介護保険施設とは?施設の種類やサービスまで徹底解説!

老人ホームなどの介護施設は、有料老人ホームなどに代表される民間の事業者が運営している施設と、特別養護老人ホームなどの公的な施設に分類され、介護保険サービスの利用ができる公的な施設をまとめて介護保険施設と呼びます。これらの施設はその種類によって特徴があるため、入居を検討されている方の身体状況や希望によって、入居する施設を選ぶことが可能になっています。

この記事では介護保険施設についてその種類や特徴、費用などについて解説していきます。介護保険施設がどのようなものかを知り、施設選びの参考にしてください。

介護保険施設の種類

介護保険施設は現在の制度では特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設の4種類があります。どの施設にも共通している入居の条件がふたつあり、ひとつ目は年齢が65歳以上であること、または40歳以上65歳未満で特定疾病によって介護が必要な状態にある方。もう一つは、要介護認定において要介護1~5の認定を受けていることです。

サービス内容もそれぞれの施設で異なっており、下の表は、それぞれの特徴と違いを分かりやすくまとめたものです。

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護医療院
入居条件 原則要介護3以上 要介護1以上 要介護1以上
入居一時金 不要 不要 不要
月額費用 月額費用約8~12万円 約7~15万円 約7.5~14万円
サービス内容 生活介護、レクリエーション 生活介護、リハビリ 生活介護、医療ケア
医療ケア

それぞれの施設について、詳しく見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームの主な運営者は自治体や社会福祉法人で、基本的に一度入居すれば終身にわたって入居することが可能な介護保険施設です。在宅での生活が難しくなった方に対して、住み慣れた地域で食事や入浴などの生活支援や排泄などの介護サービスを提供しています。

ただし、原則として要介護度が要介護3以上であることが入所の条件となっています。

特別養護老人ホームでは、施設によって居室の種類が異なり、1人1部屋の「従来型個室」、2~4人が共同で生活する「多床室」、フロアをユニットに分けひとつのフロアへの入居者を10人程度とし、個室と共有スペースを確保している「ユニット型個室」、2~4人がパーテーションなどで隔てられた部屋と、共有スペースを持つ「ユニット型個室的多床室」に分けられます。

どのような生活環境で過ごすかは、入居後の生活の満足度や費用に大きくかかわるため、事前にしっかりと確認をしておくようにしましょう。

特養とは?気になる費用や入居条件について詳しく解説!【2020年度最新版】

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は病院と在宅の中間の位置づけの施設で、病院は退院したものの、在宅での生活に課題があったり、不安がある時にリハビリを行い在宅復帰を目指すための施設です。

そのため、医師の配置が義務付けられており、看護職員の数も特養よりも多く、医療的なケアを必要とする利用者の受け入れも可能です。また、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリの専門職の配置がされているのが特徴です。

介護老人保健施設は在宅復帰を目的としているため、終身利用は出来ず入居期間は基本3~6か月程度となっています。

入居の条件は要介護認定を受けていることとなり、要支援1、2の場合は介護老人保健施設には入居することはがきません。このほか、施設ごとに伝染病などがないことや、入院が必要な状態でないことなどの条件が設けられていることが多くなっています。

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介護医療院

介護医療院は2023年に廃止されることが決まっている(2024年3月までは移行期間)介護療養型医療施設に代わる施設として2018年の創設された介護保険施設です。

介護医療院は医療の必要な要介護者が医療と介護を受けながら長期療養を行うことができることを目的としていますが、現在の介護療養型医療施設よりも生活施設としての機能を重要視しています。

身体状況に応じて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の施設に分類されています。「Ⅰ型」は重篤な身体疾患を有していたり、身体合併症を有する認知症の方を対象としており、施設の基準は介護療養病床相当となっています。「Ⅱ型」は「Ⅰ型」に比べると容態が比較的安定した方を対象としており、現行の老健施設の基準に相当します。

