直葬とは?葬儀の流れやメリット・デメリット

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葬儀のやり方も多様化してきた現代ですが、直葬という方法があるのをご存知でしょうか。
聞いたことはあってもいろんな葬儀のやり方が出てきて、他の葬儀との違いが分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、直葬を検討している人のために直葬の流れやメリット・デメリット・注意点を解説していきます。

直葬とは

直葬とは、通夜・葬儀を行わずに火葬のみを行い、故人を見送る方法です。
今の日本で全国各地で行うことのできる、一番シンプルな葬送の形といえるでしょう。
直葬はよく、火葬式や密葬と混同されがちです。
火葬式は火葬の前に僧侶よる読経の時間が設けられることがほとんとですが、直葬では僧侶による読経も行いません。
また、密葬は近親者のみで葬儀を行い、後日お別れ会のような本葬を行うことを前提としています。
※葬儀社や地域によっては、直葬=火葬式の場合もありますので、よく確認が必要です。

直葬が選ばれる理由

従来の葬儀と比べるととてもシンプルな弔い方である直葬ですが、直葬を選ぶ方はどのような方が多いのでしょう。
直葬をおこなう理由としては下記のような理由の方が多いようです。

  • 亡くなった故人に身寄りがない
  • 葬儀を行っても参列者がほとんどいない
  • 費用を抑えたい
  • 菩提寺がない
  • 僧侶を呼びたくない

このように大きく分けて、会葬者の人数、費用、お寺との関係の三点が理由となっています。

直葬を選ぶ人は増えた?直葬の割合

近年、耳にする機会も多くなった直葬ですが、実際に直葬を選ぶ方はどれくらい増えているのでしょうか?
公正取引委員会が平成29年に発表した調査によると、葬儀をあげる方全体の割合に対する直葬を行った方の割合は約5%ですか、その増加率は約26%となっていて、年々増えていることがわかります。
また、都心部ではよりその比率が顕著となっており、執り行う葬儀の6件に1件は直葬となっている葬儀社もあるようです。

直葬の流れ

直葬は通夜・告別式をやらないということ、お寺の住職を呼ばないということ以外は、ほとんど一般的な葬儀までの流れとかわりません。
葬儀の流れや、直葬に関しては地域によって違いもありますが、直葬のおおまかな流れを下記にて説明していきます。

臨終・お迎え

自宅で持病などで亡くなった場合はかかりつけ医などに連絡して見てもらい、死亡診断書を書いてもらう必要があります。
同時に葬儀社にも連絡して、安置するための準備をして来てもらいます。
病院や施設などで亡くなった場合には葬儀社に連絡をし、ご遺体を病院等にお迎えにきてもらう必要があります。
病院や施設にも霊安室はありますが、長時間は置いてもらえません。せいぜい長くても一晩と思っておいた方が良いでしょう。(短いときには2,3時間という場合もあります。)
簡単な遺体の処置は病院等でしてもらえますので、終了の目安時間を病院側に確認し、それおを葬儀社に伝え、お迎え時間を決めましょう。

安置・納棺

自宅へ安置する場合は、葬儀社の方が安置するための布団やマット、防水シートやドライアイス、枕飾り等を用意しに来てくれます。
ただしプランによっては別料金の場合もありますのでよく確認して依頼しましょう。
安置が完了した後に、家族で末期の水をあげたり、顔や身体を拭いてあげたりします。
準備が整い次第納棺となり、そのまま火葬まで安置します。

葬儀社などの霊安室で安置する場合は、葬儀社の方でお迎えに行ったあと、そのまま霊安室の方に搬送となります。
この場合は遺族が到着次第、納棺前の儀式を済ませ、納棺となります。
お迎えが深夜の場合は、納棺は翌朝以降になることが多いでしょう。
火葬までの間に面会したい場合は、葬儀社や安置先の営業時間中であれば、面会させてもらうことができることが多いです。

出棺・火葬

自宅で安置していた場合は、火葬開始時刻の10~15分前に火葬場に到着出来るように、葬儀社の担当者が霊柩車でお迎えに来てくれます。
そして、立ち合う親族が火葬場に全員揃い次第、火葬炉の前で最後のお別れとなります。
葬儀社によっては、最後のお別れの際にお花入れなどの時間を設ける場合もありますが、自宅で出棺する前におこなうケースもあります。
お花などが別料金の場合は、自分たちで用意して持っていくこともできます。

葬儀社内にある霊安室などで安置していた場合は、最後のお別れをしてから出棺となるでしょう。
火葬場に霊安室がある場合や、その他の場所で安置していた場合などは、葬儀社の担当者によって火葬炉の前にご遺体を運んでおいてもらえるケースもあります。
その場合は、火葬炉の前で最後のお別れとなります。

