親の介護で仕事はどうする?退職・休業・両立それぞれのポイントを紹介

親の介護が必要になるきっかけは、年を取ることにより少しずつ自分でできないことが増えてくる場合と、転倒や病気の発症などにより急に必要になる場合とがあります。

普段仕事をしている場合、急に親の介護が必要になる状況になってしまったため、焦って仕事を辞めてしまって後悔したというようなことにならないように、最初の段階で考えておくべきおくポイントについて解説します。

急な親の介護、仕事はどうする?

親の介護に悩む女性

親が急に介護が必要になった場合、仕事をどうするかは慌てずゆっくり考える必要があります。なぜなら、介護が必要な状況は病状の経過とともに変化することが多く、状況が落ち着いた時に、どんな介護が必要なのかや家族の役割分担をどうするのかを考えるのがベストだからです。今後どれだけの関わりが必要であるかどうかを見極められるタイミングで、介護と仕事についてどうしていくのかを決めるようにします

それまでの期間の仕事をどうするかは、会社の制度や環境によって最善の方法を検討するようにしましょう。

仕事と両立する

仕事と介護を両立すると金銭的な不安やキャリアの中断、再就職への不安などは少なくなりますが、時間の余裕がなくなったり疲労など身体的な負担が大きくなります。

介護が始まったばかりの時は日中に色々な手続きをしなければならないことも多くいため、なるべく会社で利用できる制度などを活用しましょう。そうしながら、仕事と介護の両立を無理なく継続していくために、介護を受けられる環境を整えられるようにすることに注力しましょう

転職する

親の介護をするための時間を取りやすくするために、時間の都合をつけやすい仕事や在宅でできる仕事、パートなどに転職するという方法も考えられます。

しかし、介護を始めたばかりの頃には急に用事ができて仕事を休まなければならないようなことも起こり得ます。そのような時に、転職したばかりだと休みづらいこともあるため注意が必要です。

仕事を休む

短期間であれば仕事を休むという方法もあります。仕事を気にすることなく介護に専念できるため、じっくりと介護をしたい場合にはお勧めの方法です。

ただし、仕事を休むことができる期間は長くはないため、介護が長期化することが見込まれる場合にはその先はどうするのかを考えていかなければなりません。 したがって、仕事を休んで介護を行いながら、専門家にアドバイスをもらうなどして、先のことも考えるようにするのがいいでしょう。

仕事を辞める

仕事を辞めると、期間を気にすることなく親の介護に関わることができます。しかし、仕事を辞めたことで収入に対する不安が増える、介護にかかりっきりになることでストレスが増すばかりか、気分転換や発散する場がなくなることがあります。

また、介護が必要でなくなったり、落ち着いた時に再就職すれば良いと考えていたが、いざその時になると再就職先が見つからず自分の生活が苦しくなってしまったというケースは少なくありません。そのため、介護離職は慎重に検討する必要があります。

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親の介護と仕事を両立させるコツ

親の介護と仕事を両立させる女性

介護と仕事の両立は、時間のやりくりや体力面での負担も大きく簡単なことではありません。そのため、自分一人で何とかしようとしてもうまくいかないことが多く、介護の専門家のアドバイスを聞き、様々なサポートを受けながら上手に両立させていくのがポイントです。

職場の理解を得る

介護を必要とする人は、急に体調が悪くなったり通院に付き添わなければならないなど、遅刻や早退、休暇の数が増えるなどして職場に迷惑をかけてしまうこともあります。 そのため、上司にはきちんと話をして許可を取るだけでなく、あらかじめ職場にも簡単に事情を伝えておき、理解をしてもらうことで協力が得られやすくなります。

時短勤務やフレックス制など働き方を見直す

会社によっては必要に応じて一時的に時短勤務が可能な場合があり、介護に費やす時間を増やすために、時短勤務に変更する方法もあります。

また、フレックス制を利用できる会社では、要介護者の1日のスケジュールに合わせて出勤時間や終業時間を調整することができると、仕事の時間を減らさずに仕事と介護の両立が可能になります。 働き方の見直しができないか、会社の制度を調べたり、人事に相談したりしてみましょう

