社葬でも香典は必要?相場金額や社員・取引先の場合ごとに解説

現代の日本では葬式のやり方も様々な形式があります。その中でも、社葬というものをご存知でしょうか。実際に社葬に参列した経験がある人は少ないかもしれません。

しかし、社会人であれば自社だけでなく、取引先などの社葬に参列する可能性はあります。もしもの時のために、社葬のマナーについても知っておく必要があります。

なかでも今回は香典の有無や相場についてまとめていきます。

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社葬とは?香典・服装のマナーや経費の対象範囲など

どのような時に社葬をするの?

会社の創業者や会長、社長、又はその会社や業界に貢献をした人、多大な影響を与えた人が亡くなった場合に社葬が行われます。

自社の社員や取引先など、参列者が相当数(千人規模)見込まれる場合には社葬となる事が多いです。

社葬の場合、施主が会社、喪主が遺族となり、葬儀を取り仕切るのが遺族ではなく、会社という形になります。

社葬に香典は必要?

社葬に参列する場合でも事前の案内で香典は辞退するという旨の連絡が無ければ香典は必要になります。

会社によっては社葬の香典に関する取り決めや具体的な金額まで決まっている場合もあります。

社葬の場合は、葬儀を取り仕切るのは会社になりますが、一般的な葬儀同様、遺族は香典を出す必要はありません。

社葬を行う企業の社員の場合

自社の社員として社葬に参列する場合は、香典が必要ない場合もありますので、先輩社員や総務などの社葬を取り仕切る部署に確認した方が良いでしょう。

取引先の社葬の場合

社葬の香典は税務処理が煩雑になってしまうため、辞退されることがほとんどです。社葬の案内を受け取ったら、香典が辞退されているかどうか必ず確認します。

香典が辞退されていても、何か代わりになるものをお持ちしたい場合は、通常の葬儀と同じく供花や供物をお贈りするとよいでしょう。ただし、社葬では故人や遺族と親しい方が供花や供物を個人的に贈るため、法人や団体からは花環が一般的です。

供花をお贈りすることも辞退されていないかを確かめた上で、式場に飾る場所があるか、いつまでにお送りすればよいか、使ってはいけない色はないかなど先方に確認しましょう。

社葬の香典は誰のものになる?

香典の受取人は、遺族か会社かの二つの選択肢があります。

香典には、葬儀の費用を補うという弔意の意味も含まれており、基本的には遺族が受け取る事が多いです。というもの社葬の場合、式場の費用や飲食費は経費とすることができますが、それ以外のお布施や棺など故人を送るための出費は遺族が支払わなければなりません。

また、税務上の複雑な処理が減るということが大きな理由の一つでもあります。

遺族社葬の香典を受け取る場合

社葬で遺族が香典を受け取る場合には一般的な葬儀同様、特に税務上の負担はありません。

しかし、香典を受け取ってしまうと香典返しも遺族が行う必要があり、膨大な作業となってしまうため近年では香典を辞退するケースが多くなっているようです。
香典を受け取る場合は、社葬を行う前の密葬や家族葬でごく近しい間柄の人からのみ受け取るという可能性もあります。

また、企業が一度受け取った香典を遺族に渡すとなると、香典の額が「社会通念上相当と認められるか」によっては贈与税の負担がある可能性があります。
数千万円単位など、あまりに大きな金額の香典になってしまう場合は、遺族に贈与税がかかることもあります。

以上の理由から、社葬では香典を辞退されることが増えています。

会社が受け取る場合

企業が社葬を行った際に香典を受け取ると香典は雑収入として扱われ、課税の対象となります。

しかし反面、会社で香典を受け取ったとしても、香典返しの費用は会社の経費として認められません。

このように、会社が香典を受け取る場合には香典に税金がかかる上に、香典返しが経費で認めらず会社の税務上の負担が大きくなりますので、会社が受け取るケースは少ないようです。

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社葬の香典の費用相場

社葬の場合、故人やその会社との関係にもよりますが、一般的な葬儀の香典の平均金額より高くなります。一般的な葬儀の香典の平均金額は5000円程度ですが、社葬の場合は1~3万円程度になります。
故人が取引先の関係や、大変お世話になった方というような間柄で、社長名で香典を包む場合は3~10万円くらいになるかと思います。最高でも20万円までということが一般的です。

