介護疲れの対策9選|相談先や支援制度など負担を軽減する方法を紹介

在宅介護を長く続けていくには、一人で抱え込まずに周囲の協力を得て無理なく介護ができる状態をつくることが大切です。

「日々の介護に疲れてしまった。在宅介護の負担を減らせる方法を知りたい」

「在宅介護がだんだん辛くなってきた。これからも続けられるように、介護疲れにならないための対策をうっておきたい」

といった方に向け、本記事では介護疲れにならないための対策や、介護疲れの状態になってしまったときの対処法をご紹介いたします。

介護疲れを防ぐ女性

まずは何が原因で介護疲れを起こしているか探ろう

在宅介護による疲れを取り除くには、まず「何が原因で介護に疲れているのか」を知ることが大切です。具体的に介護の何に疲れているのかが分からなければ、介護疲れを解消するための適切な対策をうつことはできないためです。

ここでは、介護疲れを引き起こす原因を「精神的負担」身体的負担」「経済的負担」に分けて、ご紹介します。自分の疲れは何に当てはまるのかを考えながら、読み進めてみましょう。

精神的負担

介護をしていく上では関係者がとても多いため、まず人間関係で疲れてしまうことがよくあります。

「ケアマネジャーが不親切で、合わない」「兄弟が親の介護に協力してくれない」「夫が姑の介護を丸投げにしてくる」など、人間関係のトラブルは介護につきものです。

また、認知症の方を介護していると「なんでこんなことをするの!信じられない!」と介護をしている相手に対して苛立ちを覚えたかと思えば、「介護が必要な人に怒ったり苛立ったりするなんて自分が情けない…」と自分を責めたり、「あんなにしっかりしていた親が介護される姿を見ているのが辛い…」と感じて落ち込んだりしてしまいがちです。

さらに、一人で介護をされている方だと、「こんなに頑張っているのに、誰も私の頑張りを認めてくれない。なぜ自分だけこんなに辛い思いをしなくてはいけないの…」と落ち込んだり、不公平だと苛立ったりすることもあるでしょう。

介護をしている側も人間ですから、そのような気持ちになって当然です。まずは何が原因で精神的な負担を感じているのか、客観的に眺めて整理してみましょう。

身体的負担

介護では入浴や着替えの介助、ベッドから車いすへの移乗や体位変換など、身体に負担のかかる場面が何かと多いものです。

また、「夜中のトイレに起こされて、眠れない…」「目を離せないので、息をつく暇もない」など、身体を休めることもできず、疲れがたまり続けることも良くあるでしょう。

少しの期間なら耐えられるかもしれませんが、半年、1年、2年…などと続くと体調を崩しても無理はありません。介護が必要な方だけでなく、介護をする方の身体のケアも、介護を続けていく上では必須です。

経済的負担

「親の介護と医療費がかさんでお金がない」「介護離職をして無職になり、貯金も底をつきそう」など、介護とお金の問題は切っても切り離せない問題です。

介護サービスそのものにかかる費用の他に、在宅介護をしていると食費や光熱費、社会保険料や医療費、おむつ代、遠距離介護をされている方だと交通費など、様々な費用が発生しています。

また、かかっている費用は多くなくとも、仕事ができず収入が少ないため経済的に苦しくなっている場合もあるでしょう。

何にどれくらいお金がかかっているのか、減らせそうなお金はないかを洗い出して検討してみたり、減免制度など費用負担を減らせる制度がないか探すことが大切です。

介護疲れを予防する対策・疲れを軽減させる対処法を9つをご紹介

何が原因で介護疲れの状態になっているかが分かったら、その原因を一つひとつ解決していきましょう。ここからは介護疲れを軽減するための方法をいくつかご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護疲れに陥らない女性

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1.頼れる人が周りにいないかを改めて確認する

兄弟や家族、親族に介護を数日間代わってもらう、ケアマネジャーさんに相談をするなど、周りをどんどん頼っていきましょう。また、民生委員や地域ボランティアなど、探してみると頼りになる人は周囲に数多くいるはずです。

数人でチームを組んで介護をおこなうことで一人あたりの負担が減ったり、介護保険に知識のあるケアマネジャーさんに相談をすることで悩みを解決できるかもしれません。

介護はひとりで負担を抱えなくていいものです。

認知症の方がいてどうしても目が離せないという場合は、あらかじめ近所の方に状況と緊急連絡先を伝えておき、何か起こったときには協力をしてもらえる体制をつくっておくことも大切です。

