ケアマネジャーとは?役割や選び方、付き合い方を解説【在宅介護の初心者向け】

この記事を読まれている方の中には「在宅介護を始めるために要介護認定の申請をして、地域包括支援センターに相談したら、『ケアマネ』を紹介されたけど、この人は誰?」という方が多いのではないでしょうか。

介護をしていく上で家族を様々な面でサポートしてくるのがケアマネジャーであり、強くかかわりをもっていく存在です。

本記事では、ケアマネジャーの役割や選び方、どのように付き合っていけばよいかを解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

ケアマネジャーの女性

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ケアマネジャーとは

ケアマネジャーは「介護支援専門員」という国家資格をもった介護の専門家です。

介護をする中では、要介護者の状況に合わせて様々な介護の職種や専門家が連携をとって介護サービスを提供しています。ケアマネジャーは、それら介護の専門家や職種を選定・手配して、調整を行いながら要介護者とその家族をサポートする役割を担っています。

ケアマネジャーの仕事内容には、具体的に以下のようなものがあります。

  • 要介護認定の代行申請
  • 要介護状態の認定調査
  • 介護サービス計画(ケアプラン)の作成・調整
  • 「サービス提供表」「サービス利用票」の作成・提出
  • 利用者の支給限度額とサービス利用料金負担額の管理

このようにケアマネジャーには様々な役割がありまずが、最も代表的なものはケアプランの立案です。

ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれくらいうけるかの計画のことです。介護保険サービスを利用して在宅介護を始めると、介護が必要な方一人に対して一人のケアマネジャーが担当としてつき、ケアプランを作成してくれます。

具体的な流れとしては、月に一回、利用者本人と介護をしている家族の希望、心身状況などをヒアリングし、一ヶ月単位の介護サービスのプランを作成します。そのプランを利用者本人や家族に提案し、利用者本人と家族から了承してもらうと、そのプランに基づいてサービス提供が開始されます。

▼ケアプランについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック

ケアプランとは?作成方法から実際の例までケアマネジャーが解説!

介護支援専門員は介護保険制度が始まった2000年から出来た比較的新しい資格で、近年では資格取得のための試験の合格率は1割程となり、狭き門になっています。

介護支援専門員の資格試験を受ける条件は、介護福祉士や社会福祉士、看護師などの国家資格をもっており、かつ介護現場での実務経験がある方になるため、まさにケアマネジャーは知識も経験も備えた「介護の専門家」です。そのため、介護をしていく上で何か不安なことや分からないことがあれば、まずはケアマネジャーに相談しましょう。

ケアマネジャーにケアプランを立案してもらうのは有料?

介護保険サービスは1割~3割自己負担でサービスを受けるに対して、ケアマネジャーに対しては自己負担なしでケアプランを作成・立案してくます。「私、あのケアマネジャーのお金払わなくてもいいのかしら…」と感じる人もいるようです。

ケアマネジャーへの報酬は全額(10割)各自治体の被保険者から受け取るようになっています。よって、利用者が負担する費用は0円ということなのです。

ケアプラン作成に費用はかからない

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個人的にお菓子などをあげた方がいいのか?

いくら10割が被保険者から出ていると言っても、何もしないのは申し訳ないと感じる方もたくさんいます。そこで、お菓子や商品券の贈り物をして感謝の気持ちを伝えようとする人もいます。

しかし、そのようなものを受け取ることは原則禁止されていますので、過剰に気にしてプレゼントなど考える必要はありません。実際はちょっとしたお菓子などは受け取っていただく場合もあるようですが、感謝の気持ちを口に出して伝えるだけでも十分です。

ケアマネジャーはどうやって探すの?

介護保険サービスを利用するには、ケアプランが必要です。ケアプランは自分でも作成できますが、ケアマネジャーに作成を依頼することが一般的です。それでは、担当してくれるケアマネジャーを探すにはどうすればよいのでしょうか。

ケアマネジャーが在籍している場所は主に2ヵ所です。

  1. 地域包括支援センター
  2. 居宅介護支援事業所

地域包括支援センターは主に要支援1、2の方を担当し、居宅介護支援事業所では主に要介護1~5の方を担当します(地域包括支援センターからの委託により要支援の方も担当する場合があります)。

市区町村の介護保険課か地域包括支援センターを訪ねると、ケアマネジャーのリストや居宅介護支援事業所のリストを見せてもらえますので、ケアマネジャーを探す場合はまず介護保険課か地域包括支援センターに相談しに行きましょう。

