グループホームとは?気になる費用や入居条件を徹底解説!【介護福祉士監修】

ケアハウスで話し合う高齢者達

厚労省の発表によると、認知症の人は2025年には730万人を超えるとされ、高齢者の5人に1人は認知症になると推計されています。

認知症が進行してくると自宅での生活にさまざまな支障をきたすことが増えてきます。しかし、自分でできることもたくさんあるでしょう。たとえ認知症になったとしても、安全に配慮しながら、できることは継続していくことが認知症の進行の予防には大切です。

そのような、自宅で過ごすには不安のある認知症の人が、家事などの役割分担をしながら共同生活を送る小規模の介護施設をグループホームといいます。

この記事ではグループホームとはどのような施設なのかや、グループホームのメリット、デメリットについて解説していきます。

グループホームへの入所を検討したり、勧めてみたい人がいるという方は是非参考にして下さい。

グループホームの特徴

グループホームは「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれる介護施設です。認知症の方にとって、住み慣れた自宅を離れて生活をすることはとても大きな不安をともなうことになります。

したがって、グループホームでは安心して暮らしていけるように、少しでも不安を和らげられて、家庭的な雰囲気となるようにいろいろな工夫がされています。

認知症患者の方同士で助け合いながら生活する

グループホームの入居者は「ユニット」と呼ばれる居住空間で過ごすことになります。また、1ユニットの定員は5人から9人までと定められ、ひとつの施設につき2ユニットまでと決められています。そのため、いつも同じ入居者と職員で過ごすことになり、環境変化への対応が難しい認知症高齢者にとってアットホームな過ごしやすい空間となっているのです。

小規模な施設の中でそれぞれができることを行い、お互いに助け合いながら生活をする空間はほかの施設と大きく異なるグループホームの特徴と言えるでしょう。

施設によっては看取り介護まで

以前のグループホームは入居者の身体状態が安定していることが前提で運営がされていました。そのため、身体状況の悪化が見られた場合には医療体制が整っていないという理由で退所を余儀なくされたり、連携している医療施設や特養などの介護施設へ移ってもらわなければいけないケースが多く見られていました。

しかし、高齢化が進みグループホームを終の棲家ととらえる人も増えてきたこともあり、現在では看取り介護まで対応するグループホームが増えてきています。

グループホームの入居条件

グループホームに入居するには、いくつかの条件がありすべてを満たしている必要があります。入居を検討する際にはこれらの条件を満たしているかを確認しておきましょう。

1.認知症の診断を受けていること

グループホームに入居するためには認知症の診断を受けている必要があります。入居の手続きをする時には医師の診断書や診療情報提供書などの提出を求められます。

2.要介護認定で要支援2または要介護1以上の認定を受けていること

グループホームは介護保険を利用した介護施設となり、対象者は要介護認定を受けている必要があります。また、介護予防の届け出を行っている施設においては要支援2の認定を受けている方も対象になります。

3.施設と同じ市町村に住民票があること

グループホームは介護保険における地域密着型サービスに位置付けられています。そのため、施設の所在地と同一の市町村に住民票がない場合は入居することができません。

4.原則として65歳以上であること

若年性認知症や所領期認知症と診断された場合は65歳未満であっても入居可能な施設もありますが、原則として65歳以上であることが条件です。

生活保護を受けていてもグループホームに入居できる?

生活保護を受けておられる場合でも、生活保護法による指定を受けている施設であれば入居することができる場合もあります。ただし、施設全体で受け入れる生活保護の方の人数が決められている場合もあるため、入居に関しては事前に相談する必要があります。

グループホームでかかる費用の相場と内訳

ぶたの貯金箱

グループホームの入居に必要な費用は施設によってさまざまです。まず、入居の際の初期費用として、敷金にあたる入居一時金や保証金が必要になり、この初期費用は0~数百万円程度と施設によってばらつきがみられるのが特徴です。

また、入居後に毎月必要な費用は介護サービス費や家賃、管理費にあたる居住費、食費、理美容やおむつ代などの日常生活費です。このうち、介護サービス費は入居者の介護度に応じて法律で決められており、介護度が重度になるほど金額が高くなります。そのほかの居住費や食費などは施設によって決められているもので、部屋の広さや施設内の設備などにより違いがみられるのが一般的で、15~20万円程度が相場となります。

グループホームの費用をわかりやすく解説|前払金や月額費用の相場とは

グループホームの食事とは

グループホームはレクリエーションや生活リハビリとして認知症の進行の予防を目的とした活動を行いますが、その中のひとつとして調理を行うグループホームがあります。そのような施設では、介護スタッフと一緒に調理や盛り付け、後片付けなど日常生活と同様に入居者それぞれ可能な範囲で残された能力を最大限に発揮できるように配慮がされています。日常的に調理を行っていた入居者にとっては役割が与えられることで認知症の進行の防止に大きな効果があると考えられます。

メニューも焼き魚や煮物、みそ汁などの家庭料理となり、自宅での生活と同様のメニューが作られています。

グループホームの人員体制

グループホームには介護士、ケアマネジャー、看護師などの職種が勤務しています。グループホームは小規模な施設でもあり、日常生活を入居者と一緒に共同で行うこととされているため、このほかのリハビリなどの医療や掃除を専門に行うスタッフなどの配置はされていないことが多く見られます。

