棺に入れるもの(副葬品) 手紙や写真はOK?お金はNG?

故人を棺に納める納棺では、故人が好きだった物や手紙、写真などを副葬品として棺に一緒に納めることがあります。

しかし、副葬品として何でも棺に入れて良いわけではありません。

副葬品として棺に入れて良いものかどうか、遺族が判断することが難しい品物もあるかもしれません。

今回は、副葬品についてどのような基準で選べば良いのか、どんなものは入れてはいけないのかなどについてまとめていきます。

副葬品に関して整理する際の参考にしてみてくださいね。

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副葬品とは

副葬品とは、故人が生前大切にしていたものや手紙、思い出の写真など故人と一緒に埋葬される品物のことをいいます。

そもそも副葬品の習慣は古代にまで遡ります。故人と一緒に埋葬する習慣は古墳の時代からあり、古代の古墳からは武具や土器などが副葬品として見つかっています。

当時の埋葬方法は土葬で、土葬された故人に生前に使用していた生活用品などの愛用品を持たせるという習慣がありました。古代の副葬品は、故人が死後の世界で使用するための道具などが中心に選ばれていたようです。死者の復活を信じて副葬品を入れていたとも考えられているようですね。

この習慣が火葬となった現代でも残っているのです。

しかし現代では埋葬方法も価値観も異なるため、古代とは副葬品の意味合いが異なります。

現代では火葬により煙とともに故人と一緒に天に昇っていってほしいという想いを込めて、棺にさまざまな副葬品を入れます。愛用品以外にも、故人本人や生前の思い出の地の写真、故人への手紙など、副葬品として納棺するモノの種類は多様化しています。

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副葬品を選ぶ基準

次に、副葬品を選ぶ基準をご紹介していきます。

副葬品を選ぶ際の明確な基準は特に決められていません。しかし、どのような品物がどういう理由で選ばれているのか、傾向を知ることで副葬品を選ぶ際の基準にすることができるでしょう。

一般的に多く選ばれている副葬品を知り、ご自身が副葬品を選ぶ参考にしてみてください。

故人の思い入れがあったもの

故人が生前愛用していたものや趣味で使っていた物など、思い入れのあるものを故人と一緒に埋葬したいと考える方も多いのではないでしょうか。

故人が趣味で使っていた道具や趣味で集めていた物など、故人の思い入れがあったものを副葬品にされる方は多くいらっしゃいます。故人の思い入れがある品物なので、副葬品としては比較的選びやすい品物かもしれません。

生前良く使っていた品物や愛用していた品物が明確な場合には、副葬品として棺に入れてあげると良いですね。

故人が希望していたもの

故人が生前、副葬品として入れてほしいと希望していたものは多く選ばれる副葬品の1つです。

やはり、一番尊重すべきは故人の意思であり、副葬品として入れてほしいと生前に希望があれば棺に入れてあげるのが良いでしょう。

生前に希望する副葬品なので、事前に副葬品として棺に入れられるかどうかも含めてご家族と話し合うこともできます。

最近では、終活という活動が社会に浸透したおかげで、終活に関する相談を生前にできる窓口も増えています。

終活カウンセラーなども存在しますので、専門家にも相談しつつ、副葬品を決めてしまうのも良いのではないでしょうか。

遺族が故人に持たせたいもの

遺族が、故人に持たせたいと考えるものも副葬品として選ばれています。

遺族が故人に持たせたいと考える動機には、

  • 生前の故人に深い縁があり、一緒に持って行ってほしいという想い
  • 残しておくと遺族にとって辛い思い出となってしまう

など、遺族によって様々です。

どんな品物を副葬品として棺に入れるか、遺族側の想いで選ぶことも大切な基準です。

また、遺族だけでなく親族の想いなどもあるかもしれません。親族も含めてしっかりと話し合ったうえで、副葬品を選んでみても良いかもしれませんね。

よく燃えるもの

現代の埋葬方法は火葬なので、副葬品として棺に入れられるかどうかは、よく燃えるものかどうかによっても判断されことになります。

燃えないものや燃えにくいものは、副葬品として棺に入れることができない場合がありますので注意が必要です。故人の思い入れがある品物であったとしても、燃えにくいものや燃えないものは副葬品として棺に入れることはできません。

