老健と特養の違いとは?入居先に迷ったら確認しよう!【高齢者住まいアドバイザー監修】

介護保険施設に分類される特別養護老人ホーム(特養)介護老人保健施設(老健)

ともにかかる費用が低いという共通点がありますが、提供される介護サービスは異なります。

特に老健は「特養の待機施設」と言われていた一昔前の状況から、ずいぶんと変わってきています。(2019年6月執筆)

この記事では、「特養と老健でそれぞれどのような違いがあるのか?」といった疑問から「特養も老健も入るのが難しい場合はどうすればいい?」といった内容まで解説していきます。

特養と老健の違いを表で確認!(9項目)

特養と老健の違い

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まずは特養と老健の費用、入居条件、提供されるサービス、全国の施設数などをわかりやすく表で比較していきます。

特養 老健
施設の目的 介護を受けながら生活を送る場所 家庭と病院の中間的存在
費用(1カ月) 8万~12万円/月 7万~14万円/月
入居条件 介護度3以上の65歳以上の方
(特定原則要疾患をもつ40~64歳の方)
要介護度1以上の65歳以上の方
(特定疾患をもつ40~64歳の方)
提供されるサービス 食事、入浴、排泄などの日常生活の支援
機能訓練(リハビリテーション)
健康管理
食事、入浴、栄養管理などの日常生活の支援
機能訓練(リハビリテーション)
看護師による医療的な支援
入所までの主な流れ 短期生活介護(ショートステイ)からの入所が多い 病院からの入所が多い
全国の施設数 7,891施設 4,322施設
人員配置 介護士、看護師:施設利用者3名に対して1名以上
医師:利用者の健康管理に必要な人数(嘱託でも可)
栄養管理士:1名以上以上
介護支援専門員(ケアマネジャー):1名以上以上
介護福祉士、看護師:施設利用者3名に対して1名以上(夜間の常駐義務あり)
医師:利用者100名に対して1名以上
栄養管理士:利用者100名に対して1名以上
介護支援専門員(ケアマネジャー):利用者100名に対し1名以上
施設利用率(施設定員に対する在所者数の割合) 96.9% 89.9%
施設の設備基準 居室:原則定員1名。入所者1名当たりの床面積:10.65㎡以上
医務室:医療法に規定する診療所とすること
食堂及び機能訓練室:入所定員×3㎡以上
廊下幅:1.8m以上
浴室:要介護者が入浴するのに適したもの
療養室:1室当たり定員4人以下
入所者1名当たり床面積:8㎡以上
機能訓練室:1㎡×入所定員数以上
食堂:2㎡×入所定員数以上
廊下幅:1.8m以上
浴室:身体の不自由な者が入浴するのに適したもの

参考:施設・事業所の状況介護保険施設の利用者の状況

以上の表からわかる通り、特養は要介護度が高い方向けの介護施設で、老健は看護師や医師による支援によって在宅復帰を目指す介護施設だとわかります。

老人介護施設・施設でくつろぐ高齢者

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両施設のメリット

「特養は1人当たりの床面積が広い」

「老健は特養に比べて、医療体制がしっかりしている」など両施設を比べると、介護施設を利用するメリット、デメリットがあることがわかります。

ここでは特養と老健を比較した時のメリット、デメリットを書かせていただきます。

特養を利用するメリット

全国に施設があるので、離島や都市部から離れた地域でも利用申請が可能

特養は老健に比べて施設数が1.5倍以上多く、また全国各地に施設があることから、お住まいの近くに入居できるという特徴があります。さらには定員が30名以上の「広域型特養」ですと、お

住まいの地域に限定されずに入居することができます。(定員29名以下の特養は、原則利用者の住民票がある地域しか利用できません。)

入居できる施設を全国から選べるというのは、ご家族が通いやすいという点でも便利です。

▼特養の特徴やメリットを詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!

特養とは?気になる費用や入居条件について詳しく解説!【2020年度最新版】

老健を利用するメリット

リハビリスタッフと日々接することで利用者の日常の変化がわかりやすい

特養ではリハビリスタッフ(作業療法士、理学療法士)の配置は義務でないですが、老健では配置義務があります。

作業療法士や理学療法士は、日常生活で必要な動作(寝返る、起き上がるなど)の機能回復を行います。

定期的に利用者とリハビリスタッフが接することで、身体機能の状態の変化が分かりやすいというメリットがあります。

▼老健の特徴やメリットを詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック

老健とは?費用やサービス、入居条件まで徹底解説

介護施設でのリハビリ

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両施設を利用するにあたって気を付けておきたいこと

これからご家族を特養や老健に入居させるにあたって、注意すべきことがいくつかございます。

あらかじめ注意すべき点を把握しておくことで、入居の際にスムーズに対応できるでしょう。

併設型のショートステイを利用しておく

ショートステイには特養や老健などの施設を利用して短期宿泊を行う「併設型ショートステイ」というものがあります。

入居を希望している特養や老健で併設型ショートステイを利用しておくことで、入居を希望している施設の入居待ちの状況がわかりますし、ショートステイを連続で利用すること(ロングショートステイ)で入居待ちの期間を施設で過ごすこともできます。

また施設の方との面識ができますし、施設側が利用者の病症についての理解ができるので、いざ介護施設を利用したいという場合に入居しやすい状況をつくることができます。

▼ショートステイとは?気になった方はこちらの記事をチェック!

