香典に薄墨を使うのはいつまで?薄墨がない場合はペンで書いても良い?

香典を用意するときの表書きを、黒のペンや筆ではなく薄墨で書くというのはご存知の方も多いかもしれません。では、何故表書きを薄墨で書くのでしょうか。

今回の記事では、『香典に薄墨を使う理由』や『いつまで薄墨で書くのか』『薄墨がない場合にペンで書いても良いのか』を説明します。当たり前のように聞く内容ですが、知らない方も多い内容ではないでしょうか。

薄墨と濃墨とは

一言で墨といっても、墨には黒色の濃さの違いで種類があります。薄墨と濃墨(こずみ)です。

薄墨とは、一般的に使う墨よりも水分量を増やした薄い墨のことです。葬儀の際に、香典の表書きを薄墨で書くのがマナーとされていますから聞いたことがある方も多いでしょう。

対して、濃墨とは一般的に使う濃い黒の墨のことをいいます。習字や書道、慶事などの際に使う墨といった方が分かりやすいかもしれません。

香典を薄墨で書く理由

どうして葬儀の際には香典の表書きを薄墨で書くのでしょうか。香典の表書きに薄墨を使うという説は、大きく2つあります。

悲しみの涙が濃墨を薄めて薄墨になったという説

昔は、現在のように容器に入った墨汁はありませんでした。ですので、筆で文字を書く際には硯で墨を用意する必要があります。その硯に涙が混ざって墨が薄くなるという理由です。

急いで駆け付けたため十分な濃さの墨を用意出来なかったという説

訃報連絡を受けると、急いで駆け付けたいというのが人の心情でしょう。ですから、急いで駆け付けたいために十分な墨を用意出来なかったために薄墨になったという理由です。

この2種類の説が有力な説として考えられています。

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香典を薄墨で書かない地域もある

ここで注意が必要なのは、香典の表書きを薄墨で書かない地域があるということです。具体的な地域でいうと、京都では薄墨を使わず濃墨を使って表書きを書きます。

他にも、薄墨で表書きを書かない地域もありますから注意が必要です。香典の表書きを薄墨で書くというのがマナーとして拡まっていますが、薄墨を使わない地域で薄墨を使ってしまっては失礼になってしまいます。

事前に地域の方に確認するなどしておく方が良いでしょう。

香典を薄墨で書くのはいつまで?

薄墨を使う理由は分かったものの、『いつまで薄墨を使うのか?』という疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

仏事ごと全てで薄墨を使う訳ではありません。次項目で薄墨を使う場合、濃墨を使う場合を説明していきます。

通夜・告別式は薄墨

基本的に、薄墨を使うのは『通夜』と『告別式』に限られます。これは、通夜と告別式が突然の訃報を受け急いで駆け付ける必要があるためです。

昔はものを書くには筆が主流でした。その時代には通夜や告別式で濃墨を使って書いてしまうと、急いで駆け付けてくれなかったと捉えられました。現代でも薄墨が使われるのはその名残になります。

先程の薄墨を使う理由と合わせて覚えておくと、いざという時にマナー違反にならずに済むでしょう。

初七日・四十九日では濃墨(繰り上げの場合は薄墨)

初七日や四十九日などの法事の場合は、事前に日程が決っています。そのため、法事の際には薄墨を使いません。

ここで例外なのは、繰り上げて行う初七日法要の場合です。最近では、様々な事情で葬儀当日に初七日法要を繰り上げて行うことがあります。その場合には、通夜と告別式と同じように薄墨で書くことが一般的です。

急いで駆けつける必要がある時は、『薄墨』。事前に日程が決っていて準備をする時間がある時は、『濃墨』と覚えておけば間違いもないでしょう。

四十九日以降は濃墨

四十九日法要以降の法要も墨の濃さを間違える方が非常に多いです。

『一周忌』や『三回忌』なども四十九日法要と同様、濃墨を使って香典の表書きを書きます。理由は、初七日法要や四十九日法要と同じように事前に日程が分かっており準備をすることが出来るからです。

四十九日法要の際と同じで、薄墨と濃墨のどちらを使うか間違える方が多いですから理由と一緒に覚えるようにしましょう。

香典が印刷の場合は文字の色に合わせる

最近では、表書きが印刷済みの香典袋(不祝儀袋)も売られています。その場合には、印刷されている字の濃さに合わせて薄墨と濃墨を使い分けるようにしましょう。

通夜や告別式では、薄墨を使うと説明しました。ですが、黒色の濃い印字の香典袋を使って名前だけ薄墨というのは統一感が無くなってしまいます。

薄墨を使うべきところで濃墨を使うことに抵抗がある方は、黒色の薄い印字の不祝儀袋か無地の不祝儀袋を使う方が良いでしょう。

薄墨がないときの代用方法は?