副葬品にできない品物は棺に入れず、思い出の品物として大切に保管すると良いですね。

おすすめの副葬品

「副葬品を選ぶ基準については分かったけど、具体的にどんなものがおすすめなのか知りたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで以下では、具体的におすすめの副葬品をご紹介していきます。

副葬品を選ぶ基準を踏まえたうえで、具体的にどんなものを副葬品として入れるべきかを判断する際の参考にしてみてください。

お花

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お花は、出棺の前に棺に入れる別れ花とは異なり、故人が生前好きだった花や生前大切に育てていた花を花束にして、副葬品として用意したものです。

故人が好きだった花の種類などを花屋さんに伝えれば、副葬品の花束を用意してくれます。

また、葬儀社などでも対応してくれる場合もありますので、花束を用意したい場合は相談してみると良いかもしれません。

なお、故人の棺に入れる「別れ花」については別に詳細な記事を用意していますので、合わせて参照してみてください。

故人への手紙

故人への手紙などを副葬品として棺に入れる方もいらっしゃいます。

手紙は、遺族から故人への手紙だけでなく友人から故人への手紙などを用意する場合もあります。

副葬品として用意する手紙は、便箋や封筒などは副葬品として特別に用意するものではなく、市販のもので問題はありません。

遺族が副葬品として手紙を入れる場合は誰の承諾も要りませんが、故人の友人など遺族以外の方が手紙を入れる場合は、喪主の承諾を得る必要があります。

故人や故人と縁のあるものの写真

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故人の写真や故人と縁のあるものの写真を副葬品として入れる方もいらっしゃいます。

写真は燃えやすい素材なので、副葬品として入れることに問題はありません。

ただし、どのような写真を入れるか写っている人などには注意が必要です。

現在生きている方が写っている写真を副葬品として一緒に火葬することは、縁起が悪いためあまり良くないと考える方もいらっしゃいます。

そのため、写真を副葬品とするなら、なるべく故人が一人で写っている写真を選ぶようにしましょう。

故人が他の方と一緒に写っている写真であれば、副葬品として入れても良いかどうか同意を得てから入れるようにすると良いですね。

洋服・着物

故人が生前気に入っていた洋服や着物なども、副葬品としては多く選ばれる品物です。

最近では、死装束の代わりに、故人が生前良く着ていた服を着せることもあります。

洋服や着物は燃える素材なので、副葬品として入れること自体は特に問題ありません。

しかし、あまりにも大量の洋服や着物を入れてしまうと、燃えにくかったり燃え残ってしまうこともあるので注意が必要です。

本、タバコ、雑誌など紙製の薄いもの

故人が生前バイブルとしていた本や、良く吸っていた銘柄のタバコ、愛読していた雑誌などを副葬品として入れる方もいらっしゃいます。

タバコは良く燃えるものなので、故人が好きだった銘柄のタバコを副葬品として入れても問題はありません。

本や雑誌についても、素材が紙なので副葬品として入れても問題はありませんが、あまりにも分厚い本やたくさんの本を入れてしまうと燃え残ってしまう可能性があるので、副葬品として入れる量には注意が必要です。

届け出により副葬品として認められるもの

副葬品として棺に入れてはいけないものでも、届け出をすることにより副葬品として認められるものもあります。

品物によっては、届け出をしないと非常に危険な物もありますので、注意が必要です。

知らずに副葬品として棺に入れてしまいトラブルになってしまうと、多くの方に迷惑となってしまうので事前にしっかり把握しておくと良いですね。

ペースメイカー

年配の方で注意が必要なのは、体にペースメーカーが入れてある場合です。

ペースメーカーが体に入ったまま火葬すると、ペースメーカーが突然爆発する恐れがあります。爆発により、遺体に傷がついたり、場合によっては火葬炉が壊れる原因となる場合もありますので、ペースメーカーを入れたまま火葬することは非常に危険です。体にペースメーカーが入っている場合は必ず葬儀社や火葬場の担当者へ伝えるようにしてください。

食べ物や飲み物

故人が生前好きだった食べ物や飲み物を、副葬品として入れる方もいらっしゃいます。

お菓子などであれば、そのまま棺に入れても燃やすことができますので、副葬品として棺に入れても問題はありません。

しかし、缶に入ったままの飲み物をそのままの状態で燃やすことができません。

そのため、事前に棺に入れたいものを届け出たうえで、紙パックや紙コップなどの別の容器に移して副葬品として棺に入れるようにしてください。

分厚い本・ぬいぐるみなど燃えるのに時間がかかるもの

分厚い本やぬいぐるみなど、燃えるのに時間がかかるものも届け出が必要になります。

分厚い本は、燃えるのに時間がかかったり場合によっては燃え残ってしまう可能性があるため、事前に届け出たうえで、燃えやすくするようにページを切り離すなどして棺に入れる必要があるでしょう。

