在宅介護のメリットとデメリットとは?施設介護との違いもご紹介

介護保険制度は「いつまでも住み慣れた地域で…」という考えのもと在宅介護に重点を置いた取り組みを目指しています。

それをシステム化したものが、「地域包括ケアシステム」であり、一人の利用者(対象者)を地域が一体となりサービスを切れ目なく提供するのです。

そんな在宅介護ですが、老老介護や認認介護、介護離職、虐待問題などのマイナスなイメージもあり、国をあげて改善に取り組んでいるところでもあります。

在宅介護はメリットもデメリットもありますが、ケアマネジャーを中心に上手く機能すれば、利用者にとっても家族にとっても、「家庭で介護をして良かった」と思えるものになると思います。

今回は、在宅介護のメリットとデメリットを解説して、最初的に施設介護にするか、在宅介護にするか迷った場合の考え方をご提案致します。

在宅介護の3つのメリット

在宅介護は家庭において家族や社会資源、それに介護保険サービスを利用しながら支援することです。

個々の環境によって、何に重点を置いて支援するかは変わってきますが、在宅介護は住み慣れた「地域」や「人」のなかで生活ができるので、精神的な安定を図ることが出来ます。

以下、在宅介護のメリットを解説致します。

1.家族の介護力があれば費用を抑えることができる。

先程も述べましたが、在宅介護は家族、社会資源、介護保険サービスを利用しながら支援しますが、家族に介護力があれば介護保険サービスの利用を抑えることが出来ますので、結果的にトータルで必要になる費用を抑えることが出来ます。

ベッドや車椅子のレンタルは一ヶ月に数千円で借りられ、手すりやスロープの設置も介護保険の対象となります。

介護保険サービスを主とした在宅介護をした場合でも介護保険施設に入居するよりも費用を抑えることが出来ますので、とにかく費用をかけないようにするなら、無理のない範囲でなるべく在宅介護を継続させること良いでしょう。

2.住み慣れた環境で生活ができる

在宅介護の多くの場合は、その方本人の自宅で支援することが多いです。

仮に自宅以外の在宅介護だとしても、子供の家で支援を受けたりすることが多いので、環境面が大きく変化することはないでしょう。

国の施策である「地域包括ケアシステム」においても、在宅介護が中心となり、その方が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制を目指します。

とても身近な家族はもちろん、友人、隣人、かかりつけ医など、馴染みの関係のなかで支援を受けられるメリットがあります。

3.家族を身近に感じられる

高齢になっても自分の妻(夫)、子供、孫、ひ孫などに囲まれながら生活することは精神的な安定に繋がります。

精神的な安定が図れると、人生最期の場面を有意義に過ごすことになり、結果として介護する側、される側とも充実感のある日々を過ごすことになります。

特に介護される側の高齢者の場合は、喪失感が強く現れることも珍しくありません。

そのような状況のなか、自分の存在意義を感じて、一人の人間として人生を全うてきる喜びも体験できるのもメリットです。

在宅介護の3つのデメリット

在宅介護はプロでも難しいと感じるほど大変なことです。

それは、心身ともに強いストレスを感じ、介護する側の生活までもが大きく変化するからです。

以下、在宅介護のデメリットを詳しく解説致します。

1.ストレスを感じる原因となる

多かれ少なかれ、在宅介護をする上で家族はストレスを感じやすくなります。

日々の介護に対する心身面での疲労に加えて、いつまで続くか分からないストレスも感じることになるでしょう。

更に、同居家族以外からのプレッシャーを感じることもあります。

例えば、次男夫婦が同居して介護をしてきたら、別居の長男からの重圧もあります。

特にこのケースだと、次男の妻がプレッシャーを感じやすくなることが多いでしょう。

介護される側の心身のフォローと同時に、介護する側の心身のフォローも重視しなけばならないのがデメリットです。

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2.家族全体に影響が出る

要介護状態にもよりますが、家庭で介護をすることによって、家族全体に影響が現れます。

例えば、デイサービスに行く日には朝早く起きて準備をしなくてはならなかったり、ショートステイ利用中に何かあれば夜中でも連絡が入る可能性があり、それに備えなければなりません。

更に、訪問介護が入る時間帯には、必ず家族が自宅に居るような一日の流れにすることも考えられ、自由に行動することに制限が出ることもあることがデメリットです。

3.要介護4や5での在宅介護は難しい

重度とされている、要介護4や5の場合だと、医療と介護の専門的知識や技術が必要となるケースが多く、家族が不安になることもあります。

例えば「導尿が上手くできなかった…」「オムツを触って汚してしまう」「夜間、ポータブルトイレ利用中に転倒してしまった…」などが予想されます。

多くの場合は、介護保険サービスを利用することになるので、24時間家族だけが介護することはあまり考えられません。

それでも、夜間や緊急時など、介護保険サービス提供スタッフが不在の場合には、家族での対応が求められることもあります。

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在宅介護と施設入居のどちらがいい?

多くの人は金銭的なことを考えると、なるべく在宅介護をできるだけ頑張ろうと思うでしょう。

しかし、金銭的なことだけで考えると、介護する側の心身状況が乱れ、共倒れになる可能性があります。

一般的に、要介護1や2の段階では、どのような施設があるか調べたり入りたいところに見学に行ってみましょう。

そして、要介護3になればいつ施設介護に切り替えるタイミングを伺っていきます。

要介護4にもなれば、在宅介護がかなり苦痛に感じるようになるので、本人と相談し早目に施設介護に切り替えるといいでしょう。

要介護4以上であっても、介護をできる家族が多かったり、体力がある場合など、「家族の介護力」があれば在宅介護を継続させることはできます。

逆に要介護1や2でも、老老介護や認認介護などの状況なら、施設介護に頼る方が安心です。

また、元気で生活していても突然転倒して骨折し、手術した場合などは自宅に戻れなるなる可能性もあります。そんな時は念ため早目に施設介護に向けて動くことをお勧めします。

まとめ

在宅介護のメリットとデメリットをご理解頂けたと思います。

これは、ひとつの目安にしか過ぎませんが、在宅介護を継続させるか、施設介護に切り替えるかの参考になると思います。

介護を受ける本人は、いつまでも自分の家で家族と生活したいと思うでしょう。

しかし、介護する側の生活も成り立たせるためには、施設介護も検討する時がやってくるかもしれません。

そんな時に少しでも参考になれば幸いです。

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監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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