しかし、実際には故人の社内の立場や社会的な立場によっても変わりますし、社葬そのものの規模によっても違ってきます。

その上に会社の業種や、慣習、またどういった間柄なのかという様々な要素が加わってそれ以上の金額を出す場合もあります。

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偶数・4・9は避けましょう

一般的な葬儀でも多く言われていますが、割り切れる偶数や「死」や「苦しみ」を連想させる偶数、4、9、となる数字は避けます。
一般的な葬儀であれば2万円でも構わないとする事もありますが、社葬では避けた方が賢明です。

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香典袋へのお札の包み方

香典袋の包み方は社葬の場合も、一般のお葬式と変わりません。

訃報の連絡を聞いたら、まずは仏式か神式か等の宗教を確認し、宗派にあった香典袋を用意し通夜か告別式に持参します。水引は結び切りでのしのついていないものを選びます。

中にいれるお札は新札を避け、どうしても他のお札が用意できない場合は、折り目をつけて使います。

そして、香典袋の表側にお札の肖像画が描かれている面が見えないように入れます。

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社葬の香典の書き方

香典を書く場合には、薄墨を使った毛筆書きが正しい作法とされていますが、現代では筆ペンを使っても問題ありません。

丁寧に、相手にわかるような文字で記入をします。

毛筆や筆ペンの字に自信が無かったとしても、表書きにサインペンやボールペンでの記入は失礼に当たりますので、急いでいたとしても絶対にやめましょう。

表書き

表書きは、仏式なら「御香典」もしくは、より丁寧な「御香奠」と記します。「御霊前」も一般的ですが、浄土真宗では即身成仏の考えなので「御仏前(御佛前)」となります。

ですから、仏教ではあるが、相手の宗派がわからない場合には「御香典」とするのが無難です。

また、キリスト教では「御花料」か「御霊前」、神道では「御玉串料」や「御榊料」とするのが適切です。失礼のないように事前に宗派を確認しておくのが良いでしょう。

香典袋を買った際に複数の短冊が用意されている場合には、そちらを使っても構いません。

表書きの名前を書く部分には、取引先の関係等であれば、しっかりと社名も書いた上で名前を書くようにします。

名前や住所

内袋に名前や住所、電話番号を記載する欄があれば、しっかりとそれに合せて記入をします。書く欄が無くても、内袋の裏側の左下に記入をします。

もし連名で香典を出す場合は、代表者の住所や連絡先を記入します。取引先の関係等であれば、会社の住所や連絡先でも構いません。住所などが空欄になっていると、後日当家が挨拶状などを贈る際に困ってしまうことになります。

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香典の渡し方

社葬では多くの方の参列が見込まれます。スムーズに受付が出来るように、スタッフの案内などをよく聞いて、指示通りに動きます。

受付ではまず記帳を行うのが一般的です。記帳を済ませたら、カバンや内ポケットから袱紗を出し、香典袋を取り出します。次に、「この度はご愁傷さまです」等、受付の方に声をかけます。お盆がある場合はお盆の上に相手が名前を読めるように香典袋を載せます。お盆が無い場合には、袱紗をお盆代わりにして、袱紗の上に香典袋を載せ、受付の方に差し出すようにします。

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香典辞退の場合は香典はいらない

香典を辞退する旨の連絡が事前にあった場合は、香典の用意は不要です。逆に無理に渡してしまうと遺族の負担になってしまうので避けましょう。もし、どうしても何か出したい場合には、供花など供物を受け付けているか確認するのが良いかと思います。しかし、最近は供花なども辞退されるケースも増えています。辞退の意思がある場合は、ご遺族の意向に従うようにしましょう。

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社葬での名刺交換は控えましょう

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社葬に参列する際には、たくさんの取引先の方や仕事関係の方と顔を合わせることになるでしょう。

しかし、あくまで葬儀の場です。仕事の話をしたり、名刺交換などはマナー違反です。故人を偲ぶために集まっているのであってビジネスの場では無いということを忘れずに、知り合いと会っても軽く挨拶をする程度に留めて、長話もしないようにします。

まとめ

近年では社葬といってもその形式も様々になっています。事前の案内をよく確認し、香典や供物についても遺族の意向に従うようにしましょう。

また、社葬では多くの仕事関係の方の参列が見込まれます。スムーズな式運営に協力すると共に、社会人として恥をかかないように葬儀参列の際の、当たり前のマナーは抑えておくようにしましょう。

社葬について

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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