直葬でも戒名は必要?火葬のみの場合の戒名について解説

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近年では、直葬での葬儀を希望される方が増えてきました。
直葬はご遺体を安置したあとそのまま出棺し火葬を行うため、宗教的な儀式が必要ありません。
では直葬を行う場合、戒名はどうなるのでしょうか。そもそも、戒名は必要なのかと感じられる方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、直葬を行う場合に戒名は必要なのか。そして、火葬のみ行った場合の戒名はどうなるのか説明していきます。

直葬の流れ

直葬とは、通夜・告別式という宗教的な儀式を省いて、亡くなってから24時間経過した後に直接火葬を行う葬儀形式になります。

逝去・死後処置 病院等で亡くなるとまず死後処置(エンゼルケア)が行われます。
その間に葬儀社に依頼 直葬を依頼する葬儀社に連絡を入れましょう。
搬送・安置 亡くなってから24時間経過しないと火葬が行えません。そのため、葬儀社(安置施設)や自宅などで24時間経過するまで安置しましょう。
※なかには預かり安置といって故人と面会することが出来ないプランもあります。必ず確認しておきましょう。

  • 打ち合わせ 直葬の打ち合わせを行います。(事前相談を行っていて再確認される方が多いです。)
  • 出棺 亡くなってから24時間経過したら出棺します。遺族とは火葬場で合流する場合が多いです。
  • 火葬 1~2時間程度かかります。最期のお別れを行います。
  • 収骨 お骨を拾い骨つぼに納めます。地域によって全収骨と部分収骨の地域があります。

直葬の流れ | 自宅・病院から葬儀、供養までの流れ

戒名とは

戒名とは、仏弟子になることによって授けられる名前のことです。亡くなったら付ける名前であったり、お墓に入る際に必要な名前と思われている方も多いのではないでしょうか。

本来であれば戒名は、生前お寺で修業した者に対して与えられるものでした。しかし、現在では亡くなってから戒名を授けるという場合がほとんどです。

そして厳密にいうと、仏教でも浄土真宗の場合は戒名と呼びません。法名と呼びますが、亡くなった方(仏)の名前という点では同じです。そのため、宗教者の方を呼んでお経をあげるということもほとんど無いでしょう。

戒名とは、先程説明したように仏弟子に対して与えられる名前になります。
ですが、通夜・告別式を行わなくても戒名は付けて欲しいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん直葬の場合でも、戒名を付けることには問題ありません。

adobestock@monjiro

戒名が必要になるのはどんなとき?

通夜・告別式を行わない直葬の場合、戒名は特別必要が無いと説明しました。
通夜も告別式も戒名も必要無いとおっしゃる方は全く問題ありません。
しかし、戒名が必要なケースというのが出てきます。
さて、どのようなケースなのでしょうか。

菩提寺の墓地に入りたいとき

宗教者を呼ばない直葬での葬儀を希望する方の中には、菩提寺があるという方もいらっしゃるでしょう。ここで問題になるのは、菩提寺に先祖代々のお墓がある場合です。
菩提寺のお墓に遺骨を納める場合は、戒名が必要になってきます。
菩提寺の中にお墓があるというのは、菩提寺がお墓(霊園)の管理者ということです。
つまり、菩提寺に葬儀を執り行ってもらい戒名をもらうというのが納骨の条件といって良いでしょう。

お寺の納骨堂に納骨したいとき

近年では、お寺の中に納骨堂があるところが増えてきました。
昔から納骨堂を持っているお寺でも、納骨堂の数を増やしているところも見かけます。この場合は、菩提寺の墓地と同じように戒名がないと納骨することは難しいでしょう。

親族から直葬を行う理解が得られないとき

遺族は直葬を望んでいても、親族の理解が得られない場合もあるでしょう。
直葬の場合、お経があがりません。ですから、親族の中にはお経があがらないことに可哀そうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。また、『何故戒名が無いのか。』と言われる方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、通夜・告別式を行うことも考えられます。そうなれば、直葬という形ではありませんから戒名が付くでしょう。遺族は都市部に住んでおり、親族は地方に住んでいる場合に見られる状況です。

戒名なしの場合の供養の方法

近年では、供養といっても様々な方法があります。
今までであれば、通夜・告別式を行い戒名をもらうというのが当たり前でした。しかし、現在では求められる葬儀の形も様々です。葬儀の形と同様、供養の形も多様化してきました。

戒名がない場合の供養方法をいくつか紹介していきます。

宗旨宗派不問の墓地

お寺以外の場所にお墓を所有している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その場合は、そのお墓に納骨するというのが良いでしょう。お墓を持っていない方の場合は、宗旨不問のお墓を準備するということになります。

民営や公営の霊園の墓地の条件として多く見られる宗旨不問のお墓を購入すれば、戒名がなくても納骨出来ます。
しかし、墓石や墓地の初期費用・お墓を維持するための管理費用が必要な点はデメリットといえるでしょう。

宗旨不問の納骨堂

民営や公営の霊園の中には納骨堂が併設されているところが増えています。この場合であれば、宗旨不問で納骨することが可能です。

ただし宗旨不問の納骨堂の場合、人気のため納骨堂の空き待ちとという状態が数年に渡り続いてしまう可能性もあります。宗旨不問の納骨堂を希望される場合は、可能であれば生きているうちに購入しておく方が確実といえるでしょう。

