香典の中袋の書き方とは?名前や住所、連名の場合の書き方などを解説

中袋とは、香典袋の中に入っている直接お金を包む封筒や紙のことを指します。中袋にはいくつか記入しなくてはならないことがありますが、その正しい書き方はご存じでしょうか。また、中袋が無い香典袋の場合はどうしたら良いのでしょうか。

本記事では、香典の中袋の正しい書き方を解説します。また、合わせてお金の包み方や、中袋が無い場合の対応なども解説していきます。

中袋の書き方

香典の中袋には、住所(電話番号)、名前、香典の金額を記入する必要があります。また、中袋には、封筒タイプや一枚の紙になっている奉書紙タイプのものが多くあります。それぞれ、何をどのように記入したら良いのか詳しくみていきましょう。

住所・名前の書き方

住所(電話番号)と名前は、中袋の裏側の左下にそれぞれ改行して記入します。封筒タイプの中袋は、蓋がついている方が裏側、奉書紙タイプの中袋は紙の角が見えている方が裏側になります。

遺族は香典袋の住所等を確認し、香典返しの準備をする場合もあるので、住所は、郵便番号や部屋番号までしっかり書くようにします。

書く際には、郵便番号、住所、名前、金額の順番で、それぞれ改行して記載します。郵便番号や部屋番号など、縦書きの場合には基本的には漢数字を利用しましょう。

連名の場合は、それぞれの住所と名前を記載します。左下だけでは文字が収まりきらないときは、右下に一名、左下に一名と書き分けても構いません。複数名香典を出したりするケースで、もし書ききれないような場合には別紙を用意してまとめて記載すると良いでしょう。

また、会社関係で香典を出す場合の住所の記載については下記を参考にしてください。

会社名での香典(社内の関係者への香典)
会社の住所
会社名での香典(取引先など社外の関係者への香典)
会社の住所
個人名での香典(社内の関係者への香典)
基本的には個人の住所。ただし住所を知られたくない場合や、後日遺族と確実に顔を合わせる場合には会社の住所でも可
個人名で連名・複数名の香典(社内への関係者への香典)
基本的には個人の住所をそれぞれ記載。ただし住所を知られたくない場合や、後日遺族と確実に顔を合わせる場合には会社の住所でも可
個人名での香典(社外の関係者への香典)
基本的には個人の住所。ただし住所を知られたくない場合などは会社の住所でも可
個人名で連名・複数名の香典(社外の関係者への香典)
基本的には個人の住所。ただし住所を知られたくない場合などは、会社の住所でも可

社内外の仕事の関係者に個人の住所を知られてしまうのを避けたい方もいるかもしれません。香典返しが当日返しの場合や香典返しを辞退する場合は問題ありませんが、後返しの場合、住所の記載が無いと遺族が困ってしまうこともあります。

また、例えば同僚の親や子どもが亡くなった際に香典を渡したケースでは、後日職場で会った際に香典返しを直接渡すこともあるかと思いますが、亡くなった故人と同じ職場で働いていた場合には、遺族が香典返しを直接渡しに来ることはほとんどありませんので、それぞれの自宅の住所を記載するようにしましょう。

金額の書き方

中袋がある場合、金額は中袋の表側に縦書きで記入するのが一般的です。この場合、「金伍仟圓」や「金壱萬圓」などと旧字で記載します。旧字で記載するのは、読み間違えや後から書き換えられてしまうのを避けるためです。

中袋が封筒タイプの場合など、記入欄が中袋の裏の右下あたりに設けてあることもあります。記入欄が横書きの場合は、「金5,000円」「金10,000円」と数字をアラビア文字で書いても構いません。

中袋の金額記入の仕方は、記入欄があればそれに従って書き、無ければ中袋表側、中央に縦書きで旧字で記載すると覚えておきましょう

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香典の金額の書き方のマナー ❘ 3000円や5000円などの実際の書き方をご紹介

ペンは何を使う?

