香典返しののしには名前をどうやって書く?場合別の適切な書き方とは

葬儀の際などに頂いた香典の御礼としてお渡しする香典返し。

香典返しを贈る際にはさまざまなのマナーがありますが、「誰の名前を書けばいい?」「名前はどこに書く?」など、名前の書き方について迷ってしまう方も多いでしょう。

そのような方のために、本記事では香典返しの名前の書き方について、場合に分けてマナーを解説していきます。

香典返しの場合は、「のし紙」ではなく「掛け紙」

のし紙の「のし」とは本来、あわびを薄くのばして乾燥させた「熨斗鮑(のしあわび)」のことを指します。この熨斗鮑は縁起物とされていたので、贈答品に添えられていました。

現在では、この熨斗鮑がイラスト化されて、ご祝儀袋や慶事に使うのし紙の右上に描かれるようになりました。一般に「のし紙」といわれるものは、こののしのイラストと水引が印刷されたものをさします。

弔事でに使う紙には、のしがは描かれていないものを使いますので、正しくは「掛け紙」といいます。香典返しは弔事のため、のしがない「掛け紙」を使います。

内のし?外のし?

贈答品を購入し、のし(掛け紙)を付けてもらうことを依頼すると「内のし(内掛け)」にするか「外のし(外掛け)」にするか確認されることがあります。

内のしとは、品物の上に直接のしをかけ、その上から包装紙で包むことを指します。外のしとは、品物を包装紙で包み、その上からのしをかけることを指します。

弔事はお祝い事ではないので、外側から見えない内のしで用意するのが一般的です。ただし、相手に直接会って香典返しをお渡しをする場合は、外のしにするのが主流です。

そのため、一般的には直接持参する場合は「外のし」、配送する場合は「内のし」というように使い分けると良いでしょう。

▼香典返しにかける掛け紙(のし)のマナーまとめはこちら

香典返しの掛け紙(のし紙)マナー |紙の種類から名前・表書きの書き方まで

香典返しののし(掛け紙)に名前は書く?

のし紙(掛け紙)には、水引の下に贈り主の名前を書きます。のし紙に名前を書くことはマナーです。

香典は、葬儀の当日式に参列した人以外からも郵送などで頂くことがあります。直接手渡しでお返しできる場合もあれば、配送する場合もあります。

無記名で香典返しを渡してしまうと、誰からの香典返しなのかわからなくなってしまう可能性があります。また、故人の名字ではなく、他の名字で届いた場合は間違えて受け取ってしまったのではないかと不安になることもあります。

そのため、香典返しを受け取った相手がわかりやすいように、配慮をしたうえで贈る必要があります。

のし(掛け紙)の名前の書き方

香典返しの場合、のし紙の水引の下に贈り主の名前を記載します。名前の記載の仕方も、喪主のフルネームを入れたり「〇〇家」としたり、各喪家の事情によってさまざまです。

受け取った相手が不安になったりしないように配慮して贈ることが大切です。どのような書き方が適切か確認していきましょう。

名前をどのように記載するか

名前の記載の仕方は、大きく分けて喪家名、喪主名、連名、旧姓での書き方があります。貰った相手がわかりやすいように、どのような使い分けをすると良いのか見ていきましょう。

喪家名

故人と施主が同じ苗字の場合、香典返しは「◯◯家」のように、喪家の苗字+家で名前を記載することがほとんどです。例えば喪家名が佐藤だった場合、「佐藤家」と書くのが一般的です。

また、亡くなった故人と喪主の苗字が違う場合には、故人の苗字で「〇〇家」とすることが多いです。故人の関係で香典を頂いた場合や喪主の苗字を知らない場合、相手が間違えてしまったのではないかと不安になってしまう可能性があるからです。

また、家をつけずに「佐藤」のみとする場合もあります。どちらが良いかという決まりは特にありません。

例えば、苗字の最後に家がつくような「明石家」「古家」「住母家」といった苗字の方の場合は、更に家を付けるとくどい印象になってしまいます。また、三文字以上の苗字の場合はバランスが悪くなってしまうこともあるので、付けなくても良いかもしれません。

