特養とは?気になる費用や入居条件について詳しく解説!【2020年度最新版】

特養とは特別養護老人ホームの略称で、在宅での生活が困難になった高齢者が入所し、ケアを受けながら日常生活を送るための介護施設です

かねてから特養への入所を希望していても、待機者が多くなかなか入所できないとされていました。

しかし、最近では入所の要件が厳しくなったことに加え、高齢者施設の充足により入所までの待機期間に地域差が見られるようになってきています。

この記事では、特養の特徴や入所の条件、メリット・デメリットなどについて、他の介護施設と比較しながら解説していきます。

ぜひ、施設入所を検討する際の参考にできるよう、最後までお読みください。

特養の特徴とは

老人介護施設・くつろぐ母

特養の運営者は社会福祉法人や地方自治体など公的な立場であるため、民間の有料老人ホームと比較すると低価格なことが特徴です。

介護職員は24時間体制で勤務しており、看護師の配置もあるため、体調の変化への素早い対応が可能であり、安心した毎日が送れるだけでなく、看取りまで対応している施設も多く見られるようになってきました。

特養の特徴についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

安価な価格で手厚い介護を提供

特養を利用するためには介護保険サービスを受けるための「施設サービス費」に加えて、居室の賃料にあたる「居住費」と食費、日常生活を送る上で必要となる理美容代や日用品、レクリエーションの材料費などの「日常生活費」が必要です。

さらにこの「居住費」と「食費」には世帯の収入や納税額に応じて上限が設けられており、それぞれの上限までの金額を支払うことになります。

一方で、民間事業者が運営する有料老人ホームでは入居時に高額な「入居一時金」を必要とされたり、居住費や食費も高額に設定されていることも多く、居住費や食費の上限の設定もありません。

また、特養で提供されるサービスは食事や入浴、排泄だけでなくレクリエーションや健康管理、リハビリに至るま日々の生活を送っていく上では十分なサービス内容となっています。

したがって、特養は有料老人ホームと比較すると非常に安価な費用で手厚い介護を受けられる施設であるといえます。

看取りまで行ってくれる

最近の特養では看取りまで対応してくれる施設が増えてきています。

特養に入居し、自宅と同様に慣れ親しんだ施設で最期を迎えたいと希望されている方も増えてきている傾向にあり、入居者や家族にとって特養は終の棲家として選びやすくなっています。

介護保険の制度上でも看取りを行った施設に対する評価がされ、「看取り加算」を算定することが出来るようになっています。家族と一緒に医師や看護職員、介護職員が共同してその人らしい最期を迎えることができるような看取りのケアが提供されています。

特養の入所条件とは

特養へ入所するための条件は、下記の通りとなっています。ただし、条件にあてはまる場合でも看護師が24時間配置できていない特養では24時間の医療的ケアを必要とするような方や看取りが必要な方の入居は受け入れができない場合もあります。また、自傷他害行為や感染症などで集団生活が困難と考えられるようなケースでも入居が困難となります。

なお、入居条件を満たしていたとしてもすぐに入居できることはまれで、入居待ちの方がほかにいる場合には施設での入居の順番は入居の申し込みの際に提出した書類に基づいて、介護度や介護サービスの使用状況、家族の状況などが点数化され、入居判定会議によって点数の高い方から決定されます。

  • 要介護3以上で65歳以上の高齢者
  • 要介護3以上で40歳から64歳で特定疾患が認められる場合
  • 要介護1・2で特例での入居が認められる場合

特養への特例入所とは

特養に入所できるのは基本的に要介護3以上であることとされていますが、要介護1,2であってもには特例として入居が認められることもあります。

特例として認められるのは主に下記の要件のどれか、または複数を満たしている場合に限ります。

  • 認知症で、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻雑に見られているような場合
  • 知的障がい、精神障害などを伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻雑に見られているような場合
  • 家族等の深刻な虐待が疑われることなどにより、心身の安全・安心の確保が困難な場合
  • 単身世帯や同居家族が高齢や病気などの理由で家族の支援が期待できず、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分な場合

特養の入所条件について解説!要介護3と認定されなくても入所する方法も併せてご紹介

特養の費用の目安と内訳

お金と貯金箱

特養で毎月かかる費用は「介護サービス費」「居住費」「食費」「日常生活費」となり、有料老人ホーム等に入居するときに必要な入居一時金は特養では必要ありません。

介護サービス費はそれぞれの介護度や居室のタイプによって違いがあり、介護度が高くなるにつれて費用は高くなり、多床室よりも個室が、従来型よりもユニット型の方が費用が高く設定されています。

要介護3で従来型の多床室に入居した場合の30日間の利用料の自己負担が1割である場合は合計で8万8,320円となります。また、同様にユニット型個室であれば12万5,280円と約4万円の差が見られます。このほか、手厚い人員体制である場合や特別な介護や機能訓練を行う体制が整っている場合などに介護サービス加算が上乗せされることになります。

そのため、費用が安いといっても加算が増えたことで利用者負担が1割であっても、ひと月で15万円を超える場合もあります。

ただし、居住費と食費にかかる費用は収入や年金の金額に応じて負担する金額が軽減される制度があるため、制度の利用が可能かをチェックしておくことも重要です。

特養の費用相場は?要介護度別の料金表でわかりやすく解説

特養の介護・医療体制

特養の人員配置は法令により決まっており、日常のケアを行う介護職員のほかにも、施設長、生活相談員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員、調理員や事務員などの職員が配置されています。また、このほか医療体制として入居者100人に対して一人の医師や3人の看護職員の配置がされています。

