グループホームとは?気になる費用や入居条件を徹底解説!【介護福祉士監修】

認知症を発症される方は年々増えています。そんななか認知症の方々が認知症の専門スタッフと協力して日常生活を送ることができるグループホームという施設が注目を集めています。

この記事ではそんなグループホームへの入居条件をはじめ、メリット・デメリット、生活保護を受給している人でも入居可能なのかなどをまとめていきます!

ケアハウスで話し合う高齢者達

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グループホームとは

グループホームとは、認知症高齢者が認知症ケアの専門知識をもった介護スタッフによる支援を受けながら、家庭的な環境のもとで共同生活をおこなう施設です。

一般的にグループホームという名称を使われることが多いですが、正式名称は認知症対応型共同生活介護といいます。

認知症高齢者の方ができるかぎり自立した日常生活をおくることを目的としている施設であるため、

「日常的な行動はできるけど、認知症の症状が出てきて生活に心配がある」という方にとってはとても魅力的な施設です。

グループホームで受けられる主なサービス

グループホームでは、ほかの入居者に対して著しく迷惑をかけることのない程度の認知症の方が、専門的な知識をもったスタッフのもとで食事・入浴・排泄などの日常生活上の支援と機能訓練(リハビリテーション)を受けることができます。

また、スタッフから買い物の付き添いや料理の手助けなどの生活支援サービスを受けながら、身の回りのことをできるかぎり自分たちでおこなっていただくことで、入居者の心身・生活の安定をはかります。

そのような環境のなか、少人数で共同生活をおこなうことで、日常生活の自立や社会的活動への参加を目指します。

そのほかグループホームでは様々なサービスを提供しているため、一部をご紹介します。

少人数ならではのレクリエーションが開催される

グループホームでは、有料老人ホームなどと同様にレクリエーションが実施されます。
ただ、アットホームな雰囲気の生活の場であることが特徴のグループホームでは、規模の大きな施設で行われている大々的なレクリエーションと比べて、少人数でも楽しめるものを主体としています。
グループホームで行なわれるレクリエーションは生活にメリハリをつけて活気のあるものにするためにレクリエーションを行ない、機能訓練を兼ねて行う場合もあります。

グループホーム自体の規模が小さいため、本格的な機能訓練を行うのは難しいですが、レクリエーションと組合わせて実施することで、機能の維持・改善が期待できます。

グループホームのレクリエーションの内容や特徴として、簡単な体操をはじめとして、オセロや将棋・囲碁などのボードゲーム、演歌や童謡を歌ったりすることが特徴に挙げられるでしょう。

また、一芸を披露してくれるボランティアさんの来訪があり、それを楽しむことができることもあります。

入居者の方それぞれに合わせた薬の管理も可能

原則、薬の管理は施設が行なっています。

管理とは、薬を施錠された場所で保管し、必要時に服用してもらい、確実に飲んだを確認する一連のことを指します。

グループホームに限らず、施設では薬についてとても神経質になっています。

服用する量、服用する薬、服用するタイミングを間違えれば、死に至ることもあるからです。

認知症の方の場合、確実に胃の中まで入ったのを確認しないと、薬を床頭台などに溜め込んで、まとめて飲んだりすることや、他の入居者の薬を飲んだりすることもあるので、職員による薬の管理の必要性は高いのです。

施設によっては看取り介護まで

2006年の介護報酬改定などで看取りがサービス加算に加わったこともあり、看取りをおこなっているグループホームも一定数あります。

看取りをおこなっているグループホームでは医療と連携し、ターミナルケアを実施しています。

グループホームは入居者どうしが顔なじみで家族のような雰囲気があります。

ですので、グループホームでのターミナルケア期間の場合、生活感のある空間のなかで最後を迎えることができます。

グループホームの入居条件

グループホームに入居するためには、以下のような条件があります。

  • 65歳以上、または40歳以上で特定疾患により要介護認定を受けた方
  • 認知症、若しくはその疑いがあり、日常生活に支障がある方(急性の疾患による認知性を除く)
  • 要支援2以上の認定を受けている方
  • 原則、施設と同地域内に住居と住民票がある

