新型コロナウイルスを理由に葬儀の参列は辞退できる?葬儀のプロが解説

2020年3月現在、恐るべき感染力を持つ新型コロナウイルス感染症の拡大はまだまだ続くものとされています。

新型コロナウイルスにより世間は「自粛ムード」です。不特定多数の人が集う各種イベントは、開催を延期もしくは中止が検討されています。既に予約された結婚式を延期される方も増えています。

では葬儀業界はどのような変化が起きているのでしょうか。

©ahmet/stock.adobe.com

新型コロナウイルスの感染症拡大による葬儀の変化

連日新型コロナウイルスの情報が後をたたない今、葬儀も自粛ムードです。

これまで以上に家族のみで葬儀を行う「家族葬」や、宗教的儀式を行わず火葬のみで終わらせる「火葬式」が増えるなど変化してきています。

葬儀を執り行う側としても、感染リスクを考慮し、最小限の人数で簡略化して葬儀を行う傾向になってきています。

©FRANK/stock.adobe.com

新型コロナを理由に参列を辞退してもいい?

「すぐにでもお別れに駆けつけたい。」お世話になった大切な方の訃報を聞けば、そのような気持ちが湧いてくることは当然の事です。葬儀は故人の顔を見ることができる最期の場であり、本来であれば何よりも最優先すべき行事です。

しかしながら、「自分の健康は自分で守る」こと、「自分の家族を脅威から守らなくてはならない」ということは言われるまでもありません。新型コロナウイルスに脅かされている現在、訃報の知らせに対してはどのように応えることが適切なのでしょうか。

辞退も選択肢の一つ

2020年3月現在では事態が収束するまで、新型コロナウイルスを理由に参列を拒否することは「致し方ないこと」といえるでしょう。

葬儀の場に出れば不特定多数の方と接触する可能性がありますが、気を付けなくてはならないのは参列中だけではありません。自宅から葬儀場までの移動中にも、公共交通機関を使うのであれば不特定多数の方と密に接触することになります。参列の辞退を申し出ることは勇気が必要ですが、結果として周りの大切な方を守る事に繋がるかもしれません。

参列者が高齢の場合は特に感染すると重症となる可能性もあるため、自分の身を優先させるとしても致し方ありません。

弔意の伝え方は「参列」だけではない

葬儀に出なければお別れの気持ちを示せない訳ではありません。感染リスクが騒がれている時期だからこそ、参列することにこだわらず自身に可能なお別れの方法を選んで頂きたいと思います。今回はこの時期だから伝えたい、「参列辞退する方法」「参列せずに弔意を伝える方法」をお伝えします。

©naka/stock.adobe.com

葬儀への参列を辞退する時のマナー

訃報は突然のことなので、新型コロナウイルス流行の有無に関わらず、都合がつかず葬儀に参列できないことはあります。

どんな事情があれど、「葬儀は何よりも優先すべき場であるということ」を踏まえて、ご遺族に対して十分配慮をしながら参列を辞退する必要があります。付き合いがそれほど濃くない間柄でも、葬儀の案内には丁寧な対応をしましょう。では、参列を辞退する場合どのように伝えればいいのでしょう。

電話で欠席を伝える

葬儀を欠席する旨は、メールではなく電話で伝える方法が確実です。訃報連絡から葬儀まではあまり時間がありません。ご遺族の方は限られた時間の中で、精神的な痛みに耐えながら様々な準備に取り掛かっています。以上のことを踏まえ、連絡はなるべく早く、簡潔に伝えられるようにしましょう。

電話での欠席の伝え方

欠席する理由を伝える際には「新型コロナの影響で・・・」と伝えるのではなく「やむを得ない事情がありまして」など簡潔な伝え方をしましょう。

「申し訳ございません、あいにくですが、やむを得ない事情にて欠席させていただきます。」と伝えた後に「後日改めてお伺いさせてください。」など、後日弔問することを伝えると良いでしょう。

代理人を立てて欠席を伝える

代理人に欠席を伝えてもらう方法もあります。参列される予定の家族などにお願いし、葬儀に参列出来ないことを伝えてもらいます。その際に、お香典や故人遺族に宛てた手紙なども受け渡して貰います。

ただし、関係性が親戚関係であれば料理など手配がされる可能性がありますので、代理人ではなく電話ですぐに欠席を伝えた方が確実です。

また、感染症が拡大している現在の状況としては代理人を立てる方法はおススメできません。ただ家族のなかで高齢の方の参列のみ控えるという場合は変わりに家族から参列を辞退させていただくことをお伝えするとよいでしょう。

弔意を伝える方法

残念ながら参列できない場合でも、故人との最後の別れに心残りが無いようにしましょう。欠席の連絡をした後の行動一つで、お悔やみの気持ちを伝えることができます。

これよりは弔意を伝える様々な方法を紹介します。ご自身にとって可能であり、遺族の負担にならず喜ばれる方法を選んでください。

© koji0508/stock.adobe.com

弔電を送る

参列できない場合に、弔電(電報)を打ち、遺族や故人への弔意を示します。

弔電は一般的には葬儀式の中で読み上げられますが、多くの弔電が届いた場合には読み上げが省略され供えられるだけの場合もあります。訃報を知ってから迅速に手配を行い、なるべく通夜の日には届くようにしましょう。

