ショートステイとは?気になる費用や利用できる期間まで徹底解説

普段在宅で介護をされている方は、

「高齢の家族がいるのに2日間も家を空けることになってしまった」

「体調を崩してしまって家で介護をすることが難しい…。数日だけでもいいので休養が欲しい」

というような場合に遭遇することも多いのではないでしょうか?

実際、親や配偶者の介護されている1/5の女性が「自由にできる時間がない」と答えています。

出典:厚生労働省「同居の主な介護者の悩みやストレスの状況」

中には、介護疲れによる共倒れや介護離職などを考えて、辛い思いをされている方もいらっしゃるでしょう。

そのような時に役に立つ介護サービスが老人ホームなどに一時的に宿泊することができるショートステイです。

今回は在宅介護をする上でぜひ知っておきたいショートステイについて、その役割から費用、利用できる期間などを解説していきます。

また、上記のような重大な理由でなくとも、家族の気分転換や旅行などで家をあけるといった理由でも利用することができますので、ご参考にしてください。

ただし、ショートステイの対象者は要介護認定を受けた方となっていることだけ注意しましょう。

ショートステイの役割

在宅で介護を行っている介護者は24時間の介護を担う必要があります。

そのため、身体的な疲労だけでなく精神的なストレスが蓄積することも多いでしょう。ショートステイはこのような介護者に代わって介護を必要としている方に介護施設に宿泊していただいて、24時間体制でプロの介護を提供します。したがって、ショートステイを利用することで介護者は心身の休息やリフレッシュ、用事を済ませるなどの時間を取ることができます。

これは介護者に対するレスパイトケアであり、ショートステイを上手に活用することで在宅生活の継続を目指すことが可能になります。

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ショートステイの種類

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短期間のあいだ高齢者が入居し、そこで日常生活に必要な介護保険サービスを提供するショートステイですが、大まかに分けると以下の4つの種類があり、それぞれ少しづつ異なる特徴を持っています。

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 短期利用認知症対応型共同生活介護
  • 介護保険適用外のショートステイ

それぞれのショートステイがどのような特徴を持っているのか詳しくみていきましょう。

短期入所生活介護

短期入所生活介護とは、宿泊する介護施設にて入浴、排泄、食事などの介護サービスやその他の日常生活の世話、機能訓練(リハビリテーション)などを提供するサービスです。

利用者の方ができるかぎり自宅で自立した日常生活をおくることができるように、機能維持や介護をおこなうと同時に、利用者の家族は一時的に介護から距離を置くことで、身体的・精神的な負担を軽減したり、冠婚葬祭など在宅介護をすることができないタイミングでも家族に代わって介護を提供することを目的としています。

短期入所生活介護は主に特養で行われており、要介護1以上の認定を受けている人が利用することができます。また、ショートステイ単独型事業所という他の介護サービスは提供せずに短期入所生活介護のみを提供する施設も存在します。

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短期入所療養介護

短期入所療養介護とは、宿泊する施設に医師や看護師、理学療法士などが常駐しており、医学的な支援を受けられる体制の下で看護や介護、機能訓練(リハビリテーション)、必要な医療的支援などを提供しているサービスです。

利用者の方ができるだけ家庭で自立した日常生活がおくれるように療養生活の質を向上させると同時に、短期入所生活介護と同様、利用者の家族の身体的・精神的な負担を軽減することを目的としています。

機能訓練(リハビリテーション)がサービスに含まれている分、短期入居生活介護よりも発生費用が高くなることが特徴で、こちらも要介護1以上の認定を受けていると利用することができます。

短期入所療養介護を提供している介護施設は、老健や介護医療院、介護療養型医療施設が該当します。

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グループホームを利用したショートステイ(短期利用認知症対応型共同生活介護)

グループホームは認知症の専門的な知識を持ったスタッフのもと、認知症の方が少人数で協力しながら生活する施設です。通常は入居して利用する施設になりますが、空き室を利用したり短期利用者専用を設けたりと短期的滞在(ショートステイ)を受け入れている施設もあります。

他のショートステイと同様に活用できるほか、入居を検討しているグループホームにお試しで泊まり、実際に入居を決めるかどうか検討するという利用方法もあります。

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介護保険適用外のショートステイ

有料老人ホームもショートステイのサービスを提供していますが、有介護保険の適用外のため全額自己負担で支払う必要があります。施設によって金額はバラバラですが、およそ数千円から2万円ほどで利用できます。

