香典とは?金額相場・書き方・包み方・渡し方などマナーを完全解説

葬儀の際に用意する香典。初めて香典を包む方は、「香典袋はどのようなものを用意すればいいのか?」「香典袋には何を書けばいい?」「お金はどうやって包めばいいのか?」など沢山の疑問があるでしょう。

また、香典を包んだことがあっても、亡くなった方に応じて香典の相場金額は変わるため「失礼のないように確認しておきたい」という方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、香典の相場金額や香典袋の書き方、包み方から渡し方まで、香典に関するマナーを網羅的に解説いたします。

香典は何のためにあるの?

香典

香典の風習は古くからあり、その由来は地域などによって諸説あります。

昔は今のようにお金を包むのではなく、お香や食料などを持参していました。これは、死後はお香の煙でこの世からあの世に導かれるとされるため、葬儀ではたくさんのお香が焚かれることに対する援助がされていたのです。

やがて、遺族は喪に服している間は外に買い物にも行けないため弔問客や僧侶に振る舞う食事や飲み物を支援する形に代わり、時代の変化と共に現在のような金銭的な支援の形になりました。

香典は誰のものになるの?

香典は故人に向けて贈られるものですが、葬儀のための金銭的な支援を受けたものとみなされます。

そのため、喪主が受け取り葬儀の費用として充当するのが通常です。したがって、故人のものではないため相続の対象にはならないことが一般的です。

また、葬儀の費用を支払って余りが出るようなことがあっても、必ずしもほかの遺族で分配する必要はありません。しかし、そのような場合には以後の供養にかかる費用は余った分から出すように配慮し、他の家族とのトラブルを避けるようにしておくことが重要です。

▼香典は辞退してもいい?断り方は?気になる方はこちらの記事をチェック

香典を辞退する際の伝え方|職場や親族へ伝えるための例文や、参列者がおこなうべき対応を解説

香典の金額相場は故人との関係性によって異なる

香典の費用

©SB/stock.adobe.com

親族の香典相場

香典に包む金額にいくらという明確な決まりはありません。故人との関係性によっておおよその金額の相場が決まっており、その血縁関係が深いほど金額は高額になります。また、故人との関係性だけでなく自分の年齢や立場によって金額が変わります。

親族が亡くなった場合の一般的な相場は、両親の場合は5万~10万円、祖父母の場合は1万~5万円、兄弟の場合は3万~5万円、その他の親戚であれば1万~3万円程度が相場となります。

友人・知人の香典相場

友人や知人の場合は3千円~1万円が相場となります

ごく親しい間柄であった時には1万円、それ以外の場合には3千円または5千円にするのが一般的です。故人との付き合いの深さや自分の年齢を踏まえて金額を決めると良いでしょう。

また、友人や知人の両親に香典を渡すような場合にも、これと同様の金額を包むようにします。

職場関係の香典相場

職場関係の方への香典の相場は3千円~5千円くらいとなり、上司であれば5千円~1万円が相場になります。ただし、職場関係の場合は周囲の人と相談して金額を決めても良いでしょう。ただし、会社内で香典の金額を相談して決める場合には、社内の役職の低い人は上司より金額が多くならないように気をつけましょう。

また、職場関係の香典の場合には個人ではなく同僚などと連名にすることもできます。

▼香典の相場金額を詳しく知りたい方はコチラ

【通夜・告別式】香典の相場は?年齢・故人との関係による平均金額

香典袋を用意しよう

香典は香典袋に入れて持参するようにします。

香典袋は不祝儀袋ともいわれ文具店や書店、100円ショップ、ドラッグストアなどで購入することができます。また種類は少ないですが、コンビニや駅の売店でも売られており、訃報を聞いて急に香典袋が必要になった時には助かります。