入居条件からもグループホームは認知症の方を対象としていることが分かると思います。

ただし入居条件を満たしていても、入居段階で暴力行為などにより集団生活が困難であったり、ほかの病気の治療がまだ終わっていない方などは施設の判断により入居できない場合もあります。

また、施設によっては「認知症の診断書」「診療情報提供書」を求められる場合もあります。これらが必要な場合はかかりつけの病院の担当医などに相談し、書類を準備してもらうようにしましょう。

グループホームの入居条件とは?入居待ちや退去のタイミングについても解説!

老人ホームとの契約に必要な書類とは?確認するべきポイントを詳しく解説!

施設の設備配置や居室の間取り

グループホームは原則、1事業所につき1または2の共同生活住居(ユニット)で運営されており、1ユニットあたりの定員は5~9人となっています。

つまり、1事業所においての利用人数の上限は18人となります。

基準に従って施設内には、居室、居間、食堂、台所、浴室、消火設備、そのほか利用者が日常生活を営む上で必要な設備が備わり、共同スペースも多く設けられています。

また、居室は原則個室で、床面積は7.43㎡以上が確保されています。

加えて、グループホームは立地条件として、家族や地域住民との交流が確保できるような地域であることが規定されているため、家族や地域住民との交流がはかれるようになっています。

参考 「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」

グループホームの費用

ぶたの貯金箱
入居条件をクリアしても費用が支払えなければ施設に入ることはできません。

では、グループホームへ入居するにはどのような費用が必要となってくるのでしょうか?

多くのグループホームでは前払金月額費用が必要となっています。

それではそれぞれいくらほど必要なのか、費用の目安と内訳をみていきましょう。

初期費用の目安

グループホームには入居時に入所一時金などの前払金が必要になります。

ただそれほど高額ではなく20~30万円程度の施設が多い(高額なところで50~100万)です。施設によっては0円のところもあります。

月額費用の目安

グループホームで固定額として徴収されるのは10~20万程度で、家賃・管理費・食費などが含まれています。これらは毎月一定の料金となります。

ここに介護保険の自己負担分(1~3割負担)、医療費、おむつ代などが加わります。

グループホームで受けられる介護保険サービスの自己負担分の費用(1日分)は以下のとおりです。

共同生活住居が1つの場合 共同生活住居が2つ以上の場合
要支援2 755円 743円
要介護1 759円 747円
要介護2 795円 782円
要介護3 818円 806円
要介護4 835円 822円
要介護5 852円 838円

医療費、おむつ代は利用頻度や消費量などによって変動します。

そのためグループホームでは固定額に3~5万円ほど加えた料金が毎月の費用になると考えておきましょう。

 

グループホームで医療費控除や減免制度を利用することはできない

グループホームは介護保険負担限度額認定の対象ではありません。

また、特養老健などの介護保険施設でないため医療費控除も対象外になります。

そのため、入居後に継続して支払うことが難しくならないよう、しっかり計画をもって施設を選ぶことが重要となります。

グループホームは生活保護を受けていると入れない?

生活保護を受けている方であっても、入居にかかる費用が生活保護者が支給されている限度額内であればグループホームに入ることができます。

具体的には、月々の家賃としてかかる費用が住宅扶助基準額以下のグループホームに入ることができます。

ただし、生活保護者が入居できるグループホームは生活保護法による指定を受けたグループホームに限られますので全てのグループホームが対象になるとは限りません。

保険者(市町村等)に尋ねても分かりますが、直接希望するグループホームに問い合わせても教えてくれます。

グループホームの費用をわかりやすく解説|前払金や月額費用の目安

グループホームの指定基準について

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グループホームでは厚生労働省が定めた人員基準、設備基準、運営基準の三つの指定基準を満たしている必要があります。

