お通夜の香典|香典袋の書き方や金額相場、入れ方・渡し方を解説!

近しい親族が無くなった場合、通夜・告別式ともに参列する方が多いと思いますが、友人・知人の葬儀では通夜のみ参列するという方も多くいらっしゃいます。通夜のみ参列する場合、香典はどのように渡したら良いのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方のために本記事では、お通夜のみ参列する場合に香典はどのような形式でお持ちするのが良いのか解説していきます。

通夜と告別式・葬儀に両方参列する場合、香典は2回もっていく?

通夜と告別式の両方に参列する場合には、香典は通夜か告別式どちらかで出せば問題ありません。基本的には香典を2回持っていく必要はありません。

ただし、関東の東部・新潟県・福岡県の一部ではお通夜に「御通夜見舞(おつやみまい)」という袋にお金を包んで持っていく習慣がある地域もあります。この場合、お通夜には「御通夜見舞」を出し、告別式では「御霊前(御香典)」の袋を出し、どちらか一方しか参列できない場合には、まとめて出します。

その他にも「御淋見舞(おさびしみまい)」「伽見舞(とぎみまい)」「荷台(にだい)」「叺代(かますだい)」など、香典の他に別の袋を用意してお金を包み、通夜・告別式で分けて渡す習慣がある地域もあります。

地方での葬儀の場合は、そういった習慣がないかどうかは事前に確認した方が良いでしょう。

通夜のみ参列する場合

親戚や友人、知人が亡くなって通夜のみ参列する場合でも、香典を持っていくのがマナーです

ただし地域によっては、ご近所の方などがお通夜にのみ参列する場合には、香典は不要とするところもあります。これは、過去に自宅で行う葬儀がほとんどだった頃、ご近所の方たちがさまざまなお手伝いをしたり、食材などを持ち寄って食事の用意をしたりした上で葬儀を行っており、ご近所の方が葬儀の運営側だった名残であるためです。

葬儀社のスタッフが全て取り仕切る葬儀の場合は当てはまりませんが、確認しておくと良いでしょう。

香典袋の書き方

香典袋には宗派によって表書きが変わったり、書く箇所によって使うペンを変えたりします。具体的にどのように記載した香典袋を持っていけば良いのか、詳しくみていきましょう。

表書きの書き方

香典袋の表書きは、宗派によって異なります。

これは、浄土真宗は亡くなった際、念仏を唱えれば阿弥陀如来(あみだにょらい)の本願力によって全ての人が仏になるとする「往生即身仏(おうじょうそくしんぶつ)」の考えで、故人は霊としては存在ないため「御仏前」になります。

逆に浄土真宗以外の仏教では、四十九日までは七日毎にあらゆる審判を受け、四十九日目に成仏するとされているため、「御霊前」になります。

仏教では共通して仏に「香」をお供えする習慣があるため、「御香典」はどの宗派でも使えます。

神式では「御霊前」か「御玉串料」、「御榊料」、キリスト教式では「御花料」と書きます。購入した香典袋に該当の札があればそれを使っても構いません。

キリスト教式では、カトリックは「御霊前」「御ミサ料」を使えますが、プロテスタントでは使えませんので、どちらかわからない場合は御花料と書くのが無難です。

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香典袋の書き方は?表書きや金額、名前 中袋がある場合の書き方

名前の書き方

名前は香典袋の表側に、水引の結び目の下にフルネームで書きます。水引の結び目の上には表書きを書きますので、水引が装飾でついている香典袋の場合には水引で名前が隠れてしまわないよう、大きさや位置に注意しましょう。

自分一人で香典を渡す場合には、自分の名前を中央に表書きと同じくらいの大きさか、それより少し小さいくらいのサイズでフルネームを書きます。

もし、仕事関係の方の葬儀に参列して香典を渡す場合には、小さく会社名(部署名)を入れ、改行して名前を書くと遺族の方にも分かりやすいでしょう。

仕事関係でなくても、何らかの団体やサークル、クラブなどのお付き合いで参列する場合には、団体名等を名前の前に記載します。

夫婦連名で記載する場合には、夫の名前を中央に書き、その左側に苗字を省略して妻の名前を書きます。

友人同士で連名にする場合には、中央に左右対称になるように書きますが、上司と部下など上下関係がある方の場合には、中央に上司の名前、その左側に部下の名前を書くようにします。