香典袋は基本的には薄墨を使って書きますが、中袋の場合は、ボールペンやサインペンを利用しても問題ありません

これは、中袋の住所(電話番号)や金額といった情報は、遺族が香典返しや御礼状を準備するために重要な情報であり、確実に伝える必要があるためです。

特にマンションに住んでいる方などは、住所が長くなってしまうこともあり、細かい字で書こうとすると慣れない小筆や筆ペンで滲んでしまったり、汚れてしまったりして読めなくなってしまうこともあります。

薄墨で小筆や筆ペンで書けるのであれば、それが良いですが、自信のない方はきちんと情報が伝わるようにボールペンやサインペンを使って書きましょう。

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香典に薄墨を使うのはいつまで?薄墨がない場合はペンで書いても良い?

中袋がない場合の住所や金額の書き方

中袋が無い場合は、外袋(香典袋)に住所や金額を書く必要があります。外袋の表側には、表書きと名前を記載しますので、住所や金額は裏側に記載します

外袋の裏側の左下あたりから縦書きで、郵便番号を記載し、改行し住所、更に改行して金額を記載します。縦書きで記載する場合には「金壱萬圓」などと旧字を使いましょう。

封筒タイプの香典袋には、記入欄がある場合もあります。金額記入欄が右下にある場合は、

横書きになります。横書きの場合は、「金10,000円」とアラビア文字で数字を書いても構いません。

中袋は、地域によっては「不幸が重なる」ことを連想させるとして使わないこともありますが、それ以外の地域では中袋があっても無くても失礼に当たることはありません。

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外袋の表書きの書き方

通夜・告別式にお持ちする香典の表書きは、宗教・宗派によって変わります。また、絵柄も宗派によっては使えないものもあります。下記にて詳しく見ていきましょう。

仏式の場合

仏式での通夜・告別式の場合の香典袋の表書きは、浄土真宗以外は「御霊前」か「御香典」、浄土真宗は「御仏前」か「御香典」になります。これは、浄土真宗のみ「即身成仏」の教えとなっており、「霊」として存在する概念が無いからです。

また、「香」は仏様にとっての御馳走といわれることもありますが、「香」を供えるのは仏教だけなので、神道やキリスト教など他の宗教には使えません。

また、蓮の花がついた香典袋が使えるのも仏教だけです。

神道の場合

神道では通夜のことを遷霊祭(せんれいさい)、告別式のことを葬場祭(そうじょうさい)といいます。これは、神道では、生命は神が人間にお任せになったものであり、亡くなったらその魂を神様に返す、という考えから名づけられています。

遷霊祭・葬場祭にお持ちする香典袋の表書きは「御霊前」か「御玉串料」になります。これは、神道ではお焼香等ではなく、玉串奉奠にて御榊を神様に捧げ、故人の霊を慰める儀式を行うためです。

キリスト教の場合

キリスト教には大きく分けてカトリックとプロテスタントという宗派があります。本来キリスト教では通夜は行いませんが、日本の習慣に従って前夜祭を行うことがほとんどです。

カトリックの前夜祭・告別式で使えるのは「御霊前」「御花料」「御ミサ料」で、無地もしくは十字架やユリの花が描かれた袋を使います

プロテスタントで使えるのは「御花料」「献花料」で、無地もしくは十字架の描かれたものを使います。なお、プロテスタントでは厳密にいうと「御霊前」の袋は使えません。

無宗教・宗教が分からない場合

無宗教の場合は、「御霊前」「御香典」「御花料」のどれかで香典をお持ちすると良いでしょう。無宗教でも、告別式の中に焼香があれば「御香典」、献花があれば「御花料」が良いですが、事前にそこまでわからない場合には、「御霊前」が無難です。

もし、宗教が事前にわからない場合は、「御香典」が無難です。国内では仏式の葬儀が一般的ですので、もしそうではない式の場合には訃報連絡の際に一言あることが多いでしょう。

