生前葬の費用相場とは?会場の規模ごとに費用の例や会費の設定方法などをご紹介

皆さんは「生前葬」という言葉を聞いたことがありますか。近年は、お葬式のやり方も多様化してきており、葬儀についてもさまざまな考え方があります。一般的にイメージされる葬儀形式ではなく、明るい雰囲気で行われる「生前葬」に興味を持つ方も増えてきました。

一般の方で生前葬を行ったという方はまだ少ないですが、「生前葬ってどんなものだろう?」という興味を持っている方のために、生前葬のやり方やかかる費用について解説していきます。

生前葬とは

生前葬とは、生きている間に関係のあった方に感謝を伝える葬儀・セレモニーのことです。

「生前葬」という言葉からは「葬儀」をイメージしがちですが、葬儀というよりも、お別れ会や感謝パーティーのようなイメージに近い会を開かれる方が多いです。

生前葬は、「今まで親交があった方に、自分の言葉で感謝の気持ちやお礼を伝えたい」「人生の区切りとして行いたい」「自分の死後に葬儀の負担をかけたくない・減らしたい」などの目的で行う方がいらっしゃいます。

余命宣告をされた方や、年齢を重ねて体の自由が効くうちに、認知症が進行する前に、会いたい人に会っておきたいという方もいらっしゃいます。

また著名人に多いのですが、人生での大きな転機を迎えた方など、これまでの人生を振り返るとともに、人生の区切りや第二の人生のスタートしたことを周囲にも理解してもらうために開かれる方もいらっしゃいます。

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生前葬の費用

生前葬は、どれくらいの規模で行うのか、何にどれくらいの費用をかけるのか、どういう式にしたいのかということで変わってきますが、基本的に下記の項目の費用が掛かります。

  • 開催場所のレンタル費用や装飾費用
  • 司会
  • 飲食費
  • 自分史などの映像作成
  • 余興
  • 引き出物

小規模の生前葬であれば30万~50万前後、招待客が50名を超えるような式であれば200万前後は費用相場として考えておくのが良いでしょう。具体的なプランに関しては下記を参考にしてください。

◎レストランで小規模プラン招待客20名【40万】

  • レストラン貸切料金や装飾費用10万
  • 司会友人に依頼1万
  • 飲食費1万×20=20万
  • 自分史などの映像作成自分で作成0円
  • 余興友人たちとカラオケ景品あり3万
  • 引き出物3千円×20=6万

 

◎葬儀社のホールで中規模プラン招待客30名【107万】

  • ホール使用料(祭壇等の生花や装飾込み)45万
  • 司会葬儀社に依頼2万
  • 飲食費1万5千円×30=45万
  • 自分史などの映像作成葬儀社に依頼1万
  • 余興弦楽器演奏依頼5万
  • 引き出物 3千円×30=9万

 

◎ホテルで大規模プラン招待客50名【208万】

  • ホテル使用料(生花等の装飾込み)80万
  • 司会ホテル側に依頼2万
  • 飲食費2万×50=100万
  • 自分史などの映像作成業者に依頼1万
  • 余興バンド演奏依頼10万
  • 引き出物3千円×50=15万

生前葬の費用を左右するポイント

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費用を大きく左右するのは会場のレンタル費用と食事、余興の内容です。場所はどこで何人くらいの方を招待するのか、何を余興とするのかで全く費用は変わってきます。詳しくみていきましょう。

招待する人数・会場の規模

生前葬を行う場合には、どれくらいの人数を招待したいのかということを一番最初に決めましょう。そして、その招待人数に見合った会場を探します。

レストランでも、ウェディングパーティーなどをよく行っているような、50名以上を招待できるようなレストランもありますし、ホテルで行うならばそれなりの費用がかかります。

もちろん貸し切りにする必要がありますので、小規模なカジュアルレストランの方が会場費を抑えることが出来るでしょう。

会食の内容

生前葬では、食事も重要なコンテンツの一つです。気持ちよく帰ってもらうためには、ある程度費用をかけたお食事を提供するのが良いでしょう。

会場によっては、貸し切りプランではいくつかの決められたコースしか提供できない場合や、立食パーティーの形式しか出来ないこともあります。

どのような食事を提供したいのか、どういう雰囲気で食事を楽しんでもらいたいのかということも考えた上で会場を決めると良いでしょう。

プレゼントや余興の有無

生前葬は無宗教葬や自由葬となることが多いので、余興を行うことが多いです。

何を余興にするのかでかなり変わってきますが、簡単なゲームをする場合は景品を用意したりしましょう。カラオケなどをする場合でも、景品があった方が盛り上がるかもしれません。

プロの歌手や、演奏者、芸人さんなどに余興をお願いする場合は、それなりの費用がかかります。

また、最後に参列者の方をお見送りする際には、来ていただいたお礼に引き出物をご用意するのが望ましいでしょう。

生前葬のメリット

生前葬は、生きているうちにできる、自分の意志で決められる、という点で大きなメリットがあります。下記にて、そのメリットを細かくご紹介します。

自分の言葉で直接感謝を伝えられる

生前葬の一番のメリットは、今までお世話になった人に自分で挨拶できるという点ではないでしょうか。急に亡くなってしまった場合は、葬儀に来ていただくのが難しい場合もありますし、実際に自分で会いたい方にお会いすることが出来ません。

