親の介護をするお金がない!費用を払えない時の対応や頼れる制度を紹介

親に介護が必要になった時、どのくらいお金がかかるのか気になるところです。親の介護の費用まで出す余裕がないということもあるでしょう。

介護に必要なお金がない時、どうすればよいのかを解説します。

親の介護には、どれくらいの費用がかかる?

親の介護の費用

公益財団法人生命保険文化センターの行った平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用の平均は1カ月あたり7.8万円で近年は横ばいで推移しています。

しかし、親の介護にどのくらいの費用がかかるかは、介護を必要とする年数、要する介護サービスの種類が頻度、自宅で介護を受けるのか介護施設に入るのかによって変わってきます。また、公的な介護サービスに必要な費用以外でも、食費やおむつ代、交通費など様々な費用がかかり、一概にいくら必要かとは言えない部分があります。

親の介護費用はいくらかかる?平均金額やお金がない時の対処法も紹介

親の介護は親のお金で

親の介護のお金は誰が負担するのかという問題が生じた場合、基本的に親の介護に必要なお金は親のお金で支払うようにします。子供には親の扶養義務がありますが、自分の生活を犠牲にしてまで支払わなくてはならないというわけではありません。

年金や預貯金などるから親が介護費用として毎月どのくらいの金額を出すことができるのかを明確にして、その範囲内で可能な介護を受けるように計画することが、長期にわたって無理なく介護を継続するためには大切なことです。

お金がない!親の介護費用が払えない場合の対処法

電卓とペン

介護が必要な状況であるにもかかわらず、親にも自分にもお金の余裕がない場合でも様々な対処法がありますので、諦めずにケアマネージャー等の専門家に相談するようにしましょう。

費用を抑えたケアプランを作成してもらう

ケアマネジャーにケアプランの作成をしてもらう場合、できるだけ費用を抑えたケアプランにしてもらうようにあらかじめ依頼をしておくと良いでしょう。

この際、「自己負担がいくらになるようにしてほしい」と具体的に話しておく方が、ケアマネジャーはプランが立てやすくなります。また介護にかかる費用は介護保険の自己負担以外にもおむつ代や食費等もかかります。これらの金額も考慮して、ひと月あたりどれぐらいの費用が出せるのかを伝えておくようにしましょう。

頼れる制度がないか確認する

福祉や保健医療の制度として支払った費用が一定の基準を超えた場合、低所得者の方に超えた分が返金されたり費用の上限を設けることがあります。ただしこれらの制度は利用者からの申請が必要です。

条件を満たして費用の減免を受けることができないかを確認し、利用可能なものは忘れず申請するようにしましょう。どのような制度があるのかの詳細は後述しますので参考にしてください。

生活保護を申請する

生活保護は生活に困窮している国民に対して国が必要な保護を行うことによって、最低限度の生活を保障すること目的とした制度です。現金や預貯金預貯金がない、年金が少なく日常的な生活に困窮するような場合は生活保護の申請も検討してみましょう。

生活保護を受給すると医療や介護保険にかかる自己負担が保護費として支払われます。そのため、医療費や介護にかかる費用が高額になる場合でも、その費用の支払の心配が少なくなります。ただし生活保護は誰でも受けられるわけではないため、受給資格があるかどうか確認をしておくようにしておく必要があります。

世帯分離する

世帯分離とは、同居している親子等で同じ住所に居住している場合に、住民票上の世帯を分けることをいいます

介護サービスの自己負担には「本人の所得によるもの」「世帯の所得によるもの」の2つのパターンがあり、世帯分離をすることによって親を単独世帯にすると、親の所得や資産によっては負担する金額が減額となることがあります。

ただし世帯分離をすることによって国民健康保険の保険料が増額になる、行政手続きを本人以外の人がするときに委任状が必要になるなどデメリットもあるため注意が必要です。

親が住民税非課税世帯でないか確認する

世帯に所属している全員が住民税を払わなくてもいい「住民税非課税世帯」であると、医療費や介護費、介護保険料が大幅に軽減されます。

住民税が非課税になるかどうかは、前年度の合計所得額が居住している自治体の定める金額を下回った場合になります。東京23区の場合は35万円が基準となっていますが、市区町村によって異なるため、まずは親が住んでいる市区町村はいくらが基準かを調べてみましょう。

また、母親が夫(子供からみて父親)と死別しており再婚していない場合、合計所得金額が500万円以下であれば「寡婦」に当てはまり、住民税が非課税となります。寡婦に該当する場合は、毎年日本年金機構から送られてくる扶養親族等申告書の「寡婦」欄にチェックをつけ忘れないようにしましょう。

