ロングショートステイとは?長期利用の費用や期間、注意点を解説!

「施設介護を望んでいるけど、なかなか空きがなくて利用できない…」

「介護者である家族が入院することになり、自宅で介護できる人がいない…」

こんなケースで便利なのが、ロングショートステイです。ロングショートステイをする場合、ショートステイを連続で利用することで、利用者が何泊も施設で介護を受けることになります。

ただし、これは本来想定されているサービスの利用方法ではありません。
そのため通常のショートステイの利用では特に意識する必要がないであろうことにも気を付けなければならないことがいくつかでてきます。

この記事ではロングショートステイの費用や利用可能期間をはじめ、ロングショートステイ特有の注意点などについても解説していきます。

ショートステイを長期利用と考えている方は是非参考にしてください。

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ロングショートステイとは

ロングショートステイとは本来は短期宿泊サービスであるショートステイを長期利用で利用することをいいます。

基本的には通常のショートステイをただ連続で利用するだけで、ショートステイのサービスを毎日受けるというイメージになります。

とはいえショートステイは長期的な施設利用ではないので、連続利用できる上限日数が利用規則として決められています。

そもそもショートステイとは…

普段は自宅で介護を受けておられる高齢者の方が施設に宿泊し、入浴・食事などの介護やその他の日常生活上の世話、機能訓練(リハビリテーション)といったサービスを受けることができる介護保険サービスです。

利用者本人が介護を受けられるだけでなく、介護者の家族が介護を休息するためにレスパイトケアとして利用することも多いサービスになっています。

ショートステイには短期入所生活介護短期入所療養介護があり、ショートステイを実施している施設によって名称が異なります。詳しくは以下の記事を御覧ください。

ロングショートステイとして利用できる期間

ロングショートステイを利用するときに1番気になるのが、どれくらいの期間ショートステイを連続利用し続けられるのかということですよね。

ここでは1ヶ月、または1年の間にどれだけショートステイを連続利用することができるのか解説していきます。

1か月間または1年間に利用できる日数の目安

ショートステイの連続利用の上限は最大30日/1ヶ月と定められています。

ただし実際は要介護認定で定められた保険給付の限度額までの利用となるので、利用可能な日数は要介護度によって異なります。

以下、1ヶ月間にショートステイのみを利用するときに、介護支給限度額の上限まで利用した場合において、1か月間に利用できる日数の目安を紹介します。

要介護度 連泊上限日数
要支援1 7日
要支援2 12日
要介護1 18日
要介護2 20日
要介護3 26日
要介護4 27日
要介護5 30日

また、介護保険の適応される中でショートステイを利用しようとすると、下記の介護給付金支給限度額(1ヶ月あたりの介護保険が適応される限度額)を考えなければいけません。

くわえてショートステイは年間の利用日数も定められています。年間の利用日数は現在の要介護認定の有効期限までの残り日数のうち、その日数の半分までが利用可能な日数とされています。

介護支給限度基準額

要介護度 支給限度基準額
要介護1 16,692単位/月
要介護2 19.616単位/月
要介護3 26,931単位/月
要介護4 30,806単位/月
要介護5 36,065単位/月

参考:「介護保険の支給限度額とは」

例えば、要介護3の方は介護給付金支給限度額は26,931単位なので、1泊の介護サービス費が1,000単位の施設の場合、

26,931単位/月÷1,000単位/1泊=26泊/月

となり、1ヶ月26日分ショートステイを利用できるいうことになります。

但し、これは概算であるため、部屋のタイプや各事業所が算定している加算、それにすでにデイサービス等他の在宅サービスを利用することで変動があります。

また先程もあった通り、年間の利用日数にも上限が設けられており、現在の要介護認定の有効期限までの残り日数のうち、その日数の半分までが利用可能とされています。

例外で上限が設けられない場合もあります!

実は、担当のケアマネジャーが保険者(自治体)に申し出ることによって、上限日数を決めず利用できる場合もあります。

原則、介護保険は困っている人を見捨てる制度ではありません。

制度上は日数は決まっていますが、ロングショートステイを終了したら行き場がないような場合には、臨機応変に対応してくれる場合もあります。

そのため、どうしても入ロングショートステイを利用し続けなければいけないという場合には、まずケアマネジャーさんに相談してみましょう。

ロングショートステイの費用

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ここではロングショートステイを利用する際にかかる費用について解説します。

ロングショートステイの場合、つまりショートステイを連続利用する場合は、

「1泊で発生する費用×宿泊日数分」の費用がかかることになります。

それでは費用の内訳についてより詳しくみていきましょう。

1日あたりにかかるショートステイの費用について

ロングショートステイで1日にかかる費用は通常のショートステイの費用と同じく、以下のような費用が必要となります。

  • 介護サービス費
  • 滞在費
  • 食費
  • 送迎費/生活日用品代

具体例でいうと、要介護3・多床室利用・1割負担の方が特養でショートステイを利用した場合、1日あたりにかかるショートステイの費用目安は以下の通りになります。

  • 介護サービス費 722円
  • 滞在費 1,970円
  • 食費 1,380円
  • 送迎費/生活日用品代 184円/250円
  • 合計 4506円

このうち介護サービス費は要介護度や施設の部屋のタイプ、各事業所が算定している加算によって変わってきます。

このようにショートステイ1泊にかかる費用の目安は約4,000~6,000円程度となっています。

【要介護度別】1日あたりの介護サービス費

先程説明した通り、1日にかかる費用のうち介護サービス費は利用者の要介護度によって変動します。

以下はショートステイを利用した際にかかる1日あたりの介護サービス費です。

これに滞在費、食費、送迎費・日用品代などを含めて1日あたりの費用の目安を計算してみましょう。

短期入所生活介護の費用目安

特別養護老人ホームなどで実施されているショートステイにかかる費用です。

個室 多床室
要介護1 584円 584円
要介護2 652円 652円
要介護3 722円 722円
要介護4 790円 790円
要介護5 856円 856円

