葬儀にふさわしい袱紗(ふくさ)と香典の渡し方 | 色や形、代用品は?

皆さんは自分の袱紗をお持ちでしょうか。

袱紗は社会人であれば、一つは持っておきたいアイテムの一つです。本記事では、袱紗の使い方やそのマナーについて解説していきます。

もし、自分の袱紗を持っていない方は本記事を参考にして選んでみてはいかがでしょうか。

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袱紗(ふくさ)とは

袱紗とは絹やちりめんなどで作られた、柔らかい正方形の布のことを指します。袱紗は元々は風呂敷のように贈り物や貴重品を包んで持ち運び、汚れや日焼け防止のために使われていたものでした。

現在では、冠婚葬祭で祝儀や香典を包むための専用の布や入れ物のことを指すことが多くなっています。また、茶道で茶器などを包む際に使われることもあります。

なぜふくさが必要なの?

袱紗は、祝儀袋や香典袋の水引の形が崩れたり、袋そのものがしわになってしまったり、汚れてしまったりすることを防ぐために使われます。また、袱紗に包むことで遺族に対して敬意を払い、喜びや悲しみを共にしていますという気持ちを表現する意味もあると言われています。

簡単に言うと祝儀袋や香典袋を袱紗に包むことは、相手に対する礼儀なのです。

弔事と慶事のふくさ

袱紗には、用途別に弔事用・慶事用・慶弔兼用の三種類あります。

弔事には紺やグレー・緑などの落ち着いた地味な寒色系の色、慶事には赤・ピンク・金などの華やかな暖色系の色のものを使います。

寒色系と暖色系がリバーシブルとなっており、一つでどちらの用途にも使えるものもあります。

また、濃い紫色は慶弔どちらでも使えます。ただし、弔事の際は左開き、慶事の際は右開きとなりますので、紫色でも刺繍が入っていて上下がはっきりわかるものは両用ではない場合もあります。

葬儀で使うふくさの種類・色

葬儀で使える弔事用の袱紗は色が決まっています。男女によっても違う場合がありますので注意しましょう。

また、現在は袱紗も正式なものから簡易的なものまで様々な種類のものが出ています。具体的にどんな袱紗が葬儀に使えるのかみていきましょう。

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ふくさの色

葬儀で使える袱紗は寒色系の色のものです。黒やグレー、紺色、緑色などの落ち着いた色です。また、濃い紫色は慶弔両用で使えます。うぐいす色などは色は少し明るめですが、葬儀で使っても大丈夫です。逆に薄紫は、紫色ですが慶事用となります。

ただし、女性の場合はえんじ色でも葬儀で使えるとされています。男性の場合は慶事用となってしまいますので、夫婦で貸し借りする場合などは気を付けましょう。

一方、紺色は男性が持つ場合は慶事でも使えます。

また、柄や刺繍も要注意です。色が葬儀に適したものであっても、桜や鶴、松竹梅や扇、亀甲などのおめでたい刺繍が入ったものは慶事用です。また、レースなどの装飾があるものや、かわいい柄や派手な柄も葬儀では避けた方が良いでしょう。

慶弔両用で使える袱紗の購入を考えている人はその点に注意して選びましょう。

ふくさの形の種類

袱紗の形にも正式なものから簡易的なものまで種類があります。正式な袱紗は包むのが難しいですが、持ち帰る際にはコンパクトになるというメリットもあります。また、簡易的な袱紗ですと場面によっては使うのに適していないケースもあります。それぞれの袱紗の違いを具体的にみていきましょう。

正式な袱紗(ふくさ)

正式な袱紗は、無地の絹などで作られた正方形の布とされています。正方形の四隅に房状の飾りが付いたデザインもあり、裏地がついているものが多いです。初めは包むのが難しいかもしれませんが、慣れれば簡単です。

