失敗しない焼香の仕方 | 宗派によって回数・作法が違います

ご葬儀に参列することになる時は、ほとんどの場合急に決まることが多いでしょう。

いざ焼香となった際に「あれ、どうやるんだっけ?何回だっけ?」と思う方は少なくないのではないでしょうか。

そんな焼香の仕方に不安を持つ人のために、本記事では宗派別のやり方を解説していきます。
葬儀当日に慌てないためにも、一度焼香のマナーなどを確認しておきましょう。

▼焼香の種類やマナーまとめはコチラ

焼香とは?葬儀やお通夜での焼香の基本的な作法について解説

焼香は喪主から順番におこなう

まず最初に注意したいのが焼香の順番です。

通夜式・告別式が開式すると、僧侶が入場し、読経を始めます。しばらく読経が行われた後に焼香となりますが、僧侶か葬儀社の司会担当者より合図があります。

その後、一番最初に喪主から焼香を行います。喪主の焼香の後は、親族から焼香に進むようにその場で葬儀社の司会担当者から案内があるか、斎場スタッフのサポートがあります。参列者が多い場合には二人、もしくは三人ずつなどで行う場合もあります。

基本的には親族が前の方に座りますので、前の方から順番に焼香していく形で問題ありません。

スムーズに焼香が進むように、前の人が終わる前に席を立って、焼香台に並ぶよう指示される場合もありますので、臨機応変に対応しましょう。

焼香の基本的な手順

下記に焼香の基本的な手順をまとめていきます。

  • 前の人に続いて席を立ち、焼香台の列に並ぶ
  • 焼香の順番が来たら焼香台の前まで進み、親族に一礼、祭壇の遺影へ一礼
  • 焼香、合掌
  • 親族へ一礼し、席へ戻る

それではそれぞれの説明と注意点を具体的にみていきましょう。

葬儀の参列客

©マツ/stock.adobe.com

前の人に続いて席を立ち、焼香台の列に並ぶ

喪主が焼香した後は、故人と関係が近い親族から順に焼香をしていきます。

基本的には前の人が焼香をし、着席してから次の人が立ちます。

参列者が多い場合には、焼香がスムーズに進むように前の人の焼香が終わる前に、何名かずつ焼香台に並ぶように案内されることもあります。

また、複数の焼香台が用意されることもありますので、その際は空いている所に並びましょう。

斎場のスタッフも式中は大きな声を出せませんので、周囲をよく見て臨機応変に対応するようにします。

数珠を持っている場合は数珠のみを左手に持ち、なるべくバックなどの余計なものは席に置いておくか、手荷物置場において焼香台へ並びます。

焼香の順番が来たら遺族に一礼、祭壇の遺影へ一礼

順番が来たら、焼香台の前まで進み、遺族に一礼します。

自分が遺族の場合には、参列者の方へ向かって一礼をし、焼香台の前に立ちます。

そして遺影にも一礼します。一礼は手を合わせた合掌でも構いません。

焼香、合掌

香炉は右側に抹香、左側に香炭が置いてあります。抹香を親指、人差し指、中指の三本の指でつまみ、額の前まで持ち上げ、押しいただきます。その後、抹香を香炭の上に静かにくべます。これを宗派ごとのマナーに従って1~3回繰り返します。(宗派によっては抹香を押しいただかない場合もあります。)

参列者が多い場合には、「焼香は心を込めて一回でお願いします」などと、司会者から案内があることもあります。
その際は宗派にこだわらずに、指示に従い、スムーズな式運営に協力しましょう。

焼香が終わったら、改めて遺影に向かって合掌をします。

「くべる」「押しいただく」とは?

抹香を香炭の上に落とすことを「くべる」といいます。また、抹香をくべる前に、額の前まで持ち上げることを「押しいただく」といいます。

宗派によっては、抹香を押しいただかずにそのまま香炭にくべることもあります。
押しいただくかどうかは、お香そのものに宗教的価値があると考えるかどうかによります。

焼香をする女性

©マツ/stock.adobe.com

遺族へ一礼し、席へ戻る

焼香を終えたら一歩下がり、遺族へ向かって一礼します。自分が遺族の場合には、参列者へ向かって一礼をします。

場合によっては、次の人が詰めてしまっている可能性もありますので、下がる際には周囲をよく確認してからにしましょう。
そして、これから焼香をする人の邪魔にならないように席へ戻ります。

焼香をおこなう際の「数珠」の持ち方

数珠

©マツ/stock.adobe.com

最近は特に信仰が深い方でない限りは、宗派に関わらず使える略式数珠をお持ちの方が多いのでは無いのでしょうか。

本式数珠の場合は宗派によって数珠自体にも違いがありますし、持ち方にも違いがあります。
略式数珠の場合は焼香の際には左手に数珠を持ちます。
房を下にして左手で握っておいても良いですし、左手を合掌の手の形にし房が小指側に垂れるように親指と人差し指の間に数珠をかけ、そのまま右手で焼香しても良いです。

合掌の際は、そのまま右手を合わせるか、右手の親指と人差し指の間にも数珠を通し手を合わせましょう。

▼数珠のマナーはコチラの記事をチェック

葬儀・お通夜での数珠の使い方・持ち方は?数珠なしで参列するのはマナー違反?