散骨

お墓や納骨堂に頼らなくても、散骨を行うという方法もあります。
散骨とは砕いてパウダー状にしたお骨を撒いて供養する方法です。近年では、海洋散骨・樹木葬を行っている霊園や葬儀社が増えてきました。その他、宇宙散骨、バルーン散骨などの一風変わった散骨方法もあります。

海や樹、宇宙などが好きだった方の供養方法としては最適といえるのではないでしょうか。しかし散骨は、お墓や納骨堂と比較すると、遺骨の場所が明確でないというデメリットもあります。

散骨の証明書や海洋散骨であれば、散骨ポイントの座標を教えてもらえる場合もありますが場所選びが大変といえるでしょう。

直葬で戒名を付けてもらう方法

直葬を行う場合に、戒名を付けてもらう方法はいくつか考えられます。

残念ながら、絶対にこの方法が良いという方法はありません。遺族からすると、直葬を行うというのは宗教的儀式を行わないことが望みになります。宗教者側からすると、通夜・告別式と宗教的儀式を行った上で戒名を付けるという判断です。このため、両者での折り合いを付ける必要があります。

では、直葬を行う場合に戒名を付けるにはどのような方法があるのでしょうか。

adobestock@vacant

生前戒名を授かっておく

直葬の場合、通夜・告別式という宗教的儀式を省略するため宗教者の方を呼ぶことは少ないです。ですので、亡くなる前に戒名を授かっておくという考えが思い浮かぶのではないでしょうか。

確かに、仏教の本来の教えからいえば生前に戒名を授かるのは本来の流れです。
ですが、生前に戒名を授かる方が直葬を選ぶというのは考えに矛盾が生じます。宗教者の方からすれば、通夜・告別式と宗教的な儀式を行うように言われるでしょう。

菩提寺に依頼する

直葬を行ってから戒名が欲しいと菩提寺に相談というのは、菩提寺の理解を得るのは難しいでしょう。宗教者の方からすると、これは後出しジャンケンと同じ状況です。

ですので、亡くなる前に菩提寺に直接相談しておくという方法も考えられます。

お寺さんも人間ですので、正当な理由があれば直葬を行うことに対しての理解を得ることが出来るのではないでしょうか。
金銭的な負担が大きく直葬を選ぶ場合であれば、お布施の金額を減らして通夜・告別式を行うという提案もあるのでしょう。

葬儀社に寺院を紹介してもらう

直葬を行うことを希望する方の中には、菩提寺が無いという場合もあるでしょう。その場合は、葬儀を依頼する葬儀社に相談するという方法も考えられます。菩提寺に依頼する場合と同じように、葬儀後の依頼だとお寺さんの理解を得るのは難しいものです。

葬儀社に寺院を紹介してもらう場合でも、事前に話をしておくことで後の対処が楽になります。受け入れたもらえる場合は、直葬を行うことが前提ですのでトラブルも無いでしょう。

インターネットのお坊さん便を利用する

最近では、インターネットのお坊さん便を利用して戒名を付けてもらう方法があります。
戒名をもらうだけの方法ですので、他の場合と違い通夜・告別式を行うよう提案されることはありません。
金額も20,000円程度から利用出来るので、金銭的な負担も少ないといえます。上記の点は、戒名をもらって直葬を行うという点では最も適しているのではないでしょうか。

しかし、この場合の問題点は『どこの宗教者の方か選べない』ということです。以前、私が経験したのは県外の宗教者の方でした。この点が問題無ければ、この方法が最良でしょう。

戒名の値段の相場は?

戒名を授かるのにお布施がどのくらいかかるかというのは、不明瞭なところではないでしょうか。以前、葬儀を行った時はこのくらいお布施を包んだというのはご存知かもしれません。

戒名だけ授かるというのは、聞いたことが無いという方が大多数ですから仕方ないでしょう。
戒名を付ける場合、授かる戒名によって金額に大きな差はありますが、100万円以内であることが多いようです。実際に、その金額を包むのが難しいのであれば正直に伝えるということが求められます。亡くなる前に相談しておけば、お布施の金額も相談することが十分可能でしょう。
そうなれば、事前相談の重要性というのは非常に高まります。

adobestock@Wako Megumi

まとめ

直葬を行う場合の戒名について説明してきました。直葬を行う場合、戒名は特別必要ないことが理解していただけたことでしょう。
問題なのは、その後だということも同時に理解いただけたのではないでしょうか。事前相談は『葬儀をどのように行うのか』ということ以外にも相談を行うことが出来ます。葬儀後のことも含めて事前相談を行うというのは、重要であり安心感を得ることが出来るといえるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人:畑中 誠

この記事を書いた人:畑中 誠この記事を書いた人:畑中 誠

保有資格:葬祭ディレクター技能審査 葬祭ディレクター(1級)
大学卒業後、大手冠婚葬祭企業に入社。約10年間葬儀担当者として従事。現在は、葬儀関連の会社に勤務しながら終活ライターとして活躍中。

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