ご遺体をどこで安置するにしろ、その後はそのまま搬送・火葬となることを覚えておきましょう。

火葬・収骨

火葬開始から大体1時間~1時間半で火葬が終わり、その後収骨となります。
火葬が終了すると、火葬場の担当者から声がかかったタイミングで、収骨される方は収骨室に集まります。
遺骨は骨上げ台に運ばれており、台の周りを遺族で囲む形になります。
骨上げのやり方は地域によって違いがありますが、基本的には喪主から順番に専用の箸で骨を拾い上げて、骨壺に納めていきます。

納骨・散骨

収骨が終われば、一通りの儀式は終了となり、火葬場の担当者から埋葬許可書を受け取って遺骨を持ち帰ります。
その後、目安として四十九日前後の間に納骨や散骨をしましょう。
直葬の場合は、基本的にはお寺への連絡等をしませんので、納骨出来たとしても無縁仏などに埋葬してもらうことになります。
そのため事前に納骨堂や散骨などでの供養を検討しておきましょう。

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直葬の流れ | 自宅・病院から葬儀、供養までの流れ

直葬のメリット・デメリット

直葬を行う場合、一般的な葬儀において重要な部分を省略することになりますので、親族や菩提寺に許可を得ることが重要なポイントになってきます。
また、様々な負担が軽減されるのでメリットも多いように思えますが、デメリットもあります。詳しく見ていきましょう。

メリット

  • 直葬のメリットとしては下記のように、費用面や葬儀当日やその準備過程に生じる負担の軽減があげられます。
  • 費用が抑えられる可能性が高い
  • 葬儀の細かい内容を決めたり、会葬者へのおもてなしなど、遺族の負担を減らせる
  • 菩提寺がなくても出来る
  • お寺にお布施を払わなくてもよい(お寺に埋葬しない場合)

故人が生前、幅広い人間関係の付き合いがある・現役で働いているなどで会葬者が多い場合には、香典との差し引きで葬儀社へ支払いをしてもプラスになる場合もありますが、会葬者が少ない場合は一般的な葬儀をおこなうと費用の負担はとても大きくなります。
そのため多くの場合は直葬の方が一般葬よりも金額は抑えられるといえるでしょう。
更に、散骨等を選択すればお寺にお布施を支払わなくて良いので、費用はかなり抑えられるでしょう。
また、人が亡くなると様々な手続きや多方面への連絡など、遺族はただでさえ忙しくなりますが、直葬であれば準備が省略されるためにスピードも早く、身内だけでゆっくりと過ごすことができるでしょう。

デメリット

直葬はいいことばかりではありません。デメリットがあることもよく理解しておきましょう。
直葬のデメリットとしては宗教的儀式を省いてしまうことによって、お寺との関係、遺族や周囲の人が納得できるかどうかという部分が中心となります。
以下でより具体的にみてみましょう。

  • 宗教的儀式を省くことで、後から後悔する可能性もある
  • 葬儀社のプランによっては、簡素になりすぎて後悔する場合もある
  • 親戚に理解してもらえない可能性がある
  • 故人とお別れ出来なかった人が後日自宅などに来る可能性がある
  • 菩提寺がある場合、住職の考えによっては直葬が出来ないこともある
  • 墓地に埋葬出来ない可能性もある

直葬をする場合には、後から困らないように直葬をすると決定する前に遺骨の納め先を決めておくようにしましょう。

直葬をおこなう場合の注意点

直葬をおこなった後に後悔しないようにするためにいくつかの注意点があります。
ここでは直葬を選択しようと思った方が注意しておくべきポイントをいくつかご紹介します。

プラン内容をよく確認する

葬儀社によっては直葬プランが用意されているところもありますが、プランにどこまで含まれているかはそれぞれです。
プランによっては、本当に必要最低限のものしか含まれておらず、その他はオプションとなる場合もあります。
その場合、持ち込みや自分たちで用意することは可能なのかということなども確認しておくと良いでしょう。
また、基本的に直葬の場合は、葬儀社の担当も火葬炉に入るところまでしか同席しない事がほとんどです。
不安な事がある場合は事前に確認をしましょう。

菩提寺がある場合は事前に許可を取る

地域やそのお寺にもよりますが、基本的にお寺の住職は葬儀を行わないことを良しとしません。
もし、菩提寺がある場合は直葬にしたい理由をきちんと話し許可を取っておくようにしましょう。
直葬した上で菩提寺に納骨したいという希望があったとしても、許可を得ておかないと納骨出来なくなってしまう可能性もあります。

親族の許可を取る

宗教的儀式省くことや親族以外の参列を想定しない直葬は、周囲の人に理解を得られない可能性もあります。
通夜・告別式を行わないということは、親族や関係があった人にとってはお別れをする時間が無くなってしまうということでもありますので、反対されてしまうかもしれません。
菩提寺がある場合は、そのお寺とのこれまでの関係もあります。
直葬を選択したことで、周囲の人間関係が悪くなってしまわないよう、少なくとも親族の許可は得ておくようにしましょう。