しかし、この香典袋に関してもさまざまなマナーがあるためその内容をよく理解して香典を準備することが大切です。

香典袋のマナー ❘ 書き方やお札の入れ方、種類ごとの違いについて徹底解説

香典袋の選び方

香典袋はどのようなものでも良いわけではなく、中に入れる金額と宗教によって選ぶようにします

小額であるにも関わらず立派な香典袋で包んでしまうと不相応であるため、1万円以下であれば水引が印刷されている香典袋を使うようにしましょう。1万円以上であれば、本物の水引を使った香典袋が望ましいです。

なお、水引の色は白黒のものか、青白のものを選びます。5万円をこえる金額を包む際は、双銀の水引を使うと良いでしょう。関西など、地域によっては白と黄色の水引を使う場合もあります。

また、蓮の絵が描かれている香典袋は仏教でしか使えないため、神道やキリスト教の葬儀で香典を包む際は無地のものを選ぶとよいでしょう。

▼香典袋の選び方について詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典袋(不祝儀袋)の種類は?香典の金額による香典袋の選び方

「のし」はつけない

香典は故人の霊前に供えるものですので丁寧に包みます。

ここで慶事の贈答品にはのしやのし飾りを付けてお渡しすることを考えると、香典にものしを付けたほうが良いのではないかと思うかもしれません。

しかし、弔事である葬儀でお渡しする香典や供物では、のし飾りやのし紙は必要はありません。香典袋には水引や表書きがありますので、それらを正しく付けるようにしましょう。

表書き

水引の上に書かれている文字のことを表書きといいます。この表書きを書くときは毛筆を使用するのがマナーですが、筆に慣れていない場合には筆ペンを使用しても構いません。ただし、筆ペンを使用するときは薄墨のものを使用するようにしましょう。筆ペンがないからといってボールペンや万年筆などを使用するのは避けましょう。

仏式である場合、表書きは「御霊前」と記入します。キリスト教では「御花料」、神道では「御玉串料」と記入します。宗教が分からない場合は、「ご霊前」「御香典」と記載するのが無難です。

最近の香典袋にはあらかじめ表書きが印刷されたものがたくさん売られています。ただし、この表書きの書き方は故人の宗教によって違いがあり、宗教によってはタブーとされる表書きもあるので、失礼にあたらないように気をつけて選びましょう。

中袋

市販されている香典袋には、お札を入れる中袋がついているものが多いです。しかし、お札は必ずしも中袋に入れる必要はないため、もし購入した香典袋に中袋が付いていなくても問題はありません。

ただし、中袋にはお札を入れるだけではなく住所や氏名、金額を書いておく必要があります。そのため、中袋がない香典袋を使用する時にはこれらを直接香典袋に記入しなければならないため、忘れないように注意しましょう。中袋への金額や住所の書き方にもマナーがあるので、これらも間違えないように事前にチェックしておくことが大切です。

▼香典袋の書き方について詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典袋の書き方は?表書きや金額、名前、中袋がある場合の書き方について解説

ふくさ

香典をお渡しする際、香典袋をそのまま差し出すのはマナー違反です。必ずふくさに包んで持参し、ふくさから取り出した香典袋をふくさや盆の上に乗せて相手に差し出すようにしましょう。

このふくさには慶事用と弔事用、慶弔兼用の種類があります。それぞれ色に違いがあり、弔事ではグレーや紺、紫などの地味な寒色系の色のものを使用します。中には慶事と弔事が使い分けられうようにリバーシブルになったものもあります。

また、ふくさの形も包むタイプのものと香典袋が取り出しやすいタイプのものがあり、どちらの場合も香典を包む際には左側から開く、左つづみになるようにして入れておきましょう。この時のふくさに入れる香典袋の向きは、自分が文字が読める向きにして持参します。

このようにふくさにもいろいろなマナーがありますので、間違えないようにしておきましょう。

▼袱紗に関する詳しいマナーを知りたい方はコチラ

葬儀にふさわしい袱紗(ふくさ)と香典の渡し方 | 色や形、代用品は?