特養などが提供しているショートステイを利用するほうが費用はおさえられますが、緊急で利用したいが他の施設では空きがない場合や、入居を検討している老人ホームの見学を兼ねて利用をするケースが多いです。利用条件は施設によって異なりますが、基本的には要介護度の指定などがないケースがほとんどです。

東京都の新宿区の緊急ショートステイのように、介護保険施設が空いておらず緊急度が高いケースでは自治体の定める方法で申し込むと費用がおさえられることもあるので、お住まいの自治体のサービスも調べてみましょう。

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ショートステイにかかる費用

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ショートステイの費用は1泊単位で決められています。

費用の内訳は主に介護サービス費、滞在費、食費の三つで、送迎費や生活日用品代が必要になる場合もあります。

例えば要介護3、多床室利用の場合の方(1割負担)が特養でショートステイを利用した場合の費用の内訳イメージは以下のとおりになっています。

介護サービス費 722円
滞在費 1,970円
食費 1,380円
送迎費/生活日用品代 184円/250円
合計 4506円

施設によってこれに加算利用額が0~1000円程度加わるため、1泊にかかる費用の目安は約4,000~6,000円程度となってきます。

また2泊以上の宿泊も可能になっており、その場合は1泊で発生する費用×宿泊日数分の費用がかかることになります。

しかし、ショートステイの費用は要介護度やサービスの種類、市区町村によっても変わってきます。

そこで、次に費用に関わる条件について、より詳しく見ていきましょう。

サービス別の基本費用

ショートステイの費用は、サービスの種類や受け入れる施設の種類になって異なります。

以下で、介護保険が1割負担であった場合の基本費用をサービス別にみていきましょう。

短期入所生活介護の費用目安

  個室 多床室
要介護1 584円 584円
要介護2 652円 652円
要介護3 722円 722円
要介護4 790円 790円
要介護5 856円 856円

 

短期入所療養介護の費用目安

  個室 多床室
要介護1 753円 826円
要介護2 798円 874円
要介護3 859円 935円
要介護4 911円 986円
要介護5 962円 1039円

短期利用認知症対応型共同生活介護の費用目安

  1ユニット 2ユニット
要介護1 787円 775円
要介護2 823円 811円
要介護3 847円 835円
要介護4 863円 851円
要介護5 880円 867円

介護保険適用外のショートステイの費用目安

東京 京都 岡山
9,700~27,000円 11,800~20,520円 8,640~9,720円

このように短期入所生活介護と比べて、医療サービスの提供もおこなっている短期入居療養介護は少しだけ料金が高くなっており、有料老人ホームが提供している保険適用外のショートステイは他の種類と比べて高額になっています。

介護保険適用のショートステイの場合は、所得や貯金額によって負担限度額認定制度による減額がおこなえることもあるので確認しておきましょう。

ショートステイを利用した時の1日の流れ

ショートステイを利用したときの1日の流れはどのようになっているのでしょうか。

短期生活介護と短期療養介護、それぞれの例をみていきましょう。

短期入所生活介護の例

  • 7:00 起床
  • 8:00 朝食・口腔ケア
  • 9:00 レクリエーション
  • 10:00 (室内清掃)
  • 12:00 昼食・口腔ケア
  • 14:00 入浴・レクリエーション
  • 15:00 おやつ
  • 16:00 排泄介助・余暇活動
  • 18:00 夕食
  • 20:00 バイタルサインチェック
  • 21:00 消灯

短期入所療養介護の例

  • 6:00 起床
  • 7:30 朝食・健康チェック・口腔ケア
  • 9:00 個別リハビリテーション・体操
  • 12:00 昼食
  • 13:00 レクリエーション・集団リハビリテーション
  • 16:00 入浴
  • 18:00 夜食・口腔ケア
  • 20:00 就寝

このように短期入所生活介護、短期入所療養介護ともに一日の流れは似ていますが、短期入所療養介護のほうが機能訓練(リハビリテーション)を含めたスケジュールになっていることがわかります。

ショートステイを利用する時に必要な持ち物

いざショートステイを利用するとなった時にどのような持ち物を持参すればいいのでしょうか?

チェックリストで確認しましょう!

