親の介護で退職して収入がない時、生活費はどうする?【ケアマネ解説】

年間約10万人が、親の介護をするために介護離職をしています。しかし、介護をするために会社を退職するには、その後の生活費をどうするのかまでしっかりと考えてておかなければなりません。

本記事では、親の介護で仕事を辞めた後の生活費はどこから捻出するのかや、お金がない時の対応を解説いたします。介護離職で後悔しないよう、先々のお金のことまで考えるための参考にしてみてください。

親の介護には、いくらかかる?

在宅での介護を行う場合、通常の生活費に加えて介護サービス等の利用料が必要になります。

在宅での介護サービスでは、訪問介護や訪問看護などのようにサービスの提供時間によって金額が変わるものと、デイサービスなどのように介護度が高くなると費用も高額になるもの、福祉用具貸与のように1か月あたりの金額が決まっているものがあります。

介護サービスを利用する時には、介護度で定められている区分支給限度額に収まるようにプランを作成します。介護保険の対象となる部分の金額は、最大で要支援1では5万320円、要介護5では36万2,170円(1単位=10円として計算)となりそのうちの1~3割を自己負担分として支払います。

また、介護サービス費以外に食費や宿泊費など介護保険の対象とならない費用もあります。たとえば、食費が1日あたり500円のデイサービスに週3回通えば、食費として6,500円必要になります。

他にも、介護が必要な状態になれば通院の回数や薬の量が増える、通院時の交通費など、自立した生活を行っていた時よりも医療費が高くなるほか、おむつやパット購入など日常生活で必要なものの費用がかかってきます。

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親の介護で退職したら、生活費はどうする?

親の介護のために退職をする場合、当面の生活費をどこから捻出できるかをしっかりと計算しておきましょう。

自分の貯金でまかなう

ある程度の貯蓄があるのであれば、それを切り崩して生活費にすることも可能です。ただし、介護はいつまで続くのかという予定が立たないため、貯蓄はどんどん減少することになります。まとまったお金が必要となった場合に問題が生じないか、自分の老後の資金が足りなくなることはないかなど、今後の生活状況も考えておくようにしましょう。

家族の収入に頼る

結婚されている方だと、配偶者の収入を頼りに介護をすることも多いでしょう。「稼ぎの多い方が仕事を続けていれば大丈夫」と思われるかもしれませんが、自分の貯金でまかなう場合と同じく、子どもの大学進学などでまとまったお金が必要になる際、老後資金など先々のことに使うお金の状況を加味して、問題がないかを検討しましょう。扶養内のパートでも年間100万円の収入が無くなるのは、小さな問題ではありません。

親の年金で暮らす

親の年金で自分の生活費の面倒も見てもらう場合もあります。しかし、年金の額によっては親子の生活費をまかなうことが難しい場合や、他の兄弟などから親のお金を使うことの不満を抱かれトラブルに発展することもあるため注意が必要です。そのような事を避けるためには、事前に他の家族に事情を話して同意を得ておくようにしましょう。

介護離職でお金がなく、生活費もない!どうすればいい?

親の介護をするために介護離職をしたが、生活費に困るような状況になった時は、早めに生活を安定させる対策を打つようにしましょう。

親の介護で働けないときは生活保護も視野に

親の介護が必要なため、働くことが難しく生活が困窮する時は生活保護の申請も視野に入れます。働ける状況になれば、すぐに再就職することを前提に相談に行きましょう。

ただし、預貯金などの資産がある場合は生活保護を受けることが認められない場合もあり、相談に行けば必ず申請ができるわけではないので注意が必要です。

生活困窮者自立支援制度

生活困窮者自立支援制度とは、親の介護のために仕事ができない、働きたくても働く場所がない等、さまざまな理由により生活に困窮している人に対して、安定した生活を目指すために支援プランを作成して支援してもらえる制度です。

都道府県や市町村の福祉の担当部署や社会福祉協議会、社会福祉法人、NPOなどに相談窓口が設置されています。

「生活困窮者自立支援制度の紹介」(厚生労働省)

利用できる制度を探す

低所得者で特に生計が困難な方に対し、介護保険のサービス利用料が減免されたり、介護施設の食費や居住費の軽減が可能になる制度があります。

また、介護サービス費が所得に応じて定められた上限額を超えた分が払い戻されるほか、1年間に支払った医療費と介護サービス費を合算した金額が一定の額を超えた場合、超えた金額が支給される制度等もあり、利用できる制度がないかを探しましょう。

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親の介護で離職し、お金に困らないために

介護には、予想していた以上にお金がかかり、仕事をやめてしまったことを後悔するような事がないようにしなければなりません。お金の不安を解消するために再就職しようとしても就職先が見つからないこともあります。

親の介護のために介護離職しようとするのは、その後の生活費に困らない経済状況でない限りあまりおすすめはできません。

介護と仕事を上手く両立し、生活費の不安がなく過ごせるほうが良い介護につながるのではないかと思われます。そのためには、いきなり介護離職を選択するのではなく、介護休業等の国や会社の制度を利用できるかを検討する、ケアマネジャーに介護サービスを上手く活用し介護と仕事が両立できるケアプランを作成してもらうと良いでしょう。

また、在宅介護だけが要介護者や家族にとってベストな選択とは限りません。施設への入所やサービス付き高齢者向け住宅などに入居するなども視野に入れ、生活への不安がないことを第一に考えましょう。

まとめ

介護離職を選択して、後悔する事がないようにするためには、行動を起こす前に専門的な知識を持つ人に相談するようにしましょう。

介護と仕事の両立を目指して介護離職を避ける、介護離職しても問題がないかなどは、ひとりで悩んで決めるのではなく、専門家の客観的な意見を聞くことも重要です。

当サイトでは老人ホームの施設検索サービス「ヒトシア介護 施設ナビ」も運営しており、「親の介護について相談したいけど、どこに行けばいいかわからない」「親の介護をしなくてはいけなくなったけど、なにから始めればいいか分からない」といった介護を始めるにあったての相談も受け付けております。相談をご希望の方は、LINE@の公式アカウントを友だち追加し、トークからご連絡ください。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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