葬儀の案内状を作成する際の注意点と例文集

葬儀を行う時には、訃報をお知らせし、葬儀の日程や会場などをお知らせする案内状を送ります。また、このほかにも葬儀に参列していただいた方へのお礼状や、故人の訃報をお知らせし身内だけで葬儀を済ませた旨をお知らせするもの、故人の供養のための法要の案内状など案内状を送る機会は数多くあります。

最近では葬儀の内容も多様化しており、遺族がオリジナリティーにあふれる葬儀を行って故人を弔うことも増えてきました。ただし、葬儀ではさまざまな場面でマナーが重要視されるため、相手が不快に感じないように気をつけなければなりません。そのため、案内状を自作し送ろうと考えた時に、マナー違反にならないようにどのような点に注意をすればよいのかを不安に感じることも多いようです。

ここでは、葬儀の案内状の種類や送り方、案内状の書き方や例文について紹介していきます。ぜひ、実際に案内状を作成する際の参考にしてください。

葬儀の案内状は4つの種類に別れる

葬儀に関連する案内状は、大きく4種類に分けられます。それぞれの案内状には意味するものの違いや書き方に特徴が見られます。したがって、案内状の種類によってどのような内容書けばよいのか、いつ送るのかなどについて理解しておき、無礼にあたらないように気をつけましょう。

葬儀の案内や訃報

故人の訃報を伝えて、葬儀の詳細を伝えるために葬儀の案内を送ります。故人が亡くなってから通夜・告別式を執り行うまでの日数はごく短期間であることがほとんどであるため、この葬儀の案内や訃報をお知らせする案内状はすぐに作成をして、必要な人に向けて送る必要があります。そのため、郵送で送付するという方法は適しておらず、メールやFAXなど相手にすぐに届く手段をとることが一般的です。

葬儀の案内状に必要な内容は、故人の逝去の情報として亡くなった日時やその理由などを書きます。次に、葬儀の日程、葬儀を行う場所の情報(葬儀場名、住所、電話番号)を書いておきます。また、葬儀の形式や宗派、喪主の名前を記載しておき、参列者が持ち物を準備する際の判断ができるようにしておきましょう。

もし、葬儀を家族葬などの身内だけで行うためにそれ以外の人の葬儀への参列をお断りしたい場合には、葬儀の情報は書かずに逝去の連絡や会社などに対しては忌引休暇の取得についてのみを記載することもあります。

また、香典や供花などを辞退したいときには、故人の遺志と遺族の意向で香典や供花は辞退するという旨の一文を入れておくようにします。

葬儀後のお礼状

葬儀後のお礼状には2種類あり、具体的には葬儀に参列いただいたことに対するお礼状と香典をいただいたことに対するお礼状です。

葬儀に参列いただいたことに対するお礼状は会葬礼状と呼ばれ、葬儀の当日に会葬返礼品と一緒にお渡しします。また、香典返しのお礼状は後日、香典返しを送る際にその品物につけて一緒にお送りするものです。どちらの場合も、葬儀に参列していただいたこと、香典をいただいたことに対する喪主としてのお礼の気持ちを書くようにします。

ただし、最近では香典返しを葬儀場でお返しする「当日返し」という方法をとることも増えてきています。このような場合、香典の礼状と会葬御礼状の両方をお渡しするのか、片方だけにするのかという問題が生じます。実際には、このような状況での明確な決まりはないため、葬儀会社のやり方に従うとよいでしょう。ただし、このふたつを明確に分けたいという希望があるのであれば、あらかじめ葬儀社にその旨を伝えて対応可能かどうかを話し合っておきましょう。

葬儀後の報告

最近では家族や親族などのごく限られた人だけで葬儀を行う「家族葬」の形を取られることも増えています。この場合、故人の逝去後に広くそのことを連絡することはなく、葬儀に参列してほしい人以外は故人がなくなったことを知らないという状況となります。