人員基準はどのようなサービスを受けることができるのか、設備基準は運営基準はどんな環境で暮らすことができるのかに直結するため、それぞれ確認していきましょう。

グループホームの設備基準

グループホームは原則、1事業所につき1または2の共同生活住居(ユニット)で運営されており、1ユニットあたりの定員は5~9人となっています。

つまり、1事業所においての利用人数の上限は18人となります。

基準に従って施設内には、居室、居間、食堂、台所、浴室、消火設備、そのほか利用者が日常生活を営む上で必要な設備が備わり、共同スペースも多く設けられています。

また、居室は原則個室で、床面積は7.43㎡以上が確保されています。

加えて、グループホームは立地条件として、家族や地域住民との交流が確保できるような地域であることが規定されているため、家族や地域住民との交流がはかれるようになっています。

参考 「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」

グループホームの人員基準

グループホームでは入居者の方に適切な介護サービスが提供できるように役職や資格を持ったスタッフが何人以上必要かという人員基準を指定しています。

それぞれどのような職種・人数が義務付けられているか見ていきましょう。

管理者

施設の責任者にあたる人で、必ず1名は必要です。

多くの場合は、他のスタッフと同様に勤務しております、非常勤などとしての雇用はされておりません。

何か相談や悩み事がある場合には、最終的に管理者に声を掛けるといいでしょう。

介護スタッフ

直接介護に携るスタッフで、最も身近な存在になるでしょう。

夜間は1ユニットに対して1名は必要で、日中は入居者が6人の場合には2人以上必ず勤務する必要があります。(入居者3:介護スタッフ1)

ケアマネジャー

グループホームないでの生活のケアプランを作成する人で、必ず1名は必要とされています。

ケアプランの原案を作成し、本人や家族の意見を取り入れながら最終的に決定していきます。

看護師は必要ないの?

制度上、看護師の配置は義務付けられていません。

しかし、「看護師がいれば安心」という入居者や家族の声に対応するために、看護師を配置しているグループホームは少なくはありません。

日常的に医療の必要性を感じる場合は、看護師が在籍するグループホームを探すようにすればいいですね。

グループホームの運営基準

グループホームでは認知症の人に対して、アットホームな雰囲気で生活の支援を行ないます。

そのために、居室は一人一部屋(個室)だったり、共有スペース(リビング)があります。

もちろん、浴室もありますので、身体が不自由だとしても快適に入浴できるようになっています。

介護スタッフは、食事、入浴、排泄、余暇活動などの支援を個々の状況に合わせて行なってくれます。

食事も提供されるので、家族が弁当を持参する必要などはありません。

グループホームでの1日の流れ

では、実際グループホームに入居した場合にはどのような1日をおくることになるのでしょうか?

グループホームでの1日の過ごし方について一般的なスケジュールをご紹介します。

1日のスケジュールの例

  • 7:00 起床
  • 8:00 食堂にて朝食
  • 9:00 援助を受けながら掃除・洗濯
  • 10:00 健康チェック
  • 11:00 昼食をつくるため、近所のお店へ買い物に
  • 12:00 昼食
  • 13:30 レクリエーション
  • 15:00 おやつ
  • 16:00 介助を受けながら入浴
  • 18:00 食堂にて夕食、その後共同スペースにて歓談・テレビ鑑賞
  • 21:00 就寝

あくまでの一例にはなりますが、このように援助や介助を受けつつも基本的には入居者自身、またはほかの入居者と協力して生活を営んでいきます。

グループホームの食事とは

施設内に厨房があり、そちらで作られて提供されるものを食べる場合と、外部委託先から運ばれてきてそれを提供する場合があります。

それぞれについて詳しく解説します。

厨房で作られる食事

施設内の一室である厨房で食事が作られて、それをホールや食堂に運び食事が提供されます。

地元の食材で作られたり、旬の食材で調理されたものが提供されることが多く、食事が自慢になっているグループホームもあります。

入居者ができることは自分たちでやることがグループホームの特徴なので、スタッフと入居者が協同して、調理をすることもあります。

ただ最近では入居者の介護度が上がったことにより、一緒に食事を作ることが出来る人が減少したため、作るのではなくご飯を盛ったり、スープをお玉で注いだりする程度になっている施設も多くあります。

