親の介護で退職するには?辞めた後の生活やお金はどうなるのかも解説

総務省の平成29年就業構造基本調査によると、毎年約10万人前後が、介護・看護のために離職しているという結果が出ています。しかし、急に仕事を辞めることは、職場への説明や今後の生活で思わぬトラブルを生じてしまう危険もあります。

本記事では、介護で仕事を辞める際に気を付けておきたいことや、そもそも介護離職はすべきかについて解説します。

親の介護で仕事を辞めなくてはならない時は

親の介護を理由に仕事を辞める時には、職場に事情を理解してもらい、円満に退職を迎えられるように心がけましょう。

退職理由は何と伝える?

退職の意向は、上司に伝えることになりますが、自分の意思で退職を決断していることをしっかりと伝えるようにします。また、仕事への影響も考慮して引き継ぎを行いなるべく職場に迷惑をかけないように検討した結果も踏まえて、退職日を決めておきましょう。

退職理由は、「親が介護の必要な状態になり自分が介護に専念することにした」、「親の介護のために実家又は実家の近くに転居をすることになった」、「介護と仕事を両立させるために通勤時間の少ない自宅周辺での仕事に転職することにした」など、自分の意思で退職を決めている事や通勤時間など会社では対応ができないことを理由にすると、無理な引き止めにあうことが少なく理解が得られやすいでしょう。

親の病気の診断書は必要?

親の介護を理由に退職をする場合でも、親の病気の診断書などは一切必要ありません。労働者が自分の意思で退職することは、労働基準法で認められた権利であり、退職は会社で定められた書類を提出すれば問題ありません。

また、期間の定めのある有期雇用である契約社員や派遣社員は、通常期間内は退職することができませんが、介護を理由とした退職はやむを得ない理由として認められる場合があります。

親の介護で退職したら、失業保険でどれくらいお金をもらえる?

親の介護で退職しても、介護が落ち着き、いずれは就職する意思がある場合、条件を満たせば雇用保険制度に基づいて失業保険が受けられることがあります。受給条件に当てはまる場合は、申請を検討すると良いでしょう。

雇用保険の求職者給付の対象者と申請方法

失業保険の正式名称は「求職者給付」といい、退職をして失業状態にある時の生活を安定させ、安心して求職活動を行うことができるようにするためのものです。

失業保険の給付を受けられる対象者の条件は、以下の3つになります。

  • 雇用保険に加入していること
  • 雇用保険に加入していた期間が退職前の2年間で12か月以上あること(※11日以上勤務している月を1か月とみなす)
  • 働く意思があるが就業できていない失業の状態にある人

ただし、親の介護のための退職が「正当な理由である」と認められると、「特定理由離職者」として認定され、雇用保険の加入期間が「退職前の1年間に6か月以上」となります。

失業保険の申請は、退職後に職場から雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者離職票が送られてきたら、ハローワークの窓口に行き申請します。

もらえるお金は?

失業保険でもらえるお金は、基本手当として在職中の給与の約50~80%ですが、退職前の賃金や年齢によって2,000円~8,330円までで、その上限と下限の金額が定められています。

給付が受けられる期間は、退職した時の年齢や雇用保険の加入期間、離職の理由などによって異なり90~330日となっています。

特例に当てはまる場合もあるため、まずはハローワークで相談を

特定理由離職者の受給資格が得られるかどうかは、ハローワークが決めることになり、各々のケースで離職理由を判断されることになります。

また、失業保険の受給には待機期間や給付制限が設けられているなど、複雑な仕組みとなっているため、親の介護が理由で退職した時には、住んでいる地域のハローワークで相談するようにしましょう。

介護離職したら、生活費にあてるお金はどうする?

介護離職をする場合、生活費をどこから捻出できるのかをしっかりと考えておきましょう。見通しが甘いと、生活費や介護に必要なお金が足りなくなり介護離職したことを後悔することにもなりかねません。

自分の貯蓄から出す

自分の貯蓄から生活費を出す方法は手軽である反面、貯蓄が減っていくことになります。そのため、どのくらいの期間であれば問題ないかを検討する必要があります。ただし、介護が必要な期間がどの程度になるかが明確に予測できない場合は、先に貯蓄が底を尽きるリスクがあるため注意が必要です。

貯蓄が減っていくことで自分の将来への不安も増大することもあるため、貯蓄が減っていくことで問題が生じないかを検討しておきましょう。

親の年金で暮らしていける?

介護離職し、親の年金から自分の生活費を出してもらう方法もありますが、介護が必要な状態になると、介護にかかる費用や医療費の増加すると予測されます。そのため、自分の生活費が加わっても、問題なく生活ができるのかを考えなければなりません。

働けない時は生活保護も視野に

仕事を辞めて介護に専念する必要があり、貯蓄もなく親族からの援助も期待できないような状況になれば、生活保護を視野に入れることもできます。どうしても仕事ができず、生活に困窮するようであれば検討してみてもよいでしょう。

そもそも親の介護で退職すべきなのか

介護のために離職する事になった場合、当面の生活費の目処が立てば、お金の不安は解消されるかもしれません。しかし、退職することでこれから自分自身の人生にどのような影響をもたらすのかをよく考えておかなければなりません。

一時的に仕事を辞めても介護が終われば再就職すれば良いと考えていたが、年齢やブランクのため希望するような仕事につけないなど想定していた思惑通りにならないこともあります。

また、仕事を辞めた事で気分転換の機会や雑談をするような話し相手が居なくなり、介護によるストレスを発散する場が無いなど、親の介護のために退職した事を後悔しないか退職前に良く考えましょう。

まとめ

親の介護のために仕事をやめようか悩んだ時には、生活費やこれからの人生をよく考えて決断することが重要です。その際には、今後の介護の見立てや受けられる支援などを専門家に相談するようにしましょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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