香典袋へのお札の入れ方

香典袋とお札

© boarder/stock.adobe.com

お札を入れる向き

香典袋にお札を入れる時にも注意が必要です。

お札は肖像画の描かれている方が表面になります。香典袋にお札を入れる時は、袋を表向きにしたときにお札の裏面が上になる向きに入れるようにするのがマナーです

これはお悔やみの気持ちとして顔を伏せるという意味を込めて、そのような向きにお札を入れるとされています。中袋に入れる場合も香典袋に直接入れる場合にも、お札も向きはこのように裏向きに入れることを覚えておきましょう。

また、お札の上下に関しては、地域によって肖像画の方を下にして入れるという場合と肖像画の方を上にして入れるという場合があるため、地域の風習が分からない場合には上下に関してはそれほど気にすることもないでしょう。

▼香典のお札の入れ方について詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典のお札の入れ方 | お札の向き・中袋・香典袋の包み方のマナー

香典に入れるお札は新札を避ける

香典を包む時には、香典袋に入れるお札についても気をつけなければいけません。香典に使用するお札は、新札ではなく古いお札を入れるようにします

これは、新札を使うことで故人が亡くなることをあらかじめ予測し、新札を準備しておいたと受け取れるためです。また、古いお札を使うことで新しい不幸が来ないことを願うという意味もあることからともいわれています。

ただし、古いお札がよいといっても、しわが多かったり汚れのあるお札を渡すことは失礼にあたります。なるべくきれいなお札を使うようにするか、新札であっても一度折り目を付けておけば香典として使用することが可能です。

また、香典に入れるお札の枚数は奇数になるようにしておきます。ただし、奇数の中でも「9」は苦を連想させる忌み数となるため避けなければなりません。

▼香典のお札に関する詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典のお札はどの向きで包む?新札はNG?お札に関するマナーを解説

香典の包み方

香典を準備するときに、どのように香典袋に包むとよいのかは香典袋の種類によって違いもあるため、正しく包めているのかを不安に感じることも多い部分です。香典袋に正しく包むことは故人に対しての敬意や哀悼の意をあらわすことにもなりますので、しっかりと確認をしておくようにしましょう。

中袋の場合

香典袋には、中袋というお札を入れるための白い封筒のようなものがついていることが一般的です。

中袋にお札を入れる時には、中袋を正面に向けた時にお札の裏面が上になるように入れましょう。また、中袋に複数枚のお札を入れる時にはお札の向きを揃えるようにしておきます。そのようにしてお札を入れた中袋は、正面が上を向くようにして香典袋の中に入れましょう。

中包みの場合

香典袋には封筒になった中袋ではなく、和紙を折りたたんだ中包みといわれるものがついていることもあります。中包みの場合には折り目が付いているので、中にお札を置いてからその通りに折っていけばよいのですが、一度開いてしまうと順番が分からなくなるということもあります。

中包みでのお札の包み方は、まずは開いた状態で右下の四角の部分にお札を裏向きにおきます。次に上下の折り返し部分を折り、左側を2回、右側を1回折ってお金を包み、最後に右側の端を裏側に折り込んでおきます。基本的に糊付けは不要ですが、不安な方は少しだけ糊付けしておいても問題ありません。

そして、中包みの正面が上になるように香典袋に入れておくようにします。

中袋なしで、上袋のみの場合

中袋や中包みがない場合には、香典袋の中に直接お札を入れても問題ありません。お札の裏面が上を向くようにし、複数のお札を入れる場合にはお札の向きや上下をきちんとそろえておくようにしましょう。

香典の名前・金額の書き方

香典袋には表書き以外にも、名前や金額を書いておかなければなりません。これは遺族が香典をまとめたり、香典返しをする時の手間をできるだけ少なくするためです。

香典袋の種類によってもその書き方が異なるため、用意した香典袋のタイプにあった書き方を知っておきましょう。

香典袋の書き方は?表書きや金額、名前、中袋がある場合の書き方について解説

名前の書き方

宗教には関係なく、表書きの下には必ず香典を包んだ人の氏名をフルネームで書きましょう。夫婦で香典を出す場合には夫の名前だけを書いておくのが一般的ですが、連名にしても構いません。連名にする時には夫のフルネームを書いた左下に妻の名前を書くようにします。

