺院墓地と大きく三つに分類することができますが、この墓地の種類ごとに基本的な維持費である管理料が変わってきます。

維持するための管理費の年間での相場は、約4,000円~14,000円と言われており、寺院墓地の場合は、管理料以外にも行事が行われるのが一般的ですので、その参加費等がかかります。

管理費や互助会費とは、霊園や寺院を運営・管理するための料金で、お墓を洗うための水や園内の清掃などお客様がお参りされても困らないようにするためものです。

2.自分が亡くなった後の管理を考える必要がある

全てのお墓に対しても言えることですが、新しくお墓を建てるということは、同時に今後の管理についても考えなければなりません。

自分が亡くなった後にも、そもお墓に入る予定の人がいるか、亡くなった後は誰がどのように管理してくれるのかを考えて建てる必要があるので、いくら好きな場所やデザインに出来るといっても誰もお参りできないような場所に建てるのは現実的ではありません。

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生前墓を建てるための条件

生前墓を購入するには条件があり、自分の希望する場所に建てられないこともあります。事前に条件が自分にあっているかどうか、確認して選ぶようにしましょう。

場所の条件

生前墓は全ての霊園・墓地で立てられるわけではありません。

例えば、自治体が運営する公営墓地、霊園では、申込条件に「遺骨を所持していること」という事が記載されていて、生前墓を受け付けていない墓地がありますので、よく確認した方が良いでしょう。

また、公営墓地は民営墓地に比べると管理費などの費用が安く、人気があるため遺骨を持っていたとしても抽選になってしまうこともあります。

他にも、寺院墓地での生前墓を検討している場合は管理している住職の考えに寄るところもあるので、まずは住職に相談してみるのが良いでしょう。

その他の条件

今までとは違う宗派のお寺が管理する寺院墓地に立てる場合は、改宗が必要になる場合があります。

また、今後はその寺の檀家として法事等を執り行う必要があります。

公営霊園や民営墓地でも永代使用料や管理費はかかってきますが、檀家の場合は年間を通して細かいお布施を払う必要があるお寺もありますので、どういった行事にお金がかかるのか、よく確認した方が良いでしょう。

 

生前墓を建てるまでの流れ

ここで簡単にお墓づくりの流れを紹介します。

まずは墓地探しです。墓地の種類は大きく分けて、公営墓地、民営墓地、寺院墓地の3つです。

公営墓地は比較的低価格だったり、民営墓地は設備や景観が良かったり、それぞれ特徴があります。価格も重要ですが、お墓参りしやすいアクセスや環境も重要です。調べを進めることで、大体の予算感がわかると思うので、永代使用料や墓石の予算を決め、墓地を取得しましょう。

公営墓地は募集の時期や申し込み資格、条件が限られているので注意が必要です。

その後に、石材店で墓石の種類やデザインを選んで注文します。

墓石の注文から墓地に設置が完了するまでには最短でも2〜3か月かかります。

 

生前墓に入れる名前について

お墓を建てるときに多くの場合、建立者として名前を彫ります。その際の名前は、現世での名前でも良いですし、生前戒名をもらっている場合は、そちらの名前を彫っても構いません。

建立者の名前は朱色

生前墓を建てることはおめでたいことなので、建立者の名前には朱色を入れます

元々は戒名を生前受領した場合、寺院で墓石に彫刻する際にわかりやすいように朱色を入れていたものですが、今では建立者の名前に朱色を入れることが、「まだ生きている」ということを意味するようになりました。ちなみに、名前を彫った部分に朱色のペンキを入れることで赤文字にします。

建立者が亡くなった場合にはそのペンキを取るのが一般的ですが、取らない場合もあります。一般的には、苗字~名前まで全てにペンキを入れますが、中には名前のみ朱色のペンキを入れる方もいます。

朱色の鉛筆

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生前戒名とは

生前戒名とは、生前に菩提寺などで戒名をつけてもらうことを指します。仏教において「戒名」は、仏門に入ったという証として与えられる名前で、出家し、厳しい修行に耐えた者に与えられていました。

その後は信仰が深い方は、自らを戒め、過ちを犯さないよう、生前にお寺にて戒名を頂くというのが広まりましたが、お寺に貢献した人物が亡くなった際にはランクの高い戒名がつくようになり、徐々に良い戒名を頂くためにお布施を払うようになりました。

宗派や戒名のランクによっても料金は変わりますが、100万以上かかるケースもあります。葬儀の際に、葬儀業者に支払う料金とは別にお布施として用意しなければならないので、残された遺族の負担になる場合もあります。生前戒名をつけてもらっておくと家族に余計な負担をかけることもありません。

生前墓を建てた機会に生前戒名を用意しておいてはいかがでしょうか。

 

生前墓の開眼法要の方法

お墓が完成した後は、「開眼法要(かいげんほうよう)」を執り行います。

開眼法要は、僧侶に依頼をして読経を上げてもらい、新しいお墓に魂を入れてもらう儀式のことです。分家の方にとっては、開眼法要を行うことでご先祖様との絆も生まれ「先祖代々」のお墓になるそうです。

生前墓の場合、開眼法要の時期に特に決まりはありません。お盆やお彼岸の時などはお寺も忙しい時期になりますので、外したほうが日程も組みやすいでしょう。開眼法要も、宗派によって作法も異なりますので、事前に菩提寺に相談されたほうがよいでしょう。

 

生前墓にはお参りに行くべき?

生前墓の場合でもお墓参りには行くのが望ましいです。

開眼供養された方は、すでに「お墓」になっていますので、お彼岸やお盆などの季節の節目にご先祖様に対してのご挨拶として、お墓参りに行かれるのが良いのではないでしょうか。

開眼供養をされていない場合は、お墓参りの名目ではなく、墓石のお掃除としてお墓に行くのが良いでしょう。常に雨風にさらされていますので、どうしても汚れてきてしまうため、定期的にお掃除をするのが良いでしょう。

 

まとめ

生前墓を検討することは決して縁起の悪いことではありません。これまでは、親族が亡くなった際にお墓を建てることが多かったですが、現在は終活や節税対策として生前墓を検討される方も多くなりました。寺院にはお世話にならず、無宗派を選択するという方法もあります。どういったお墓を建てるか、開眼供養をするかどうか、いつお参りに行くかは自分自身の生活スタイルに合った方法を選択する形で良いと思います。しかし、せっかく建てたお墓ですので、定期的にお掃除に行き、きれいな状態を保っていただくのが良いのでしょう。

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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