いずれの施設も、要介護1~5の認定を受けていることが入居の条件となりますが、看護師の配置数が多く医療ケアを受けることができることから、経管栄養や喀痰吸引、がんの疼痛管理など介護度が重度の方が多く入居される傾向にあります。

また、入居期間は決まっておらず生活環境が整うまで施設で生活することが可能です。

介護医療院とは?費用やメリットをわかりやすく解説!【2020年最新版】

介護保険施設でかかる費用とは

電卓とお金

介護保険施設では、有料老人ホームに入居する時のように入居一時金として多額の費用を必要とせず、毎月の費用も比較的安価である介護施設であり、所得の低い方でも利用しやすいように利用料金の減免制度が設けられています。

一日当たりの利用料金は下記の表のように要介護度別で異なっており、医療の提供も行っている施設のほうが比較的高価な料金になっています。

要介護度 特養 老健 介護医療院Ⅰ
要介護3 695円 804円 1,035円
要介護4 763円 856円 1,134円
要介護5 829円 907円 1,223円

それでは、それぞれの施設の費用の特徴を見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(特養)でかかる費用

特別養護老人ホームに入居した時に毎月かかる費用は、介護サービス費として施設介護サービス費と介護サービス加算が、生活費として居住費、食費、その他の日常生活費に分けられます。このうち、施設介護サービス費は介護度によって金額に差があり、介護度が重度になるほど高額です。また、居住費は居室のタイプによって違いがあります。

介護保険の自己負担が1割の方ではおおよそ、6~15万円程度が相場となりますが、利用者の負担が軽くなる制度があるため、減免の対象になる場合は必ず申請を行うようにしましょう。

介護老人保健施設(老健)でかかる費用

介護老人保健施設の月額費用は介護サービス費と生活費に分けられますが、介護老人保健施設の月額費用は居室のタイプのほかに、施設の種類が基本型か在宅強化型かなどによって違いがあります。

自己負担が1割の方の場合、おおよその月額費用は基本型の施設で7~12万円、機能強化型の施設で7~13万円程度が相場となります。

介護老人保健施設においても居住費や食費の減免などの制度が利用できます。

介護医療院でかかる費用

介護医療院にかかる費用の内訳は介護サービス費、特別診療費、事業所ごとのサービス加算、居住費、食費、日常生活費に分類されます。このうち、介護サービス費は介護医療院の種類によって、居住費は個室か多床室かによって料金が違います。

また、オムツ代、一部を除く投薬料、処置料、検査料は介護サービスに含まれ、特別診療費とは医学上の必要な指導に対しての報酬のことです。

介護医療院での毎月の費用の相場は7~15万円となっており、介護医療院でも世帯の所得に応じた居住費、食費の減免制度の利用が可能です。

老人ホームでかかる費用を徹底解説!内訳から各施設の平均的な相場を紹介!

介護保険施設とその他の老人ホームとの違いとは

高齢者施設には介護保険施設以外にも有料老人ホームグループホームなどがあります。

有料老人ホームは民間の事業者が運営している、食事や掃除などの生活支援や排泄、入浴などの身体介護、リハビリなどを受けることができる施設です。施設の種類によって自立の方でも入居できる施設もあり、居室は個室になっている施設が多くなっています。

しかし、有料老人ホームへの入居時には入居一時金として多額の費用を必要としている施設も多く、この点が特別養護老人ホームへの入居とは大きく違うところになります。

グループホームは認知症の方が少人数で共同生活をしながら、身体介護や機能訓練を受ける施設になります。

そのため、入居の条件として認知症と診断されている必要があります。また、入居者同士が共同で生活をしていくことが基本となっているため、介護度が重度になったり、長期間の入院加療が必要な状態になれるなどで退去を求められる場合がある点は特別養護老人ホームへの入居の条件と大きく違う部分です。

まとめ

介護保険施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などがあり、それぞれの施設で入居の条件や費用が異なっています。

施設によって提供されるケアの内容に違いがあるため、身体の状況や入居の目的に合った施設を探すようにしていきましょう。

老人ホームの種類をまとめて解説!全7種類の費用や特徴を徹底比較!

この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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