また、職場などで連名にする時には3名までは個人の名前をフルネームで書き、4名以上になる場合には会社名を書き「(部署名)一同」などとしておくようにします。その際、それぞれの個人名は別紙に書いておきます。

名前を書く順番は目上の人から順に記入するようにし、上下関係がない場合には50音順にしておくと良いでしょう。

香典の名前の書き方とは?一人の場合や夫婦連名の場合などシーン別に詳しく解説

数字の書き方

香典を包む際は、入れた金額を書くことがマナーです。中袋や中包みがある場合、金額は中袋や中包みの表面の中央に書くのが通常です。

また、金額は漢字で書き金額を不正に修正することができないように一、二、三などの数字は旧漢字を用います。金額の頭に「金」最後に「也」という言葉をつけて、「金参萬円也」というように縦書きで書きましょう。

もし、あらかじめ金額を書くスペースが設けられているようなものではその部分に書くようにします。またこの場合金額を書くスペースが横向きになっている場合には、漢数字ではなくアラビア数字で書いても問題はなく「金30,000円」などと記入します。

▼香典の金額の書き方ついて詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典の金額の書き方のマナー ❘ 3000円や5000円などの実際の書き方をご紹介

香典の渡し方

香典を渡す女性

© tatsushi/stock.adobe.com

お通夜や告別式に参列した際に香典を渡すタイミングはいつでも良いというわけではありません。

多くの場合は受付で渡すか、祭壇にお供えするようにします。ふくさに包んだ香典袋はどのように渡せばよいのかを確認し、その場になって慌てないようにしておきましょう。

受付で渡す

葬儀会場に到着したらまず、受付に向かいます。受付では記帳を済ませ一礼をし、「この度はご愁傷様です」など短いお悔やみの言葉を述べましょう。その後、ふくさから香典袋を取り出して受付の方に文字が読める方向に返して差し出すようにします。この際、盆があれば香典袋を盆にのせ、もし盆を持っていない場合にはふくさをたたんでその上に香典袋をのせて差し出すようにすればよいでしょう。

祭壇に置く

葬儀会場などで受付が設置されている場合には、香典は受付でお渡しします。しかし、家族葬の様な身内だけの小さな葬儀の場合では受付が設けられていない場合もあります。受付が設置されていない場合や直接自宅などに弔問に伺った時などには、香典は直接祭壇にお供えするようにします

祭壇に香典をお供えする時には、香典の文字が自分から読める向きにします。受付でお渡しするときとは向きが違うため間違えあないようにしなければなりません。

中にはお通夜と告別式の両方に参列する場合もあるでしょう。このような時にでも正しいタイミングでお香典をお渡しできるようにしておきましょう。

▼香典の渡し方について詳しいマナーを知りたい方はコチラ

香典の渡し方|かける言葉やふくさからの出し方・後日渡す方法も解説

まとめ

今回開設したように、香典にまつわるマナーはたくさんのものがあります。

突然の訃報を聞き急いで香典を準備することが多くなるとは思いますが、それぞれを理解しておくことは故人に対しての哀悼の意や遺族に対するお悔やみの気持ちをあらわします。マナー違反によって遺族を不快にさせないように気をつけましょう。

【香典のマナー】書き方から相場金額、お金の入れ方・渡し方まで解説

当サイトでは、終活や葬儀・法事でのマナー以外にも、介護や健康、定年・子育て後の再就職について、役に立つ情報を毎週発信中!
「新着記事をいち早くチェックしたい!」「終活や老後の楽しみ方について、情報収集したい」という方にむけ、LINEアカウントでは新着記事の情報や充実したセカンドライフに役立つ記事を定期的に配信していますので、ぜひチェックしてみてくださいね! 友だち追加はこちらから。

LINE友だち追加はこちら 新着記事をいち早くお届け!

この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

関連する記事

記事のカテゴリ