「親の介護と育児が重なって辛い…」ダブルケアの問題点や支援を紹介

少子高齢化の我が国で、今ダブルケアの問題が女性の負担の増加やキャリアの断絶につながるとして社会問題となっています。もし、自分がダブルケアの問題に直面した時、どのように対策を打てばよいのか、そのポイントを解説していきます。

ダブルケアとは

ダブルケアのダブルとは、育児と介護のことで、育児を行っている人や世帯が、自分の親の介護もしなければならない状況にあることです

育児や介護の担い手には、体力的にも精神的にも大きな負担がかかりますが、その2つを同時に行うことの大変さはかなりのものになるだろうということは容易に想像でき、中には、育児と介護、仕事の3つを両立させる必要がある人もいます。

今後ますます増加すると推測されているダブルケアを行う必要がある人たちに対して、少しでも負担を減らすことができるように社会全体での対策が必要と言われています。

ダブルケアがうまれた背景

近年の女性の社会進出による、晩婚化・晩産化等が背景にあり、30代~40代で出産すると、子供が義務教育を終える頃には親は70代になっていると推測されます。その年代になると、親は介護を必要とする状態になることが増えることから、育児と子育てを同時に行わなければならない人が増えているという背景があります。

ダブルケアの現状

2016年に内閣府が発表したデータ*によると、ダブルケアを行っている人の人口は、25万3千人(女性約17万人、男性約8万人)と推計されています。また、育児を行っている人のうち、2.5%が介護も同時に行うダブルケアの状態であるとされています。

また、ダブルケアを行っている人を年齢層で見てみると、40~44歳が最多で27%を占め、次いで35~39歳の25.8%、30~34歳の16.8%、40~44歳の12.5%と続き、30~40歳代で全年齢層の約8割を占めていることになります。この世代は 仕事をしていくうえでも今後のキャリアを築いていく上でも重要な年代であり、ダブルケアをしている女性のうち約半数が仕事をしており、育児と介護、仕事を両立させる上で大きな負担を感じるのではないかと想像できます

*「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」(内閣府男女共同参画局、2016年)

ダブルケアの問題点

ダブルケアを行っていると、当事者だけではなくその子供や親などにもいろいろな問題点が生じます。

親の介護で子供が犠牲になる

親の介護に時間が必要になるために 、その分、子供と過ごす時間が少なくなることになります。特に、どこかに遊びに行ったり、旅行に行ったりなど余暇を過ごす時間は介護を行っていると引け目を感じて、犠牲にする傾向が見られます。

ケアの負担が女性に偏り、働き続けることが難しくなる

育児や介護は女性がするべきという考えが根強く残っている環境では、男性が育児や介護に平等に関わってくれるなど家族の十分な支援が受けられず、女性の負担が大きくなることがあります。

そのような状況では、女性がダブルケアを行いながら仕事も続けることが難しくなり、離職を選択する、業務量や労働時間を変更するなど、自分の仕事を犠牲にしなければならない状況に陥ります。

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ダブルケアへの支援が不十分

ダブルケアの負担を軽減するためには、公的な支援が不可欠です。しかし、地域によっては保育施設になかなか入ることができず子供を預けることができなかったり、十分な介護サービスを利用することができない場合もあります。

そのため、昼夜にわたり休む間もなくダブルケアを行わなければならない状況になることがあります。

社会からの孤立により精神的な負荷も大きくなる

ダブルケアを行っていると、育児や介護を中心とした生活になるため、社会とのつながりが希薄になります。それにより、ストレスを発散する機会や相談や話をする相手がいないなど、社会から孤立することになり、精神的な負担も大きくなって行くことになります。

金銭的な負担

ダブルケアでは子育てに係る金銭的な負担に加えて、自宅と親の家を行き来するための交通費や、介護にかかる費用の負担など経済的な負担も大きくなりがちです。しかし、残念ながらダブルケアを行っている人に対する金銭的な負担に対する支援は十分あるとは言えません。

ダブルケアのために離職したり、働き方を変えて収入が減った場合などで、その負担感はさらに増すことになります。

ダブルケアの対策

ダブルケアを行うには、いろいろな負担が増大してくることが考えるため、あらかじめ考えられる課題に対して、対策を考えておくようにしましょう。

親や兄弟と介護について話し合う

介護を受ける親の意向をしっかりと確認しておくことが大切です。親の面倒は自分が見なければならないと思っていても、親は子供に迷惑をかけたくないので、介護はプロに任せたいと思っていることもあります。親の意向を元にして、兄弟で誰が何をするのかの役割分担について話し合いをしておくと、ひとりに負担が偏ることが回避できます。

頼れる制度を調べておく

子育ての支援が受けられるファミリーサポートセンター事業や介護保険制度など、育児や介護に関する制度について調べておきましょう。制度の利用には条件があり、申請してから利用できるまでに時間がかかるものもあります。なかには、分かりにくいものもあり役所の窓口やケアマネジャーなどの専門家に相談すると良いでしょう。

ダブルケアが辛くてもう限界!負担を減らすにはどうすればいい?

ダブルケアを行っていると、負担が大きすぎて限界を感じることもあります。すると、良い育児も介護も出来ず、事態がどんどん悪い方向に向かっていく危険もあります。

ダブルケアについて相談できる場所や支援サービスを探す

ダブルケアが限界と感じる状況に陥ったときに一番大切なことは、決してひとりで抱え込まないということです。ダブルケアについてできる場所や人を探して、悩みを相談しましょう。公的な相談機関としては子育て世代包括支援センターや地域包括支援センターなどがあります。居住地の相談窓口がどこにあるのか探してみましょう。

自分がケアしなければならないという意識を変える

ダブルケアが辛く限界を感じている人は、ひとりで頑張りすぎているケースが目立ちます。頑張りすぎて、体調を崩すようなことになれば本末転倒です。何でも自分がしなくてはならないという意識を変えてるようにしましょう。短期間だけでもダブルケアの状況を解消し、ゆっくり休息したり、リフレッシュする時間が取れる方法を見つけましょう。

まとめ

育児や介護は、どちらか片方だけでもケアを担っている人の負担は大きく、その負担が同時期に重なることがどれくらい大変なことなのかは容易に想像できます。自分が頑張らなけれなという思い込みを捨て、できる人が出来ることをするようにチームでケアを行っていきましょう。

そのためには、身近に相談できる専門家を探しておき、いろいろな情報を得られるようにしておくことも大切です。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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