弔電の送り方

弔電は「115」番に電話することでNTTの電報サービスから注文することができます。

オペレーターに沿って答えていくだけで弔電を打ち、お届けまでされます。最近はインターネットで注文可能な弔電業者が多数あり、予算に応じて台紙に線香や花等のお供えまでつけてもらえる物もあります。多くの種類から金額やイメージにあったものを選択することが出来ます。

弔電は定型文ではなくオリジナル文章がおススメ

やむを得ない事情で欠席をする場合の弔電は、業者の方で用意された定型文ではなく、気持ちを込めたオリジナルの文章で弔電を作成されることをおススメします。

例文
「突然のご逝去の知らせに驚いております 本来であれば駆け付けたいところですが伺えず申し訳ございません 昨年産まれた娘を抱きかかえてくれたときの笑顔を想い出しています 私たち家族が伺うといつも美味しい料理でむかえてくれましたね 今までありがとうございました どうか安らかに」

エピソードと故人への気持ちを入れると、気持ちが込められたものになります。宗派によっては使用できない言葉がありますので気を付けてください。

供花や供物を送る

参列できない場合に供花(きょうか、くげ)や供物(くもつ)を送ることで弔意を示すこともできます。供物とは盛籠に果物や缶詰などが盛り付けられているお供えです。供花や供物は葬儀式場で手配を一括している場合が多いです。まずは葬儀社に問い合わせしましょう。

故人に宛てた贈り物をする

故人の為に気持ちを込めたものを準備し、代理人や速達などで葬儀までに届けてもらう方法です。祭壇前に供え、納棺可能であれば出棺前に棺に納めてもらいます。

故人の好物、故人に充てた手紙や折り紙、欠席者からのメッセージを寄せ書きした台紙など、故人を良く知っているからこそ送ることができる物を用意しましょう。

ただし、このような贈り物は遺族の性格や関係性によって喜ばれる場合と負担になる場合があります。遺族の負担にならないかどうかを確認してから準備しましょう。柩に入れる場合には、火葬場の規定によっては納棺できない物もある事も確認しましょう。

香典を送る

葬儀に参列出来ない場合、香典を送ることができます。香典は現金書留にて、訃報を知ってから速やかに送りましょう。一緒にお悔やみの手紙を同封することで、故人や遺族に気持ちを伝えることもできます。手紙には、参列出来なかったことのお詫びと、ご遺族への労りの言葉、故人に対しての言葉を書くと良いでしょう。香典の包み方、表書きの書き方に関しても注意点がありますので気を付けてください。

葬儀式には出られないが手を合わせたい方は?

©one/stock.adobe.com

葬儀式以外のタイミングでお参りに伺う方法を紹介します。お参りに伺う際には移動などでも人と接触をすることになります。

自身の健康状態、遺族の健康状態、移動手段、会場の安全性などを判断しましょう。人が集まる場所ではマスクなどで衛生面に気を付けましょう。マスク着用はマナー違反ではありません。

葬儀式の時間を避けてお参りに伺う

どうしても故人の顔を見てお別れしたい場合に、通夜式の前や後など、混みあうタイミングを避けてお参りに伺う方法があります。ただし遺族の休む時間を奪ってはならない為、時間帯に気を配り長居は避けましょう。また、平常時であればどなたでも葬儀式以外の時間帯にお参りは可能ですが、不特定多数の人と接することに敏感になっている現状下においては、関係性の近い方を除いては歓迎されない可能性があります。遺族の気持ちを考え、迷惑にならないように行動しましょう。

後日お参りに伺う

葬儀に参列できない場合に、後日改めて自宅にお参りに伺う方法があります。葬儀後落ち着いた頃合いに、ご遺族に「お線香をあげに訪問してもよろしいでしょうか」とお伺いを立て、ご遺族の都合の良い日時を聞きます。ご遺族は葬儀後も、気持ちの整理をしながら諸手続きを行わなくてはならず心身ともに疲れている場合が多いです。長居しないように心がけましょう。

まとめ

葬儀に参列することだけが故人との別れの方法ではありません。残念ながら参列が出来ない場合には、別の方法できちんと弔意を伝えることで、わだかまりを残さないようにしましょう。

新型コロナウイルスによる緊張感は、まだまだ続きそうです。特にご高齢の方や持病のある方は無理に参列されることのないようになさってくださいね。新型コロナウイルスが早く収まることを、心から願っています。

この記事を書いた人:澤田ゆか

この記事を書いた人:澤田ゆかこの記事を書いた人:澤田ゆか

保有資格:葬祭ディレクター技能審査1級
大手互助会系の葬儀社に9年勤務し、管理者の経験を経て退職。現在はフリーの葬儀アドバイザーとして葬儀や終活相談、葬儀スタッフの育成を行っています。

関連する記事

記事のカテゴリ