ぬいぐるみは、全体的に燃えやすい素材で作られていますが、燃えない素材を使用している部分や、大きすぎて燃えにくいものもあります。

ぬいぐるみを副葬品として入れること自体禁止している火葬場もありますので、事前に届け出て、副葬品として入れられるかを確認するようにしてください。

棺に入れてはいけないもの

ここでは、副葬品として入れてはいけないものをご紹介します。

遺族としては、故人が好きだったもの、故人のために副葬品として入れたいと思うものなど、故人を想う気持ちが先行してしまうかもしれません。

しかし、火葬にて埋葬する以上、副葬品とするものにも制限があります。

副葬品として入れられないものを把握しつつ、どのような品物を棺に入れるか検討する際の参考にしてみてくださいね。

燃えないもの

ご遺体は火葬によって埋葬されますので、そもそも燃えないものは副葬品として入れることはできません。

燃えないものとしては、ビンやガラス製品などが挙げられます。

ビンやガラス製品は、燃えないだけでなく、火葬による高温で溶け出す可能性があります。

副葬品として入れた品物が高温で溶けることで、遺骨を傷つけたり火葬炉を痛める原因にもなりますので、副葬品として入れることはできません。

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水分が多いもの

水分が多い品物も副葬品として入れることはできません。

具体的には、スイカやメロンなど、水分の多い果物などが挙げられます。

水分が多い品物は燃えにくく、火葬時間を延長してしまう原因にもなります。

燃やしても不完全燃焼で残ってしまったり、仮に燃えたとしても、大量の灰を発生させる原因にもなるので、副葬品として入れることはできません。

果物も含めて食べ物を入れる際は、事前にしっかり届け出たうえで、副葬品として入れられるかどうか確認しましょう。

爆発物

燃やすことによって爆発する危険性があるものは副葬品として認められません。

届け出が必要なものの箇所でも触れましたが、ペースメーカーなどが爆発物の代表例として挙げられます。

またライターも、火葬で燃やすことにより爆発する可能性がありますので注意が必要ですね。

故人がタバコ好きだったので、故人のために一緒にライターも入れてあげたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ライターを入れることで火葬により爆発する危険があるので副葬品として入れることが内容に注意してください。

副葬品として入れて良いかどうかは自分で判断せず、葬儀社や火葬場の担当者にしっかり確認すると確実ですね。

燃やすと有毒ガスが発生するもの

燃やすと有毒ガスが発生するものも、副葬品として入れることはできません。

有毒ガスが発生するものとしては、ビニール素材でできたバックやプラスチック製品、ポリエステル製の洋服などが挙げられます。

有害ガスが発生するような製品は、火葬で燃やすことで悪臭の原因となります。

また、高温で燃焼することで製品が溶け出し、遺骨を損傷させたり付着して変色させてしまいますので、副葬品として入れることはできません。

お金(お札・硬貨)

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お札か硬貨を問わず、お金を副葬品として入れることもできません。

硬貨は、その素材上燃やすことができませんし火葬炉の故障を引き起こす原因ともなるので、副葬品として入れることはできません。

紙幣は燃やすことができますが、紙幣も副葬品として入れることはできません。

なぜなら、お金を燃やすこと自体が違法だからです。

お金を燃やしてお札や硬貨が変形することは、立派な法律違反になってしまいますので、お札や硬貨を問わず、お金は副葬品にすることはできません。

まとめ

今回は、納棺の際に棺に入れる副葬品についてまとめてきました。

故人と一緒に埋葬したい品物や故人の希望する品物を棺に入れたいと思う方は多くいらっしゃいます。

しかし、現代では火葬による埋葬方法がほとんどなので、副葬品として入れるものと入れられないものが存在します。

今回の記事を参考に、どのような品物を副葬品として入れるのか検討する際の参考にしてみてくださいね。

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イチから分かる納棺について。おくりびと®のお葬式へ取材のもと解説

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この記事を書いた人:えばし 和彦

現在、通信会社で営業の仕事をしている傍ら、WEBライターとして活動中。終活に関する記事を100本以上執筆。

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