厨房で作っているため、入居者の食事形態に柔軟に対応することができ、流動食、キザミ食、極キザミ食、お粥、お粥水切り、軟飯などにすることができるのが大きな魅力です。

外部の委託業者で運ばれる食事

外部の業者によって、弁当のような容器に入れられて運ばれるケースもあれば、鍋に入った状態で運ばれてそれを現地で器に入れるケースがあります。

弁当のような容器だと、なんとなく味気ない気がしますが、その分スタッフがフリーになれる時間が増えることになり、見守り等に専念できるメリットがあります。

入居者の食事形態に対応してくれますが、食事時間の直前などに変更ができない場合があります。

グループホームのメリット・デメリット

では最後に、グループホームのメリット・デメリットをまとめてみましょう!

4つのメリット

四つの注目点

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アットホームな雰囲気

少人数で入れ替わりが少なく、ほかの入居者や施設のスタッフとじっくりとコミュニケーションをとれるため、家庭的な雰囲気を作りやすくなっています。

また、入居者一人ひとりに目が届きちょっとした変化にも対応できるので、入居者がストレスを抱えにくく、環境の変化による混乱も防ぐことができます。

認知症に詳しいスタッフによるみまもり体制

グループホームは、「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」により

  • 日中は入居者3人に対し1人、夜間はユニットごとに1人の介護従事者
  • 1ユニットごとに1人の計画作成担当者(うち1人以上ケアマネジャー)
  • 3年以上認知症の介護従事経験のあるものが管理者として常勤専従

などの基準が定められており、認知症への対応や怪我予防に努めています。

参考 「認知症高齢者グループホームの概要」

日常の生活機能の低下を防げる

グループホームでは、施設のスタッフの支援を受けながら料理や洗濯を含めた身の回りのことを自分たちでおこない

そのため日常生活全体が機能訓練となり、入居者自身の持つ能力をひきだします。

住み慣れた地域から離れなくていい

地域密着型の施設なので、これまで住んでいた家の近くのグループホームに入居することになります。そのため住み慣れた地域から離れる必要がなく、家族も会いに来やすい距離で生活をおくることができます。

3つのデメリット

3つのポイント

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専門的な医療行為が受けられない

グループホームは医師や看護師の配置が義務付けられておらず、医療行為を提供していない施設もあります。そのため緊急の場合に医療行為がおこなえません。

慢性疾患などで医療依存度が高くなった入居者は他施設へ移る必要があります。

しかし、平成30年度の介護報酬改定に伴い、入居者の医療ニーズへの対応として医療機関との連携体制を整えていたり、事業所の職員として看護師を常勤で1人以上配置する施設も増えているため、施設を選ぶ際に確認しましょう。

参考「速報 認知症対応型共同生活介護 2018年度(平成30年度)介護報酬改定単価」

認知症の状態によって退去の可能性がある

グループホームの入居者が認知症の進行などによって身の回りの世話ができなくなったり、集団共同生活に適応できなくなると退去を促される場合があります。

地域によっては施設の空きが少ない

グループホームは地域密着型の施設であり、且つそもそもの受入人数が少ないため空きが少ないです。

そのため入居待ちの施設が多い地域もあり、入居までに時間がかかってしまいます。

まとめ

グループホームでは認知症高齢者が共同で生活することで認知症の進行をおくらせることが期待されています。

認知症高齢者の数が年々増え続けているなか、自分のできることは自分でできるように支援しつつ、安全に過ごすことができるグループホームはこれからも注目されるでしょう。

ただし定員は1事業所で最大18人!なおかつ住民票がある地域に限定されています

そのため、複数のグループホームに申し込みをしておくのが安心でしょう。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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