また、普段から「再びお会いしたいとは思っているけど、理由がないと連絡を取りづらい」という方もいらっしゃるかもしれません。

主催者も「生前葬」という理由があるので、会いたい方にもお声掛けしやすいでしょうし、招待された側も事前に日程調整が出来るので、参列しやすいでしょう。

内容や時間に制限がない

一般的な葬儀ですと、亡くなった故人を偲んで涙を流している方がいらっしゃったり、どうしても「悲しみ」を切り離すことは難しいかと思います。

ですが、生前葬は自由な内容で行うことが出来るので、自分の今までの人生の集大成として何かを披露することも良いですし、友人たちとただワイワイお話するというのでも構わないのです。

「自分で葬儀をプロデュースしたい」「楽しんで行ってもらいたい」「笑顔で送り出してもらいたい」と常に思っている方にはぴったりかもしれません。

家族に葬儀の心配をさせなくても済む

一般的なの葬儀の場合、施主となるのは故人の家族になります。

生前に葬儀について相談しており、細かい部分まで決めていたとしても、相談してから実際の葬儀まで期間があいてしまったりした場合には、その内容での実施が難しかったり、そもそも実行されない可能性もあります。

また、死後に遺族が葬儀の内容を決めるケースですと、遺体の問題などもあり、時間的制約が少なからずあります。差し迫った時間の中で、残された遺族が色々と決めなければならないとなると、精神的・肉体的、さらには金銭的にも負担になります。

生前葬を行っておけば、実際亡くなった後は密葬という形で済む場合が多いので、葬儀の内容を決めるという点や、費用の点で遺族の負担を軽減することが出来るでしょう。

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生前葬でおこなうこと

生前葬のやり方に決まったやり方はありません。自分の好きなように行って良いのですが、葬儀というよりも結婚パーティーのような式次第で進める方が多いです。どのような内容を入れると良いのか、詳しくみていきましょう。

自分史の紹介

生前葬において、自分史の紹介は特に入れた方が良い項目です。自分のこれまでの人生を振り返ることの出来る写真を入れたスライドや、ムービーを作成しBGMやナレーション付きで流しても良いでしょう。

参列してくださった方も一緒に写っているような写真があったり、思い出のエピソードが紹介されるとより盛り上がるのではないでしょうか。

難しい場合は、司会者の方に自分史の紹介をしていただいても良いでしょう。

スピーチや挨拶

主催者である本人による挨拶や、乾杯の挨拶、友人等にお願いをしてスピーチをしていただくのも良いでしょう。

本人による挨拶は、もし可能であれば冒頭で来ていただいたお礼を、開催の目的などを含めてお話になると良いかと思います。まだまだ生前葬は一般的では無いので、どうして生前葬を行うのかということを話して頂くと、参列者の方も納得して式に参加することが出来るかと思います。

また、式の後半では当日の感想や御礼、自分の死後の葬儀の予定などについてお話しすると良いでしょう。

乾杯の挨拶や、友人代表のスピーチは必ずしもなくても良いと思いますが、事前に依頼し仲の良い方などに本人のエピソードなどをお話頂くと盛り上がるのではないでしょうか。

余興

余興は行わない方もいますが、参列者に楽しんでもらうような式にしたい場合は、入れた方が良いでしょう。

自分で何か披露できるものがある方はそれを行っても良いですし、友人に何か依頼しても良いですし、プロの方に演奏や歌、漫才等を発注しても良いでしょう。

また、皆で楽しむ形のゲームなどをしても良いかもしれません。どのような雰囲気の式にしたいかによって、余興の内容も変わってくるかと思います。

参列者が楽しめたり、自分らしいものだったり、どちらにせよ、思い出に残るものを用意しましょう。

参列者との歓談

参列者との会食・歓談は生前葬のメインになるかと思います。

どういった目的の生前葬かにもよりますが、会いたい人に会っておきたいという場合は、これが最後に会う機会となってしまう可能性もあります。主催した本人が各テーブルを回ったりしながら、食事や会話を楽しみ、悔いが残らないようにしましょう。

歓談を楽しむためにも、食事や飲み物はある程度費用をかけたり、自分が好きなものだったり、会話が弾むようなものだと良いかもしれません。

生前葬は香典をいただく?

生前葬の場合は、会費制で香典はいただかない場合が多いです。

会費制の場合は、1万~2万円が相場となります。実際にかかる飲食費をいただく、という考え方で決められる方が多いので、会場や食事内容を元に参列者の方に不満が残らないように決めると良いでしょう。

ただ、会費をいただくのは気が引けるという場合などは主催者である本人が全て負担するというケースもあります。しかし、この場合は参列者側が恐縮してしまい、逆に後から気を遣わせてしまうことにもなりかねないので、気持ち程度でも会費を頂戴しておくのが良いかもしれません。

まとめ

終活が広まる中、自分自身の葬儀の形を考える方が増えましたが、一般の方で生前葬を実際に行う方はまだまだ少数です。

また、生前葬のスタイルが自由であるがゆえに、参列する側のマナーなども不明確で、実際招待された場合は戸惑ってしまうかもしれません。

「生前葬」を行う目的を参列者の方に理解してもらい、生前葬の当日楽しんでもらうためにも、主催者は招待客にしっかりと意図や目的を伝え、死後の葬儀はどうするのかなどはしっかり家族と話し合い、納得をしてもらった上で開催するのが良いでしょう。

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この記事を書いた人:富永 ゆかり

この記事を書いた人:富永 ゆかりこの記事を書いた人:富永 ゆかり

資格:終活アドバイザー、終活ガイド
大学卒業後、IT系企業にて4年間営業として就業。その後、葬祭業・仏具販売店を経営する家に嫁ぎ、現在は家事・育児と本業の葬祭関連業務のかたわら、ライターとしても活動中。

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