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香典の名前の書き方とは?一人の場合や夫婦連名の場合などシーン別に詳しく解説

金額の書き方

香典の金額を書く際は、「金参仟圓」「金伍仟圓」「金壱萬圓」「金弐萬圓」などと、大字といわれる旧字体の漢数字を使います。これは、読み間違いや後から書き換えられることを防ぐためです。

中袋がある香典袋の場合には、香典金額は中袋の表側中央に縦書きで書きます。中袋が無い場合には、表袋の裏側に左に寄せて、住所を書いた次に改行して書きます。

書くスペースがない場合には、表袋の裏側の右下に横文字で「金5,000円」「金10,000円」などとアラビア文字を使って記載しても構いません。書く欄が設けてある場合には、欄に従って記載します。

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香典の金額の書き方のマナー ❘ 3000円や5000円などの実際の書き方をご紹介

薄墨で書く

香典袋を記入する際、表書きや名前など基本的には薄墨や薄墨の筆ペンを使います。薄墨を使って書くのは、「悲しみの涙で墨が滲んでしまう」「突然の訃報に驚いて墨がうまくすれない」ということを表現しているとされています。

ただし、金額や住所にはサインペンやボールペンを使っても構いません。住所や連絡先は小さい文字になりますが、金額は香典返しをする際に遺族にとって重要な情報なので、きちんと読み取れるように書くことが重要だからです。

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香典に薄墨を使うのはいつまで?薄墨がない場合はペンで書いても良い?

お通夜の香典の金額相場

お通夜の香典は、自分の年齢と相手との関係性で相場が変わります。

  • 故人が自分の親:5万~20万円
  • 故人が自分の兄弟姉妹:3万~10万円
  • 故人が祖父母 :1万~10万円
  • 故人がおじ・おば :1万~5万円
  • その他の親戚:5千円~1万円
  • 故人と友人や仕事関係:3千円~1万円

自分の年齢が20代~30代の場合は、相場の中でも前半の金額でも構いませんが、40代以降の場合は相場の香典の金額を考えるようにしましょう。

また、地域によっては関係によって金額が決まっているケースもあります。地方での葬儀の場合、その地域での相場や独特の風習があるかどうかはできれば事前に確認した方が良いでしょう。

もし香典の金額に悩んでしまった場合には、ご葬儀をあげられる喪家から以前、自分の家の葬儀の際に香典をいただいていれば、その金額と同じ金額や供物をお返しするのがマナーです。

とても親しくしていたので相場以上の金額を出したい、という方は出しても問題は無いですが、場合によっては遺族の方の負担になったり、香典返しなどで余計に気を遣わせてしまったりする場合もあります。相場以上の香典を渡したい場合は、香典の他にお供物などを出す、というのも一つの手段です。

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【通夜・告別式】香典の相場は?年齢・故人との関係による平均金額

避けた方がいい金額

香典には避けた方が良い金額があります。「故人との縁を切ってしまう」ということを連想させる割り切れる偶数は避けるのが一般的です。同じく、「死」や「苦しみ」を連想させる、4や9の数字は避けられています。

以上の理由から、香典には1・3・5・10の枚数で入れると良いとされています。ただし、1万円の次が3万円だと負担も大きいため、2万円は例外的に認められている傾向があります。

お札は新札を使わない

香典に入れるお金は新札を避けるのがマナーです。新札を避けたほうが良い大きな理由は2つです。

1つ目は、「急な訃報で、前もって準備するものではない」という意味合いがあるからです。2つ目は、新札だと数える際にお金同士が重なって、数え間違いの可能性が高まるからです。

もし、手元に新札しかない場合は折り目を一度つけてから包むようにします。

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香典のお札に関するマナー | ピン札や偶数枚は避けるべき!