また、絹やちりめんなどの正式な袱紗に使われている素材は、布自体がしわになりにくく、汚れも付きづらいものですので、一つ持っていれば長く使うことが出来ます。

また、小さくたたんでも皴になりづらいので、持ち帰る際にはコンパクトになりますし、袱紗自体に厚みは無いので、男性が内ポケットに入れることも出来ます。

爪付き袱紗(ふくさ)

正式な袱紗の形のものに、布を留めておくためのフックや爪がついている爪付き袱紗というものもあります。

包んだあと包みが開いてしまわないように出来るので、カバンやポケットの中に入れてしまっても安心感があります。

台付き袱紗(ふくさ)

台付き袱紗は、布の内側に香典袋等を置いて固定するための台がついたものです。台の四隅には、香典袋を台に固定するためのゴムや紐などがついているものもあります。台があることで、香典袋が折れたり、よれてしまうのを防ぐことが出来ます。台がついているので、包む際も正式な袱紗よりは簡単に包むことが出来るでしょう。

爪付き袱紗と同じように、布に爪がついているものが多くありますし、台は取り外しが出来る場合もあります。

金封袱紗(ふくさ)

金封袱紗は長財布のような形をしていて、香典袋をポケット部分に挟み込むようにして使うタイプの袱紗です。金封袱紗はポリエステル等の化学繊維で出来ていることが多いです。

ポケット部分は内側に台紙などが入っていて、袱紗自体がしっかりしているので、香典袋が折れてしまう心配もありません。略式とされていますが、簡単で扱いやすいので人気があります。

ふくさへの香典の入れ方・包み方

正方形の袱紗へ香典袋を包む時は、まず袱紗をひし形になるように広げて置きます。

爪がついている場合は、爪が左側にくるように置きます。

そして、中央よりやや右側に表書きが見えるように不祝儀袋を置きます。

そして右・下・上・左の順に袱紗を折り畳みます。

最後に左を折り端を裏側に回し、開ける時は左から開けられるように包みます。

金封袱紗の場合は、左開きになるようにします。つまり、ポケット部分が右側になるように、表書きが正しく読めるように入れます。

金封袱紗は略式とされていますで、3万円以上の香典になる場合や目上の人葬儀には、金封袱紗は避けた方が良いでしょう。

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ふくさに包んだ香典の渡し方

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ふくさから取り出すタイミング

一般的に香典は、葬儀場の受付で渡します。

香典を袱紗から取り出すのは、受付で記帳などを済ませた後になります。

バッグやポケットから袱紗ごと香典を取り出して、袱紗から中身を出します。

受付が混んでいると時間がかかってしまうと思って焦ってしまいますが、受付を待っている間に袱紗から香典を取り外すことはしなくても大丈夫です。

香典の渡し方

受付で香典を渡す際には、受付の前で袱紗から香典袋を取り出します。

次に、相手側から見て表書きが正しく見えるように、台付き袱紗の場合は、台の上に、台付き袱紗以外の場合は、袱紗を折りたたんで台替わりにして、袱紗の上に不祝儀袋をのせます。

そして、反時計回りにまわして両手で机の上にのせるようにして差し出します。

既に受付で香典を置くための切手盆が用意されている場合は、その上に香典袋をそのまま置きましょう。

受付がない場合は、焼香の際に御霊前に供えるか、遺族に手渡します。

香典の向き

受付がある場合や、ご遺族に直接渡す場合は表書きが相手に見えるように出します。

御霊前に供える時は、表書きを自分が読める方向にして供えるようにします。

男性でも袱紗が必要?