親の介護で頼れる人を見つけておく

親の介護をひとりで担うのは無理があります。自分の都合が悪い時や体調が悪い時などに、代わりに介護や見守りをしてくれる人を見つけておくことは必須です。

兄弟や親類などの身内にそのような人がいない場合は、地域の民生委員さんやケアマネジャーや介護サービスのスタッフ等も力になってくれます。そのような介護・福祉の専門家は、困った時の解決方法のアドバイスをしてくれたりと強い味方になってくれるでしょう。

両立支援制度を活用する

厚生労働省は、仕事と介護の両立ができる社会の実現を目指して、様々な制度の整備をしています。その内容は、休暇や短時間労働に関する取り決めだけでなく、法定時間外労働の制限や深夜業の制限、転勤への配慮がされます。この他、介護のための両立支援制度を利用した従業員への不利益な取り扱いが禁じられており、安心して親の介護に取り組むことができます。

また、会社独自で社員の仕事と介護の両立を支援するための取り組みを行っているところもあり、それらを活用して休暇や時短での働き方をしていきましょう。

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親の介護で頼れる制度を知っておこう

親の介護をする時に利用できる公的な制度や給付金などを知っておき、しっかりと活用していきましょう。

介護保険制度

介護保険制度は介護が必要である要介護者が、住み慣れた地域でその人らしい生活を送るために、手すりの設置などの住宅改修の補助を受ける、自宅での介護サービスや通所施設、介護施設などを利用することができる制度です。

介護保険を利用するためには要介護認定を受ける必要があり、認定されて介護度によって、利用できる介護サービスの種類や回数、費用が異なります。要介護認定の申請は役所や地域包括支援センターで行うことができますが、認定が下りるまで1カ月程度かかるため、介護保険を利用する場合には早めに申請をしておきましょう。

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介護休業給付金

介護休業を取得した場合、基本的には会社から賃金の支払いはありません。しかし、一定の条件を満たしたときには、介護休業給付金を受け取ることができます。

この介護給付金を受け取れる条件は、介護休業を取得した雇用保険の受給資格があり、介護休業を開始する前の2年間に12か月以上雇用保険に加入していることとなっています。

この条件を満たしている場合、要介護状態の同一対象家族について93日を限度に3回までに限り、賃金日額の67%の介護休業給付金が支給されます。ただし、1支給対象期間(30日)あたりの支給金額には上限があり、毎年見直しがされています。ちなみに、令和2年8月1日からの上限は336,474円となっています。

介護休業

介護休業は、要介護状態にある配偶者や父母、配偶者の不備、祖父母などの対象家族を介護するために、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで仕事を休むことができる制度です。

介護休業の取得のためには、休業を希望する開始日の2週間前までに、書面等を事業主に提出して手続きをしなければなりません。そのため、急に介護が必要になり介護休業の取得を希望する場合は、すぐに手続きをするようにしましょう。

この介護休業の対象者は入社後1年が経過しており、取得予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこととされています。したがって、条件を満たせば、パートやアルバイトなどの非正規の社員であっても取得が可能ですが、介護休業の満了後すぐに退職を予定しているようなケースは対象外となります。

介護休暇

介護休暇は、要介護者の体調不良などで突発的に休まなければならなくなった時や、ケアマネジャーや介護事業者などとの打合せ、通院の同行など短時間で済む用事が必要であるときに利用します。

介護休暇の便利な点は、半日単位で取得でき当日の申請であっても休むことができるところです。しかし、給与は原則無給となるため、注意が必要です。

親の介護で退職したら、生活費はどうやって工面するの?

親の介護費用

もし、親の介護のために退職をした場合、自分の生活費は自分で工面できるかはしっかり見極めておきましょう。逆に、親の介護の費用は親の年金でまかなえるように考えます。

介護が必要な状態になると、思いのほかお金がかかるのこともあるので、介護の状況が見えてこないうちから親の年金から自分の生活費を出そうと考えるのは正しいとは言えません退職を考える場合は、自分の預貯金でどのくらいの期間生活が可能かを見極めることが大切です

まとめ

急に親の介護が必要になった時に、仕事をどうするかは状況を見極めながら考えていきましょう。特に、介護のことばかりに気がとられて自分の生活のことが後回しになってしまい、大きな後悔をする事がないようにしなければなりません。そのためには、介護と仕事の両立に精通した専門家に相談するのがベストです。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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