在宅介護について徹底解説!これを読めば実際の流れからサービスの種類、費用まで一気にわかる!

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介護が必要になった際、まず最初は在宅での介護を検討される方も多いのではないでしょうか。

在宅介護は、ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを組み合わせるなどして行われます。

在宅介護は介護保険サービスを中心に、ボランティアや民生委員などの社会資源も活用しながら、個人個人にあったプランを作っていきます。

ただ、在宅介護は様々なサービスの形態が存在し、在宅介護を行っている家庭も千差万別なので、一概にはどのサービスがいいとは言えないこともあります。

この記事ではそんな在宅介護について、どんなサービスを提供しているのか、費用はどのくらいかかるのか、在宅介護はもう難しいかなと思ったときの対処法など、在宅介護にまつわることを網羅して解説していきます。

在宅介護の介護保険サービスの種類

まずは在宅介護を始めるにあたって必要な介護保険サービスにはどんな種類があるのか見ていきましょう。

訪問介護

訪問介護は、家庭まで介護スタッフが来てくれて、食事を作ってくれたり、トイレや食事などの支援をしてくれる会g保険サービスです。

訪問する家庭はサービスを受ける本人の自宅とは限らず、別居している親族の家でもサービスを受けることができます。

訪問介護は生活空間に入ってもらい、その環境に合わせた介護を受けることができるのが最大のメリットですが、一方でトイレやキッチン、寝室などのプライベート空間を見られるのがデメリットです。

おむつ交換や食事介助の方法を、家族にアドバイスしてくれたりもするので、困ったときには頼りになるでしょう。

デイサービス

介護スタッフが家庭に訪問してくれる訪問介護に対して、デイサービスは、介護を受ける本人が介護スタッフが在籍する建物に行ってサービスを受けることができます。

家庭まで迎えに来てくれるため、介護タクシーなどを使ったり、家族が連れていく必要もありません。

デイサービスでは、血圧測定などの健康管理、入浴、昼食、レクリエーション、機能訓練や体操が行われます。

他の高齢者との交流もできるので、社交的な人は『憩いの場』として楽しめるのがメリットあり、家庭でお風呂に入れない方はデイサービスで入浴できるのもメリットでしょう。

一方で、人と接することが苦手な人は、デイサービスに行くことを苦手と感じる人もいるようです。

ショートステイ

ショートステイは特養などに併設されおり、居室にベッドが一人一台付いていて、3泊4日や、7泊8日などの短期間で宿泊を伴うサービスを提供するサービスです。

サービスの内容は特養とほぼ同じで、食事・入浴・排泄・レクリエーション・機能訓練・おやつの提供などが行われます。

もちろん、個々の要介護度に合わせて支援をしてくれますので、何も支援を受けないままそのままにされていることなどはありません。

また、ショートステイを長期間連続で利用する『ロングショート』という利用方法もあり、特養などの施設への入居待ちの時期に自宅で見れない場合や、長期間家を不在にするときなどは頼れるサービスと言えます。

ショートステイとは?気になる費用や利用できる期間まで徹底解説

ロングショートステイとは?ショートステイ長期利用の費用や期間

在宅介護をする上で活用したいそのほかの介護保険サービス

家庭で介護をする際には、デイサービスや訪問介護などの直接的な支援を受けるだけではなく、一番基礎となる『介護しやすい環境』を作ることが大切です。

環境が整わなければ、どんなに優秀な専門家が支援したとしてと、最大限力を発揮できませんし、介護を受ける本人も辛いと感じることもあるでしょう。

そんな時は、住宅改修(介護リフォーム)を介護保険サービスとして利用することができます。

他にも介護タクシーや福祉用具貸与(レンタル)もありますので、以下、詳しくご説明していきます。

介護タクシー

その名の通り、介護を必要とした方の移動手段として用いられるのが、介護タクシーです。

車両には車いすのまま乗り込める器具や、ストレッチャーのまま乗り込むことができる車両などがあります。

老老介護や独居高齢者などは、普段の通院や買物がとても大変ですが、介護タクシーを利用すれば、車椅子のままタクシーに乗車することができ、乗降後の移動のお手伝いもしてくれることもあります。