介護保険の減免制度を活用する

生活に困窮している場合、介護保険料を減額する制度があります。世帯全員が市民税の非課税世帯で世帯の年間の収入が少ない場合や災害等の被害を受けた場合、収入が著しく減少したまたは減少すると見込まれる場合などには、申請をすることで介護保険料が減額となることがあります。該当すると思われる場合は申請を行っておきましょう。

リバースモーゲージを検討する

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして生活に必要な資金を借り入れし、死亡した時に担保にしていた不動産を売却して、借入金を返済する高齢者向けの貸し付け制度のことです。金融機関だけでなく、各都道府県の社会福祉協議会等でも取り扱いをしており、どの機関で借り入れるかによって、借入金の使途や借り入れ可能な金額、対象物件などに違いがあります。

持ち家に住んでいる場合、このリバースモーゲージを利用することで介護に必要なお金を借り入れできる場合があります。

お金がない場合に費用負担を減らせる制度

お金の捻出を考える女性

介護サービスの自己負担額を減らせる制度もあります。しかし、事前に申請をしておかないといけないものもありますので注意が必要です。利用を検討する時にはケアマネージャーに相談するようにしましょう。

特定入所者介護サービス費

介護保険施に入所すると、食費・居住費は基本的に全額全額自己負担となります。ただし所得等に応じて負担限度額が定められており、負担額の減額認定を受け「介護保険負担限度額認定証」を交付された場合、負担限度額を超えた分は介護保険からの給付となります。

特定入所者介護サービス費の対象となる介護サービスは以下の通りです。

なお、通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション(デイケア)、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護は対象とならないため注意が必要です。

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、ひと月に利用したサービスの利用者負担の合計額が一定の負担上限額を超えたときに、超えた分が払い戻され負担を軽減できる制度で、ひと月の負担上限額は利用者負担段階区分に応じて定められています。

また、高額介護サービス費の対象となるものは、公的介護保険の1割から3割負担をする部分に限られます。そのため、ショートステイでの食費や滞在費、介護施設での居住費や食費、ショートステイでの滞在費、特定福祉用具の購入費や住宅改修の費用など介護保険でも対象外となるものがあるので注意が必要です。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、1年間の医療保険・介護保険の自己負担額の合計が一定の基準額を超えたときに、その超えた額をの支給を受けることができる制度です。

支給の対象となる期間は、毎年8月1日から翌年の7月31日までの1年間で、7月31日を基準日として基準日時点の医療保険の世帯ごとに支給対象期間に受けた医療保険と介護保険の自己負担額を合算して計算します。

合算の対象となる世帯は基準日の医療保険の世帯となり、同じ世帯でも加入している医療保険が違う場合には加算の対象とはなりません。ただし後期高齢者医療制度は同じ住民票の中の被保険者同士を世帯とみなして合算することが可能です。

社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

社会福祉法人等が提供するサービス介護サービスを利用する場合、低所得で特に生計が困難な方や生活保護受給中の方について、社会福祉法人等の協力により利用者負担を軽減する制度があります。軽減される割合は利用者負担額の4分の1 (利用者負担段階第一段階の方は 2分の1)です。

生活保護受給中の方が介護福祉施設サービス、地域密着型老人介護、老人福祉施設、入居者入所者生活介護、短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護を受けている場合、個室の居住費に係る利用者負担額の全額が免除されます。

医療費として介護費用の控除をうける

介護サービスで支払った自己負担額のうち療費控除の対象となるものがあります。

訪問看護や訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション等のサービスはそれだけで医療費控除の対象となりますが、訪問介護(生活援助中心型を除く)や訪問入浴介護、通所介護(デイサービス)など他の医療費控除の対象となる居宅サービス等と合わせて利用する場合のみ、医療費控除の対象とすることができる居宅サービス等があるため、注意が必要です。

また生活援助中心型の訪問介護や認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)、有料老人ホーム等の特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与等医療費控除の対象とならない居宅サービスもあり、対象となるかどうかはケアマネージャーに確認をしておきましょう。

また、医療費控除を受けるためには自己負担額を支払った領収書が必要になるため領収書は保管しておくようにしましょう。

まとめ

親の介護の必要なお金が十分にない時には、様々な制度を活用することで費用を軽減したり介護に必要な資金を借り入れすることができることがあります。

しかし、これらの制度は変更があったり、自分が対象になるのかなど、理解が難しい部分もあるため専門家に相談するのがおすすめです。

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▼老人ホームの費用が払えない時の対処法はこちらの記事をチェック

老人ホームの費用が払えない!そうなってしまった場合の3つの対処法とは

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この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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