亡くなった当日にお通夜はできる?何時までなら可能かを事例付きで解説

お通夜は、亡くなった日の翌日に執り行うことが多いです。大勢の方が集まるお通夜であれば、親戚や関係者への連絡などに時間を要しますので、直ぐにお通夜を行うことは困難です。

では、「少人数で簡略化したお通夜・葬儀を行うのであれば、すぐにお通夜を行ってもいいのでは?」と思われる方もいることでしょう。学校や会社など、様々な都合で「早急にお通夜と葬儀を行いたい」という場合、亡くなったその日にお通夜をすることは可能なのでしょうか。

今回の記事では、「お通夜を逝去当日に行えるのか」について解説をします。

亡くなった当日にお通夜を行うことは可能?

午前9時頃までに亡くなった場合、スムーズに段取りが出来ればその日のうちにお通夜を行うことは可能です。午後に亡くなった場合には、準備に要する時間を考えると、当日の通夜は現実的ではありません。

また、午前中9時頃までに亡くなった場合であっても、搬送や葬儀の打ち合わせに時間がかかる場合や、多くの参列者を招く場合、必要な手配が間に合わない場合などは、当日にお通夜を行うことが困難なケースがあります。

亡くなった当日のお通夜が難しい理由

亡くなった当日のお通夜が可能であっても、ほとんどの方は翌日にお通夜を行います。その主な理由には、「関係者の都合がつきにくい」「準備が間に合わない」「心身的にゆとりがない」などがあります。亡くなった日にお通夜を行う場合には、慌ただしいスケジュールになることは、覚悟しなくてはなりません。

法律上の問題

法律によって、「死後24時間経たないと火葬はできない」と定められています。

例えば、故人が15時に亡くなった場合には、翌日の12時に火葬を行うことはできません。この場合、翌日の15時を過ぎれば火葬が可能になります。

火葬場によって違いはありますが、火葬の最終受付時刻は15時~16時頃であることが多いです。火葬場の最終受付時刻よりも遅い時刻に亡くなった場合、翌日の火葬が不可能なために、お通夜を行えるのは最短でも翌日になります。

葬儀式場・火葬場・宗教者の手配が難しい

逝去の当日にお通夜を執り行いたくても、希望の葬儀式場や火葬場が満室で、予約ができないことケースが多いです。特に人口の多い地域では、火葬の予約が取りづらく、通夜の日程が延びるケースが多くあります。

また、宗教者の都合も確認しなくてはなりません。既に予定が入っている場合もあり、時間を確保できないことがあります。

落ち着いた判断ができない

逝去の当日にお通夜を行う場合、準備の時間や、打ち合わせに掛けられる時間が限られています。葬儀プランや葬儀の規模、お布施のことなど、重要なことを短時間で決めなくてはなりません。

不幸があった直後は気が動転していることが多いですが、落ち着く間もなく、打ち合わせを行う必要があります。十分な理解のないまま決定をしてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後々思われるかもしれません。事前相談を行っておくと、打ち合わせの時間が省略でき、納得のいくプランを選べるので安心です。

親族や関係者への連絡が間に合わない

親族や関係者に、スムーズに連絡ができるとは限りません。連絡を受けてから参列するまでには、速やかにスケジュールを変更し、通夜へ向かう身支度をする必要があります。連絡が遅くなれば、主要人物が参列できないこともあり得ます。

また、人数を把握できなければ、通夜の後の食事である「通夜振る舞い」にも、過不足が生じます。親族の人数が多い場合や、多くの参列者が見込まれる場合には、逝去当日のお通夜はオススメできません。

お別れの時間をゆっくりととれない

準備に追われ、落ち着いて故人の死に向き合う時間が少ないまま、「気が付けば通夜の時間だった」ということになりかねません。お通夜や葬儀を行う意味は、「遺体の火葬」や「宗教的意味合い」のためだけではなく、「心のケア」の役割があります。

人の死は、頭で理解することはできても、心が追い付くには時間がかかるものです。特に近親者は、故人や自分の心に向き合う時間を確保する必要性があります。お通夜・葬儀の2日間では癒すことができない悲しみかと思いますが、「きちんと自分に向き合い、心を込めて送ることができた」という事実は、後々自分の支えとなり得ます。

複数人で手分けして、通夜の準備に取り掛かれる場合には、問題ないかもしれませんが、一人で通夜の準備をする場合には、故人としっかりと向き合う時間を作れません。

式場の準備が間に合わない

葬儀社にもよりますが、急なお通夜のケースでは、通常通りの手配ができない間に合わないものがあります。

例を挙げると、生花の仕入れが間に合わず、凝ったデザインの生花祭壇を飾れなかったり、希望の車種の霊柩車やバスを手配できなかったりします。

訃報の連絡が遅れた場合、会社関係や親族からのお供えである生花や供物の手配がお通夜には間にあわず、葬儀のみ供えられることになるかもしれません。

「故人が好きだった花」「好きだった音楽」「好きだった食べ物」など、故人の為のこだわりを大切にして葬儀を行いたい場合には、翌日にの通夜をに執り行ったされた方が、抜かりなく準備をすることができます。

亡くなった当日のお通夜が可能なケース

ここまでは、逝去当日にお通夜を行うことが難しい理由を挙げました。反対に、当日のお通夜が可能なケースは、どのような場合でしょうか。葬儀社との打ち合わせを速やかに進めることができ、遺族・宗教者・葬儀ホール・火葬場の都合上問題がない場合、逝去当日に通夜を行うことができるでしょう。

