介護療養型医療施設が廃止になった理由や移行先の介護医療院を解説!

ご家族が介護療養型医療施設に入所されている方の中には、介護療養型医療施設が廃止になると耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

介護療養型医療施設の廃止後は「介護医療院」という施設が受け皿となりますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。また、そもそもなぜ介護療養型医療施設は廃止に至ったのでしょうか。本記事で詳しく解説していきます。

そもそも介護療養型医療施設とは

介護診療型医療施設とは、長期にわたる医療行為や介護サービス、生活支援が必要な要介護者が入院する施設です。ほとんどの施設が医療機関の中にあるため、病院や診療所の一部に見えることが多いです。

介護療養型医療施設には介護療養病床医療療養病床の2種類があり、以下のような違いがあります。

介護療養病床

  • 介護保険が財源
  • 対象者は長期的に介護療養が必要な患者

医療療養病床

  • 医療保険が財源
  • 対象者は長期的な医療療養が必要な患者

▼介護療養型医療施設の入所条件や費用などを知りたい方はこちらの記事をチェック

介護療養型医療施設とは?医療ケアも提供する介護施設の詳細から廃止の理由まで一挙に解説!

介護療養型医療施設は2024年3月に廃止

介護療養型医療施設は2024年3月までに全棟を廃止し、介護医療院へ移行することが決まっています。

介護療養型医療施設が廃止に至ったのには、どのような理由や経緯があったのでしょうか。詳しく解説していきます。

介護療養型医療施設が廃止に至った理由

介護療養型医療施設が廃止に至った理由を三つご紹介します。

一つめは、介護療養病床と医療療養病床を利用していた患者に大きな差がなく、異なる施設であるにもかかわらず、両施設に違いがなくなっていた点です両施設の実質的な違いが無くなってしまったことによって、それほど医療ケアが必要のない患者が医療療養病床にいたため、本当に必要な方へ医療ケアが提供できなくなることが問題となりました。

二つめは、社会的入院による社会保障費の圧迫が問題になった点です。社会的入院とは、実際にはそれほど医療行為の必要がない患者が、介護する人がいないなどの家庭の事情で長期的に入院せざるを得ない状況をさします。本来は必要のない入院ですから、医療費や社会保障費が無駄に使われていることが問題視されました。

三つめは、介護療養型医療施設は医療施設であるにも関わらず、介護保険を利用できてしまうというねじれが、先に紹介した二つの理由などから表面化した点です。

これら三つの理由から、個人にあった医療ケアと介護サービスを正しい場所で受けてもらうため、医療が必要な患者は医療療養病床、介護が必要な患者は介護老人保健施設(老健)へ入居してもらい、介護療養型医療施設は廃止することが決定されました。

移行に向けてうまれた問題

介護療養型医療施設は当初、2018年3月までに全棟が廃止される予定でした。

しかし、介護療養型医療施設から老健への移行が思うように進まなかったため、新しく介護医療院が創設され、移行期間も2024年3月までに延長されることとなりました。

そもそも老健への移行が進まなかった理由は、介護療養型医療施設に入所していた患者には、老健では対応していないターミナルケアや看取りのニーズが高かったためです。

この問題を解消すべく生まれたのが、介護医療院です。介護医療院は日常的に医療管理が必要な要介護者に向け、ターミナルケアと看取りを含む医療と介護サービス、生活の場を包括的に提供する施設です。

とはいえ、介護医療院への移行に伴い新しく設備投資が必要、経営の見通しがたたないなどの理由で、現在でも介護医療院への移行が進んでいない介護療養型医療施設は多く、移行を促進させるため基準緩和や単位加算などの対策が検討されている最中です。

2018年に新設された介護医療院とは?

介護療養型医療施設の廃止後に受け皿となる介護医療院は、医療・介護・生活のサービスが一体となって提供される施設です。

介護医療院には「Ⅰ型」「Ⅱ型」「医療外付け型」の3種類がありますが、それぞれどのような施設なのかを詳しく見ていきましょう。

Ⅰ型とⅡ型

Ⅰ型とⅡ型の大きな違いは、その対象者にあります。

Ⅰ型の対象はより病状が重く、容態が急変する可能性のある要介護者となっています。一方、Ⅱ型の対象者は、Ⅰ型と比較して容態が安定している要介護者です。

この違いにより、医師の配置基準がⅡ型よりもⅠ型の方が厳しくなっており、より多くの医師が配置されています。

その他の違いとして、Ⅰ型は介護療養型医療施設相当のサービス、Ⅱ型は老健相当以上のサービスを提供するものとされていますが、両者とも介護が必要な高齢者の長期療養と生活の場として、医療行為や介護サービスの提供、生活支援が行われていることに変わりはありません。

医療外付け型

Ⅰ型とⅡ型よりも要件を緩和し、介護療養型医療施設からの移行をより行いやすくした施設が医療外付け型の介護医療院です。

医療外付け型では医師の配置基準がなく、医療は併設している医療機関や外部の医療機関からの提供となります。そのため、対象者はⅡ型と同じく、容態が比較的安定した要介護者となっています。

その他、医療外付け型の介護医療院は居住スペースの面積が13.0㎡/室以上と、Ⅰ・Ⅱ型の8㎡/床よりも広めの基準が設けられており、より生活の場としての性格が強くなっているといえるでしょう。

▼介護医療院の費用や入所条件をさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック

介護医療院とは?費用やメリットをわかりやすく解説!【2020年最新版】

介護療養型医療施設と介護医療院に違いはあるの?

介護医療院について、介護療養型医療施設と比較しながらどんな施設なのか見ていきましょう。

まず、介護療養型医療施設は医療保険と介護保険のどちらも利用できるように分類されていますが、介護医療院は介護保険を利用する介護施設です。そのため、要介護認定を受けていることが入居の条件となります。

また、介護医療院は病院ではなく生活の場としての位置づけのため、4人部屋であってもパーテーションや家具などで仕切りなるべくプライバシーが守られるように配慮されている点にも違いが見られます。地域との関りが持てるように地域住民との交流の機会があったり、ボランティアを受け入れてレクリエーションを提供するなどの活動をしている施設も見られます。

ただし、介護医療院であっても常に医療的なケアが必要であったり、看取りのケアを希望している方への対応が可能であるという点については変わりはありません。

まとめ

本記事では、介護療養型医療施設が廃止になった経緯や、移行先である介護医療院とはどのようなものかを解説しました。

介護と医療は棲み分けるのではなく、協力できる体制を構築していくことがますます必要になってきています。介護と医療、そして生活の場が一体となった介護医療院は、今後さらに必要性が増すでしょう。

現在、介護療養型医療施設への入所を検討している方は、廃止も見越したうえで介護医療院への入所を考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:目黒 颯己

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
大学卒業後、株式会社ネオキャリアに入社。総合求人サイトの立ち上げの経験後、老後を自分らしく過ごすための情報サイト「ヒトシア」の立ち上げを経て介護施設・老人ホームの紹介事業を行っております。
現在はヒトシアと並行して介護士向け求人サイトも兼務しており、介護全般に精通しています。
参考:http://ksa-kentei.com/adviser/3695

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