後飾り祭壇とは?宗教ごとの飾り方やいつまで飾るか、処分方法も解説

後飾り祭壇とは、葬儀後から四十九日まで自宅に飾る祭壇です。この記事では、宗教別に後飾り祭壇の飾り方から、処分の仕方まで解説をします。

後飾り祭壇とは

「後飾り祭壇(あとかざりさいだん)」とは、葬儀が終わった後から四十九日までの間、仮位牌や遺骨を安置する祭壇です。「自宅飾り」や、「後檀(あとだん)」、「中陰檀(ちゅういんだん)」ともよばれています。

「後飾りは、自宅に仏壇があっても必要なの?」と思われる方も多いのですが、自宅に仏壇がある場合にも後飾り祭壇は必要です。四十九日までの間、故人の遺骨を安置する場であると同時に、ご遺族や弔問客が故人に対して手を合わせる場でもあります。

また、後飾りは葬儀後すぐに必要です。葬儀の準備をする段階、もしくは葬儀後なるべく速やかに準備をして、故人の遺骨を迎える必要があります。

後飾り祭壇はどこで販売している?

後飾りは、葬儀社を介して用意するケースが多いです。ほとんどの場合は、葬儀を依頼する葬儀社が設置を行います。葬儀社によって、後飾りセットが葬儀プランに入る場合と、別途有料で注文する場合があります。

葬儀社に依頼する

ほとんどの葬儀社で、後飾り祭壇を販売しています。葬儀社によっては、葬儀セットプランに組み込まれているところもあります。デザインや価格帯も様々で、段ボール紙で出来た祭壇や、木材で出来た祭壇があります。後飾り祭壇を単品で計算した場合の相場は3千~2万円程です。

葬儀社などからレンタルする

後飾り祭壇は、忌明けが済むと不要になります。後飾り祭壇のレンタルサービスを行っている葬儀社も多いです。レンタルサービスは、設置や処分の手間が省けて便利です。レンタル用の後飾りは、販売用と比較して高級感のあるつくりものが多く、価格帯は2万~5万円程です。

ネットなどで後飾り祭壇のセットを購入する

後飾りセットをネットや通販で購入するという手もあります。ネット購入のメリットは、バリエーションのあるデザインの中から、気に入った後飾り祭壇を購入できる点です。

ネットでは、オーソドックスな白木の祭壇以外にも、ピンクを基調とした女性らしい祭壇や黒塗りの祭壇、盆祭壇としても活用できる祭壇など、様々なデザインのものが販売されています。

価格の相場としては、5千~3万円程です。商品によって、即発送されるものもあれば、受け取りまでに1週間以上の時間を要すものもありますので、発送日を確認しておくと良いでしょう。

後飾り祭壇を置く位置・方角

後飾り祭壇は、部屋の北側もしくは西側に設置するのが良いとされています。仏壇がある場合には、仏壇の前もしくは傍に置くのが最適といわれています。

しかし、祭壇の置き場所は、厳格な決まりがあるわけではありません。生活に支障が無く、弔問客を案内しやすい場所に設置しましょう。また、直射日光が当たる場所や湿気が多い場所は、位牌や遺骨に影響してしまうことがあるので、避けておくのが無難です。

後飾り祭壇に必要なものと飾り方

ここでは一般的に必要な物と飾り方を説明します。同じ宗教であっても、地域やお坊さんによって飾り方が異なることがあります。分からない場合には、菩提寺に確認するのが良いでしょう。

それでは、仏教、神道、キリスト教、それぞれについて、後飾り祭壇に必要な物と飾り方を解説します。

仏教の場合

仏教の後飾り祭壇は、位牌、遺骨、遺影写真を安置します。2~3段の白木の台と、線香立てや蝋燭立て、花立て、おりんなどのお参り道具、茶器、仏飯器、花や果物、お菓子などのお供え物が必要です。

どの位置に何を供えるかは、特に決まりはありませんが、一般的に上段には左から遺影写真、位牌、遺骨という順に安置し、下段にお参り道具や茶器、仏飯器、お供え物を配置します。お参り道具は、中央に線香立て、左奥に花立、右奥に蝋燭立てを置くのが一般的です。

3段の祭壇の場合、一般的に、上段に遺影写真と遺骨、中段の真ん中に位牌や茶器、仏飯器、3段目にお供えを飾ります。

神道の場合

神道の後飾りは、仮霊舎(かりみたまや)とよばれます。八足案という白木の台と、榊立、榊、火立、三宝、徳利、小皿、水玉を使用します。

上段に左から遺影写真、骨箱、中段に霊璽(れいじ)、榊、下段に火立、三方を設置します。三方には、2つの徳利に入れたお神酒と、水を入れた水玉、小皿に盛った塩・洗米をのせて供えます。

神道では、もともと後飾りの概念がないため、後飾りについての決まりごとは多くありません。

キリスト教の場合

キリスト教では本来、葬儀後に供養を行っていく文化はありません。しかし、日本においては、仏教の影響を受け、葬儀後に自宅に後飾り祭壇を飾り、故人の供養を行うようになりました。

キリスト教の後飾り祭壇には、明確な決まりはありません。一般的な飾りとしては、白い布を掛けた台に、遺影写真、遺骨、花立、蝋燭立、十字架、聖書、パンなどを設置します。

上段に十字架、中段に遺影写真と遺骨、下段に花立、蝋燭立て、聖書などを配置するのが一般的です。お供え物に関しても特に決まりはなく、故人の好きだったものをお供えする方が多いです。

後飾り祭壇の飾り方とは?並べ方や祭壇の向き、必要なお供えものを解説

後飾り祭壇のお供えは何がいい?