例えば、午前8時に逝去され、その当日にお通夜を行う場合の流れです。

8:30 医師から死亡診断書を受け取る、葬儀社へ連絡
10:00 病院から葬儀社へ搬送
10:30 葬儀社との打ち合わせ、親族や関係者への連絡
13:00~16:00 昼食、自宅にて遺影写真や喪服の準備
17:00 納棺
19:00 通夜開式
20:00 通夜振る舞い

このように、葬儀社の協力を得ることができ、スムーズなスケジュールで進められれば、逝去当日にお通夜行うことは可能です。

ただし、身近な人を亡くした直後は看病疲れや精神的なショックで体調を崩しやすいことも考慮し、無理のないように複数人で協力して準備にあたりましょう。

お通夜の日程の決め方

お通夜は、葬儀の前日に行います。葬儀の日程が決まれば、その前日がお通夜となります。お通夜・葬儀の日程は、「火葬場の予約状況」「宗教者のスケジュール」「暦」などを確認し、決定します。

火葬場の予約状況

まずは火葬場が予約状況を確認します。特に都心部では、火葬場がの予約が取りづらいために、葬儀の日程が先延ばしとなることがあります。

宗教者の都合

菩提寺の予定を確認します。他の葬儀や法事を受け持っている場合がありますので、宗教者の都合に合わせて日程を決定する必要があります。

遺族の都合

学業や仕事の都合で、近しい親族が参列できない場合には、日程を土日に設定することがあります。

また、お通夜の準備を慌ただしく進めたくない場合や、気持ちを落ち着かせるために時間がかかる場合にも、日程を先延ばしにする場合があります。

避けた方がいい暦

お通夜を行う日には避けるべき暦はありませんが、葬儀・火葬は「友引」を避けるべきといわれています。「友を引く」といわれており、自然と友引の前日にお通夜が行われるケースは少ないです。

近年は「友引に葬儀を行っても問題はない」と考える方が増えてきましたが、友引に葬儀を行う場合には親族の了承を得ることをオススメします。友引を休業日としている火葬場も多いので、注意が必要です。

▼葬儀を避けることが多い友引について詳しく知りたい方はコチラ

友引に葬儀をしないほうがいい理由とは?友引と葬儀の関係性

お通夜までに必要な準備

お通夜までに行うべき準備を説明します。逝去当日にお通夜を行う場合には、親族間で手分けをして準備を行う必要があります。

葬儀社の決定

葬儀社を決定し、電話にて葬儀の依頼をします。依頼する葬儀社が定まっていない場合には、インターネットや病院からの紹介で、葬儀社を探します。葬儀社は依頼後1時間程で迎えにきます。

遺体の安置

自宅もしくは葬儀会館の安置室に、遺体を安置します。安置後、故人の枕元にて枕経が行われます。自宅に安置した場合には、お通夜の前に葬儀会館へ搬送します。

葬儀内容の打ち合わせ

葬儀社と打ち合わせを行います。お通夜・葬儀の日時、場所、喪主、葬儀の規模、葬儀プランなどを決めます。打ち合わせは1~2時間程かかります。

親族や関係者への連絡

お通夜・葬儀の内容が決定したら、親族や学校関係、会社関係、町内関係など関係者へ連絡を行います。家族葬で行う場合や、香典を辞退する場合には、その旨も合わせて連絡をします。この時に、供花や供物の手配を依頼されることもあります。

死亡届の提出と火葬許可証の申請

市町村役所に、死亡届を提出します。死亡届が受理されると、火葬に必要な「火葬(埋葬)許可書」を受け取ります。死亡届の提出や火葬許可証の申請は、葬儀会社が代行する場合が多いです。

遺影写真の準備・身支度

遺影写真に使用する写真を選びます。なるべく正面を向いていて、はっきりと映っている写真を選びます。喪服や数珠、故人の愛用品などの準備を行います。

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遺影の選び方 |背景や表情などに決まりはある? 故人らしい遺影を選ぼう!

湯灌・納棺

遺体を清めてから白装束を着せます。男性は髭を剃り、女性は薄化粧をしてからます。棺に納めます。遺体の周りに、故人の愛用品や好物を添えます。

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イチから分かる納棺について。おくりびと®のお葬式へ取材のもと解説

お通夜の流れ

18時もしくは19時頃に開式となります。開式時間が近づくと、受付にて参列者や導師を迎えます。

開式時間になると、導師が入場します。葬儀社のアナウンスに従って、喪主から順に焼香を行います。最後に喪主の挨拶があり、閉式となります。

その後、通夜振る舞いを行い、順次解散となる流れが一般的です。

▼通夜の流れについて詳しく知りたい方はコチラ

お通夜の流れ ❘ 葬儀場の手配から当日の流れまで解説

まとめ

逝去の当日にお通夜を行うことは、不可能ではありません。ただし、「明け方~朝の間に亡くなった場合」且つ、「参列者が多くない場合」であることが必要です。その際は、看病疲れや精神的なショックがあることも考慮し、無理することのないようになさってください。

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お通夜|服装や香典のマナー、参列する際の流れや時間について解説!

この記事を書いた人:澤田ゆか

この記事を書いた人:澤田ゆかこの記事を書いた人:澤田ゆか

保有資格:葬祭ディレクター技能審査1級
大手互助会系の葬儀社に9年勤務し、管理者の経験を経て退職。現在はフリーの葬儀アドバイザーとして葬儀や終活相談、葬儀スタッフの育成を行っています。

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