入居者のケアにあたる介護職員や看護職員は常勤換算方式で、入居者3人に対して介護職員及び看護職員が1人以上が配置されています。

医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な人数
介護職員または看護職員 入所者3人につき1人以上
栄養士・機能訓練指導員 1人以上
介護支援専門員(ケアマネジャー) 1人以上(入所者100人につき1人が標準)

特養に申し込みをする方法とは

特養に入所を希望する場合、申し込みから入所までの期間はどの程度になるのかはその施設によって違いがあるため、いつになるのかはっきりとしたことを知ることはできません。

また、入所の順番になった場合は入所に向けても面談や手続きなどが必要となります。そのため、特養に入居を希望する場合には、申し込みの手続きを早めに済ませて、いつ順番が来てもすぐに入所できる体制をとっておくことが重要です。

入所の申し込みをする方法は下記の順番の通りになります。

  1. 入所を希望する施設に訪問するか問い合わせをして入所に必要な書類を入手する。
  2. 入所申込書、介護保険証のコピーなどの必要な書類を揃えます。既に介護保険のサービスを利用している場合にはケアマネジャーが記載する書類や市役所で発行される認定調査票の写しなどが必要になります。必ず担当のケアマネジャーに相談するようにしましょう。このほか、主治医による健康診断書の提出が求められます。
  3. 必要書類を揃えて、希望する施設に直接持参するか郵送をして申し込みます。複数の施設に申し込みをする場合には、施設ごとに申し込みが必要になります。
  4. 入所の順番となり施設から連絡があれば、入所する日程の調整を行います。入所する前に施設または自宅で重要事項の説明を受け、契約を行います。この際、身元引受人が必要になりますので、家族の中で話し合っておく必要があります。

特養と老健の違い

介護施設の中で特養と混同される施設に老健があります。老健とは介護老人保健施設といい、特養とはその目的や入所の条件など違う点がたくさんあるため間違えないようにしなければなりません。

老健は介護だけでなく医療のサポートが充実しており、理学療法士や作業療法士などのリハビリのスタッフが常勤しているのが特徴です。つまり、入所中のリハビリを通じて在宅復帰すが可能になることを目的とした施設になります。

そのため、入所の条件も特養とは異なり、原則として65歳以上で、要介護認定が要介護1以上の方となっています。また、入居可能な期間は3~6か月となっており、終の棲家としての役割はありません。

老健と特養の違いとは?入居先に迷ったら確認しよう!【介護福祉士監修】

特養の4つのメリット

高齢者と介護福祉士

特養に入居するメリットの主なものは以下のようになります。自分の状況と照らし合わせて、特養に入所することでどのような生活を送ることが可能になるのかをイメージして、入所の検討をするようにしましょう。

1.費用が他の施設に比べて安価

特養には入居時の一時金がなく、高額な費用を準備しておく必要がありません。また、月々必要な費用のうち、居室の賃料にあたる居室料や食費にも上限が設けられていて、収入に応じた支払いの減免を受けることが可能です。

2.終の棲家として看取りサービスがある

特養であっても医師や看護職員と連携をして看取りまで行う施設が増えてきています。そのような施設では、ターミナル期に状態が悪化した際に、必ずしも病院に入院をしなければならないとはされません。したがって、本人や家族の希望があれば、終の棲家として最期まで施設内で過ごすことが可能になります。

3.24時間体制で介護を受けることができる

特養では24時間365日介護職員の配置があるため、必要な時に適切で途切れることのない介護の提供を受けることができます。

4.入居者の要望にあわせてユニット型と呼ばれる個室のタイプも選択可能

特養の居室の形態は従来型と呼ばれるタイプとユニット型と呼ばれるタイプがあり好みのあったタイプの施設を選ぶことできます。ユニット型の特養の居室は原則として個室となっており、プライバシーの確保ができ、個別性を重視したユニットケアを受けることが可能です。

特養の2つのデメリット

特養にはデメリットとなることもあり、他の方法で補完できるかどうかも施設選びの大事な視点になります。

1.入居待ちをしなければならないことが多く、何年も待つ場合もある

安価で入所できる特養はたくさんの待機者がいるため、場合によっては何年も待つこともあります。ただし、特養への入所の条件が要介護3以上に引き上げられたため、以前よりも待機者の数は減っています。

そのため、申し込みから1か月以内で入所できることもあれば数か月入所待ちをしなければならない場合もあるなど、地域や施設によってその期間にばらつきが見られるようになっています。

2.原則として要介護3以上でなければ入居することができない

特養に入所できる条件は原則として介護度が要介護3以上であることとなっています。そのため、認知症の症状が進行してきたが、歩行などの運動機能が維持できている場合などでは介護度が要介護3とならず、入所申し込みができない場合もあります。

このような場合には、特例にあてはまるかを確認したり、入所申し込みが可能になるまでの間だけ、有料老人ホームやグループホームなど他の施設への入所を検討したり、ショートステイを活用して家族の介護負担の軽減などを行うようにすると良いでしょう。

まとめ

いつまでも住み慣れた自宅で過ごせることは本人や家族にとって望ましいことかもしれません。しかし、介護の必要な状態や家族の状況によっては必ずしも在宅で過ごすことだけが望ましいことではないと思われるケースもたくさんあります。

特養の特徴や費用、入所の条件を知っておけば、在宅での生活に無理が生じてきたと感じた時にすぐに準備することができるため、これらの内容は理解しておくようにするのが良いでしょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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