衣類

普段着(上)
普段着(下)
下着
防寒着
靴下
パジャマ
上履き

日用品

歯ブラシ
歯磨き用コップ
歯磨き粉
ティッシュ
オムツ
タオル

その他

杖・補助具
入れ歯
補聴器
眼鏡
化粧品
薬剤
介護保険証

このように身の回りの日用品や着替えを持参する必要があります。

数日間のショートステイの利用であればその日数分を持参するようにしますが、長期間のショートステイを利用をする場合には、日数分の着替えを準備することが難しいこともあります。そのようなときには数日おきに家族が洗濯をして持っていく必要があるのか、または施設の方で洗濯をお願いできるのかを確認しておくようにしましょう。

またお菓子やタバコなどの持ち込みをしたい方は施設のスタッフにあらかじめ確認しておくことが必要です。

ショートステイ中に体調不良や転倒をした時の対応は?

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ショートステイ中に不測の自体が起き怪我をしてしまった場合や、体調を崩してしまった場合には、緊急時の救急搬送を除いて原則としてまず家族の方に連絡して相談し、場合によっては利用を中止しなくてはいけなくなります。

普段生活をしている生活環境とは大きく環境が変化するため、利用者によっては精神的に不安定になったり、体調を崩したり、慣れない居住環境に変わるため、転倒などの事故が発生することもありますので念頭に入れておきましょう。

利用方法の流れについて

実際にショートステイを利用したい場合、下記のようなフローで利用を開始することができます。

  1. 相談・問い合わせ
  2. 施設スタッフ・ケアマネジャーとの相談
  3. 見学・申し込み
  4. 事業所内での検討
  5. 契約
  6. 利用開始

それぞれどのような対応が必要なのか詳しく見ていきましょう。

1.相談・問い合わせ

まずはショートステイを希望することをケアマネジャーに相談しましょう。(介護保険適用外の場合は直接施設に連絡する必要があります。)

施設に問い合わせをおこない、サービスの内容や一日に必要な料金の確認、空き状況などを確認します。

2.施設スタッフ・ケアマネジャーとの面談

フェイスシートや訪問看護など関係機関が作成した看護サマリーを元に、施設スタッフとケアマネジャーが面談をおこないます。そして、利用者の状態や施設の受け入れ体制まで情報を交換します。

3.見学・申込み

施設を見学、施設スタッフとの面談をおこないます

利用が決定すると、ケアマネジャーがサービス計画書のほか、介護保険被保険者証や介護負担限度額認定証の写しなどの書類を提出し、事業所によってはショートステイを利用するための申込書の記入が必要な場合もあります。

4.事業所内での検討

提出した書類やケアマネジャーとの面談などを参考に、施設スタッフによりサービス利用の可否を判定したり、リスクがある方への対応策などが検討されます。結果は電話やメールなどでケアマネジャーに連絡が入ります。

5.契約

利用可能であった場合は契約書などの説明を受け契約します。

6.利用開始

ここまで終わればいよいよ利用開始です。

大まかな流れはこのようになっています。ショートステイを利用したい場合はまずケアマネジャーと相談して進めていきましょう。また、介護保険適用外の有料老人ホームで行うショートステイは施設に直接連絡をすることで利用を進めることができます。

ロングショートステイとして長期利用することも可能

ロングショートステイとは本来は短期宿泊サービスであるショートステイを長期利用で利用することをいいます。

とはいえショートステイは長期的な施設利用ではないので、連続利用できる上限日数が決まっています。

連続利用の上限は最大30日/1ヶ月と定められていますが、要介護認定で定められた保険給付の限度額までの利用となるケースがほとんどですので、実際は利用可能な日数は要介護度によって異なります。

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以下、ショートステイのみで介護給付額の上限まで利用した場合において1か月間に利用できる日数の目安です。

要介護度 連泊上限日数
要支援1 7日
要支援2 12日
要介護1 18日
要介護2 20日
要介護3 26日
要介護4 27日
要介護5 30日

 

また、介護保険の適用される中でショートステイを利用しようとすると、下記の介護給付金支給限度額(1ヶ月あたりの介護保険が適用される限度額)を考えなければいけません。

要介護度 支給限度基準額
要介護1 166,920円/月
要介護2 196,160円/月
要介護3 269,310円/月
要介護4 308,060円/月
要介護5 360,650円/月