ただ介護タクシーを利用するためにはいくつかの条件があり、介護保険で利用できるタクシーと利用できなものに別れています。

下の記事で利用方法や費用について詳しく解説しているでぜひ一緒にご確認ください。

介護タクシーの料金や利用条件は?福祉タクシーとの違いも解説

福祉用具レンタル

介護保険を利用することで、車いすや介護ベッドなどの高価な用具も自己負担をおさえてレンタルすることができます。

食事をスムーズにする箸やフォークなど、簡単な福祉用具(自助具)は、自己負担により購入する必要がありますが、簡易スロープや車椅子、ベッドなどは、介護保険の対象としてレンタルをすることができるのです。

レンタルできるものは要介護度によって決められており、介護ベッドなどは介護度が重い要介護2以上からと決められるなど、条件が定められているものも多くあります。

具体的に要介護度別に福祉用具の貸与をしているものは下記の通りになります。

要介護2~5の場合

  • 車いす
  • 車いす付属品
  • 特殊寝台(介護用ベッド)
  • 特殊寝台付属品
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト

 

要支援1,2、要介護1~5

  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ
  • 自動排泄処理装置

レンタルに必要な料金は、月額での支払になっており、他の介護サービスと同様に介護保険の対象となり、利用者(家族)は費用の1割~3割の自己負担で用具をレンタルすることができます。

例えば、月額レンタル料4,000円の車いすをレンタルすると、1割負担の場合の費用は1ヶ月400円で、2割負担の利用者は800円。3割負担なら1,200円の自己負担で借りることができます。

レンタルの最大のメリットは、メンテナンスを自分でする必要がなく、全て業者が実施してくれることにあり、利用する人の身体状況の変化に合わせて、レンタルした福祉用具も交換してくれるので利用者の状況に合わせて最適な用具を使用することも魅力の一つです。

介護リフォーム

手すりやスロープを設置したり、トイレや浴槽の扉を交換して、そこで生活する人が弊害なく過ごせるようにする介護リフォームも、介護保険サービスとして自己負担を減らして利用することが可能です。

ただし、介護を受ける方が普段過ごす生活スペースだけが対象になりますので、介護をする家族の生活スペースは介護保険の対象にはなりませんので、注意が必要です。

必要な費用は要介護状態の区分に関わらず、費用の9割、所得によって7〜8割が支給される仕組みで、支給額の上限は20万円までと決められています。

例えば、介護リフォームが15万円だったとすると、依頼者は、費用の全額を施行業者へ一度払い、保険者(自治体)へ申請し、保険給付分の9割にあたる13万5千円が後から支払われることになります。

介護保険サービスを利用するまでに必要な流れ

家庭で介護の必要性を感じても、すぐに介護保険サービスを受けられるわけではありません。

自分で保険者(自治体)に直接申請をしても構いませんが、まずは地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に相談すると、代理で申請をしてくれます。

申請後は、家庭まで調査員が来て心身を確認し、同時に主治医意見書を参考にしながら、約1ケ月程で認定の結果がでます。

認定の結果がでたら、担当のケアマネジャーがケアプランの作成のお手伝いをしてくれて、それに基づいてサービスが開始されます。

在宅介護を受けるにはまず要介護認定を

在宅介護はまず要介護認定を受け、介護保険サービスを利用することから始まります。

要介護認定は、本人や家族が自治体に申請することができますが、上記でご説明した通り、地域包括支援センターなどに代理申請してもらう方がお金も時間もかからず、負担を軽減できるのでおすすめです。

要介護認定を申請した結果、『要支援』か『要支援』と認定されたら、介護保険サービスを受けることができます。

実際には、介護保険サービスの対象外とされる『非該当(自立)』となることもあり、この場合には利用することはできません。

『要支援』や『要介護』の認定基準や、認定が出るまでの流れは下の記事で詳しく解説しています。

要介護認定とは?認定基準や認定の流れをわかりやすく解説【2019年度版】

申請するタイミングなどについては下の記事で詳しくご覧になれます。

介護保険の申請方法 | 申請できる年齢や申請のタイミング、流れをわかりやすく解説します

ケアプランの作成・業者選定

在宅介護をスムーズに行うために、ケアプランという介護計画が必要となります。

一般的にケアプランはケアマネジャーが対象となるご本人の心身状態を把握して、本人や家族の意向も反映しながら最善のプランを提案してくれ、作成していきます。

要支援のケアプランなら『地域包括支援センター』に、要介護のケアプランなら『居宅介護支援事業所』にお手伝いをしてもらうことになります。

地域包括支援センターには複数のケアマネジャーが在席しており、ご自分で選べる場合もあります。

居宅介護支援事業所は地域に一ヶ所でなく、複数ある場合がありますので、相性の良いところを選ぶようにしましょう。

ケアプランについては下の記事で詳しく解説しています。

ケアプランとは?作成方法から実際の例までケアマネジャーが解説!