いいケアマネジャーの選び方

ケアマネジャーの選び方

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ケアマネジャーを探す段階では、候補を複数出しておきましょう。ケアマネジャーの候補に面談を依頼したら、利用者本人と介護をする家族の相性にあったケアマネジャーを選んできます。

「相性にあったケアマネジャーを選ぶ」といっても、初めてだとどう判断したらよいか分からないと思いますので、まずはケアマネジャーの「能力」と「人柄」をみてみて、信頼関係を築けそうかどうか考えてみましょう。以下に、チェックしておきたいポイントを紹介します。

  • 介護保険サービスについての情報量が多い
  • 相談しやすい・話しやすい雰囲気であるか
  • 親身に話を聞いてくれるか
  • 利用者本人と家族に対して公平な態度か(偉そうな態度をとらないか)
  • 利用者の立場にたって納得できるケアプランを提案してくれるか
  • 分かりやすい説明をしてくれるか
  • 相談したいときなどの電話がつながりやすく、何かあった時の対応が早いか
  • 所属している法人内だけでケアプランを提案しないか
  • 良い事は『YES』、おすすめ出来ない事は『NO』とはっきり言ってくれるか

また、ケアマネジャーは基礎として持っている資格がそれぞれ異なるため、何の資格を持っているか尋ねてみましょう。看護師であれば医療に明るく、介護福祉士であれば日常生活をサポートしてくれる介護サービス、社会福祉士であれば困った時に頼れる福祉制度に詳しいなど、得意分野が異なるため、判断材料として聞いてみることをおすすめします。

契約中のケアマネジャーとの上手な関わり方

ケアマネジャーは介護をしていく中で長く関わっていく存在です。そのため、上手に付き合って、良好な関係を保っていきたいものです。

ここでは、ケアマネジャーと良好な関係を保ちつつ、より利用者本の希望や状況にあったケアプランを作成してもらうためのケアマネジャーとの付き合い方をご紹介します。

ケアマネジャーとのかかわり方

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なるべく利用者本人の情報を伝える

お互い慣れてきてリラックスした状態で会話ができるようになった際には、可能な範囲でどんどん利用者本人の情報を伝えておきましょう。

例えば、本人の性格や生い立ち、していた仕事、好き嫌い、家族や親戚と付き合い、経済状況などがあります。

家族にとっては些細で関係ないと思われる本人の情報でも、そこからヒントを得て利用者本人にあった介護サービスを選定してくれます。さらに、認知症介護などで何か問題行動があっても、その原因を探り、問題解決をするための要素になったりもします。

また、日ごろの心身の状況や介護サービスに対しての反応などもこまめに伝えると、より利用者本人に沿ったケアプランを作成してもらうことに繋がります。

もちろん、ケアマネジャーを含め、全てのサービス事業所は守秘義務がありますので、安心して利用者本人の情報を伝えてみましょう。

希望を具体的に伝える

のような介護をしてほしいか、どのくらいの予算でお願いしたいかなど、介護サービスに関する希望は具体的に伝えるようにしましょう。

ケアマネジャーは介護の専門家ではありますが、何も希望や情報がない中で利用者本人と家族にぴったり合ったケアプランを作成することはできません。

介護サービスについて詳しいことは分からなくて問題ありませんので、「毎月何日は通院しなくてはいけないので、付き添いをしてほしい」「目が離せなくて家事をする時間がないので、お昼に3時間だけでも面倒を見てもらいたい」など、困っていることやしてほしいことを具体的に伝えてみましょう。

分からないことの質問や何かあった時の相談は遠慮しない

こんなことケアマネジャーにきいてもいいんだろうか?

急に家庭の都合でショートステイを利用したくなったがケアマネジャーに言いにくいなぁ…

など、遠慮する気持ちが出る場合もあります。

しかし、介護保険制度は利用者主体のものですので、気になることがあれば、どんどん甘えて自分達の考えや気持ち、疑問を伝えるようにしましょう。

そうすることによって、自分達の気持ちを理解してもらいやすくなり、言わなくても先に行動してくれる場合なども出てきます。

お礼の言葉を口にしよう

「〇〇さんがいつもいてくれて助かります」

「おじいさんも〇〇さんを気に入ってくれています」

など、普段から感謝の気持ちを口に出して伝えましょう。

仕事であるとはいえ、ケアマネジャーとは二人三脚で介護をしてく大切なパートナーです。人間関係を良好に保つには、してもらったことに対して感謝の気持ちを伝えるのが基本でしょう。「ありがとう」の一言をやりがいに仕事をしているケアマネジャーもいますし、より一層利用者ために支援をしてくれるようになるはずです。

遠距離介護をしている場合は、帰省したタイミングで利用者本人の状況を伝えるついでに感謝を述べても良いですし、時には感謝の気持ちを綴った手紙を送るのもひとつの方法でしょう。

ケアマネジャーを変更することはできる?

