ユニット型特養とは?居室の特徴や費用などの特養との違いをご紹介

介護を受けている高齢者が、自宅での生活が困難になった時に入所できる介護施設のひとつに特別養護老人ホーム(特養)があります。

特養は有料老人ホームなどの施設と比較すると低価格で入所できるのが特徴です。この特養には、居室の形態が従来型とユニット型の2種類にわかれており、介護の体制やかかる費用に大きな違いがあるのをご存知でしょうか。

この記事では、ユニット型特養の特徴や入所の条件、従来型特養との費用の違い、メリット・デメリットなどについて解説します。

特養への入居を検討している方やユニット型特養がどんな施設なのかを知りたいと考えいる方は、ぜひ最後までお読みください。

ユニット型特養の特徴と従来の特養との違い

出典:厚生労働省 介護老人福祉施設

ユニット型特養と従来型特養の大きな違いとして、「従来型」の特養の居室が4人部屋であるのに対して、ユニット型特養は全室個室であることがあげられます。

ユニット型特養では、施設を「ユニット」と呼ばれる10名単位の少人数のグループに分けて、それぞれのユニットごとに介護を行っています。そのため、大勢の入居者を大勢の介護職員が介護を行う従来型特養とは違い、個人のプライバシーを尊重し、少人数で家庭的な雰囲気の中でケアを受けることが可能です。また、個室でありながらも共有スペースは居室を取り囲むような形でレイアウトされているため、居室を出れば他の入居者とのコミュニケーションも取りやすく、個室で孤独に過ごすということがないように工夫がされています。

ユニット型特養の入居基準とは

ユニット型特養に入所するための基準は従来型の基準と変わりはありません。原則として65歳以上の高齢者、または特定疾患により介護が必要な状態となった40歳以上65歳未満の方でであって、要介護3以上の認定を受けている場合に入居が認められています。

ただし、要介護認定が要介護1または2であっても、やむを得ない事情で居宅で日常生活を送ることが困難である場合には特例として入居が認められる場合があります。

特例入所は主に下記の要件に該当する場合に認められる場合があります。

  • 認知症であり日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻雑に見られる
  • 知的障害や精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻雑に見られる
  • 家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な場合
  • 単身世帯である、同居家族が高齢または病弱である等により、家族による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分である

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ユニット型特養でかかる費用

ユニット型特養に入居する費用では、ユニット型特養でも従来型の特養と同様に、入居開始時の初期費用や一時金は必要ありません。

毎月必要な費用の内訳は、大きく分けると介護保険のサービス利用料にあたる「介護サービス費」、居室の家賃にあたる「居住費」、「食費」、医療費や理美容、嗜好品などの購入など日常生活を送るにあたって必要になる「日常生活費」の4つがあげられます。

たとえば、要介護3で利用料の自己負担割合が1割である利用者が、地域単価が1単位=10円の特養に30日間入所した場合のおおよその金額は、ユニット型特養で約14万円、従来型多床室では約10万円となります。

介護サービス費は要介護度によって金額が決まっており介護度が高くなるにつれ高額になります。また、居室のタイプによっても違いがありユニット型特養は従来型の特養に比べて金額が高く設定されています。たとえば、要介護3の場合では従来型の特養に30日間入所した場合の金額が20,910円であるのに対して、ユニット型特養では23,340円となります。これに各施設の人員体制やケアの内容などによる加算や地域加算を加えた金額を算出し、自己負担割合に応じて1割~3割の金額を支払うことになります。

居住費は居室のタイプによって金額が定められており、ユニット型特養の30日間の居住費は多床室で50,040円、個室では60,180円となります。これは、従来型の特養の多床室は25,650円、個室は35,130円と比べると大きな差が見られています。

また、食費に関して、1単位10円で計算した場合、1日1,392円、30日間で41,760円と決められています。

ただし、居住費と食費は収入や資産に応じて「自己負担上限額」が設定されており、上限額を超えた分は介護保険から支払われる制度がありますので、対象になる場合は事前に役所へ申請することで、自己負担額の軽減を図ることが可能になります。

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ユニット型特養の3つのメリット

ユニット型特養は入居者一人ひとりの状況に応じた個別ケアを実施するユニットケアが提供されることが特徴です。従来型の特養ではたくさんの入居者の介護を行う必要があるため、効率的にケアを行うことが主流になっていました。しかし、ユニット型特養ではひとつのユニットの人数が10名以下に限定されているため、従来型の特養では受けられないメリットがあります。

1.プライバシーを尊重した個別のケアを受けることができる

ユニット型特養の特徴は居室が個室になっていることが多いことです。そのため、排泄や更衣などプライバシーに配慮が必要なケアでも、入居者のプライバシーを尊重したケアを実施することが可能となっています。

また、ユニットケアは個々のニーズや生活リズムに合わせたケアを行うことが基本となってるため、食事の時間を柔軟に決めることができたり、日中も入居者の希望に応じた自分らしい過ごし方をすることがが可能となります。

2.少人数で同じユニットの入居者と過ごすため、家庭的な雰囲気の中で生活ができる

ユニット型特養ではひとつのユニットの入居者は10名以下と決められているため、他の入居者とも顔なじみになり、より家庭的な雰囲気の中で生活を送ることができます。

居室内でプライバシーを確保しながら、ゆっくり過ごしたり、居間(共同生活質)などの共有スペースで他の入居者と交流を持ち、レクリエーションなどを楽しむなど普段の生活に近い形での生活を行うことが可能です。

3.個室があるため他の入居者に気を使わずに訪問できる

ユニット型特養では居室が個室であるため、家族などの面会の際も他の同室者に遠慮することなく訪問することが可能です。そのため、自宅と同様に家族でゆっくりとした時間を過ごすことができ、長時間の面会やターミナル期などの面会でも気兼ねなく行うことができるのがメリットです。

ユニット型特養の2つのデメリット

ユニット型特養は個別ケアが受けられるというメリットがある反面、デメリットと考えられることも見られます。

1.従来型の特養と比較して月額費用が5万円ほど高くなる

ユニット型特養の居室は個室をメインとしていることと、個別ケアの提供を行うために介護保険の介護サービス費や居住費が従来型の特養に比べて高く設定されています。そのため、月額に換算すると従来型の特養に比べて5万円ほど高くなってしまいます。

2.ユニット内の入居者とトラブルを起こすと住み替えが必要になる場合がある

ユニット型特養は少人数のユニットで家庭的な雰囲気のなか生活を送ることが可能ですが、他の入居者とトラブルになったときには、お互いに気まずい関係になってしまいます。そのため、場合によっては別のユニットに居室を変更したりたり、他の施設に住み替えが必要になったりすることもあるかも知れません。

まとめ

ユニット型特養は個室になっており、プライバシーを確保しながら、個々の状況に応じた個別ケアを受けられることが特徴です。従来型特養との違いやそのメリット、デメリットを理解したうえで、その施設で長く生活することをイメージしながら、できるだけ希望が叶うような施設選びをするとよいでしょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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