介護療養型医療施設とは?医療ケアも提供する介護施設の詳細から廃止の理由まで一挙に解説!


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介護療養型医療施設は療養病床とも言われ、長期間の医療行為を必要とする方が入居されることが多く、酸素吸引や24時間の点滴などにも対応している施設です。
しかし、介護施設である「特別養護老人ホーム」などと違い、あまり聞きなれない施設かと思います。
そこでこの記事では、介護療養型医療施設ではどのような介護・医療行為ができるのか?費用はどれくらいかかるのか?どのくらいの期間利用できるのか?ということをご説明させていただきます。

また、介護療養型医療施設は2023年までに全棟廃止することが決定しています。

今回の記事では廃止の理由今後どうするのか、といったところまで詳しく見ていきます。

介護療養型医療施設とは

介護療養型医療施設(療養病床)とは長期的な医療行為(点滴や経管栄養)を必要とする方が入院する施設で、要介護1以上の方が入院の対象となっています。(療養病床の8割の運営元が病院となっているので、介護施設というよりかは病院に近いです。それを踏まえて、この記事では「入居」ではなく「入院」、「入居者」ではなく「患者」と記述させていただきます。)

介護療養型医療施設の特徴は、施設の長期利用ができ、患者48人に1人以上の割合で医師が配置され、看護職員も6人に対して1人以上が配置と、医療ケアを行うことができる人員が他の施設と比較して多いため、慢性的な症状をかかえている方でも利用しやすいということが挙げられます。

また、療養病床は慢性期の状態ではあるが、入院加療が必要であるとされる患者に対して医療保険でサービス提供を行う医療療養型病床と、要介護認定を受けた要介護者に対して介護保険でサービス提供を行う介護療養型病床の二つに分かれています。

介護療養型医療施設でかかる費用とは


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介護療養型医療施設に入院する際には入居一時金は発生しません。

月額の入院費用はおおよそ7.5万~14万円ほどで、要介護度や必要な医療ケアによって費用は上下します。

月額費用の内訳としては大きく介護サービス費と住居費や食費などの生活費の二つに分かれます。介護サービスの費用は、介護保険によって9割が負担(患者の年収によっては7割~8割)されるので、患者の支払い額は1ヶ月で約2.3万~4万円となっています。
各要介護度ごとの介護サービス費用の違いは以下の表になっています。(1単位=10円が目安)

要介護度 単位/日
要介護1 778単位/日
要介護2  886単位/日
要介護3 1,119単位/日
要介護4 1,218単位/日
要介護5 1,307単位/日

また介護サービス費用に加えて、食費や住居費などの生活に関する費用がおよそ5万円から10万円ほどかかるので合計で約7.5万~14万円の支払いが必要になります。

食費や住居費の内訳に関しては以下の表をご参考にしてください。

介護保健施設の減額制度

出典:厚生労働省 介護療養型医療施設及び介護医療院

低所得者向けの負担軽減制度もある

介護保険施設なので月額費用が比較的かからないとしても、月に7.5万~14万円も払うのは厳しい、と思われる方もいらっしゃると思います。
そこで所有財産(所得や不動産、貯金、有価証券など)が低い方向けに介護療養型医療施設の減額処理という制度があります。
介護保険の負担外である食費や住居費の減免が受けられるというもので、限度額は以下のようになります。

介護保健施設で発生する費用※月額については、一月を30.4日として計算
出典:厚生労働省 介護療養型医療施設及び介護医療院

上の図中の「第1段階~第3段階」は負担軽減の対象者を以下のように段階別に分類したものです。

利用者負担段階 対象者の例
第1段階
  • 市町村民税非課税世帯の老齢福祉年金受給者
  • 生活保護受給者
第2段階
  • 市町村民税世帯非課税であり、課税年金収入額+合計所得金額が80万円以下の方
第3段階
  • 市町村民税非課税世帯であり、利用者負担第2段階該当者以外の方
第4段階
(負担軽減制度適応外)
  • 市町村民税課税世帯の方

例えば市民税非課税世帯であり、課税年金収入額+合計所得金額が70万円の方が療養病床(従来型個室)に入院される場合、食費が1日390円住居費1日490円となり、1カ月の食費+住居費は2.7万円程度となります。

仮に上記の条件で入院される方が要介護3の方だとすると、1カ月で発生する大まかな費用としては、
1,119単位/日(1単位=1円)×30.4日(介護サービス費)+2.7万円(食費+入院費)≒3.4万円
1ヶ月で3.4万円まで抑えることができます。

介護療養型医療施設で提供されるサービスとは


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介護療養型医療施設では以下のサービスが提供されています。

医療的支援

  • 医師による診療
  • 喀痰吸引
  • インシュリン注射
  • 点滴
  • 経管栄養の対応
  • 褥瘡の処置
  • 膀胱洗浄
  • 摘便等

介護療養型医療施設は上記のように医療機関と同様に医療的な処置やケアを受けることができます。

ただし報酬が包括報酬となっているため、その施設の方針にもよりますが検査や投薬の範囲が決まっていることもあります。そのため、一般の病院のように必要に応じて何でもしてくれるというわけではないという点には注意しておきましょう。

介護的支援

  • 生活リハビリ
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • トイレ誘導
  • オムツ交換
  • レクリエーション支援
  • 外出支援

介護療養型医療施設ではこのように身の回りの生活援助を受けることができます。そのため、入院中は家族の支援を受けなくても日常生活を問題なく送ることが可能です。

ただし、一般的な介護施設のように、日々のレクリエーションなどを通して職員や他の患者さんと交流するなどの機会はあまり設けられていません。

介護療養型医療施設の人員基準

介護療養型医療施設は100床あたり常勤の医師を3人、常勤の看護職員、介護惻隠をそれぞれ17人以上配置することが義務付けられています。このことから、医療ケアが必要な患者であっても24時間体制で手厚いケアを受けることが可能になっています。