参考:「介護保険の支給限度額とは」

例えば、要介護3の方は介護給付金支給限度額は269,310円なので、1泊の介護サービス費が1万円の施設の場合、

269,310円/月÷10000円/1泊≒26日となり、1ヶ月で26日分ショートステイを利用できるいうことになります。

但し、これは概算であるため、部屋のタイプや各事業所が算定している加算、それにすでにデイサービス等他の在宅サービスを利用することで変動があります。

そして、上限を超えた分は全額自己負担となります。

また、年間の利用日数にも上限が設けられており、現在の要介護認定の有効期限までの残り日数のうち、その日数の半分までが利用可能とされています。

例えば、現在の要介護認定の有効期限が残り180日の場合、その半分である90日までは介護保険給付内の利用ができますが、91日以上使うと介護保険給付適用外となりサービスの全額自己負担することになります。

さらに連続で4日以上利用する場合には、ケアマネジャーによるケアプラン作成も必要になってきますので注意が必要です。

ロングショートステイとは?ショートステイ長期利用の費用や期間

ではここまでショートステイについてみてきたことを踏まえ、メリット・デメリットをまとめます。

4つのメリットについて解説

介護負担を軽減できる

介護に疲れてしまった方がレスパイト(休息)として利用ができるため、家族などの身体的・精神的負担を減らし、利用期間に気分をリフレッシュすることができます。

また介護施設への入居を検討していない場合でも、平日にショートステイを利用することで、平日は仕事をして休みの日などは家族で介護をするというようなこともできるようになるため、仕事と介護の両立をしたい人などにとっても便利なサービスといえるでしょう。

他の利用者と交流できる

高齢になるとどうしても家から出て誰かと交流することが少なくなってきてしまいます。

ショートステイを利用することによってレクリエーションや食事などを通じて他の利用者の方々との交流がもてるようになります。

施設の入居体験ができる

今後施設への入居などを検討しているものの、サービス内容や雰囲気が合うか不安な方は、入居した後の生活を体験をするという目的でショートステイを利用し実際に数日間サービスを受けることが可能です。

健康管理や機能維持をしてくれる

例えば、高齢者の単独世帯や高齢者のみの世帯で自立して生活していきたいと考えているものの、健康に不安がでてきた場合に、短期間ショートステイを利用しバイタルサインチェックや機能訓令(リハビリテーション)などのサービスを受けることで健康管理や機能維持を図ることができます。

4つのデメリットについて解説

予約がとりづらい

ショートステイは気軽に利用ができるため利用を希望している介護者が多く、とても人気があります。

そのため月初の希望通りに利用できない場合もあります。

また、急な利用希望などにも対応が難しくなっており、必要なときに利用できない可能性があります。

特定の状況に対応できない

例えばショートステイ中に感染症を罹ってしまった場合に他の利用者の方への感染症が懸念されるなど、正常に事業所が運営ができない場合に、施設側は全体の安全性や衛生的配慮をするために利用をキャンセルしたり予定よりも利用期間が短くする可能性があります。

短期間で環境が変化する

ショートステイは短期間のサービス利用になるので、環境の変化に高齢者がストレスやとまどいを感じる場合もあります。

そのため、認知症の兆候がある方は症状が悪化してしまう可能性があります。

また滞在期間が短い場合もあるため、気を許せる介護スタッフや他の利用者ができにくいというデメリットもあります。

日数に制限がある

ショートステイには利用できる期間に制限があります。

そのため家族の都合で介護ができない期間が長くなってしまった場合などには対応することができません。

日常的に介護施設でサービスを受ける必要性が出てきた場合には介護施設に申し込まれることをおすすめします。

まとめ

このようにショートステイを利用することは介護を行っている家族にとっても、健康状態などに不安を感じてきた高齢者の方にとっても必要なサービスとなっています。

しかし、ショートステイは利用者が多く予約がとりづらいため緊急時の受け入れが難しくなっています。また、認知症高齢者の方にとって負担になる可能性もあります。

急にショートステイが必要になることを想定して、急に必要になってもいいように、ショート側の空き状況に沿って予約を入れておきましょう。ショート側との関わりをつくっておくことが大切です。

認知症の方の場合は施設への入居なども検討するなど、複数の対応策を用意しておきましょう!

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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