 

介護保険の要となる、ケアマネジャーの選び方については、こちらの記事からご覧になれます。

ケアマネジャーの選び方を介護の専門家が紹介!担当を変えたい場合の対処法も

在宅介護のメリット・デメリット

在宅介護は、老老介護や認認介護、介護離職、虐待問題などのマイナスなイメージもあり、国をあげて改善に取り組んでいるところでもあります。

在宅介護はメリットもデメリットもありますが、ケアマネジャーを中心に上手く機能すれば、利用者にとっても家族にとっても、「家庭で介護をして良かった」と思えるものになるでしょう。

在宅介護のメリット

高齢になっても住み慣れた街でいつまでも…

多くの人はこのように願っているのではないでしょうか?

家族から離れて過ごす施設介護にもメリットはありますが、地域のなかで継続して過ごす在宅介護には、メリットがたくさんありますので在宅介護の3つのメリットをご紹介します。

介護にかかる費用をおさえることができる

要介護5であることを想定した場合、施設介護だと10万円以上はかかるのが一般的です。

在宅介護なら、家族の介護力を充分に活用すれば、その⅓の費用に抑えることだってできるのです。

子供夫婦、孫の介護を受けながら、介護保険サービスを活用するようにすれば、努力した分だけ安価にできるのがメリットだと言えるでしょう。

慣れした親しんだ環境で生活をし続けられる

在宅介護は、一般的に本人の自宅で行われます。

そのため、それまで生活していきた環境を変えることをしなくても、生活が続けられるのです。

高齢になると、環境の変化は精神的にマイナスに作用してしまい、認知症を発症・進行させてしまったり、鬱状態になったりすることもあります。

介護施設に移った途端、精神的に不安定になるのは、環境の変化に追いつかないことにあるのです。

在宅介護はこのような心配をする必要がありませんで、近所の人々のお付き合い、近くの行きつけのスーパー、そして家族といつまでも生活できるメリットがあります。

家族と一緒に過ごすことができる

施設介護は家族と離れて過ごすことを意味しますが、在宅介護は継続して家族と一緒に過ごすことができるのです。

「家族と一緒にすごす?それがそんなに大きなこと?」と思われるかもしれませんが、高齢になると、喪失感や孤独感が現れるため、それまで生活してきた家族と生活を送ることができるということはとても大きなことなのです。

小さな孫やひ孫がいる場合には、その成長を実感できますし、働き盛りの息子や娘がいる場合には、仕事の帰りを待ち遠しく思うでしょう。

家族と一緒に生活を続けるということで、精神面が安定するメリットがあるのです。

在宅介護のデメリット

在宅介護はプロでも難しいと感じるほど大変なことです。

それは、心身ともに強いストレスを感じ、介護する側の生活までもが大きく変化するからです。

以下、在宅介護のデメリットを詳しく解説致します。

ストレスを感じる原因となる

多かれ少なかれ、在宅介護をする上で家族はストレスを感じやすくなります。

日々の介護に対する心身面での疲労に加えて、いつまで続くか分からないストレスも感じることになるでしょう。

更に、同居家族以外からのプレッシャーを感じることもあります。

例えば、次男夫婦が同居して介護をしてきたら、別居の長男からの重圧もあります。

特にこのケースだと、次男の妻がプレッシャーを感じやすくなることが多いでしょう。

介護される側の心身のフォローと同時に、介護する側の心身のフォローも重視しなけばならないのがデメリットです。

家族全員の協力が必要

要介護状態にもよりますが、家庭で介護をすることによって、家族全体に影響が現れます。

例えば、デイサービスに行く日には朝早く起きて準備をしなくてはならなかったり、ショートステイ利用中に何かあれば夜中でも連絡が入る可能性があり、それに備えなければなりません。