直葬は自分でもできる?直葬のやり方

実は直葬は、やろうと思えば自分でもすることができます。
個人での火葬予約が可能な場合は下記の物を用意する必要があります。

<最低額必要なもの>

  • 防水シート(ビニール等を布団の下に引くでも可)
  • ドライアイス
  • 骨壷・骨袋
  • 棺を搬送出来る大きさの車

<無くても良いがあった方が良いもの>

  • 仏衣(故人の服でも可)
  • お花(無くても可)
  • 仮祭壇(無くても可)

ただし、地域や火葬場によっては個人での火葬予約を受け付けていない場合もあります。
また、遺体の状態によっては素人での取り扱いが難しい場合もありますし、遺体を運ぶのは一人では出来ません。
遺体を搬送する際のストレッチャー付の車などはレンタルが難しいと思いますので、遺体のお迎えは葬儀社に頼んだ方が無難でしょう。
このように直葬を自分でやれはしますが、難しい部分も多いです。
それでも葬儀社に依頼せず自分でやりたいのか、よく考えましょう。

直葬は自分でもできる!手配の流れと準備が必要なモノ

直葬の費用相場

直葬は葬儀社に依頼すれば、火葬代も込みで15万前後で出来る所がほとんどでしょう。
しかし、下記のようなケースですと相場を越えてしまうこともあります。

  • 遺体の搬送距離が長い
  • 宅安置ではなく霊安室を借りる
  • 安置の期間が長い(ドライアイス代金がかかる)
  • 仏衣や棺、骨壷、骨袋をランクアップする
  • オプションをつける(仏衣やお花などがオプションになっている場合もあります)
  • 故人の住民票が無い場所で火葬する、もしくは民営火葬場を利用する

予算がある場合は事前に伝え、その中でやれる範囲の事をして故人を見送ってあげるのが良いでしょう。

費用の内訳

葬儀社によって提示の仕方には違いがありますが、直葬では大体下記の内訳で費用がかかります。

  • 遺体搬送費  15,000円前後~
  • 防水シート、布団やマットレス、ドライアイス等  5,000円前後~
  • お棺  20,000円前後~
  • 火葬代  10,000円~50,000円程度
    ※故人の住民票がある場所かどうか、市営か民営かどうかで費用が違います
  • 骨壺・骨袋  5,000円前後~
  • 仏衣やお花、仮祭壇等  10,000円前後~
  • その他安置等の作業費用  20,000円前後~

布団やマットレス、仏衣、お花など自分で用意できるものがある場合にはそれらを使うことで費用がおさえられる場合もあります。

直葬のマナー

直葬は新しい葬儀の形であり、これまで直葬に参列した経験がある方は少ないと思います。
そのため直葬でのマナーが分からないという方も多いでしょう。
ここではそんな方のために抑えておきたい直葬でのマナーをご紹介します。

直葬には参列してもいいの?

直葬でも、最後のお別れの際に立ち会いたいという方は参列可能です。
しかし大勢の立ち会いは葬儀社も想定しておらず、人数によってはそれなりの時間を確保する必要がありますので、事前に当家に相談して許可を得るようにしましょう。
また、遺族の方針で立ち会ってほしくないという場合もあります。
そのような時は日程などを相談して、後日お線香をあげにいくのが良いでしょう。

服装は?

喪服が望ましいです。ただし基本的には親族だけですので、喪服に準じる服装や黒っぽいでも構わないでしょう。
どのように送りたいかはそれぞれ違いますので、火葬場で目立つような派手な服装でなければ好きな服装で問題ないでしょう。親族で相談して決めるのが良いかと思います。

直葬の場合戒名はいるの?付け方は?

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直葬の場合は基本的にはお寺を通しませんので、戒名をつける必要は特にありません。
ただし、供養の方法によって戒名の必要の有無が変わってきます。
散骨や樹木葬の場合や、民間が運営する墓地や納骨堂などに納める場合は必要ありません。
しかし、お寺が管理する墓地に納めたい場合は、住職に許可を取る必要がありますので、その際に戒名が必要となるケースが多いでしょう。

直葬でも戒名は必要?火葬のみの場合の戒名について解説

直葬でも香典は必要?相場は?

直葬の場合、香典は不要です。
遺族も、そもそも親族以外の参列者を想定しておらず、香典返しを用意していないことが大半です。
もし、どうしても何か渡したいという場合には「お花代」や「お線香代」とし、3000円~5000円程度包んで持っていくのが良いでしょう。
また、当家から自分の家の葬儀の際に香典を頂いていたから、同じ金額を返したいという場合は、後日改めて伺ってお花や品物の形でお持ちするのが良いでしょう。

直葬にも香典は必要?金額相場や渡すタイミング

まとめ

核家族家庭が増え、地域との繋がりが希薄化してきた近年、葬儀の形もシンプルになりつつあります。
シンプルを極めた直葬ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
後悔しないように、内容をしっかり把握した上で選択するようにしましょう。

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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