短期入所療養介護の費用目安

老健(介護老人保健施設)、介護療養型医療施設、介護医療院などで実施されているショートステイにかかる費用です。

リハビリテーションや医療支援なども行っているため、1日あたりにかかる費用は短期入所生活介護より少し高くなっています。

個室 多床室
要介護1 753円 826円
要介護2 798円 874円
要介護3 859円 935円
要介護4 911円 986円
要介護5 962円 1039円

ロングショートステイの費用が全額負担になる場合

ショートステイは介護保険が適用されるサービスになりますので、基本的にはこれまで説明してきた費用を想定していただければ良いです。

ただし、ロングショートステイとして利用する場合に介護保険が適用されず、費用が全額負担となってしまう場合もありますので、注意が必要です。

介護支給限度基準額を超えた場合

ショートステイの費用は介護給付金支給限度額の範囲内であれば介護保険が適用されますが、ロングショートステイによって月にかかるショートステイの利用費が限度額の上限を超えた分は全額自己負担となります。

年間の利用日数を超えた場合

上記で説明した通り、ショートステイは現在の要介護認定の有効期限までの残り日数のうち、その日数の半分までが利用可能な日数とされています。

例えば、現在の要介護認定の有効期限が残り180日の場合、その半分である90日までは介護保険給付内の利用ができます。しかし、91日以上使うと介護保険給付適応外となりサービスの全額自己負担することになります。

ロングショートステイでの1日のスケジュール

ロングショートステイでのスケジュールは基本的に通常のショートステイ利用時のスケジュールと変わりません。

以下はショートステイ(短期入所生活介護)のスケジュール例になります。

  • 7:00 起床
  • 8:00 朝食・口腔ケア
  • 9:00 レクリエーション
  • 10:00 (室内清掃)
  • 12:00 昼食・口腔ケア
  • 14:00 入浴・レクリエーション
  • 15:00 おやつ
  • 16:00 排泄介助・余暇活動
  • 18:00 夕食
  • 20:00 バイタルサインチェック
  • 21:00 消灯

ロングショートステイを利用する場合の3つの特徴

ロングショートステイは本来のショートステイとは違う利用方法です。

そのため、注意しておかなければならないことがいくつかあります。

以下では特に気をつけるべき注意点を3つご紹介します。

1.ロングショートステイの利用には理由書の提出が必要

ロングショートステイは本来のショートステイの利用方法とは違います。

長期に渡り宿泊を繰り返すことは、施設に入居していることと変わりがないからです。

そうなると、本来の目的で利用したい人が利用できなくなる社会的課題もあるのです。

そこで、担当のケアマネジャーは保険者(自治体)に、なぜロングショートステイを利用する必要があるのか書類を提出する必要があります。

保険者(自治体)によっては、口頭での連絡だけで構わないところもありますが、全てはケアマネジャーが行なってくれるため、特に家族が作成するような資料は必要ありません。

2.ロングショートステイではケアプランが必要

ショートステイは介護保険サービスであるため、居宅ケアマネジャーが作成してくれるケアプランが必要になります。

ロングショートステイの場合は、これに加えてショートステイ利用中のケアプランも必要になり、ショートステイ事業所に在籍する全く別のケアマネジャーが、居宅ケアプランに基づいて作成します。

ロングショートステイのように長期的に施設に入る場合には、施設内(ショート利用中)の具体的は支援の方針が示されなければ、実際の介護現場での支援はできないためこのような対応が必要になります。

このようにロングショートステイでは、居宅ケアマネジャーが作成するケアプランと、ショート利用中の具体的なケアプランの2種類を作成するようになるのです。

ちなみに、ショートステイは連続利用4日を超えれば、ショート利用中のケアプランは必ず作成しなければなりませんが、1泊2日などでも自主的に作成する事業所は多いです。

3.ロングショートステイ中の福祉用具貸与について

家庭に一切帰ることのないロングショートステイであれば、在宅で使用する福祉用具貸与は利用する機会がないので一般的に貸与は認めれません。

ただし、頻度は少なくても在宅で介護をすることがあると、例外的に認められる場合もあります。

制度上ショートステイは連続30日間しか介護保険を使っての利用ができません。

そのため介護保険が適応されず全額自己負担をしなければならない31日目になると自宅で介護をし、また翌日から介護保険制度を利用してショートステイを利用するという方もいらっしゃいます。

そのような場合には在宅で介護が必要であると判断され、スロープやベッドなどの貸与が認められます。

車椅子についても同様ですが、要介護4や5でベッド上での生活が主体であり、使用することがなけば貸与は認められません。

ロングショートステイは施設入居ではありません

施設に何日もお世話になるので、家族としてはついつい施設に入居していると錯覚を起こしてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、ロングショートステイはあくまでも、在宅介護の扱いであり、制度上は家庭で生活されている方のサービスなので注意しておきましょう。

例えば、通院や外出は全て家族の手配で実施するのが基本となり、特養に入居することに比べると負担はあります。

ロングショートステイは、本来のショートステイの利用とは違った特別な方法であることを確認しておきましょう。

 

まとめ

施設入所をしたくてもなかなかできない人のために、利用できるのがロングショートステイです。

施設に一日でも早く入居してもらいたいけど、空きがなく困っている場合は積極的に活用することをおすすめします。

ショートステイそのものの需要が伸びていますので、ロングショートステイもなかなか利用できないケースがありますので、なるべく早目にケアマネジャーさんに相談しましょう。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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