ケアマネジャーの選び方を介護の専門家が紹介!担当を変えたい場合の対処法も

在宅介護においてケアマネジャーの存在は大きく、介護保険制度を利用して様々な介護サービスを受給するのに不可欠な存在です。

それだけ、利用者に合ったケアマネジャーを選ぶことは重要だということになります。

今回は、ケアマネジャーの役割や重要度を踏まえつつ、ケアマネジャーの選び方のポイントをご紹介します。

これから在宅介護をスタートする方や今のケアマネジャーに不満がある方にとって必ず役に立つ記事です。

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ケアマネジャーとは


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ケアマネジャーは介護支援専門員とも呼ばれ、介護保険制度が始まった2000年から出来た比較的新しい資格です。

近年では資格取得のための試験の合格率は1割程となり、狭き門になっています。

ケアマネジャーの仕事内容には以下のようなものがあります。

  • 要介護認定の代行申請
  • 要介護状態の認定調査
  • 介護サービス計画(ケアプラン)の作成・調整
  • 「サービス提供表」「サービス利用票」の作成・提出
  • 利用者の支給限度額とサービス利用料金負担額の管理

このようにケアマネジャーにはさまざまな役割がありまずが、最も代表的なものはケアプランの立案です。

在宅介護を行なうにあたり、例えばデイサービスや訪問看護などのサービスを組合わせて、それぞれの心身状況に合わせた一ヶ月単位の介護サービスのプランを作成し、利用者本人や家族に提案します。

その提案に対して納得してもらうとサービスの開始という流れになります。

ケアプランとは?作成方法から実際の例までケアマネジャーが解説!

ケアマネジャーはどうやって決めるの?

ケアマネジャーと契約したい場合、どのようにすれば担当のケアマネジャーがつくのでしょうか?

ケアマネジャーが在籍している場所は主に2ヵ所です。

  1. 地域包括支援センター
  2. 居宅介護支援事業所

地域包括支援センターは主に要支援1、2の方を担当し、居宅介護支援事業所では主に要介護1~5の方を担当します(地域包括支援センターからの委託により要支援の方も担当する場合があります)。

「介護が必要になりそう…」「もしかしたら認知症かも?」という段階であれば地域包括支援センターを訪ねるとよいでしょう。

まずば、要介護認定の申請を支援をしてくれます。

そして、要支援1か2と判定されると契約、という流れになります。

入院をきっかけに急に介護が必要になり、すぐにでも介護サービスを受けたいという状況なら居宅介護支援事業所に行くと契約ができます。

いいケアマネジャーの選び方4つのポイント

在宅介護を二人三脚で進めていくにあたり、「いいケアマネジャー」とは決して質の高い優秀な人だけをさすものではありません。

最終的には利用者や家族との相性を重視して選ぶ必要があります。

例えば、いくら知識や情報量が豊富であっても、丁寧すぎて距離感を感じるケアマネジャーはなんだか他人行儀に感じられ、言いたいことも遠慮してしまう場合もあります。

利用者や家族の性格にあったケアマネジャーでなければ、最終的なゴール地点を目指して取組むことが困難になるでしょう。

よって、人間性や質で選び、相性でもどうなのか考えで判断しましょう。

これから相性以外の点ではどのような視点でケアマネジャーを選べばいいかを解説していきます。

 

1.介護保険サービスについての情報量が多い


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例えば、デイサービスを探すにしても自宅周辺に複数存在するケースがあります。

その場合、「〇〇デイサービスは(他に比べて)ここがおすすめのポイントです」などの情報を共有してくれるケアマネジャーであれば、利用希望者が最も重視している点を配慮して選択することができます。

また、自宅周辺に新しい介護施設が建設されていれば、どのようなところか気になりますよね?