後飾り祭壇のお供えについて解説します。お供えには、「香」「花」「灯燭」「浄水」「飲食」があり、これらお供え物の総称を「五供」といいます。

お供えは「あなたのことを大切に思っています」という気持ちを示す手段です。葬儀後は心身ともに疲れているかと思いますが、無理のない範囲で気持ちを込めてお供えを行いましょう。

ご飯・水

「五供」の中で、特に重要であるのが浄水と飲食です。ご飯とお水は、なるべく毎日新しいものをお供えします。

ご飯は、炊きたてのものを仏飯器もしくは茶碗に盛ります。ご飯はお参りが終わり次第、下げてしまって構いません。下げたものは、食事と共に頂きましょう。

ご飯以外にも、故人に好きだった食べ物があればお供えしても構いません。ただし、殺生につながるため、肉や魚はなるべく避けられたほうが良いでしょう。

水は、湯呑に入れてお供えします。古い水を捨てる際は、流しに捨てるのではなく、土に還すようにしましょう。

お菓子

「飲食」のお供え物として、仏飯ではなくお菓子を供えることもあります。お菓子は、賞味期限が長くお供えに適しています。お菓子をお供えする際は、和菓子にこだわる必要はなく、マドレーヌやクッキーなどの洋菓子でも問題ありません。

1本・3本・5本など、奇数の本数で花を花立に飾ります。この花には、邪気を払うといわれる理由で、菊を飾ることが定番とされていますが、菊以外の花でも構いません。白もしくは淡い色の花を選びましょう。仏壇の花立は2つというイメージがあるかもしれませんが、後飾り祭壇の花立は1つで構いません。

祭壇の左右にスペースがあれば、カゴなどに入った供花を供えましょう。四十九日までの間は、白い花がメインとなります。派手にならない程度に、淡い色合いのピンクや黄色、ブルーなどを取り入れるのも良いでしょう。

線香・ろうそく

四十九日までの間、故人は線香の煙など、良い香りを好むとされています。なるべく、朝昼晩の一日3回手を合わせるのが良いでしょう。一日3回が難しい場合には、朝晩に手を合わせましょう。

後飾り祭壇はいつまでかざる?

後飾り祭壇をかざる期間は、宗教によって異なります。仏教、神道、キリスト教の場合について、それぞれ解説します。

仏教の場合

仏教の場合は、基本的に四十九日法要が終わるまで、後飾り祭壇を使用します。四十九日法要では四十九日法要までに仏壇を準備できていない場合など、四十九日以後も後飾り祭壇を使用するケースもあります。

仏教の場合は、白木位牌から本位牌に魂を入れ替えてもらう「位牌開眼(いはいかいげん)」も四十九日法要と併せて行います。この位牌開眼が済むと、白木位牌は不要になります。不要となった白木位牌は、お寺でお焚き上げしてもらうとよいでしょう。

神道の場合

神道では、死後10日ごとに霊祭が行われ、五十日祭で忌明けとなります。神道の後飾り祭壇は、この五十日祭が終わるまで使用することが一般的です。火葬後すぐに納骨し、後飾り祭壇を必要としない場合もあります。

キリスト教の場合

キリスト教の場合は、後飾り祭壇を飾る期間に関しても、明確な決まりはありません。カトリックは亡くなってから7日後の追悼ミサまで、プロテスタントは、逝去後一か月に行う昇天記念日までは、後飾り祭壇を使用する方が多いようです。納骨を終えるまで、後飾り祭壇を飾る場合もあります。

後飾り祭壇の処分方法は?

後飾り祭壇は、一時的に遺骨や位牌を安置するものなので、忌明け法要が過ぎると不要となります。後飾り祭壇は、自治体によるごみ分別のルールに従って処分を行いましょう。処分の際にお清めなどは不要とされていますが、気になるという方は塩を振ってから処分すると良いでしょう。

葬儀社によっては、祭壇の引き取りサービスを行っていますので、処分に困ったときは問い合わせてみると良いでしょう。無理に処分せず、後飾り祭壇を一周忌法要やお盆で使用する方法もあります。

祭壇以外のお参り道具に関しては、普段のお参りで使用可能です。ただし、白木位牌は本位牌に、仮霊舎(かりみたまや)は本霊舎にする必要があります。

まとめ

今回は後飾り祭壇について解説しました。葬儀の後は、手続きなどが多く、慌ただしい日々が続きます。丁寧にお供えをするに越したことはありませんが、手伝ってもらえる家族が少なかったり、お一人暮らしの場合にはきっちりとしたお供えが出来ない場合もあるでしょう。その場合には、負担を感じるほどのお供えをする必要はありません。なるべく朝晩に手を合わせるようにしましょう。

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この記事を書いた人:澤田ゆか

保有資格:葬祭ディレクター技能審査1級
大手互助会系の葬儀社に9年勤務し、管理者の経験を経て退職。現在はフリーの葬儀アドバイザーとして葬儀や終活相談、葬儀スタッフの育成を行っています。

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