仏式の葬儀の際にも、御香典とは別に「御花料」をお持ちになる方もいますし、仏式でも生花や花環を飾ったりしますので「御花料」でもおかしくはありません。

地域によっては、浄土真宗の方がほとんどいないという地域もありますので、そういった場合には「御霊前」でお持ちするのが良いでしょう。

名前の書き方

香典袋に名前を書く際は、香典袋の表の水引の結び目の下、中央にフルネームで書きます。

もし、会社関係や団体などのお付き合いで香典を出す場合には、名前の右側に少し小さく会社名や団体名を記載します。

夫婦で連名で出す場合には、中央に夫の名前を書き、その左側に妻の名前を苗字を省略し、下の名前の最初の文字を横にそろえるように書きます。

夫婦以外で連名で出す場合、上下関係がある場合には中央に上司や年長者を書き、その左側にもう一名の名前を書きます。

同僚や友人同士の場合には、五十音順で名前の位置は左右対称になるように書いて問題ありません。

三名で連名の場合には、上下関係がある場合には中央から年長者を書いていき、上下関係が無い場合には、左右対称になるように書きます。

四名以上の場合には、表書きは「〇〇一同」や代表者名のみ書いて左下に「他〇名」などとし、中に別紙で全員の名前や住所を記載します。

ただし、一人当たりの香典金額が相場やそれ以上となる場合や、それぞれに香典返しが必要になる場合には、連名ではなくそれぞれで香典袋を用意して出すのがマナーです。

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お札の入れ方

香典袋にお札を入れる際には、お札の裏面を向け、お札が複数枚になる場合には全ての向きを揃えて入れるのがマナーです

お札の表は、肖像画が書いてある面になりますので、その逆が裏面になります。(二千円札の場合は守礼門が書いてある面が表です。)

香典袋に入れる際、なぜお札を裏面にするかというのは、諸説ありますが、肖像画が描いてある方を伏せることによって悲しみに顔を伏せる、という状況を表現しているからといわれています。さらに、通常は表面でやり取りするお札を裏にすることで、非日常を表しているともいわれているようです。

中袋の場合の入れ方

香典袋には中袋がついているものが多く販売されています。中袋は、封筒タイプや奉書紙タイプであることが多く、封筒タイプの場合は中袋のふたが付いている方が裏になります。中袋を表にしたときにお札が裏を向いているようにして入れます

自分がお札を入れるときは、ふたが付いている裏面から入れると思いますので、お札の肖像画と目が合う形で入れていけば、表を向けたときに自然とお札は裏を向いている形になります。

中包みの場合の入れ方

香典袋の種類によっては、中袋が奉書紙になっているものもありますし、半紙でお金を包み、中包みとして使うこともあります。

奉書紙とは、白くてしっかりとした和紙の一種で、紙のツルツルした面が表で、ザラザラとした面が裏になります。奉書紙の裏側を自分に向けるような形にし、お札の裏を下に向けて包み込みます

一般に販売されているものは折り目が既についていますので、その折り目に沿ってお金を入れるようします。その際もお金を包み終わった奉書紙を表に向けたときに、お札が裏側に入っているように気を付けます。奉書紙を折りたたんでいき、最後に折った紙が残る方が裏側になります。

中袋がついていない場合には、半紙や奉書紙などで中袋の代わりに中包みを作ることが出来ます。

まず、長方形の半紙や奉書紙を縦長におきます。次に、左上と右下の対角線上の少し下側にお札を表に向け、お札の左側が低くなるように斜めに傾けておきます。そのあと、左下の角をお札に合せて折り、次に右下の角をお札に合せて折ります。更に、右上の紙もお札に合せて折り、最後にお札の大きさに沿って左上に向かって二回折ります。これで、紙の角が見えていない方が表側になり、この状態でお札は裏側を向いています。

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香典の入れ方・包み方 ❘ お札や中袋の正しい入れ方とは?

まとめ

香典の中袋は、表側には香典の金額、裏側には自分の住所、名前を書く必要があります。書く欄がある場合にはそれに従って全て記入しましょう。

これは、後から香典返しを行う遺族にとって重要な情報なので、住所も郵便番号や部屋番号までしっかりと記載し、名前もフルネームで書くようにしましょう。連名や複数名で出す香典でも同様です。

中袋は必ず無ければならない物ではありませんが、中袋に包んで香典を出す場合にはしっかりと必要事項を記入するようにしましょう。

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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