そのような場合、情報量が多いケアマネジャーならとても頼もしい存在になるのです。

情報量が多いケアマネジャーは以下のような特徴があります。

  1. 事業所内での作業重視でなく、外部に積極的に出て他のケアマネジャーとの結びつきも強い
  2. 常にアンテナを張っており、地域のことはもちろん介護保険改正などについても新聞などで情報を得ている
  3. 人と話すことを好み、些細な会話から情報をキャッチしようとしている

このような特徴があるケアマネジャーであれば、「この辺りでお風呂のきれいなショートステイはありますか?」「○○(施設名)の訪問リハビリの職員はどんな資格を持っていますか?」など具体的な質問をした際に、しっかりとした回答が返ってきます。

また、その場ではわからなくても、「こちらで知り合いのケアマネに聞いてみます」など付け足していただければ、その方に人脈があることが分かります。

 

2.フットワークが軽い

心身状況に変化があれば今後のサービスの手配を考えないといけません。

なるべく早く要介護認定の変更申請を行ない、新しい結果からサービスが受けられるようにする必要があります。

フットワークが軽いケアマネジャーは、利用者や家族から連絡がある前に、デイサービス等のサービス事業所から連絡を受けて、家族にその旨を伝え順序良く進めてくれます。

逆にフットワークが重たいケアマネジャーは、家族から連絡を受けてもなかなか動いてくれないため、「このままでいいのだろうか…」と不安になることがあります。

フットワークが軽いケアマネジャーは、24時間連絡が取れるようになっていることも特徴です。

また、携帯電話も持ってなかったとしても、別の職員が連絡を取ってくれたり、折り返し電話をしてくれる体制を整えています。

加えて、ケアマネジャーの方からも「最近変わりはないでしょうか?」などとこまめに連絡を入れてくれる人も頼りになります。

居宅介護支援事業所と契約する前に電話をし、連絡体制について尋ねたり、24時間受付窓口があるかどうか確認するといいでしょう。

 

3.所属の法人内だけでケアプランを提案しない

一つの法人で、特養やショートステイ、デイサービス、訪問介護・看護など複数の事業所を保有している場合、その法人所属のケアマネジャーはそれらのサービスを利用するように促す場合があります。

中には、法人全体の収益がアップするように、法人内のサービスだけでケアプランを作成するケアマネジャーもいます。

これを囲い込みと言います。介護保険制度ではなるべくこのようなことをさせないように、一定数を超えると『減算』というペナルティーを与えるようにしていますが、現状では減算になるギリギリのラインで行なっている事業所が多いです。

いいケアマネジャーであれば自分の法人のサービスにこだわらず、利用者に合ったサービスをしっかり提案してくれます。

これはなかなか表に出ないことなでの、見抜くことは難しいです。

事前に、しっかり自分達に希望する介護サービスがあることを伝える必要があります。

 

4.良い事は『YES』、おすすめ出来ない事は『NO』とはっきり言ってくれる

介護保険制度は利用者本位でなければなりません。

よって最大限その考えを尊重したケアプランを作成する必要があります。

いくら家族が希望するサービスであっても、利用者の心身状況を考えてそのサービスに合っていないと判断すれば、「それはおすすめできません」とはっきりアドバイスしてくれるケアマネジャーが親切です。

利用者の心身状況に合っていないのに「家族が希望するから…」という理由だけでケアプランを立案するのは、本当に利用者のことを考えているわけではないのです。

 

契約中のケアマネジャーとの上手な関わり方

折角、質の高いケアマネジャーが担当になっても、利用者側からの関わり方が十分でなければもったいないですよね?

では、どのような関わり方をすれば、担当のケアマネジャーに十分に力を発揮してもらい、お互いにプラスになるかを解説していきたいと思います。


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なるべく利用者の情報を伝える

信頼関係が構築されていない、初期の段階ではケアマネジャーでも、利用者本人のことについて、かなり詳しく尋ねることはありません。

ケアマネジャーと利用者は信頼関係なくしては、同じ目標に向かって二人三脚で前進することができませんので、その辺は慎重になってくれているはずです。

お互い、慣れてきてリラックスした状態で会話ができるようになった際には、可能な範囲でどんどん話しておきましょう。

例えば、経済的なこと、親戚とのお付き合いについて、離婚や再婚についてなどがあります。

これらのことを話すことによって、サービス事業所のへの情報提供が行なわれ、介護を受けるにあたり役に立つ情報もあるからです。

もちろん、ケアマネジャーを含め、全てのサービス事業所は守秘義務がありますので、個人情報は慎重に取扱いをしてくれます。

 

時には甘えることも大切

こんなことケアマネジャーに言ってもいいのだろうか?