そのため、家族葬など身内だけで葬儀を済ませた場合には、葬儀が終わった後に故人が逝去したこと、葬儀を身内のみで滞りなく済ませたことの報告と謝罪を伝えます。

葬儀後の報告を送るタイミングとしては明確な決まりはありませんが、四十九日法要が終わった後に送られることが多いようです。そのほかにも、喪中はがきをもって葬儀の後の報告とする場合や納骨が終わったタイミングで送られるケースも見られます。

葬儀後の報告を受け取った方が、葬儀に参列できなかったのでせめてお線香だけでもと自宅を訪問されるケースもありますので、遺族が落ち着いた段階で送るのが良いでしょう。

法要の案内

仏教では葬儀の後も七日ごとに法要を行い四十九日法要をもって忌明けとなり、故人が亡くなってからひと段落する法要となります。その後は一周忌、三回忌、七回忌などの法要を行い、親族や親しい知人に案内状をお送って参加してもらいます。

法要参加の案内では、参加者を把握して法要の準備を進めるために参加の可否についての返信をもらわなければなりません。そのため、案内は遅くとも1か月前までには送れるように準備をしておきます。

ただし、遠方から来られる方は宿泊が必要であったり、仕事を休まなければいけないこともあるため、1か月前ではこれらの手配が間に合わないかも知れません。そのような場合も考えて、なるべく早めに案内ができるようにする、日程だけでも先に伝えておくなどの配慮が必要なこともあります。

案内状を送る方法

案内状を送る時には、案内状の種類や送る人との関係性によっていくつかの方法があります。タイミングや関係性を見き分けてより適切な方法で案内状を送るようにしましょう。

はがき

葬儀の案内は到着するまでに時間のかかるはがきや封書を用いて郵送することは適していません。ただし、葬儀を行ったことを報告する案内状など、到着までに時間がかかっても良いものの場合は、はがきを用いて送ることが一般的です。

はがきを用いる場合は、相手との関係性はどのような場合でも失礼には当たることはありません。

メール

以前は訃報の連絡などをメールで行うのはあまり良くないとされていて、電話でお知らせすることを推奨されていました。しかし、現代ではメールは広く普及しており、電話で伝えるよりも内容の行き違いを起こしにくく、一度にたくさんの人に速やかに伝えることができる手段として、メールで訃報の連絡を行うことも一般的となっています。

また、仕事関係の方がなくなられた時や取引先や会社の上司に連絡をする際にもメールであれば時間を気にすることなくたくさんの人にお知らせ出来るため、活用できる場面が多くなっています。

FAX

葬儀の案内や訃報のお知らせは郵送で送る時間の余裕がない場合も多いため、その場合にはFAXを使用します。電話では葬儀場などの詳細をお伝えする際に聞き間違いなどのトラブルが生じる恐れがありますが、FAXではたくさんの情報を正確に伝えることができるため確実です。また、親しい間柄であれば電話で一報を知らせた後に、詳細をFAXで送るようにしても良いでしょう。

案内状を作成する際の注意点

案内状を作成する際には、その書き方にも気をつけなければなりません。普段の文章を書く時とは違ったマナーがいくつかあるため、それらに注意するようにします。

句読点は付けない

句読点は文章を読むときに、読みやすくするためにつけるものです。しかし、葬儀に関する案内状には句読点はつけてはいけないとされています。

その理由としては諸説ありますが、案内状はそもそもは毛筆で書かれるもので、毛筆で書く書面には句読点は使わないのが正式であるためとされています。また、葬儀が滞りなく流れるように無事に終わることを願うため、案内状に句読点があるのか好ましくないとの考え方も見られます。

ほかにも、句読点をつけることで読みやすい文章にすることが、相手に対しての無礼にあたるという理由があるともされています。

ただし、最近では句読点をつけるつけないはこだわらなくても良いとの考え方も出てきているため、葬儀会社等によっては句読点のついた案内状を出しているところもあります。

忌み言葉は避ける

葬儀の案内状には忌み言葉を使用しないように注意します。忌み言葉とは不幸や不吉なことを連想させるような言葉のことを言います。たとえば、たびたび、再三、また、くれぐれもなどの重ね言葉は幸が繰り返されることを連想されるため避けなければなりません。また、数字の4や9、死、苦しむ、生きるなどの表現は相手に不吉なイメージを与えるため使用しないようにします。