介護職員

法令で定められている日中の介護職員の人員配置は「3:1」となっており、ユニットごとに入居者3人に対して介護職員を常勤換算で1人以上配置することが求められています。これを実際の人員配置にあてはめると、日中は入居者9名に対して2人の介護職員が常にユニットに配置されている時間帯が多いという計算となります。

特別養護老人ホームや有料老人ホームの人員配置の基準は「介護職員または看護職員の総数が3:1以上」ですので、グループホームの介護職員の配置は施設の中では最も多い基準となっています。なかには最低限の人員配置より多くの職員を配置している有料老人ホームもありますが、この場合費用が高額になるのが一般的です。

ケアマネジャー

グループホームではユニットごとに計画作成者を配置する必要があり、内1名は介護支援専門員(ケアマネジャー)である必要があります。ただし、利用者の処遇に支障がない場合はそのユニットの他の職務に従事することが認められているため、介護職員と兼務しているケースがほとんどです。

そのため、グループホームの計画作成者は入居者の普段の生活の様子を良く理解できており、個々の状態に応じたきめ細やかなケアプランを作成することが可能になります。特別養護老人ホームや有料老人ホームでは入居者100人に対してケアマネジャー1名の配置であることを考えるとグループホームの計画作成者の配置は非常に手厚く、入居者ひとりひとりの意思を反映したケアプランを作成できることが分かります。

看護師

グループホームでは入居者の急変時等に備えて提携する医療機関を定めておくことになっていますが、看護師の配置は必ずしも必要とされていません。そのため、看護師を配置しておらず日常の医療体制が整っていないグループホームも見受けられます。しかし、中には訪問看護ステーションと連携をしたり、看護師を配置しているところもあり、その体制は施設によってまちまちです。

ショートステイや体験入居も可能

グループホームでは一定の要件を満たせばショートステイを利用することが可能です。具体的には居宅介護支援事業所のケアマネジャーにより、在宅で生活している利用者の心身の状態や家族の状況を勘案し、緊急性が高いと判断した場合空室があればショートステイを利用することができます。

また、介護保険の適用外にはなりますが、入居を検討する時にはグループホームの体験入居を受け入れている施設もあります。実際に入居した時にどのような生活になるのかや施設になじめるのかなど、事前に体験しておくことで分かることも多くありますので、可能であれば体験入居をしていろいろなことをチェックしておくのが良いでしょう。

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グループホームのメリット

認知症の方がクループホームに入所するメリットにはいろいろなものが挙げられますが、どれも認知症の方の混乱を避け、認知症の進行を緩和できるものになります。

アットホームな雰囲気

認知症の方は人がたくさん集まっているような場所では混乱してしまったり、注意力が散漫してしまったりと落ち着くことができなくなることが良くあります。少人数で共同生活を送るグループホームは職員も他の入居者も同じ顔ぶれとなります。このようなアットホームな雰囲気の中で落ち着いた生活を送れることは、認知症の人にとっては好ましい環境であると言えます。

認知症に詳しいスタッフによるみまもり体制

認知症の方は同じことを何度も繰り返し質問したり、自分の思っていることを上手く伝えられなかったりすることがしばしばあります。しかし、グループホームでは認知症の症状や対応に精通したスタッフによるケアを受けることができ、ひとりひとりの特性に合わせた専門的なケアや見守りの体制が整っています。

住み慣れた地域から離れなくていい

地域密着型サービスであるグループホームは、事業所と同じ自治体の居住していることが入居の条件となります。そのため、住み慣れた地域から離れてしまいことなく。入居に際して大きく環境を変える必要がありません。そのため、外出時には馴染みの風景に触れあったり、知り合いの面会も期待できるでしょう。

グループホームのデメリット

グループホームに入居するにあたっては、デメリットもあるため事前にどの程度支障を来すかを十分検討しておくことも必要です。

専門的な医療行為が受けられない

グループホームでは医師や看護師などの医療スタッフの配置が必ずしも必要とはされていません。そのため、医療ケアに対して十分な対応が困難である場合があり、医療的ニーズの高い場合には入居を断られたり、医療的ケアが必要になった時には別の施設に移らないといけなくなる場合があります。

認知症の状態によって退去の可能性がある

グループホームは認知症の人が共同生活を送る施設です。そのため、要介護状態が上がったり、自分で動くことが困難になった時には退所を余儀なくされる場合もあります。また、他の利用者や職員に対しての暴言や暴力などがあまりにもひどく、共同生活が困難と判断される場合には退所を迫られることもあります。

地域によっては施設の空きが少ない

地域密着型サービスであるグループホームは施設の数自体が多くなく、入居できる定員の数も少ないことから、地域によっては空きが少なく入所を希望していてもすぐに入居することが困難である場合があります。

まとめ

認知症の方が少人数で共同生活を行う施設であるグループホームは、認知症の進行を予防できるようにさまざまな工夫がされており、専門的なケアを受けることが可能です。反面、施設によっては認知症の進行や医療が必要となった場合には退所を求められる施設もあるため、事前にそのような施設であるのかを確認しておくことが不可欠です。

認知症になり自宅での生活が困難になった時にどのようなところで生活していくかは人によって住み心地が変わってくる部分でもあるため、可能であれば体験入居などを通して一番合う施設を探していくようにしましょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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