急に家庭の都合でショートステイを利用したくなったがケアマネジャーに言いにくいなぁ…

など、遠慮する気持ちが出る場合もあります。

しかし、介護保険制度は利用者主体のものですので、気になることがあれば、どんどん甘えて自分達の考えや気持ちを伝えるようにしましょう。

そうすることによって、自分達の気持ちを理解してもらいやすくなり、言わなくても先に行動してくれる場合なども出てきます。

 

お礼の言葉を口にしよう

〇〇さんがいつもいてくれて助かります

おじいさんも〇〇さんを気に入ってくれています

など、普段から感謝の気持ちを口に出して伝えましょう。

感謝の気持ちを耳にすると意欲が高まり、より一層利用者ために支援をしてくれるようになります。

遠方に住まれている家族の場合は、時には感謝の気持ちを綴った手紙を送るのもひとつの方法でしょう。

 

介護ストレスの『はけ口』としても利用しよう

介護をする家族のストレスはかなりのものがあります。

施設で働く職員でも、「この方を奥さん一人が介護してたのか…凄く大変だろうね…」と感じることがあります。

身体的にきついことはもちろんですが、精神的なストレスも介護には付きものです。

そんなとき、親身になって話を聞いてくれるのが担当のケアマネジャーなのです。

ストレス解消として話をするだけでなく、別の介護サービスを検討してくれるチャンスになることだって考えられます。

 

ケアマネジャーにケアプランを立案してもらうのは有料?

介護保険サービスは1割~3割自己負担でサービスを受けるに対して、ケアマネジャーに対しては自己負担なしでケアプランを作成・立案してくます。

「私、あのケアマネジャーのお金払わなくてもいいのかしら…」と感じる人もいるようです。

ケアマネジャーへの報酬は全額(10割)各自治体の被保険者から受け取るようになっています。

よって、利用者が負担する費用は0円ということなのです。


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個人的にお菓子などをあげた方がいいのか?

いくら10割が被保険者から出ていると言っても、何もしないのは申し訳ないと感じる方もたくさんいます。

そこで、お菓子や商品券の贈り物をして感謝の気持ちを伝えようとする人もいます。

しかし、そのようなものを受け取ることは原則禁止されていますので、過剰に気にしてプレゼントなど考える必要はありません。
実際はちょっとしたお菓子などは受け取っていただく場合もあるようですが、感謝の気持ちを口に出して伝えるだけでも十分です。

 

ケアマネジャーを変更したいときの変更手続


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いいケアマネジャーがいれば悪い(合わない)ケアマネジャーもいらっしゃいます。
前文でケアマネジャーは相性も重要であることを述べましたが、「どうも自分にこのケアマネジャーは合っていないかも…」と感じた時は変更することもできます。

とは言っても、実際には余程のことがなければ変更しないのが現状です。

どうしても変更したい場合は勇気をもって変更しても構いませんので、ここではその方法をご紹介します。

 

同一事業所内でケアマネジャーのみ変更したい場合

例えば居宅介護支援事業所のなかには、2名以上の複数のケアマネジャーが在籍している場合があります。

その複数のなかに、必ず管理者(主任ケアマネジャー)が居ますので、その人に相談して別のケアマネジャーに変更して欲しい旨を伝えます。

変更を希望する理由を聞かれると思いますが、包み隠さず話すことをお伝えします。

そうしないと、変更したケアマネジャーにも同じような対応をされる可能性があるからです。

 

事業所ごと変更したい場合

変更を希望する居宅介護支援事業所に相談に行き、変更したい旨を伝えます。

このとき、「分かりました、前のケアマネジャーにはこちらから伝えておきます」と言ってくれるケースもあれば、「前のケアマネジャーにはそちらでお伝え下さい」と言われる場合があります。

希望する居宅介護支援事業所先のケアマネジャーがその話を受け入れてくれるのであれば、そのまま契約し再スタートとなります。

 

ケアマネジャーを変えた時、ケアプランはどうなるのか?