出先などで訃報連絡を受けた時には、薄墨が用意出来ないということも考えられます。どうしても薄墨が用意できない場合は、濃墨の筆ペンを利用しても問題ありません。

ただし、薄墨の筆ペンはコンビニや百円ショップでも販売されていますから、なるべく薄墨を使えるようにしましょう。

筆ペンでも、筆の硬いもの柔らかいものがあります。1本持っていれば便利ですから、自分の好みの硬さの薄墨の筆ペンを用意しておいても良いでしょう。

ボールペン・サインペンは使わないのが無難

香典の表書きは薄墨で書くのがマナーですから、必然的に毛筆や筆ペンで書くことがマナーです。そのため、香典の表書きをボールペンやサインペンで書くことはマナー違反になってしまいます。

他の方がマナー通りに書いている中で、ボールペンやサインペンを使ってしまっては悪目立ちしてしまうでしょう。

また印字している文字に対してボールペンやサインペンだと、太さが違いつり合いが取れません。
ボールペンやサインペンを表書きに使用しない理由には、これらの理由が挙げられます。

香典の中袋はペンで書いて良い

表書きに関してはボールペンやサインペンを使わない方が良いですが、中袋に関してはその限りではありません。中袋であれば、書きやすいボールペンやサインペンを使って書いても構わないとされています。

中袋をボールペンやサインペンで書いて良い理由は、中袋は文字が見やすいことが求められるためです。

中袋には①住所②氏名③金額の3点を記入する必要があります。

記入の順番も、この順番で書くことが多いです。

現在では、筆を使う機会が減っており苦手という方もたくさんいらっしゃるでしょう。ですので、中袋のように重要な情報を記入する必要がある部分にはボールペンやサインペンを使っても良いとされるのはこのためです。

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香典の中袋の書き方とは?名前や住所、連名の場合の書き方などを解説

香典袋の書き方のマナー

今回は香典の表書きを書く際に使う薄墨について解説してきましたが、最後に香典袋を書く際のマナーを解説します。

薄墨を使うこと以外にも、さまざまなマナーがあるため、しっかりと確認しておきましょう。

表書き

香典の表書きは、「御霊前」や「御香料」「御香典」などを使います注意したいのは、お通夜・葬儀では「御仏前」を使わないことです。

仏教では、故人が亡くなるとまず霊となり、四十九日法要で忌が明けてから仏になるとされています。そのため、「御仏前」を使うのは四十九日法要以降となります。ただし、例外として浄土真宗は死後すぐに故人は仏になると考えられているため、お通夜と告別式の段階から「御仏前」を表書きとして使います。

香典袋を書く際に薄墨を使うのはお通夜と告別式のみになるため、薄墨を使う際は「御霊前」がふさわしい表書きです。

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香典袋の書き方は?表書きや金額、名前 中袋がある場合の書き方

名前の書き方

香典袋の表面には、水引の上に表書き、水引の下に名前を書きます。名前はフルネームを中央に書きます。夫婦連名で香典を包む場合は、夫のフルネームを書き、その左横に妻の名前のみを書きます。

また、友人や会社の人と連名で香典を出す場合は、中央に一人分の名前を書き、その左横に名前を続けて書きます。左により不格好になりますが、問題ありません。4名以上の場合は、全員分を書くのではなく別に紙を用意し、そちらに全員分の名前を記入して香典袋に添えましょう。

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金額の書き方

香典袋には、包んだ香典の金額も記入します。香典金額は、中袋の表面・中央でに太字(旧字体)を用いて「金壱萬圓也」などと書きます。

太字を使うのは、画数の多い旧字体を使うことによって、金額の読み間違いを防ぎ、後から金額を書きかえられないようにするためです。

なお、中袋がない場合は香典袋の裏面・左端に金額を書きます。文字が小さくなるため、香典袋の裏面に金額を書く際は、ボールペンを使ってもよいでしょう。

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住所

住所も、香典袋に忘れずに記入しましょう。喪家が香典返しを送る際、住所がなくては届けることができないためです。

住所は中袋の裏面・右端に記入します。ボールペンを使って問題ありませんので、正しく書くようにしましょう。

中袋がない場合は、香典袋の裏側・左端に、金額の右横に並べて書きます。

まとめ

薄墨とは通常よりも水分量が多く、色の薄い墨で、葬儀では悲しみや急いで式に駆け付けたことを表すために使われます。香典に薄墨を使うのは、お通夜と告別式のみで、四十九日法要以降の法事では濃墨を使います。

細かい事のようですが、香典には故人を悼む気持ちが込められています。その香典を包む表書きがマナー違反になってしまっては、せっかくの気持ちが失礼になってしまう可能性もあるでしょう。

この記事がマナーを知り、失礼のないように故人を見送るうえでの参考になれば幸いです。

 

香典袋の書き方は?表書きや金額、名前 中袋がある場合の書き方

この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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