▼頼りになるケアマネジャーの選び方はこちらの記事をチェック

良いケアマネジャーの選び方とは?チェックしたいポイント5つを紹介

2.介護の相談窓口や支援団体に問い合わせる

相談窓口で相談する女性

© 健二 中村/stock.adobe.com

日々介護をおこなっていると人との交流が薄くなってしまいがちです。また、親の介護に関することは、親しい人でも相談しにくいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、周りの人に頼れず孤立化してしまうと、介護生活で感じたストレスや不安は全部自分ひとりでかかえることになってしまいます。

そのため「友人や周囲の人にはどうしても頼れない。世間体を気にしてしまう…」という方は、相談窓口で相談にのってもらうことをおすすめします。

介護についての相談は、各市区町村の介護保険の窓口や地域包括支援センター、社会福祉協議会、ボランティア団体などで受け付けています。また、民間でも電話で気軽に相談できるサービスなどを提供しているところもあります。

これらのような相談窓口をどんどん活用して、介護についての悩みやストレスを吐き出してしまいましょう。

すでに介護うつの傾向があると思われる方は、心理カウンセリングや心療内科を受診することも選択肢のひとつです。

3.悩みを共感することができる人と出会える場所に行く

ひとりで抱え込むことを防ぐためには、同じような境遇にいる介護仲間をつくることも効果的です。

介護をしながら生活をするうえで悩んでいることをお互いに相談しあったり、「介護あるある」で共感しあったり、有益な情報について交換しあったりすることで、日々の介護に対する気持ちが楽になるかもしれません。

介護仲間を作る場としては各市区町村が開催する「サロン」や「家族の会」、インターネットにある介護の掲示板、民間企業が運営する介護者があつまるカフェなどがあります。

知らない人と交流するのが苦手な方は、知り合いで介護経験がある方と仲良くなるという方法もあります。昔仲が良かった人のなかに、同じように介護について悩んでいる人がいたというケースもあります。

高齢者と介護者の手

©Farknot Architect/stock.adobe.com

4.介護する際のコツを知る

「突然介護をすることになったけど、全然わからない。自己流でやっているけど、とても疲れてしまう。」という方は介護のやり方を知るだけで、毎日の介護が楽になる可能性があります。

例えば、移乗介助や体位変換などでは、正しい体の使い方をすれば、腰などへの負担を最小限にすることができます。移乗介助の方法など、介護の方法はYouTubeなどの動画サイトでも学べるため、信頼できる発信元の動画を探してみるのがおすすめです。

その他にも、ケアマネジャーさんから教えてもらったり、セミナーに参加するなどして疲れない介護のやり方について学んでみましょう。

5.ケアプランを見直し、必要な介護保険サービスを活用する

要介護者の状況はずっと変わらず同じというわけではありません。もしかすると、今までよりも認知症の症状が重くなっていたり、身体機能が低下したりしていたせいで、今の利用している介護保険サービスでは在宅介護に無理がきているのかもしれません。

どのような時や介護をするときに負担が大きいかを具体的に話して、ケアマネジャーに相談してみましょう。介護保険サービスと一口にいっても様々な種類があるので、それぞれの環境や介護者の心理状態に適したサービスを提案してくれるでしょう。

▼介護保険サービスを徹底解説!使えるサービスがないか探してみましょう

【保存版】介護保険サービス一覧全25種解説(2021年改正版)

また、介護保険は適用されませんが、料理や買い出し、掃除、洗濯など家事代行をしてくれるサービスで介護以外の負担を減らすという方法もあります。直接的な介護ではありませんが、見守りや外出の際の付き添いをしてもらえるサービスもあります。介護保険適用外でも、頼れるサービスは積極的に活用し、負担を減らしていきましょう。

6.仕事をしている方は勤務先や国の制度を活用する

仕事と介護を両立している方にかかる介護の負担は、介護のみをおこなっている人に比べてとても大きいものになります。

とはいえ、職場が介護ストレスの発散場所になっている方も多いでしょう。

介護疲れが溜まり、今までどおり仕事と介護を両立していくことが難しいという場合には職場にその旨を相談しましょう。

勤務先が時短勤務やフレックスタイム制、短日勤務、テレワークなどを採用している場合は働き方を調整し、両立しやすくなる可能性があります。

また、日本には仕事と介護の両立を支え、推進する目的で「育児・介護休業法」というものが制定されています。

介護休業・介護休暇制度は、要介護状態にある対象家族を介護することを目的とし、かつ同じ職場で1年以上勤務している場合に、一定期間、休業や休暇を取得できるという制度です。

介護休業 介護休暇
目的 日常生活の世話など、ひとまとまりの休業 通院の付き合いなど、単発の休暇
期間 要介護状態に至るごとに1回ずつ通算93日まで ・1年に5日(対象家族1人)
・1年に10日(対象家族2人以上)

実は介護離職者の多くは企業や国の制度を使わずして仕事を辞める方がほとんどです。使える制度はどんどん利用していきましょう。

▼介護と仕事を両立させるコツを知りたい方はコチラ!