特養ではなかなか受け入れてもらえない場合や、常時の喀痰吸引や胃ろうなどからの経管栄養が必要な場合であっても受け入れが可能です。また、多くの看護師や介護職員がいることで不安なく療養生活をおくることができます。

介護療養型医療施設は病院と同じ位置づけであり、多くの介護療養型医療施設は医療法人が運営しています。また、療養病床は病院の敷地内や近隣に開設している施設が多く見られています。そのため、患者の体調が悪化した時や看取りが必要な段階の場合にも、医療機関との連携をスムーズに行うことができ、素早い対応が可能であることも介護療養型医療施設の特徴のひとつです。

介護療養型医療施設は廃止!新しく介護医療院が設立


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ここまでご説明させていただきましたが、介護療養型医療施設は2023年までに全棟廃止されることが決まっています。
患者の介護度、医療度が介護型の介護療養型医療施設と医療型の介護療養型医療施設(介護型より重篤な容態の方が入院される施設)であまり変わらなくなってきたことが理由です。

これにより、本当に医療が必要な方に医療保険が適応されなかったり、病床が用意できないという問題が発生しました。

そこで、重度の医療が必要な方は介護型ではなく医療型に移動していただき、医療保険を利用して入院を続けていただき、重度の医療が必要ない方は介護保険が適応される施設に移っていただくことで医療保険と介護保険の境界を明確にする、ということが介護型の介護療養型医療施設の全棟廃止の1つの理由です。

参考:介護療養型医療施設及び介護医療院

代わりに新しく介護保険施設として設立されるのが「介護医療院」という施設です。
介護医療院はⅠ型とⅡ型に分かれており、介護療養型医療施設の施設基準に相当するのがⅠ型、老健の施設基準に相当するのがⅡ型です。

介護療養型医療施設と介護医療院の違いとは

介護医療院について、介護療養型医療施設と比較しながらどんな施設なのか見ていきましょう。

まず、介護療養型医療施設は医療保険と介護保険のどちらも利用できるように分類されていますが、介護医療院は介護保険を利用する介護施設です。そのため、要介護認定を受けていることが入居の条件となります。

また、介護医療院は病院ではなく生活の場としての位置づけのため、4人部屋であってもパーテーションや家具などで仕切りなるべくプライバシーが守られるように配慮されている点にも違いが見られます。また、地域との関りが持てるように地域住民との交流の機会があったり、ボランティアを受け入れてレクリエーションを提供するなどの活動をしている施設も見られます。

ただし、介護医療院であっても常に医療的なケアが必要であったり、看取りのケアを希望している方への対応が可能であるという点については変わりはありません。

介護医療院とは?費用やメリットをわかりやすく解説!【2020年最新版】

介護療養型医療施設に入院するメリット・デメリット

医療ケアが充実していて、比較的安価な費用で入院できるというメリットを持つ介護療養型医療施設ですが、同時にデメリットも存在します。
ここでは介護療養型医療施設に入院するメリット・デメリットをご説明させていただきます。

介護療養型医療施設の3つのメリット

メリットは主に3点あります。

医療体制が充実している

上記の通り、対応できる医療ケアの多さ、医療従事者の配置の多さから病院に近い環境で介護を受けることができます。

月額費用が比較的安い

入居一時金が発生せず、月額料金は最大でも十数万円から入院できるので経済的に入院を検討しやすい施設になります。

同系列の施設で長期間の療養が可能

介護老人保健施設(老健)のように一定期間ごとに継続判定があるわけではないので落ち着いて医療、介護を受けることができます。
また、介護療養型医療施設の運営元は医療法人が多く、療養によって容態がよくなれば同系列の老健に入居することも可能ですし、容態が悪化した際には介護療養型医療施設に戻れる場合もあります。

介護療養型医療施設の3つのデメリット

デメリットに関しても3つあります。

23年までに廃止が決まっているので棟数が少なくなってきている

上記の通り、2023年までに全棟廃止が決まっているので新しく介護療養型医療施設が設立されることはありません。
現在は約9割が満員になっており、入居待ちになる可能性が高くなっています。

将来施設を移らなければならない可能性がある

入居待ちせず、すぐに入院できたとしても(介護医療院に移行する影響により)2023年までに介護療養型医療施設から他の施設に移動しなければならない可能性があります。
今から入院を考える方は介護医療院を選んでおくか、老健より重度の介護を受けられる介護療養型介護老人保健施設を検討しておく方がよいでしょう。

レクリエーションが少ない

介護療養型医療施設の様子は生活の場である介護施設ではなく、医療を受けることを主にしているので、病院のイメージに近いです。
よって他の介護施設のように利用者同士での交流やレクリエーション、イベント行事など少なくなっています。

まとめ

介護療養型医療施設とは

老健よりも専門的な医療行為が受けられるとして入院を希望する人が多かった介護療養型医療施設ですが、入院者の容態があまり変わらないということから2023年までに全棟廃止が決まりました。

実は、以前(2006年)から介護療養型医療施設の廃止の話題は出ていましたが、当時は老健へのスムーズな移動が進まず廃止は延長されました。
今回は介護医療院Ⅰ型や介護療養型介護老人保健施設へ移行していくと言われていますが移動先(受け入れ先)の施設数などは決まっていないためスムーズに行われるとは限らない状況です。
今後の動向については担当のケアマネジャーや、施設に所属するソーシャルワーカーに相談してみることが大切です。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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