法事のお供え物|のしの書き方や品物を選ぶ際のポイントを解説!
葬儀後、四十九日や一周忌、三回忌などの節目には法事を行います。法事に持参するお供えは、どのようなものが適しているのでしょうか。今回は、法事のお供えについて解説します。
目次
法事に持参するお供えとは
法事のお供えは「仏様や仏壇、そして故人に対してお供えするもの」という意味合いがあります。また、法事の場所や手配などをしてくれた遺族に対し、「せめて何かをさせてほしい」という気持ちの表れでもあります。
法事のお供えは、必ず持参しなくてはならない訳ではありませんが、持参することをおすすめします。持参する場合は、品物や現金(御供物料)をお渡しするとよいでしょう。
お供えは、地域や親族間の風習によるところが大きく、お供えの品物と御供物料を両方持参する地域や、供物料のみを持参する地域があります。
どのように準備すべきか分からない場合は、周りの親族に確認すると良いでしょう。不安であれば、御供物料と品物を両方持参するようにすれば失礼にはなりません。
お供えの相場金額
法事におけるお供え物の相場は、友人関係であれば3千~1万円、親族であれば5千~2万円が相場金額です。御供物料として包む場合も同様です。食事(お斎)が用意されている場合には、一人当たり5千~1万円程上乗せします。
立場や関係性によっても相場金額が変わります。連名で用意する場合は、2名であれば2倍分の金額になるように、品物や御供物料の金額を調整します。なお、お供えとして用意すべき品物や金額は、七回忌や十三回忌など、回忌が変わっても変わりません。
法事のお供えにおすすめの品物
法事に適したお供え物をご紹介します。お供えには、食品や線香、蝋燭など、後に残らない「消え物」が良いとされています。それでは詳しく解説します。
饅頭などのお菓子
昔から、お供えの定番といえばお菓子類です。「お下がり」として分けて持ち帰ることができます。なるべく、子供からお年寄りまで、万人に好かれるお菓子が良いでしょう。
饅頭やせんべいなどの和菓子は昔からの定番ですが、近年ではクッキーやマドレーヌなどの焼き菓子もよく選ばれています。夏には、羊羹やゼリーなどの水菓子もおすすめです。
果物
果物は、リンゴやミカン、ブドウなどの丸い形のものは、「縁」を連想させるため、法事のお供えに適しているといわれています。季節にあった果物を選びましょう。
果物は生ものなので、傷みやすいという点に注意が必要です。注文時に「法要のお供え用」であることを伝えると良いでしょう。果物ではなく缶詰の詰め合わせもおすすめです。
線香・ろうそく
最もポピュラーなお供えです。線香や蝋燭は、贈るだけで供養の気持ちが伝わります。
桐箱や塗箱に入った高級線香などは、香りも良く、受け取る側に特別感を感じさせるのでおすすめです。
花
花は、故人の供養になるだけではなく、遺族の心も癒します。四十九日までの法要では、白い花を基調としたアレンジメントが無難ですが、一周忌以後の法要には、優しい色合いの花を入れても構いません。真っ赤や、鮮やかすぎる色の花は避けるようにしましょう。自宅での法要では、飾る場所を取りすぎないアレンジメントが良いでしょう。
ただし、鉢植えタイプの物は、不幸が「根付く」といわれるため、お供えには相応しくありません。法事に相応しいアレンジメントにするために、注文時に「弔事用」であることを伝えることをおすすめします。
故人が好きだったもの
お供えは故人に贈るものです。故人が好きだったお酒や食べ物が分かれば、好きだったものを用意するのが一番です。
故人の好きだった花や色のアレンジメントを用意すれば、在りし日の故人を思い出すきっかけとなり、集まる人の心に彩りを添えてくれるかもしれません。
お供えを選ぶ際のポイント
持参したお供えは、法事終了後に参列者で分けるか、遺族が自宅へ持ち帰ることになります。お供えを選ぶポイントとしては、食べ物や花、お香など消費しやすいものや、お裾分けしやすいもの、持ち帰りやすいものが良いでしょう。
小分けや個包装のものがおすすめ
食品は、分けて持ち帰りやすいように、小分けや個包装がされているものを選びましょう。衛生面を考え、なるべく賞味期限が長く、常温で保存できるものが適しています。
持ち帰りしやすいものを選ぶ
受け取る側の気持ちを考慮し、なるべく重量が無く、かさばらないものにしましょう。また、自宅での置き場所に困るようなものも避けましょう。消費しやすいものであることも大切です。
タブーなお供え物
弔事のお供えには、タブーとされるものがいくつかあります。生肉や生魚など殺生を連想させるものや、昆布や鰹節など慶事に通じるもの、赤やオレンジなど派手な色の花、バラなどトゲのある花、香りが強すぎるものは、法事のお供えに相応しくありません。
お供えの掛け紙(のし)
お供えには、掛け紙(のし紙)をつけましょう。掛け紙は、水引の色や種類、表書きなど細かいマナーが多く、いざという時に悩まれる方も多いと思います。お供えの掛け紙について解説します。
掛け紙(のし)の種類
お供えにつける掛け紙は、「弔事用」の掛け紙を使用します。弔事用の掛け紙には、のしマークの印刷がありません。不幸が続かないようにという意味を込め、水引は結び切りの形にします。
水引の色は、黒白や双銀、黄白などがあります。関西では四十九日以降は黄白の水引、関東では一周忌までは黒白など、地域や法要の種類によって様々です。ギフトショップで購入時に、法要の地域を伝えると、地域に合ったかけ紙をつけてくれるので活用すると良いでしょう。
掛け紙(のし)の掛け方
掛け紙には、包装の外側にのしを貼る「外のし」と、包装の内側にのしを貼る「内のし」があります。
法事に参加して直接渡す場合には、一目見て誰からのお供えか分かるように「外のし」にします。一方で、郵送で贈る場合には、のしが破損しにくい「内のし」がよく用いられます。
表書きの書き方
表書きは、掛け紙の水引の上部に「御供」や「御供物」「粗供養」「御仏前」などと記し、水引の下部には、フルネームを記入します。四十九日以降の法要では、薄墨ではなく濃い墨を使用して構いません。
法事でのお供えの渡し方
お供えは、お出迎えいただいたタイミングで渡しましょう。「この度は、お招きいただきありがとうございます。御仏前にお供えしてください。」と、言葉を添えて渡すと良いでしょう。風呂敷や紙袋から出し、品物だけを手渡すのがマナーです。風呂敷や紙袋は持ち帰りましょう。
ご遺族の許可なく、自分で御仏前に供えるのはマナー違反です。供花や果物に関しては、法事の前日までに届くように手配をしましょう。
【施主向け】法事でいただいたお供えのお礼はどうする?
お供えのお返しは、葬儀の香典返しと同様に、いただいた金額の3分の1から2分の1を目安にお返しします。法事当日に、参列のお礼として「法事のお返し」と「食事」を用意します。この法事のお返しと食事によって、お供えのお返しを済ますことがほとんどです。高額のお供えを頂いた場合には、後日改めてお礼の品物を送るケースもあります。
法事のお返しの掛け紙は、結び切りの水引が印字され、「志」もしくは「粗供養」と記されたものを付けます。水引の色は、双銀や黄白、青白など、地域よって異なりますので注意が必要です。
まとめ
法事のお供えについて、ルールやマナー、品物選びのコツを解説しました。法事は、故人の冥福を祈り、その霊を慰めるための営みです。マナーをきちんと守って、心のこもったお供え物を贈りましょう。