ショートステイとは?気になる費用や利用できる期間まで徹底解説

老健はもはやリハビリだけを行う施設ではない

特養は月額費用が低く、看取りまで行ってくれるため入居希望者が多いことは有名でしょう。したがって特養に入るために、かつては特養の部屋が空くまでは老健を利用し、空き次第転居するということが行われていました。

そのような背景から老健は「特養の待機施設」と言われていましたが、最近では老健は「第二の特養」と呼ばれており長期期間利用し、看取りまで行う方が増えてきています。
老健は原則3~6か月ごとに退所できるかの判定がありますが、利用者の平均利用日数は301.5日となっており、長期利用する方が増えています。

参考:平成 28 年度 介護老人保健施設の経営状況について 施設、在宅での看取りの状況に関するデータ

つまり特養と老健の中でも、あまり特徴の違いがない施設も現れているので「老健=短期利用、看取りができない」という認識はなくなってきています。

特養も老健も重度の医療行為はできない

病気の治療を目的とする場合、介護施設ではなく医療施設を利用しなくてはいけないため、特養や老健などを利用することはできません。

また、特養よりも老健の方が医療体制は整っていますが、上記のような医療依存の高い場合、介護医療院を利用するという方法もあります。

特養も老健も費用が高くて払えないと感じた方へ

お金がなくて困っているシニア

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上記で特養や老健に入居する場合に発生する費用をまとめさせていただきました。

しかし、それでも「月額費用が高くて払えない!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

上記の料金はあくまでも参考目安なので、実際は特養のユニット型に入居する場合や老健の個室しか開いていない場合は、さらに費用がかかってきます。

(要介護度3の方が特養に入居する場合、多床室型は一日682単位、ユニット型は一日762単位とになっており30日利用した場合その差は2400単位になります。

老健の個室に入居する際、入居費が少し高めになり平均で10万~11万円かかります。)

そのような場合、どうすればいいのでしょうか?

ここでは特養や老健に入居するのが思ったよりもきついと感じられた方向けに、対処法をご説明致します。

▼特養の費用相場とその内訳はこちらの記事をチェック!

特養の費用相場は?要介護度別の料金表でわかりやすく解説

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老健でかかる費用の目安は?サービス加算や減免制度まで徹底解説

介護保険の負担限度額認定制度を利用する

介護保険施設を利用する際、発生する費用の主な内訳は「介護サービス費+入居費+食費」となっています。

介護サービス費は介護保険によって利用者の負担が1割(収入によって2~3割負担)ですが、入居費や食費は全額負担となっており、おおよそ7万~10万円ほどかかります。
利用者の中には入居費や食費の支払いが、大きな負担になると考えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで一定の基準を満たす方向けに「負担限度額認定制度」というものがあります。

この制度は介護保険施設を利用する際に支払う住居費や食費を軽減できるという制度です。

一定の基準というのは以下の通りです。

  • (配偶者共に)住民税非課税の方
  • 預貯金額が1,000万円以下の方(預貯金には金、銀、有価証券なども含まれます)

負担限度額認定制度の申請書類はお住まいの市区町村のホームページから印刷する方法と、地域包括センターや市区町村の窓口から受け取る方法がございます。

希望の施設が空くまでロングショートステイを利用し続ける

食費や入居費、部屋の種類によって介護福祉施設の中でも発生する費用の違いがあります。

入居したい施設が開いていなかった場合、グループホームを利用して待機するという方法もあります。ただしグループホームは認知症の方限定の施設であったり、月額費用が低い施設から高い施設まで様々にありますので、注意して選ぶ必要があります。

また、グループホーム以外には上でも書きましたようにショートステイを連続で利用するロングショートステイという方法があります。

どちらの方法も希望の施設に入るまでのつなぎとして行われるため、一時的には老健や特養よりかは費用が掛かってしまうかもしれませんが、(要介護4の方が30日間、特養でショートステイするとかかる費用=約15万円)それによって費用の低い施設に入居できれば、全体として発生する費用を抑えることができます。

まとめ

ほぼ全ての人にとって介護は必要になってきます。

そのため全ての人が介護施設で生涯を終える可能性があるということです。

「終の棲家」と呼ばれる特養や「第二の特養」と呼ばれている老健は生涯を終える施設になりうる可能性が十分にあるため、実際に入居する際には見学などを行い、施設の雰囲気をしっかり確認して検討するようにしましょう。

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この記事を書いた人:目黒 颯己

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
大学卒業後、株式会社ネオキャリアに入社。総合求人サイトの立ち上げの経験後、老後を自分らしく過ごすための情報サイト「ヒトシア」の立ち上げを経て介護施設・老人ホームの紹介事業を行っております。
現在はヒトシアと並行して介護士向け求人サイトも兼務しており、介護全般に精通しています。
参考:http://ksa-kentei.com/adviser/3695

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