ただし、地域によっては決まりがある場合もありますので、注意しましょう。

喪主名

基本的に香典返しの差出人は喪主になります。喪主名をフルネームで記載する場合は、その家からというよりも、家を代表して喪主からという印象が強くなるでしょう。

故人が喪主にあたる方の義父や義母の場合にも多く用いられます。

また、喪主の会社の方への香典返しの際、喪家の名前だと誰から送られてきたものかがわからなくなってしまうという事態を防ぎたい場合には喪主の氏名を書くと良いでしょう。

連名

喪主が二人など複数人の場合は、香典返しも連名になります。以下の場合、喪主が二人になる可能性があります。

  • 故人の配偶者が高齢で、配偶者と長男が喪主
  • 故人の娘とその配偶者が喪主
  • 故人の兄弟が二人で喪主

仕事の都合などで、兄弟どちらも名前を出す必要があるため喪主を二人たてる場合もあるようです。このような場合は、右側に長男、左側に次男と名前を書くのが良いでしょう。

旧姓

喪家(故人)や喪主が結婚などさまざまな理由で姓が変わっていると、新しい姓で香典返しを贈っても相手が戸惑ってしまう可能性もあります。

その場合は旧姓のみを書くか、新姓の左にかっこ書きで旧姓を書き添えるようにします。

香典返しの贈り主が誰かわからないと受け取っていただけない場合がありますので、送り先の方に認識していただけるよう、相手に合わせて書き分けるようにしましょう。

名前を書く場所と色

喪主(喪家)の名前はのし紙の水引の下、中央に書きます。「志」などの表書きと同じくらい、もしくは少し小さいくらいの大きさで書きます。

また、表書きや名前を書く時、文字は毛筆などを使い、黒色で書きましょう。

最近は、薄墨を使う方も増えています。どちらかでなければいけないという明確な決まりはありませんが、地域によって違いもありますので、業者や販売店に聞いて確認すると良いでしょう。

のし紙に印刷してもらう場合は、薄墨にするかどうか指定することもできます。

香典返しの表書きの書き方

仏式では表書きは「志」や「粗供養」とするのが一般的です。

しかし、地域や宗教などによって異なり、関西~西日本では「満中陰志」と書く地域もあります。その他にも「粗供養」や「茶の子」、「忌明志」など、地域や宗教によって異なります。

細かくみていきましょう。

葬儀の香典返し

一般的な仏式の葬儀での香典返しは「志」で問題ありません。

関西~西日本では「満中陰志」や「粗供養」と書く地域もあります。中国地方、四国地方、九州地方の一部地域では「茶の子」と書くこともあります。

また、「茶の子」は、地域よっては葬儀当日にお返しする「会葬返礼品」や香典返しを当日に行う「即日返し」の品物の意味で使われる場合もあります。

名古屋では、「七七日忌明志」「忌明志」と書くのが一般的です。岐阜では、「五七日忌明志」(三十五日)「七七日忌明志」(四十九日)が一般的となっています。

法要の香典返し

法要の香典返しは「志」もしくは「粗供養」と書くのが一般的です。また、「◯回忌」としても良いでしょう。右上に「亡 父(母)」などどして、施主との関係を入れる場合もあります。

中国地方、四国地方、九州地方の一部地域では「茶の子」と書く地域もあります。岐阜、名古屋では「一周忌志」や「◯回忌志」とするのが一般的となっています。

香典返しの水引はどうすればよい?

現在ではのし紙(掛け紙)に印刷された水引が一般的ですが、略式なので本物の水引を使うのが望ましいです。

水引は、「黒白(5本)結び切り」 が一般的ですが、関西~西日本や北陸地方など一部地域では「黄白(5本)結び切り」の水引が使われることもあります。

結び切りとは、いわゆる「本結び」のことです。本結びは一度結ぶと引っ張ってもほどけない様から「二度と繰り返さない」「一度きり」という意味があり、弔事以外にも繰り返すと良くない婚礼やお見舞いなどにも使われます。

また、結び切りと同じようにほどけにくい「あわじ結び」が使われることもあります。あわじ結びも弔事、慶事どちらにも使えます。

宗教ごとの香典返しの方法

キリスト教や神道でも国内では仏式同様に香典返しを行う風習があります。表書きの書き方や香典返しを贈る日にちが違うため、細かくみていきましょう。

キリスト教の香典返し

キリスト教では本来はお返しの風習はありませんが、三十日、五十日目の追悼ミサ(カトリック)、召天記念日(プロテスタント)に仏式同様のお返しをすることが一般的になっています。

表書きは「志」「偲び草」「三十日(五十日)追悼会偲び草」のどれかになります。

水引は、東日本であれば黒白、西日本であれば黄白の五本の結び切りです。

名前は仏式同様に、〇〇家か喪主の姓、喪主のフルネームが一般的です。

なお、蓮の花が描かれたのし紙(掛け紙)は仏式では使えますが、他宗教では使えません。

神道の香典返し

神式では三十日祭、五十日祭を忌明けとして仏式同様のお返しを贈ります。香典返しという言葉は本来は仏式での風習です。

表書きは「志」でも構いませんが、「偲草」「偲び草」「五十日祭偲び草」などとします。

水引は、東日本であれば黒白、西日本であれば黄白の五本の結び切りです。

名前は仏式同様に、◯◯家か喪主の姓が、喪主のフルネームが一般的です。

まとめ

葬儀の喪主になることは、人生に1、2回あるか無いかで経験しない人も多いでしょう。

そのため、香典返しのマナーや地域ごとのルールも知らない人が多いです。地域や宗教によっても違うので、少し難しいと感じる人いらっしゃるかもしれません。

もしもの時は一通り確認して、相手の方に失礼の無いように対応できると良いですね。

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【香典返しまとめ】金額相場や人気の品物、挨拶状の書き方などのマナーを解説

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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