「親の介護、もう放棄したい…」と思ったら、自分一人の介護をやめよう!

親の介護をしなければいけないとは思いながら、自分の生活も犠牲にしたくないと考えることはおかしいことではありません。

しかし、「自分が面倒を見なければ親がどうなってしまうのだろうか」「親を見捨てることになるのではないか」と悩むこともあるのではないでしょうか。本記事では、親の介護の負担を軽減したいと考えている人に向けて、状況別の具体的な方法をご紹介します。

在宅介護を続けることの難しさ

人生100年時代と言われますが、75歳以上の後期高齢者になると介護が必要になる人が増えてきます。親がその年代の子供は40~50代のことが多く、仕事と介護、育児と介護を同時に行わなければならず、子供の悩みの種になっていることがあります。

例えば、在宅介護ではサービスの利用に関する手続きや通院の同行のために仕事を休まなけれならないことがあり、度々休むことに引け目を感じ、キャリアに影響するのではないかという心配もあります。

また、育児は子供の年齢によっては24時間休む暇もない場合もあります。育児と介護のダブルケアでは、そのような状態では身体的な負担も相当なものである上に、親の介護の負担までかかることになります。

その上、親に認知症がある場合や遠距離介護を行わなければならない、他の親族に頼れる人がいないなどの状況が重なれば、パンクしてしまいそうになっても無理はありません。

親の介護をもうやりたくない…介護から逃げるのは罪?

「親を介護し続けることはもうできない…でも、施設に預けるのは親不孝者と思われそうだし、親がかわいそう…」など、親の介護ができないことで、親を見捨てたのではないかと感じるかもしれません。

しかし、実際のところ親の介護ができない理由があれば、許される場合もあります。

法律的には、子に親の扶養義務があるが…

親が高齢になった時に、子供が面倒を見るのが当たり前と考える人もいます。しかし、子供が親の介護をしなければならないとしている法律はありません。ただし、民法には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。扶養義務というのは直接的な介護を指すのではなく、金銭的な援助のことを指します。したがって、親の介護ができないことが法令違反にはならないのです

また、金銭的な援助といっても自分の生活も守っていかなければなりませんし、自分の老後の資金も必要です。そのため、親の介護のために金銭的な援助を行う時には、余力のある範囲内で行うのが一般的です。義務感に縛られて悩むより、無理をしない範囲で、自分にできることは何かを考えていくようにしましょう。

施設に入居させることは親を「見捨てること」ではない

親や自分の自宅で介護を行うのが困難な時に介護施設に入居させるのは親を見捨てたり介護を放棄することになるのではないかと悩んだり、親や親戚にどう思われるのかと心配になることがあるかも知れません。

しかし、内閣府の調査*によると、55歳以上の人に介護を頼みたい人について聞いたところ、最も多かった回答は男性の場合は「配偶者」で56.9%、女性の場合は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%となっています。また、子と回答した人の割合は男性で12.2%、女性では31.7%であり、多くの親は子供に介護をしてほしいとは思っていないことが分かります。

したがって、親から見ても施設に入居することが決して見捨てられたとはならないと言え、むしろ子供には迷惑をかけたくないというのが親心なのではないでしょうか。

このように、親を介護できない状況にある場合には無理をして自分が介護をしようと頑張るよりも、施設への入居を勧めた方が良い場合もあります。

* 「令和元年版高齢社会白書」(2019年、内閣府)

自分ひとりでの親の介護を辞める方法とは

親の介護の大変さは、介護を必要とする程度やその環境など、置かれている状況や解決したい事柄によってその方法が違ってきます。ここでは、親の介護の負担を減らす方法をご紹介します。

要介護認定を受けていない場合

介護保険のサービスを受けるには、要介護認定を受けている必要があります。そのため、まだ要介護認定を受けていない場合は、地域包括支援センターや市区町村の窓口で要介護認定の申請をするようにしましょう。

また、地域包括センターでは介護に関する相談をすることができます。親の介護での悩みがある場合は気軽に相談してみてください。

介護サービスの利用で在宅生活の継続が可能か

親の介護は、すべてを子供がする必要はありません。介護サービスを利用しながら在宅生活が継続できるかどうかを検討していきましょう。そのためには、介護サービスを利用して希望する生活が可能かどうか、介護のプロであるケアマネジャーに相談をすると良いでしょう。

費用の支払いが可能な施設を探す

介護サービスを利用しても在宅生活の継続が難しいと考えられる場合、介護施設を探さなければなりません。ただし、かかる費用は施設によって大きな差があるため、長期間にわたって支払いが可能かどうかを見極める必要があります。

これから先生活をする場になる介護施設を決めるときは、必ずいくつかの施設を比較して、どこの施設にするのかを決めるようにしましょう。

親や親族を説得する

子供が親の介護をしないことに対して、否定的な考え方をする親や親族がいる場合は、なぜ介護ができないのかその理由を説明して説得する必要があります。介護が難しい理由を納得してもらえるように話し合う機会を持つようにしましょう

また、どうしても在宅での介護を希望する場合には、親族の中に介護を手伝ってもらえる人がいないかどうか、どの程度介護を手伝ってもらえるのかを確認して、一緒に考えてもらうと良いでしょう。

親の介護をやめてみて

親の介護をしたいと思っていても、仕事や様々な事情でできないこともあります。思い切って直接的な介護をしないことにして、プロに任せることで介護も自分の仕事もうまくいったケースもあります。

大手メーカーに勤務するA子さんは、父親の入院をきっかけに会社を辞めて介護に専念するべきか、これまでの自分のキャリアを継続するべきか悩んでいました。父親は自宅で過ごしたいという思いを持ちながらも、悩んでいるA子さんの気持ちもよくわかると理解し、自宅と同様に自由度の高いサ高住に入居することに同意をしました。在宅酸素を利用していましたが、サ高住では体調に変化がないか常に気にかけてもらえる為、毎日を安心して過ごせるようになり、父親もA子さんも満足した毎日を過ごすことができています。

入居時に高額な費用を必要としないサ高住では、もし満足いくような生活が送れなかった場合には退去することも容易です。介護は、やってみないとわからないこともたくさんありますので、親の介護をできない状況がある場合は、試してみるというのもひとつの方法です。

まとめ

親の介護を、直接自分がしない事が親を見捨てる事にはなりません。どうすることが親も自分にとっても、一番良い結果につながるのかをしっかりと考えていくことが重要です。

いずれの場合でも、自分ひとりで抱え込まないことが一番大切です。身近に、気軽に相談ができる人を見つけておきましょう。

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この記事を書いた人:寺岡 純子

この記事を書いた人:寺岡 純子この記事を書いた人:寺岡 純子

保有資格:終活カウンセラー上級、主任介護支援専門員、看護師、GCS認定コーチ
合同会社カサージュ代表。急性期の看護師として従事後、介護保険制度の開始と共に介護業界へ転身。超高齢社会の社会構造の変化を目の当たりにし、人生100年時代を自分らしく生きる必要性を実感する。 現在、20年間の介護業界での経験も生かしながら、終活をお手伝いする終活カウンセラーとして活動中。自分らしい人生を応援する『Happy Life College』を主宰。

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