葬儀の宗派によって焼香の回数が違う!

焼香の回数には宗派によって違いがあります。

ただし、参列者が多い式の場合には、「焼香は心を込めて一回でお願いします」などと、司会者から案内があることもあります。
焼香は故人を偲び心を込めて行うことが大切です。あまり形式に捕らわれすぎても良くありませんが、回数は下記を参考にしてみてください。

宗派 回数
浄土真宗本願寺派 押しいただかずに1回
浄土真宗大谷派 押しいただかずに2回
浄土宗、真言宗、天台宗 押しいただき3回
曹洞宗 押しいただき1回の後、押しいただかずに1回
臨済宗 押しいただき1回
日蓮宗 押しいただき1回か3回 ※宗内宗派によって違いがあります

焼香って何回やればいいの?宗派による回数の違いと回数の意味

「立礼焼香」以外の焼香のやり方

近年は葬祭式場を借りて葬儀を行うことが多いので、立って焼香をする「立礼焼香」がほとんどです。

しかし会場や地域によっては「立礼焼香」以外のやり方で焼香を行うケースもあります。

ここでは「立礼焼香」以外のやり方についてみていきましょう。

焼香

座って行う「座礼焼香」のやり方

自宅や寺院など畳敷きの部屋では、座ったまま焼香をする「座礼焼香」をする場合もあります。

座礼焼香も、自分が座っている場所から焼香台に移動して焼香をするので、基本的な流れは立礼焼香と変わりません。
しかし、近い場合は膝を使って移動したり、遠い場合でも中腰で移動したりというマナーがあります。

また、座布団に座る際には一礼をするようにしましょう。

焼香台をまわしていく「回し焼香」のやり方

「立礼焼香」「座礼焼香」の他に「回し焼香」というやり方もあります。

回し焼香は、式場となる場所が狭い場合などに座ったまま行う式場です。

香炉を乗せたお盆が回ってきたり、香炉が乗ったカートのようなものが回ってきたりします。

香炉を前の人から受け取る・渡す際には会釈や一礼をしましょう。

椅子席で、お盆の上に香炉が乗っている場合は、膝の上で焼香を行う必要があります。ひっくり返してしまわないよう、慌てずに注意して行うようにしましょう。

祭壇に向かって一礼をしてから焼香・合掌までは「立礼焼香」「座礼焼香」と同様に行います。

回し焼香とは?回し方・最後の人の作法について解説

焼香は参列者全員がやらない場合もある

焼香は、喪主から始まり、その後故人と関係が近い遺族から順番に行い、更に一般参列者が行うというのが一般的な流れですが全員が焼香しないなどイレギュラーもあります。

代表焼香

代表焼香は、故人や遺族と関係がある会社や団体の代表となる方が1名、もしくは数名のみが焼香することです。

例えば故人が所属していた企業の従業員全員が焼香してしまうと時間がかかってしまうので、会長や社長などに代表して焼香してもらいます。

式が長時間になるのを避けるため、その他の従業員はその場で手を合わせます。
代表焼香が指名焼香となる場合も多いです。

指名焼香

指名焼香は、故人や遺族と関係がある会社や団体の代表、知事や市町村長、議会議員、町内会の代表などを葬儀の来賓として指名し、焼香してもらいます。

指名焼香の際には、葬儀の司会者より名前が呼ばれます。

指名焼香がある際には、「喪主焼香→遺族焼香→指名焼香→一般焼香」の順で行うのが一般的です。

指名焼香を行うかどうかや、指名の順序などは喪主・遺族が決めることが出来ます。基本的には故人と関わりが深い方から指名するのが良いですが、迷った際には葬儀社の担当者などに相談するのが良いでしょう。

止め焼香

西日本では「止め焼香」というものを行う場合もあります。

止め焼香は、親族の中から一人代表者を選びます。その代表者が親族焼香の一番最後、もしくは一般参列者も含めた一番最後に焼香を行うことを言います。
故人と比較的近しい方の焼香を後にすることで、焼香の順序は順不動であることを理解してもらい、焼香の順番でトラブルを避けるためと、「不幸を止める」という意味が込められているといいます。

指名焼香を行う方に止め焼香をお願いするケースもあるようです。

まとめ

詳しく見ていくと、宗派によって焼香の仕方は様々ですし、式場や参列者の状況によって臨機応変に対応しなければなりません。
慌ててしまうと、色々忘れてしまうこともあるかもしれませんが、一番大切なのは「故人の冥福を祈り、心を込めて焼香をする」ということです。
焼香の宗派ごとのやり方を気にして焦ってしまうよりも、故人を偲ぶ気持ちを大事にして参列するようにしましょう。

▼参列する前に葬儀のマナーをチェック!

葬儀やお通夜に参列する前に知っておきたい7つのマナー|服装や香典のマナーなどを解説

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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