通常であれば、前のケアマネジャーから新しいケアマネジャーに情報が届くことになります。

そのなかにケアプランもありますので、それを参考にして新しいケアマネジャーが作成することになります。

よって、全てが白紙の状態になるわけではありませんので、そのまま利用しているサービス事業所を利用することになります。

もし、新しいケアマネジャーに切り替わる際に、追加で要望などがあればそれを伝えるようにしましょう。

条件が合えばケアプランに反映してもらえることができます。

 

ケアマネジャーがこうなりはじめたら要注意

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ケアマネジャーも人間です。お付き合いが長くなれば、ついつい気が緩むことだってあります。

最初は几帳面でマメに連絡をくれて、ケアプランも丁寧に立案してくれていても、やがて手を抜いたり、雑になってしまうことがあります。

そこで、ケマネジャーがついつい手抜きや雑になりがちな仕事について紹介します。

早期に指摘して、ケアマネジャー変更などの状況を防ぎましょう。

 

居宅サービス計画書(ケアプラン)について押印のみ求めてくる

内容が同じようなものが続くと、居宅サービス計画書(ケアプラン)の一番下の欄のサインと押印のみを求めて、具体的な説明がない場合があります。

「なぜ、継続の必要性があるのか?」「期間は適切に設定されているか?」など、直接会って説明していただいた後に押印やサインを書かなければなりません。

そのような兆候が現れ始めたら要注意です。

 

面談に来てもすぐ帰る

ケアマネジャーは月に一度は必ず利用者や家族と面談し、それを記録に残さないといけません。

何回か面談をしていると、「今日は次があるから~(いつもと変わりないね)」と言って、面談をすぐに切り上げようとするケアマネジャーもいます。

面談は利用者本人の心身状況に変化はないかを観察するだけでなく、介護サービス事業所についての感想や意見も尋ねて把握し、次のケアプランに繋げられるようにしなけばなりません。

それが雑になると、利用者に合ったケアプランにならない可能性があります。

 

訪問調査に同席してくれない

介護認定の際、訪問調査が行なわれますが、通常は多くの場合担当のケアマネジャーも同席し、家族に代わって重要なポイント調査員に伝えてくれます。

しかし、それが十分に行なわれなくなると、利用者と家族だけで訪問調査を受けるようになり、とても不安に思うだけでなく、正確な結果が出ない場合もあります。

例えば、調査の当日ショートステイなどの介護サービスを受けていたとしても、その場所までケアマネジャーが来てくれるようにします。

家族や利用者本人に任せっきりになるようであれば要注意です。

 

介護サービス事業所と連携がとれていない

例えば、ケアマネジャーに「最近足が痛いと言うことがあります」と家族が伝えたとします。

通常ならそのような情報は、各サービス事業所に連絡が行き、それに配慮したケアが行なわれます。

しかし、ケママネジャーがしっかり連絡してないと、利用者に無理をさせるなどして、ケガをさせたり、転倒・転落のリスクが高まる場合があるのです。

「あれ?もしかしたら、連絡が届いてないかも?」と感じたら要注意です。

 

まとめ

ケアマネジャーは単に、真面目で優秀な人だけを指して『いいケアマネジャー』とは言いません。

利用者や家族との相性も大切です。

それでも実際には、頼りになるケアマネジャーに担当してもらいたいのが本音でしょう。

今回、解説したいいケアマネジャーを選ぶコツや付き合い方を参考にして頂き、同じゴールを目指して二人三脚で歩めるようにしましょう。

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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