親の介護と仕事の両立は無理じゃない!介護離職しないための方法とは

7.介護福祉用具を利用し介護の負担を軽減する

介護用の車椅子

© japolia/stock.adobe.com

介護福祉用具は体力がいる介助や長時間の見守りなどを支援してくれるもので、介護にかかる負担を減らしてくれます。

介護福祉用具には以下のような用具があります。

  • 車椅子や歩行器、サイドウォーカーなど、移動を楽にする用具
  • 介護ベッドや起き上がり補助装置など、ベッドでの介護を楽にする用具
  • 浴槽手すりや移動用リフトなど、入浴介助を楽にする用具
  • 認知症老人徘徊感知機器など、要介護者の動きを感知し介護者に知らせる用具

また、介護福祉用具は購入か貸与かを選ぶことができます。(ポータルトイレなど、用具によっては購入のみとなりますのでご注意ください。)

利用したいという方はまずケアマネジャーさんに相談して、介護環境にあった介護福祉用具を選択しましょう。

8.ショートステイやデイサービスで自分の時間をつくる

「とにかく一旦介護から離れて、たまにはゆっくりしたい!」という方は、短期入所サービス(ショートステイ)や通所介護サービス(デイサービス)を活用しましょう。

24時間365日、ずっと介護していては、気が張り詰めたままで疲れてしまうのも無理はありません。ある程度まとまって自分の時間が取れるように、短時間でも介護のプロに親の介護を任せてみましょう。

介護をしない時間は、友達とカフェでおしゃべりする、趣味に没頭する、家族でゆっくり旅行するなどリフレッシュの期間として過ごすことができます。また、決まった曜日に介護サービスを利用すれば新しく習い事を始めることもできます。

自宅で介護をされている方にとっては、このような介護から離れ休息をとること(レスパイトケア)のために、介護サービスを利用することは、介護疲れを解消し、介護生活を続けるうえでとても重要です。

9.老人ホーム・介護施設への入居を検討する

「しばらく自分で介護をしたくない。でも、周りを頼ろうにも誰も協力してくれない。」「すでにショートステイなどを利用してはいるけど、それでも自分の時間が確保できなくてつらい。」という方は介護施設への入居もひとつの方法です。

例えばサービス付き高齢者向け住宅であれば、外出や面会時間も自由となっています。

そのため、「これ以上同居するのはつらいけれど、いつでも様子を見に行きたいし、たまには外につれていってあげたい!」という方にはおすすめの施設となっています。

介護施設にもいろんな種類がありますので、まずはどのような施設があるか情報を集めましょう。

「たくさん種類があってよくわからない!どんな施設があっているのか、詳しい人におすすめしてもらいたい」という方には、当サイトでも高齢者住まいアドバイザーがご状況に合わせたおすすめの施設を紹介いたしますので、公式LINE@からご連絡ください。LINE@の追加はコチラから。

▼サ高住など高齢者向け施設・住宅の種類まとめはこちら

老人ホーム・介護施設・サ高住などの入居条件まとめ|要介護度・年齢・認知症などの基準を比較

介護で疲れた自分の身体を癒そう

介護疲れを解消するには、制度や人を頼ることも大切ですが、日々の身体のケアも重要です。

お風呂にゆっくりとつかる、ストレッチをするなどで身体のケアをしましょう。ウォーキングなどの軽い運動も、リフレッシュするのにおすすめです。

また、部屋の照明を落として何もせずにくつろぐ、お気に入りの音楽を流したりアロマを焚くなど、短くても良いので自分の時間を作って自分の心身をいたわる工夫をしてみましょう。

まとめ

今回は、介護疲れの対策や対処法をご紹介しました。

在宅介護を続けていくには、介護を一人で抱え込まずに周囲を頼ることが大切です。頼れる人や制度を探し、介護の負担を減らしていきましょう。

また、「対策が沢山あるのは分かったけど、原因が複数あって何から手をつければいいのか分からない」という方には、当サイトで高齢者住まいアドバイザーによる相談も受け付けております。ご状況をお伺いしながら、介護疲れの負担を減らす対策をご提案致しますので、ご希望の方は公式LINE@からご連絡ください。LINE@の友だち追加はコチラから。

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この記事を書いた人:ヒトシア編集部

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
高齢者住まいアドバイザーの知見を活かしたわかりやすい解説を行っていきます。

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