香典の入れ方

香典袋にお札を入れる際には、香典袋を表に向けたときに、お札が複数枚になる場合には全ての向きを揃えて入れるのがマナーです。

お札の表は、肖像画が書いてある面になりますので、その逆が裏面になります。(二千円札の場合は守礼門が書いてある面が表です。)

香典袋に入れる際、なぜお札を裏面にするかというのは、諸説ありますが、肖像画が描いてある方を伏せることによって悲しみに顔を伏せる、という状況を表現しているからといわれています。さらに、通常は表面でやり取りするお札を裏にすることで、非日常を表しているともいわれているようです。

また、お札を縦にした時の上下に関しては、肖像画の描かれている方を下にして入れる事が多いですが、地域によっては逆とするところもあるようです。お札が裏を向いていれば、お札の上下に関しては、それほど気にする必要はないでしょう。

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香典の入れ方・包み方 ❘ お札や中袋の正しい入れ方とは?

袱紗の包み方

香典は袱紗に包んで持っていくのがマナーです。正方形の袱紗に香典袋を包む際には、まず袱紗をひし形になるように広げて置きます。台付き袱紗も同様です。爪付き袱紗の場合は、爪が左側にくるように広げて置きます。

そして、中央よりやや右側に表書きが見えるように香典袋を置き、右・下・上・左の順に袱紗の角を香典袋の上に集めるように持ってきて、折り畳みます。

最後に左を折り、余った端を裏側に回し、開ける時は左から開けられるように包みます。

ポケットタイプの金封袱紗の場合は、左開きになるようにします。金封袱紗は略式とされていますので、3万円以上の香典を包む場合や目上の人葬儀には、金封袱紗はなるべく避けた方が良いでしょう。

また、香典を受付で渡す場合には袱紗から出して、相手に文字が見えるようにして差し出します。

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葬儀にふさわしい袱紗(ふくさ)と香典の渡し方 | 色や形、代用品は?

お通夜での香典の渡し方

お通夜は地域にもよりますが、17時か18時から開式となる場合が多いです。家族葬などでない限りは、大体のお通夜で開式一時間以上前には受付を開始します。先に記帳等をする必要がありますので、余裕を持って到着できるようにしましょう。

式場に到着したら、まずは受付に向かい記帳をして、香典を出します。

開式前に到着していれば、受付の方に記帳を促されますので、氏名等を書いた後、袱紗から香典を出し、「この度はご愁傷様です」「御霊前にお供えください」などとお声がけをし、受付の方に表書きや名前が読める向きで、両手で差し出します。黒塗りのお盆(切手盆)がある場合はその上に置きます。

受付の方が「お預かりします」と言った後、香典返しが当日であれば品物や引換券を渡してくることもあります。

その後、まだ開式まで時間がある場合には、一度祭壇前まで行き、焼香をしたり遺族に挨拶をしたりします。開式まで控室等があればそちらで待ち、スタッフの方に着席を促された場合には、親族席と一般席に分かれて着席をします。

家族葬などで、受付がない場合には祭壇の前に切手盆が置いてあり、そちらに香典を置く場合もあります。その際は、式場に到着したらまずは焼香をさせて貰い、その後で香典を自分が表書きを読める向きにして置きます。

祭壇の前に置く場所が見当たらない場合は、直接喪主や遺族に渡すこともあります。わからないときは直接確認し、開式前に渡すようにしましょう。

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葬儀での香典の渡し方は3パターン!渡すタイミングや渡すときのポイント

まとめ

成人するまでは、自分の家族と共に親戚の葬儀などに参列した経験がある方も多いと思います。

しかし、いざ社会人になってから友人・知人の通夜に参列することになると「通夜だけ参列する場合にはどうしたら良いのだろう」と戸惑ってしまうこともあるかもしれません。基本的なマナーは、通夜・告別式ともに変わりません。

都合がつかず、お通夜のみの参列となってしまっても故人の冥福を祈る気持ちが重要です。

この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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