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袱紗には、男性女性は関係ありませんので、もちろん男性も袱紗を持っておいた方が良いです。しかし、男性はバッグを持ち歩くことが少ないと思います。

バッグを持って行かない場合は、上着の内ポケットに入れるようにしましょう。

外ポケットやズボンの後ろポケットは皴になってしまう可能性が高いので避けた方が良いです。

相手への礼儀を考えると、後ろポケットに香典を入れたまま座ってしまったりしては失礼ですよね。

台付き袱紗ですと、内ポケットでは少々邪魔になりますので、その場合は台座を外して、袱紗だけで包むのが良いでしょう。

ふくさが買える場所

ふくさは安いものですと100円、高いものですと3000円~10,000円程度で買うことが出来ます。

もし、急な通夜・葬儀などで必要になった場合は、とりあえず簡易的なものを購入しても良いでしょう。以下では袱紗を購入できる場所をご紹介します。

デパート・百貨店

大きめのデパートや百貨店であれば袱紗はほとんどの店で売っているでしょう。

フォーマルスーツなどの売り場に置いてあることが多いです。

品物も良いものが置いてありますし種類も豊富ですので、自分でずっと使うものを選びたい、店員さんに相談しながら決めたいという方は百貨店に行ってみると良いと思います。

インターネット

どういうデザインの袱紗が良いかある程度決まっている方や、使いたい日まで日数がある場合はインターネットで購入するという手もあります。店頭には無いものに出会える可能性もあります。自分で使いやすいもの、気に入ったものを数多くの中から選びたい方は、インターネットで探してみても良いかもしれません。

文具店・スーパーマーケットなどの文具コーナー

文具店では香典袋や祝儀袋が売っているコーナーがある店がほとんどです。その場合、袱紗も一緒に置いてあるケースがあります。

また、文具コーナーが一区画分用意してあるような大きめなスーパーでも取り扱っていることもありますが、文具専門店やデパートに比べると種類は少ないかもしれません。

どちらも、あるかどうかは店によりますので、急いでいる場合は事前に電話などで確認すると良いでしょう。

葬儀場の売店、仏具店

葬儀場の売店や仏具店ではほとんどの店で取り扱いがあるかと思います。葬儀場に売店が無い式場もありますが、仏具店が併設されているケースがあります。事前に準備が出来ず、急に袱紗が必要になるのは、通夜・告別式がほとんどかと思いますので、現地に早め行って受付をする前に購入するということも出来るでしょう。

ただし、葬儀場の売店や仏具店では弔事用の袱紗は種類が豊富かもしれませんが、慶事用は取り扱いが無い場合があります。

100円ショップ・コンビニ

大型の100円ショップですと祝儀袋や香典袋の金封コーナーに置いてあるケースがあります。100円ですとお得ですが、素材はポリエステルなどの化学繊維になりますので、専門店で購入できるものと比べると品物の質は落ちてしまいます。長く使うというよりは、「とりあえず」で買うものと思っておいた方が良いかもしれません。

また、少ないですが店によってはコンビニで置いているケースもあります。100円ショップやコンビニも確実に取り扱いがあるとは限りませんし、商品の入れ替わりも頻繁なので事前に確認するのが良いでしょう。

袱紗(ふくさ)がない場合はハンカチで代用してもいい

もし手元にふくさがない場合は、ハンカチで代用することもできます。

このときのハンカチは白または黒の無地が望ましく、柄がついていないものを使うようにします。
袱紗の場合には、紺色や紫、緑色の寒色系も良いですが、ハンカチで代用する場合はそれらの色は使えませんので注意しましょう。

ハンカチを使った香典袋の包み方は、ふくさで包むときとほぼ同じ方法で包むことが出来ますが、香典袋の全体を包みますので、大判のハンカチだと包みやすいです。

タオルタイプのハンカチでの代用は色が白や黒であっても避けましょう。

まとめ

袱紗は必ず持っていなければならないものではありませんが、社会人であれば自分の物を持っておきたいアイテムの一つです。若いうちは、葬儀に参列する機会は少ないかもしれませんが、慶弔両用の袱紗を購入すれば結婚式でも使えますし、後々長く使うことが出来ます。

葬儀に参列することになるのは、急なことが多いので一つ自分の物を用意してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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