ケアマネジャーの変更方法

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ケアマネジャーを選ぶ際は相性も重要であることを述べましたが、「どうも自分にこのケアマネジャーは合っていないかも…」と感じた時はケアマネジャーを変更することもできます。

ケアマネジャーを変更するには、「同一事業所内でケアマネジャーのみ変更する」方法と「事業所ごと変更する」方法の2つが考えられます。

利用している居宅介護支援事業所に2名以上のケアマネジャーがいる場合は、必ず管理者(主任ケアマネジャー)が居ますので、その人に相談して別のケアマネジャーに変更して欲しい旨を伝えれば、変更が可能です。

事業所ごと変更する場合は、変更を希望する居宅介護支援事業所に相談に行き、変更したい旨を伝えれば変更が可能です。

ケアマネジャーがこうなりはじめたら要注意

ケアマネジャーの変更を防ぐ

ケアマネジャーも人間です。お付き合いが長くなれば、ついつい気が緩むことだってあります。

最初は几帳面でマメに連絡をくれて、ケアプランも丁寧に立案してくれていても、やがて手を抜いたり、雑になってしまうことがあります。

そこで、ケマネジャーがついつい手抜きや雑になりがちな仕事について紹介します。

早期に指摘して、ケアマネジャー変更などの状況を防ぎましょう。

居宅サービス計画書(ケアプラン)について押印のみ求めてくる

内容が同じようなものが続くと、居宅サービス計画書(ケアプラン)の一番下の欄のサインと押印のみを求めて、具体的な説明がない場合があります。

「なぜ、継続の必要性があるのか?」「期間は適切に設定されているか?」など、直接会って説明していただいた後に押印やサインを書かなければなりません。

そのような兆候が現れ始めたら要注意です。

面談に来てもすぐ帰る

ケアマネジャーは月に一度は必ず利用者や家族と面談し、それを記録に残さないといけません。

何回か面談をしていると、「今日は次があるから~」「いつもと変わりないですね」などと言って、面談をすぐに切り上げようとするケアマネジャーもいます。

面談は利用者本人の心身状況に変化はないかを観察するだけでなく、介護サービス事業所についての感想や意見も尋ねて把握し、次のケアプランに繋げられるようにしなけばなりません。

その面談が雑になると、利用者に合ったケアプランにならない可能性があります。

訪問調査に同席してくれない

介護認定の際、訪問調査が行なわれますが、通常は多くの場合担当のケアマネジャーも同席し、家族に代わって重要なポイント調査員に伝えてくれます。

しかし、それが十分に行なわれなくなると、利用者と家族だけで訪問調査を受けるようになり、とても不安に思うだけでなく、正確な結果が出ない場合もあります。

例えば、調査の当日ショートステイなどの介護サービスを受けていたとしても、その場所までケアマネジャーが来てくれるようにします。

家族や利用者本人に任せっきりになるようであれば要注意です。

介護サービス事業所と連携がとれていない

例えば、ケアマネジャーに「最近足が痛いと言うことがあります」と家族が伝えたとします。通常ならそのような情報は、各サービス事業所に連絡が行き、それに配慮したケアが行なわれます。

しかし、ケママネジャーがしっかり連絡してないと、利用者に無理をさせるなどして、ケガをさせたり、転倒・転落のリスクが高まる場合があるのです。

「あれ?もしかしたら、連絡が届いてないかも?」と感じたら要注意です。

まとめ

在宅介護をしていく上で、ケアマネジャーは二人三脚で介護をしていく心強いパートナーです。利用者本人と家族の相性にあったケアマネジャーを選んだら、良好な関係を築けるようにしていきたいですね。

また、ケアマネジャーは介護の専門家ですので、何か不安なことや分からないこと、困ったことがあれば遠慮せずケアマネジャーに話してみましょう。

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この記事を書いた人:目黒 颯己

保有資格:高齢者住まいアドバイザー検定 ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)
大学卒業後、株式会社ネオキャリアに入社。総合求人サイトの立ち上げの経験後、老後を自分らしく過ごすための情報サイト「ヒトシア」の立ち上げを経て介護施設・老人ホームの紹介事業を行っております。
現在はヒトシアと並行して介護士向け求人サイトも兼務しており、介護全般に精通しています。
参考:http://ksa-kentei.com/adviser/3695

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