縦書きで記載する

葬儀の案内状は本来は毛筆で書かれていたため、縦書きで記載することがほとんどです。したがって、伝統やマナーを重んじる仏事では縦書きにするのが基本です。

ただし、最近ではメールやFAXで案内状を送ることもあり、必ずしも縦書きにしなければいけないということでもありません。カジュアルなお別れ会などでは横書きの案内状を送る場合も見られています。案内状の種類や案内する方法によって使い分けをするとよいでしょう。

案内状の例文集

実際の案内状の基本的な構成と書き方の例をご紹介します。

葬儀の案内や訃報

父 〇〇 〇〇 儀(享年〇歳) かねてより病気療養中のところ 〇月〇日午後〇時〇〇分永眠いたしました

ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます

なお 葬儀告別式は左記のとおり執り行います

 

一、日時 通夜式     〇月〇日(曜日) 午後〇時から

葬儀告別式   〇月〇日(曜日) 午前〇時から

一、式場 〇〇会館  東京都〇〇区〇〇〇丁目〇番〇号

なお 勝手ながら供花お供物の儀は故人の遺志によりご辞退申し上げます

〇年〇月〇日

喪主 〇〇 〇〇

住所 東京都〇〇区〇〇〇〇

電話番号 〇〇‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇

葬儀後のお礼状

故〇〇 〇〇 儀 葬儀に際しましては ご多用中にもかかわらずご会葬を賜り且つ

ご鄭重なるご厚志を賜り誠に有難く 暑くお礼申し上げます

早速拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書面を持ちましてお礼申し上げます

 

〇年〇月〇日

〒〇〇〇‐〇〇〇〇

東京都〇〇区〇〇〇〇

喪主 〇〇 〇〇

親戚一同

尚 本日は何かと混雑に取り紛れ不行き届きの段悪しからずご容赦下さいますようお願い申し上げます

葬儀後の報告

父 〇〇 〇〇 儀 かねてより入院加療中でございましたが 〇月〇日に逝去いたしました

ここに謹んでご通知申し上げます

葬儀におきましては 故人の生前の遺志により 家族のみで滞りなく相済ませました

故人の生前中はひとかたならぬご厚情を賜り ご厚誼に心より御礼申し上げ失礼ながら 書面をもってご通知申し上げます

尚 お供えや御香典につきましてはご辞退させていただきたくお願い申し上げます

 

〇年〇月〇日

〒〇〇〇‐〇〇〇〇

東京都〇〇区〇〇〇〇

喪主 〇〇 〇〇

 

法要の案内

拝啓 〇〇の候 皆様におかれましてはお変りもなくお過ごしのこととお慶び申し上げます

さて このたび 亡父 〇〇の〇回忌を迎えるにあたりまして ささやかながら左記のとおり法要を相つとめたく ご多用中誠に恐縮に存じますが ご参列くださいますようご案内申し上げます                                敬具

日時 〇年〇月〇日(曜日)午前〇時より

場所 〇〇寺  住所 〇〇市〇〇町〇〇‐〇〇

電話 〇〇〇‐〇〇〇‐〇〇〇〇

尚 法要後粗餐をご用意しております

〇年〇月〇日

東京都〇〇区〇〇〇〇

(電話番号)

〇〇 〇〇(喪主名)

※お手数ですがご都合の程〇月〇日ごろまでにご一報下されば幸いに存じます

最後に

葬儀を行う時に必要な葬儀の案内や訃報の連絡、お礼状にはマナーを重んじることが重要であり、基本にのっとった書き方や送り方が重要視されます。

しかし、時代が変わり通信手段が昔とは変わって来ていることもあり、以前は失礼に当たるとされていたメールでの連絡が問題とされないなどの変化も見られています。ただし、利便性だけでなく受け取り手が無作法と感じない方法や書き方を選ぶように心がけることがもっとも大切なことです。

この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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