更に、訪問介護が入る時間帯には、必ず家族が自宅に居るような一日の流れにすることも考えられ、自由に行動することに制限が出ることもあることがデメリットです。

要介護が高くなるほど負担が大きくなる

重度とされている、要介護4や5の場合だと、医療と介護の専門的知識や技術が必要となるケースが多く、家族が不安になることもあります。

例えば「導尿が上手くできなかった…」「オムツを触って汚してしまう」「夜間、ポータブルトイレ利用中に転倒してしまった…」などが予想されます。

多くの場合は、介護保険サービスを利用することになるので、24時間家族だけが介護することはあまり考えられません。

それでも、夜間や緊急時など、介護保険サービス提供スタッフが不在の場合には、家族での対応が求められることもあります。

在宅介護にかかる費用

在宅介護を進めていくにあたって、費用がどのくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

実際に必要になる費用の内訳は主に下記の四点になります。

  • 介護保険サービス料
  • 食費
  • 医療費
  • 雑費

介護保険サービス料とは、介護保険サービスを利用する中の自己負担する部分のことを指し、1~3割を支払ってサービスを受けることになります。

食費は三食必要となり、配食サービスなどで弁当を注文することも可能で、要介護5などの方で、嚥下が難しくなったり、栄養が十分でない方にはドラッグストアなので購入する、介護用の食事もあります。

医療費は、後期高齢者なら1割負担で医療を受けられますが、重度身体障害者手帳を保有していれば、自己負担の必要がなくなり無料となります。

雑費は、石鹸、オムツ、歯ブラシ、入れ歯安定剤などです。

在宅介護にかかる費用については下記の記事で詳細に説明しているのでご確認ください。

在宅介護にかかる費用を要介護度別に徹底解説!

在宅介護に限界を感じたら

「いままでずっと在宅で介護をしてきたけれど、これ以上家で見ていくのは難しいかもしれない…」

長く介護を続けていたり、要介護度が進行してくるとそう思う瞬間もあるのではないでしょうか。

限界を感じる原因として、介護者の身体面・精神面での苦労があると思います。

先述した通り、在宅介護には複数のメリットがありますが、身体面・精神面での負担は大きくなるでしょう。

このような負担に対して、「もう限界だ・・・」と感じたら、さまざまな方法を状況を改善させる方法があります。

例えば、レスパイトケアと呼ばれる一度介護から離れて介護をする人自身がリフレッシュするような方法や、専門の相談機関でアドバイスを受けるなど様々な方法があります。

下の記事でそれぞれ、対処法をまとめているのでぜひ読んでみてお役だて下さい。

レスパイトケアとは?在宅介護を支えるサービスをご紹介【介護に休息を】

介護で夜中に起こされて眠れない!原因と対策について専門家が解説

「介護疲れ」の原因と症状をチェック!8つの対策方法とおすすめの癒し方【専門家監修】

また、施設介護を検討されている方は在宅と施設のメリット・デメリットをまとめている下記の記事もチェックしてみてください。

在宅介護に限界を感じる…施設介護に移すタイミングはいつ?メリット・デメリットを徹底比較!

 

まとめ

在宅介護は介護を検討したときに最初にイメージする姿だと思います。

住み慣れた街で継続して生活するために、介護保険サービスを始めとして、ケアマネジャーや民生委員も関わってくれたりします。

もちろん、何か困ったことがあれば行政への相談もできます。

今回の記事で少しでも在宅介護のことを理解して頂ければ幸いです!

監修者:陽田 裕也

監修者:陽田 裕也監修者:陽田 裕也

資格:社会福祉士 生活相談員 介護福祉士 介護支援専門員
2001年介護福祉士の養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得、翌年には社会福祉主事任用資格も取得した。 2002年から特別養護老人ホームで介護職員として勤務しており、その後、同一施設内で生活相談員や施設ケアマネジャーなどを経験しながら社会福祉士の国家試験に合格した。 現在は副施設長を兼任し生活相談員として相談援助に携わっている。 今後は権利擁護への知見を広げるため、成年後見人養成研修にも参加予定である。

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